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弟子入り準備 1月30日

 

普段はご注文を受けた額縁を作りますが

「自分のために」作る額縁もあって、

新しく準備をはじめました。

 

ヴェネツィアで18世紀に作られた額縁をサンプルに

似たような形の木地で制作予定です。

▲女性的な花模様、C字のモチーフがロココ

 中央の平らな部分”specchio”がヴェネツィアらしいデザイン。

 


▲外側にもう一周彫刻がありますが後ほど足す予定です。

 ・・・下描きに描き落とし発見・・・。

 

まだバルディーニ美術館額縁の作業が残っていますが

(これからボローニャ石膏を塗らなければ)

また新しい額縁を準備し始めたのは

2018年秋に会った彫刻師グスターヴォさんに

短期弟子入りさせていただけるからなのです。

この木地と彫刻刀を担いで遠路フィレンツェへ

行ってまいります。

修行の成果など、またご報告させてください。

 

 

2回分の幸運 1月27日

 

先日1月9日に所用があり車を運転していましたら

鳥のフンがフロントガラスに・・・!

わたしが「ぎゃー!」などと叫んでおりますと

助手席にいたTokyo Conservasion 修復スタジオの

室長が「”運がつく”って本当だよ。俺も顔に

鳩のフンが落ちてきたことがあったけど

その年は記念すべき良い1年になったからね!」と

慰めてくださったのでした。

 

じつはわたし、今年の初詣で並んでいたときに

頭の上に鳥のフンが落ちてきたのです。

お正月早々なんたること・・・と

顔に縦線が入っていた(ちびまるこ風)のですが

室長のおはなしが本当なら、わたしの2020年は

それはそれはもう素晴らしい1年になるに違いない。

 

▲鳥・・・鶏のから揚げ。田町の老舗にて。

 大きなから揚げをハサミで豪快に切って食べる美味。

 

なにせ9日間で2回もウンに当たるなんて

(それも市街で。森の中ではないのです。)

そうそうあることではありませんでしょう?

 

▲鳥・・・これも鶏。我が家のクリスマスのご馳走。

 こんな写真を撮っているから鳥(鶏)に恨まれた可能性も。

 

室長の言葉を信じて。

2020きっと素晴らしい1年になるでしょう!

いや、素晴らしい1年になるよういたしますよ!

汚れたガラスは、後日父が拭き掃除してくれました・・・。

運は父にいったかもしれません!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年1月№2 1月23日

 

HAさんの小さいけれど手の込んだ

かわいらしい額縁が完成しましたよ。

木地を彫刻、角にボローニャ石膏

赤色ボーロに純金箔装飾、刻印で模様入れ。

木地はステインで茶色く染めて古色付けです。

 

模様も彫刻も控えめながらも

とても丁寧に仕上げてあります。

お父様のお写真を入れるために作られた

愛情のこもった額縁です。

わたしも心がじーんと温かくなりました。

HAさん、ありがとうございました。

 

 

この子は誰? 1月20日

 

1月9日のおはなし。

わたしのペット?のヒヤシンス一家の球根は

今年も無事に芽を出しました。

白いホワイトパール3つ、ピンク3つ、

そして 青いデルフトブルー4つ、合わせて10球を

ランダムに植えたのは昨年秋です。

▲小石やら落葉があって分かりづらいですが

 右上に2つ、左上に1つ、3つの芽が出ました。

 

さてこの3つの芽は、一体どの球根か。

この子は誰だ?

▲葉の色から推察するにピンクかな?

 可愛くてたまらない。親ばか炸裂です。

 

予想ではピンクが一番乗り、なのです。

とにもかくにも10球全て元気に

芽を出してくれることを期待しつつ!

今年もヒヤシンス観察開始です。

 

今週からdiarioは週2回、月曜木曜の更新にします。

引き続きどうぞお付き合いください。

 

 

歌会始 2020「望」 1月17日

 

1月16日は毎年1月半ばのお楽しみ「歌会始」でした。

2020年のお題は「望」、令和初めてのお題に

とても相応しい明るいお題でした。

 

それぞれの歌を読み上げる人たち7名の方々の

お顔を拝見するのも実は楽しみのひとつなのですが

(皆さんの年相応の変化に自分も同様に感じられたりして・・・)

今年から新たな若者メンバーが加わり心機一転、

20代青年の声も若々しく伸び伸びとさわやかでした。

7名に年齢に幅があるほうがやはり良いのですね。

こうしてまた、新しい時代になったことを感じます。

 

選歌にいくつか「ああ、そうだなぁ、良いなぁ」と

感じる歌があり、しみじみ。

目の前にその人が見た風景が広がるようでした。

 

上皇后となられた美智子様の御歌が無いのは・・・

歌会始の楽しみが半減した感じです。

仕方がないことではあるのですけれど。

これもまた、新しい時代ということでしょう。

 

来年のお題は「実」だとか。

令和3年の歌会始、穏やかに迎えられますよう。

 

 

鎌倉彫の力強さ 1月15日

 

先日お話した鎌倉の八幡様詣でのさいに

鳥居横の茶寮「風の杜」に寄りました。

天井が高くて広々して静かで、とても居心地よい場所。

 

壁には鎌倉彫の鏡入り額縁がありました。

▲お店の許可をいただいて写真を撮りました。

 

写真が悪くて見づらいのですが、

ぐり模様(下部の渦巻き)はかなり深く彫ってあります。

わたしのイメージしていた鎌倉彫よりも

現代的でスッキリしていて力強い。

▲額縁の外側寸法はだいたい500×500mmくらいだった印象。

 

▲英語のパネルも。制作は博古堂さんという工房のようです。

 

どんな方が彫ったのかな。若い方か、男性か女性か。

作品からいろいろ想像するのも面白いのです。

外国からのお客様も多い八幡様のカフェなので

いろいろの方の目に留まると良いな、と思います。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年1月№2 1月13日

 

とても精力的に制作して下さるAさん、

はやくも3点目の額縁です。

 

木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに

純銀箔、テンペラでグラッフィート。

端先の垂直面には赤色ボーロを残しています。

角度によってちらりと見える赤が印象的です。

この模様は、まず純銀箔を貼り磨き、

その上に黒色のテンペラ絵具で塗りつぶし

模様を掻き落として下の銀を出すという

手の込んだグラッフィート技法で表現しています。

銀箔を丁寧に仕上げておかないと、上に塗る

テンペラ絵具もきれいに落とせません。

側面にも模様を入れるのはまさにAさんオリジナル。

わたしには「目からうろこ」でした。

人それぞれいろいろな表現があるのです。

 

Aさん、新しい提案をありがとうございました!

 

 

1500年前と同じものを使う 1月10日

 

少し前のお話ですが、埼玉県行田市にある

「さきたま史跡の博物館」へ行きました。

 

ここは5世紀から7世紀の大型古墳群で有名だそうですが

国宝展示室にてちょうど企画展開催中でした。

「金錯銘鉄剣」とその精密な復元品の展示です。


 

オリジナルは錆びているけれど、その迫力たるや!

オーラがただものではなく発せられているような。

権力者の威厳の象徴。

純金で象嵌された文字は今も輝きを失っていません。

復元品は大きさ材質、作り方から研ぎ方まですべて

5世紀ころに作られたままの姿で復元されたとか。

ガラスケースに入っていますがすごい迫力。

目の前に突き付けられたら背筋が凍りそう。

▲右下の剣が復元品。ひどい写真ですみません。

 象嵌の様子、刃の輝きが間近で見られました。

 

鉄剣も驚きの品でしたが、わたしにはこちらも衝撃。

奥には鉄剣とおなじ稲荷山古墳から出土した

道具類も展示されています。いずれも国宝です。

 

・・・なんだか見慣れた道具がただ古びている、

という感じです。

▲左から砥石、ヤリガンナ、チョウシ、カナハシ、大小のチョウナ

 いずれも現在でも伝統建築で使われている道具そのままの姿。

 

5世紀にはすでに今のわたしが額縁制作でも使うような

ペンチのような、ニッパーのような道具も。


▲サビをとって直せばいまにも使えそう?

 

そうか、1500年前の職人も同じような道具を

日々使っていたのか

この道具はすでに1500年前に完成された形なのか

感慨深い気持ちになりました。

 

1500年の時間は人間の進歩に長いのか短いのか?

 

さきたま史跡の博物館 金錯銘鉄剣復元品特別公開

稲荷山古墳出土鉄剣とは

埼玉古墳群とは

 

 

これで本当にわたしのもの。 1月08日

 

昨年末に買ってしまったkindle、

手に入れたのが嬉しくて

目印のようなものを付けたくなりました。

▲ケースは白。麻のような色です。

 

Kindleにどうにかしてタッセルを付けたい。

使わないと溜まったタッセルもかわいそうですし。

でもストラップホールなどありませんし。

日曜の夕方に工作することにいたしました。

 

秘蔵?のリボンを取り出しまして。

わたしの大好きなDEMELのリボン

Kindleケースの背の幅にぴったりです。

裏に両面テープを貼りました。


内側から貼りはじめ、一番下でタッセルを通して


また内側で貼り付ければ完成です。

これでこのKindleは「わたしのもの」になりました。

 

タブレットにもつけているのです。

使い勝手の良し悪し、耐久性などは

二の次にしております・・・ハハハ。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年1月№1 1月06日

 

本日2020年の仕事はじめ。

身体に気を付けて頑張りましょう。

 

なんと昨年2019年8月以来になってしまった

古典技法教室Atelier LAPIS の様子ですが

生徒さんの完成品記録をまたご紹介いたします。

 

NAさんの全面金箔額縁は、ご自作の箔盤初使い。

7月のこの日は箔の繕い最終仕上げの日でした。

▲奥に見えているのがピンクの美しい手製箔盤。

 使い勝手もばっちりでした。

 

今回は古色を強めにしたいとのご希望で

傷や凹み、磨り出しもしっかりして

ワックスとパウダーで仕上げました。

▲木地にボローニャ石膏、盛り上げ装飾に

 赤色ボーロ、純金箔メノウ磨き。

 ワックスによる古色。

 

デザインは15世紀イタリア・トスカーナ州で

作られた額縁の模様を参考にしています。

NAさん、全面金箔作業お疲れ様でございました。

順調に上達していらっしゃいます!

小箱完成も楽しみにしております。

 

 

抱負達成が抱負である・・・。 1月03日

 

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

皆様はどこでどのようなお正月をお迎えですか。

わたしは相も変わらず我が家で家族と一緒に

おせちを囲み日本酒をいただき

なかなか幸せな元日でございます。

 

今年のお節料理、30日31日で突貫工事状態で

作りましたので内心不安だったのですが

(味見はしましたけれど、冷えると変わりますでしょ)

まぁなんとか許容範囲で一安心でした。

▲料理は額縁同様、無心になれる物づくり。

 

ブログを長く続けて良いことのひとつに

昔の記録が見られることがあります。

毎年のお正月、なにを書いていたことやらと見たら

抱負やらスローガンを掲げておりましたが

それを追求できたかと問われますと、なんとも。

 

という訳でして、われながら凝りませんけれど

本年2020の抱負は毎年のことながら

「フットワークを軽く心と頭を柔軟に」そして

「その抱負達成に近づく」でございます。

ハハハ、がんばります・・・。

 

 

あけましておめでとうございます 1月01日

 

 

旧年中はありがとうございました。

新春を迎え皆様のご多幸をお祈り申し上げますと共に

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

令和2年 元旦 KANESEI