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額縁の東西 10月31日

 

日本画といえば表装されるのが伝統的な形ですが

現代の日本画は油絵同様に額縁に納めて

鑑賞・保存がされる場合もとても多くなりました。

作品の内容や雰囲気によっては油絵と同じような

「洋風」な額縁との相性が良いこともありますが

主に日本画のために発展した額縁というジャンルもあります。

これは「日本独自の額縁」と言えるのではないでしょうか。

 

水曜日から大丸デパート東京店で開催されている「初音会」

という日本画の展覧会を30日金曜日に観に行きました。

まだ若くこれからの活躍が期待される作家22人の

個性ある作品がずらりと並んでおり見応えがあります。

この展覧会でもすべての作品が額縁に納まっていました。

日本画のための額縁は 一般的にシャープなライン

装飾や色使いは極力抑えてある というような印象です。

今日は改めて日本画と額縁の「在り方」をじっくり

鑑賞し考える機会を持つことが出来ました。

木目の美しい杉材を生かした額縁は一見装飾も少なく

とても控えめですが 緩やかに内側に入るカーブ

ほんの数ミリ間隔で入れられている段など繊細なデザイン

その技術と計算されつくした美しさと存在に

「日本的な要素」とでも言いましょうか

西洋美術の感覚とはまた違った美的感覚の表現を

しっかり感じられたような気がします。

 

「美しい絵」を見た充足感と それにプラスして

額縁の新しい感覚と視野が広がったような

とても有意義な時間を持つことができました。

今回得た感覚を忘れないようにしなければ。

hatunekai

* 第25回 「初音会」 展

  大丸東京店 10階 美術画廊

  10月28日~11月3日まで開催

チェンニーノ・チェンニーニ「絵画術の書」 10月30日

 

この本は古典技法を勉強した方々にとっては有名すぎる本で

「いまさら・・・」と思われるかもしれませんが

とても面白い本なので こちらでもご紹介いたします。

 

タイトルがまるで秘密の魔法をこっそり教えるような雰囲気ですが

1300年代後半にイタリアで活動していた画家が

弟子に技法を伝える形で書き残した書物です。

おそらく絵画技法を具体的に綴った最も古い本の一つかと思います。

cennini

なにせ当時は今のようにお店で道具や材料を調達できませんから

技法はもちろんのこと 筆や顔料の作り方から載っています。

特徴的なのが その文章でしょうか。

傍にいる弟子に口伝するように 例えば壁画技法の冒頭では

「大いなる三位一体の名において お前に彩色を手がけさせるとしよう。

それについてお前が習得してゆかねばならぬ方法を教えることにする。」

といった調子なのです。

厳しいけれど手とリ足とリ丁寧に根気良く教えてくれる

生真面目な先生の姿が目に浮かぶようです。

「コップにきれいな水を8分目入れたまえ」

「指2本分の巾で」など 分量や長さは曖昧ですが

ルネッサンス夜明け前の時代 どんな道具を使っていたか

どのように材料を調達していたか 

それらの創意工夫を目の当たりに出来て

当時の画家(職人)のバイタリティに感嘆する思いです。

古典技法に限らず現代に絵を描く方が読まれても

とても興味深い内容だと思います。

ぜひご一読ください。

データ : 「絵画術の書」

       著者 チェンニーノ・チェンニーニ

       辻 茂 編訳  石原靖男 望月一史 訳

       (株)岩波書店

       1991年2月25日 第1版発行

童心に帰る時 10月29日

 

森を散策していると 上を見ては木漏れ日や鳥を追いかけて

下を見ては 落ち葉の色に驚いたり枝につまづいたりと

幼い頃に近所の公園で遊んでいた気分を思い出します。

bosco

今回の散策でもその頃のように どんぐり拾いを楽しみました。

とはいえ無闇矢鱈と拾っていた子どもの頃とはちがい

美しいどんぐりだけを厳選するのです・・・。

 

イメージするどんぐりは傘(帽子のような部分)が付いているのですが

傘が残っているどんぐりは少なくて なかなか見つかりません。

収穫はわずかですがイメージ通りのものが見つかって満足満足。

「秋のたのしみ」です。

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花水木 10月28日

 

わたしがイタリアから帰国してまだ1~2年 KANESEIとして

額縁を作り始めたばかりの頃に 新進の写真作家さんから

モノクロ写真用の額縁をご注文いただきました。

納める写真は 室内にあるシンプルなテーブルの角に

ガラス瓶に活けられたハナミズキが置かれている風景作品でした。

この作品を見たとき 構図のバランスの絶妙な具合に魅入りました。

あまりに繊細で今にも高い音を立てて壊れてしまいそうな

でも時間はピタリと止まっている・・・というような際どい雰囲気。 

そして不思議な暖かみもわずかに感じられる印象です。

額装が完成して納品してもずっと心に残っていました。

 

数年後のある日 郵便でこの「ハナミズキ」の写真が

作家さんから贈られて来た時は驚き喜びました。

添えられていたお手紙には 言葉少なく

わたしに持っていて欲しいと思うので送る とのこと。

写真は大切にマットに挟まれていたので

さっそく額縁を作りました。

シンプル過ぎず凝らず 緊張感のある額縁を・・・と

細めの枠に銀箔をほどこし 腐食させました。

いまこの「ハナミズキ」の写真は 私の作業部屋に

大切に飾っています。

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フィレンツェ職人通り 10月27日

 

今日ご紹介する本は いつものように古書店で見つけ

すかさず手に入れたものです。

「また西洋職人の古本話?」と思われるでしょうか(笑)。

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フィレンツェの街の中心には東から西へ向けて

アルノ川が流れていますが 川を挟んだ南側には

中世から今も変わらず職人が多く暮らしています。

この「フィレンツェ職人通り」に登場する職人達も

南側に工房を構えている人たち。

美術製本やマーブル紙 皮細工 金細工やモザイクと言った

フィレンツェ特産のものから 額縁職人の姿もあります。

そして・・・パラパラと見ていたら なんと知った顔の写真が!

わたしが通っていたフィレンツェの修復学校の先生が

家具修復職人として載っているではありませんか。

出版された頃 わたしはこの学校に丁度通っていましたし

先生(フランチェスコと言います)にもお世話になっていました。

修復学校の木工修復科には日本人は私だけでしたし

フランチェスコ先生も一言話して下されば良かったのに・・・

と思いますが 恥かしがりやのフィレンツェ人らしくもあります。

出版から10年になりますが フランチェスコ先生はきっと

白髪が増えたもののお元気で 今日も学生に囲まれておられるでしょう。

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データ : 「フィレンツェ職人通り」

       著者 中嶋浩郎

       NTT出版

       1997年9月29日 第1版発行

オランダの静物画のように 10月26日

 

先日買った洋梨の姿が あまりにも堂々としていて

食べるのが申し訳ないような存在感なので

記念写真を撮りました。

17世紀オランダの静物画に登場するような姿です。

あちこちある傷も これもまた趣に感じられませんか。

食べてしまう前に もう一度モデルになってもらって

デッサンをしようか・・・と考え中です。

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合掌型煙突 10月25日

 

寒くなってきましたね。

 

中欧の町を歩いており ふと見上げたら

ちいさな煙突がずらり並んでいます。

高さはさまざまですが 煙突の屋根でしょうか

2枚の板状のものを合わせて乗せてありました。

まるで厚着したセーターの袖から 合掌した手が覗いている様に見えませんか?

camino

本の姉妹 10月24日

 

完成した「本の布」額縁を ご依頼主の元へ

数日前にお届けに上がりました。

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そのお宅では以前にご注文いただいて作った「HONDANA」が

元気に可愛がられており 久しぶりの再会です。

どちらも本をモチーフにした布の額装なので

姉(?)である「HONDANA」に近いイメージで

今回の妹分「本の布」額縁も作ることにしました。

 

姉妹である「HONDANA」と「本の布」額縁を

並べてみる機会をいただきましたので写真を撮りました。

同じチーク材でも色味が若干ちがいます。

まるで自分の分身がそこにいるような 鏡を見ているような

恥ずかしくて嬉しくて 不安で少しだけイラつくような

複雑な気分になりました。

ものづくりをすると誰もが持つ感情かもしれません。

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この「本の布」額縁の名前は 今日から「S&A」にしようと思います。

*本日「works」内「classical」にこの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

窓は分度器と曲尺 10月23日

 

KANESEIの額縁には裏側に ロゴのスタンプを押したシールに

わたしの名前と日付を入れて貼っています。

または 以前ご覧に入れた焼印を押します。

いずれにしても KANESEI製造の印を入れさせて頂いています。

 

このHPのトップにもある KANESEIのロゴの

デザインについてのお話を。

イタリアはじめヨーロッパでよく見られる窓の形をしており

KANE と 晴 の字が入ってKANESEIになっています。

窓上部のアーチ部分は分度器 窓枠は曲尺のモチーフ。

分度器と曲尺(指矩とも言います)はどちらも

角度を測り確認するための道具です。

「KANESEI 名前の由来」でもお話しましたけれど・・・

直角が正確な「きちんとした仕事をします」の意がこめられています。

 

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薔薇の香りに誘われて 10月22日

 

調布市にある神代植物公園へ行きました。

いまは秋の薔薇が花盛りです。

薔薇園のずいぶん手前から風に乗って

華やかな香りが届いてきて うっとりしました。

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秋晴れの空に映えて 花も咲き誇っています。

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花びらの数も大きさも色も・・・こんなに沢山の種類が

あるものかと驚きました。

薔薇の名前もそれぞれ見て行くと面白いのですね。

人名もあれば(王妃様やJ.F.ケネディなどなど)

「赤い悪魔」Red Devil という挑発的な名前も。

 

初々しいつぼみの陰には すでに咲ききっており

あとは朽ちて散るだけになった大輪の花もあります。

妖艶で退廃的な美しさでした。

パリの老いたシャンソン歌手のようなイメージ。

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本の布 10月21日

 

先日「HONDANA」という名前の額縁をご紹介しましたが

今日ご覧いただく額縁は その妹分とでも言いましょうか

また本がモチーフの布を額装するご依頼を頂きました。

ご依頼主は「HONDANA」と同じ方です。

 

チーク材を使い 四隅に石膏で型取りしたモチーフを

箔で装飾して取り付けました。

ライナー(内側の白い部分)には 今年春に生まれた

お子さんのイニシャルと2009の文字を入れています。

この文字装飾はご依頼主からのたった一つの注文。

あとは私KANESEIにお任せくださいました。

イニシャルや記念日を小さく入れるのも

特注ならではの楽しみ方ではないでしょうか。

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お土産にどうぞ 10月20日

 

旅行者にとってお土産選びは大切な仕事(?)であり

差し上げる人を思い浮かべては考えたり 楽しいですね。

ベルリンの大通りにあったお土産屋さんのウィンドウです。

クマはベルリンのシンボルになっており 大小見られます。

漫画のような吹き出しで「がおー。」と言っているような

無表情な熊ですが さまざまなペイントでお洒落しています。

手前のミラーボールの乗ったポールのようなものは

ベルリンのテレビ塔「ベルリンタワー」の模型です。

東京タワーも通天閣も エッフェル塔も

自慢のタワーがある街のお土産として定番ですね。

結局 わたしはどれも買わず終いでした・・・。

左の悪役プロレスラーのようなクマを一匹

連れて帰ればよかったと思っています。

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ガラスの教会 10月19日

 

ステンドグラス作家の友人 尾崎雅子さん 

彼女のホームグラウンドは岡山なので

なかなか会える機会もないのですが

今 新宿伊勢丹で彼女の展示会をしているとのことで

数年ぶりに再会を果たしました。

ガラスのペンダントやチョーカー 新作のワイヤーオブジェが並ぶ中 

わたしの心を惹きつけて放さないのが 小さな家たち。

どの家もドアを開けて訪問者を歓迎しているようです。

高さ10cm程度の細かな細工で出来た家々は

明かりが灯る仕掛けになっていたりと

凝った仕掛けで愛らしく ステンドグラスならではの美しさです。

春の夜桜見物に持って行ったり 犬の散歩のお供にしたりと

楽しまれるコレクターさんもいらっしゃるとか。

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そのなかから一つ 小さな教会を買いました。

この教会には灯りは無いけれど

ミルクホワイトのガラスの優しさと

鉛の骨組みの強さのコントラストも美しい

凛とした佇まいの教会です。

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展示会は明日10月20日まで。

もっと早くにご案内すればよかった・・・!

新宿伊勢丹に明日いらっしゃる方はぜひ

5階の bel ecrin (ベルエクラン)へお運び下さい。

格子窓の風景 旅路 10月18日

 

スペインの大都市から次ぎの目的地へ出発する朝

駅の構内から見えた格子窓です。

いえ これは窓と言うには大きすぎるでしょうか。

ヨーロッパではこうした鉄のアーチとガラスで出来た

駅の建物も良く保存されて今なお現役です。

 

遠く日本からの旅で このガラスと鉄で囲まれた

駅に佇み感じるのは

旅ならではの楽しく自由な気分と同時に

不安と心細さ 一期一会の喜びと悲しみ・・・。

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「works」の額縁 HONDANA 10月17日

 

この額縁は名前「HONDANA」のとおり

本棚をイメージして作りました。材はチークです。

以前 本の背表紙が並んだ図柄の布の額装をご依頼いただき

「本棚のような額縁に入れてください」とのことでした。

完成した額に入れた布は まるで本当に本棚に本が

並んでいるようで 騙し絵のようで面白い額縁でした。

その額縁を後日改めて自分用に作ってみました。

下部にある文字はラテン語の格言集から

Artibus ingenuis quaesita est gloria multis

”高貴なる芸術によりて多くの人々に栄光は獲得せられたり”

素晴らしい意味ですがこの文章は装飾として入れております・・・。

文字を装飾にするのが好きです。

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ピンクのエネルギーをチャージ 10月16日

 

ピンク色の服はカットソー一枚だけ 

あとはピンクのバッグも靴もお財布も持っていません。

けれどピンクはとても好きな色です。

 

今回ご注文いただいた額縁も「ピンクに」とのことでした。

四隅には貝殻模様 森の草木をモチーフにした線刻装飾

そして森にかこまれた水辺にいる人魚達の色にあわせて

青味のあるピンクとシルバーにしました。

KANESEIの好みだったらきっと作ることもなかったような

ラブリーな額縁も こうしてご注文いただいて

作るチャンスを得られました。

やはり「心と頭をオープンに」は大切です。

製作途中も徐々にわたしの気分がピンクの優しい気持ちになって

ほわんとした「ピンクエネルギー」(?)で満たされたようです。

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ものづくりを仕事にしました。 10月15日

 

2年前のちょうど今日が発売日

2007年10月15日に出版された本です。

田川ミユさんが書かれた「ものづくりを仕事にしました。」

という本にKANESEIも取り上げて頂いております。

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この本の副題「女性クリエイター15人ができるまで」のとおり

15人の女性作家の活動や経歴 考えなどを

カラー写真とともに美しい文章でまとめられています。

わたしKANESEIのページも見て頂きたいのですが

他14人の女性の活動内容など とても興味深い内容です。

なぜ「もの」を作ることを始めたのか?

どのようにして仕事に発展させたのか?

「もの」を作る上での心構えは? などなど

これから「ものづくり」をしたいと思っておられる方の

参考や励ましになれたら と思っています。

もちろん「ものづくり」に興味をお持ちの方々にも。

書店でお見かけの際は ぜひ手にとってご覧下さい。

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データ : 「ものづくりを仕事にしました。」

       著者 田川ミユ

       雷鳥社

       2007年10月15日 第1版発行

鏡の中の記念写真 10月14日

 

旅先で骨董市を見かけたら

もちろん大喜びで駆けつけます。

売られている物もその土地ならではで

眺めているだけで楽しいものです。

でも旅先の骨董市で 大きくて持って帰れないような

宝物に出会ったら 何はともあれ写真だけは撮ります。

この鏡入りの額縁もゴシックリバイバルのデザインで

とても素敵でした。

写真を撮る自分の姿が写ったのも旅の記念・・・

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色ちがいのfirdo 10月13日

 

こちらはコーナーサンプルです。

「works」の「classical」 frido という名の額縁と

同じデザインで金と銀 色ちがいで作ってみました。

わたしにとっては見慣れた銀の frido

金で作っても中々良さそうです。

同じデザインでも金と銀 色が変わると

雰囲気も違うものです。

艶がある銀 艶消しの金も可能ですし

金属箔を使わずに色を塗ると これまた雰囲気が

ガラリと変わるのが面白いところ。

色も艶もお好み次第・・・です。

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「works」の額縁 venezia 10月12日

 

worksページの額縁のお話です。

classical左から3番目の額縁の名前は「venezia」です。

イタリアの北東にある有名な街 ヴェネチアから取りました。

 

ヨーロッパで作られた額縁は時代ごとにスタイルがあります。

ゴシックスタイル ルネッサンス様式 バロック ロココ・・・

絵画の様式が変わるのと同様に

付随する額縁の様式もそれぞれ変化しています。

そして作られた場所によってもデザインに特色があります。

今日ご覧いただいている額縁のデザインは

1700年代半ばにヴェネト州(ヴェネチアが州都)で作られていた

額縁をイメージしてつくりました。

角にある「C」を組み合わせたような模様

中央部に模様がない部分が作ってあること などが特徴です。

 

時代はロココ華やかなりし頃… 

この額縁は「その名残り」です。

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シンプルに 情熱を持って 10月11日

 

「この絵に合わせて」との額縁製作のご注文をいただいたら

お客様がはっきりしたデザインイメージをお持ちの場合は

とにかくそのイメージを正面から深く受け止めて

後はバリバリ作るのみです。

また「額縁デザインはKANESEIさんにお任せします」

と託してくださることもあります。

そんな時は しばらくの間お預かりした絵を朝晩眺めては

ああでもない こうでもない・・・と

頭の中だけでデザイン(のイメージ)を組み立てて見ます。

これだ!というイメージが浮かぶのは

たいていお風呂の中が多いのが不思議です。

 

こうしてはっきりとしたイメージを掴めた時は

意気揚々と張り切って作り始めますが

いつも どの作品に対してもイメージを掴める訳ではありません。

張り切って作り始めても 徐々に離れていってしまうこともあります。

反対に 曖昧でも実際に作っていく段階でどんどん良くなることも。

安定して高い完成度(少なくとも私が納得できる完成度)を

保てるように努力しますが なんと難しいことか!

 

額縁とは・・・

額縁が付くことによって その作品がより良く鑑賞できるように

でも決して出しゃばらず 控えめに美しくあること。

傷や汚れ 事故から作品を守り保つこと。

この役目を果たせるような額縁を シンプルな気持ちで

そして情熱を持って作っていきたいと思っています。

natunosora

孤独の騎士 10月10日

 

イングランドの丘の上に立っていた銅像です。

詳しいことは既に忘れてしまいました。

むかしこの場所が戦場になったとき

勇敢に戦った騎士だったでしょうか。

それとも十字軍の英雄?

森と平原のつづく美しい場所にひとり

遠くを見つめて佇む姿はロマンチックであり

でもどこか…ドン・キホーテに通じるような物悲しさも感じました。

 

kisi

天使の食べもの 10月09日

 

先日 「天使の美術と物語」という本を読んでいたら

おもしろい記述がありました。

天使は霊的な存在なので性別も無く肉体も無い。

よって食事は必要ない・・・けれど 実は旧約聖書の詩篇に

天使の食べものが書かれているとか。

天から降り注ぐ奇跡の食べもの。

「外形は琥珀のように白く薄く 一晩置くと痛んでしまうので

毎朝採集したものを食べきれない分は

煮るか焼くかしてパン菓子のようなものにする。

それはこくのあるクリームのような味がしたという。」

焼くとクリーム味のパン菓子。

新鮮な生はどんな味?食べてみたいです。

 

下の写真のような身体の無い天使の群も見かけますが

やっぱり食べるのでしょうか・・・胃は無さそうですが。

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データ : 「天使の美術と物語」

      著者 利倉隆 

      美術出版社

      1999年12月25日 第1版発行

arte povera 10月08日

 

arte povera

イタリア語で直訳すると「貧しい芸術」です。

18世紀に用いられていた技法らしいのですが

額縁に装飾図案として絵を描く代わりに

紙などに描かれた物(印刷物?)を切り抜き 額縁に貼り付けて

ニスを厚めに塗って仕上げていたとか。

貧しい芸術 なんて聞こえは悪いですが

なかなか実用的な技法です。

今で言うデコパージュのようなものでしょうか。

 

先日 イギリス製の小鳥のシールを買いました。

おそらく切り抜いて糊を付けて貼るのでしょうけれど

こちらはあまり実用的では無さそうな・・・

使うのが勿体無いような鳥のシールです。

ふと「額縁に貼り付けてみたら?」と

(もちろん自分用の額縁。売り物には出来ません・・・。)

「arte povera」を思い出しました。

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さて どうする? 10月07日

 

その美しさとお値段(ひとつ100円…)で飛びついた

とんぼ玉が5つあります。

骨董市に並んではいましたが未使用のデッドストック。

そして古い物でもなさそうです。

キャンディーのような 風船ガムのような大きさで

色も様々とても可愛らしいとんぼ玉です。

さて…買ったけれど何に使いましょうか。

額縁に埋め込む? いえいえまさか。

しばらく掌で転がしてたのしんで 使い道を考えるとします。

 

なにか素敵なアイディア 教えていただけませんか?

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「works」の額縁 ireland 10月06日

 

この額縁の名前は「ireland」ですが

デザインがアイルランド風とか 材料がアイルランドのもの

などと言うことでは無いのです。

とても個人的な理由から付けた名前です。

アイルランドでの旅先のバスルームの壁紙模様を

元にして作った訳でして・・・。

額縁の名は そんな感じで付けております。

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大人も子供も 10月05日

 

10月最初の週末 ちかくの神社の秋祭りがありました。

お参りをして 屋台で楽しそうに遊ぶ子供たちを見ていると

遠くから軽快なお囃子と大太鼓の音が聞こえます。

カメラを持って追いかけてみました。

 

小さなお神輿を子供たちが一所懸命に担いでいます。

大人は大太鼓の山車を引いています。

後ろの方からは大神輿を担ぐ大人たちの

威勢の良い掛け声も聞こえてきます。

秋晴れの日差しの中で汗びっしょりになりながら

大人も子供も 年に一度の楽しいお祭り。

 来年もまた皆が元気にお祭りの日を迎えられることを祈ります。

 

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みどりいろいろ 10月04日

 

一口に「緑色」といってもイメージする色は十人十色です。

黄色が強い緑からほとんど青に近い緑。

小高い山からの風景で目に飛び込んでくる緑色は様々でした。

遠い山の連なりは濃い緑から青へのグラデーション

足元のすすきの草原は黄緑色

眼下の田んぼも様々な緑色です。

 

わたしが好きな緑色は・・・

深い森の緑です。

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いつか観た富士 10月03日

 

静岡県の大室山にのぼりました。

秋晴れの晴天で遠く富士山が見えました。

裾野はどこまでも広く 少しだけ雲がかかっていて

まるで空に浮いているようです。

北斎の絵のような 銭湯の壁画のような

いつか観たことのあるイメージ通りの

圧倒的な富士山の姿。

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秋に暖かさを 10月02日

 

だいぶ秋も深まって 東京は肌寒い秋雨です。

真夏に涼しげな銀の額縁をご紹介しましたが

今日は暖かみのあるシンプルな金の額縁をご覧いただこうと思います。

白い壁も暖色の額縁を飾るだけで暖かみを感じられます。

 

クラシカルでもモダンでも どちらの作品にも対応できて

既存の家具や壁の色にも違和感無く馴染むことができるように

(この条件を満たしてはいませんが できるだけ近づくように・・・)

装飾は内側に細かいラインを入れるだけに押さえました。

パステル画やデッサンを入れてみるのはいかがでしょうか。

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* 本日「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

「works」の額縁 PINK 10月01日

 

わたしが作る額縁には その時のわたし一人の

流行のようなものが反映されています。

先日ご覧いただいた「TEAK」と「frido」の角が丸いのも

いわば角が丸いマイブームの真っ最中に作った訳ですが・・・

(「マイブーム」は便利なので使っている言葉ですが既に死語だとか。)

今日ご紹介する「PINK」(「classical」)の模様も

「古代ギリシャ模様マイブーム」最中につくった額縁です。

黒やベンガラ色の艶のある模様が入ったテラコッタの壺が

出土していますが これらの壺のデザインの一部から借用しています。

こうして額縁の一部にピンク色で入れると

あまり「ギリシャ的」な感じはしませんね。

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穏やかな色使いの静物画を入れるイメージで作りました。