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Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年5月 5月20日

 

久しぶりになりましたが Atelier LAPISの

生徒さん作品をご紹介します。

2018年から少しずつすすめていた

花輪の額縁です。

 

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カマボコ型(半円)の木地は

思った以上にボリュームがあって

本の写真からだけでは側面がわからず悩む・・・

 

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ですが努力のかいのある

美しい額縁が完成しましたよ。

アトリエの他の生徒さん方からも称賛の声!

 

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入り組んだ部分の金箔作業は

大変だったことでしょう!

 

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すこしだけ磨り出しをして

金の美しさを保って完成としました。

しばらく眺めて完成の喜びを味わって下さい。

Oさん、エレガントな額縁を完成させてくださり

ありがとうございました。

 

Atelier LAPIS

 

 

秘密の小壺 5月17日

 

ちいさな銀の壺を買いました。

高さは50mmくらいでしょうか。

とても薄くて軽い、飛んでいきそうな小壺です。

お店の方は塩を入れたのではないかとのお話。

いつ、どこで作られたのかわかりません。

 

 

だけど、お塩にしては穴が小さいような?

胡椒にしても、やっぱり穴が小さいような。

形もすこしエキゾチックな感じです。

たとえばハーブや香料を入れて

香りを楽しむ小壺だったりして・・・

あるいは袖にこっそり忍ばせる秘薬とか。

そんなことばかり考えています。

 

 

母へ誕生日の贈り物にして喜ばれたけれど

本当は自分が欲しかっただけです。

ハハハ。

 

 

花彫刻№4 5月15日

 

イタリア留学から帰ってきたばかりのころ

まだ彫刻はあまりしていなくて

角にすこしだけ、で作った額縁が

花彫刻「fiore-1」です。

思い入れのあるデザインです。

 

花彫刻に新しいシリーズが加わりました。

fiore-4 でございます。

全面純金箔のつや消し仕上げです。

 

 

19世紀フランスで描かれた作品を額装します。

当時流行していたネオルネッサンス様式で見られる

刻み模様(歯模様)を入れました。

 

 

ボーロも今回は赤色ではなく茶色にしました。

ほんのすこしの磨り出しをして汚し加工は無し。

スッキリシャープな印象に仕上がったように思います。

いかがでしょうか。

 

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

古典技法でひとりにひとつ 5月13日

 

古典技法ではニカワ、石膏液

箔下のボーロなど、とにかく湯煎します。

キッチンやら作業部屋のコイル式電熱器を

使っておりましたが、

キッチンは汚したくないし、電熱器は時間がかかる。

なんだか上手くいかない・・・でしたが。

とうとう最終兵器を見つけました。

商品名は「おりょうりケトルちょい鍋」

 この間に発売された電気鍋です。

ずいぶん人気のようで、入荷するまで

しばらく待たされてしまいました。

 

直径18センチ、深さ7センチほどと

わたしの湯煎作業に最適な大きさで、

何が素晴らしいって40℃から100℃まで

好みの温度で保温できること。

ニカワを70度以下で保たねばならず

湯煎には気を使うのですが、

この鍋ならおまかせ放置が可能なのですもの。

密封できるフタが付いていますから

100℃にガーッと沸かして、シリコン粘土を

柔らかくしたりもできます。

仕事が終われば鍋だけ取り外し

まるっと水洗いもできちゃう。

すばらしく便利。

 

メーカーおすすめはチーズフォンデュや

お酒をお燗したり、もちろんひとり鍋など。

他にもいろいろ使いみちはありますよ。

古典技法でもひとりにひとつ、ちょい鍋。

あると便利です。

 

 

本当は奇数好き 5月10日

 

最近彫っていたのは fiore(花彫刻)

シンプルな花のモチーフです。

これはKANESEI始まりの頃から作っている

思い入れのあるデザインなのです。

 

 

昨年フィレンツェで買い足した新入り彫刻刀も活用し、

ほぼ№7のカーブ形シリーズで彫りました。

(1や9も使いましたけれども。)

いま持っている彫刻刀を見てみると、どうやら

わたしは№7,5,3のカーブが好きらしい。

№9, 11も持っている。でも№4,6は一本もない。

自分の手の動き、デザインの好みで

好きなカーブがあるのは分かります。

そして数字としてはなぜか6と8を好みますが、

彫刻刀に関しては奇数好き、と気づきました。

我ながら無意識の好み、面白いです。

 

今度は№5の彫刻刀を集めてみようかと思います。

 

 

レオナルドは言ったのか 5月08日

 

ことし2019年は我らがレオナルド・ダ・ヴィンチ

没後500年で、本国イタリアでは

たくさんの展覧会が開かれているようです。

5月2日の命日は大型連休中日

何とはなくレオナルドの画集を見ていました。

 

 

これは大切な友人から頂いた大切な本。

1949年にイギリスで出版されたものです。

いまの画集に比べれば鮮明さには欠けますが

パラフィン紙につつまれていて

紙の色や手ざわり、におい

小口は切り落とされていない手製本の様子が

「正しい本」の姿のように思います。

本好きが作って本好きの手を渡ってきた本

なのです、きっと。

 

▲ページの端が切りそろえて無い。それが良い!

 

レオナルドのデッサン

セリフを言わせたくなるような絵もあります。

感情の発露「わぁ!」「おおお・・・」など聞こえてきそう。

 

▲もの言いたげな人物たち。ルーブル美術館蔵 

 

でも彼の素描からは北斎漫画のような笑いの要素は

ほとんど感じません。

描くものに笑いを入れる必要はないけれど

作者の性格は少なからず表れるもの。

レオナルドは冗談を言ったりふざけたり

したのでしょうかね?

 

▲猫と龍の練習。観察眼は鋭く几帳面に描かれている。

でもまんが的要素は無く猫はあまりかわいくない。

イギリス・ウィンザー ロイヤルライブラリー所蔵

 

レオナルドのくり出すオヤジギャグに

サライがうんざりしていたり・・・

いやいやまさか、想像できません!

こちらの冗談には一緒に楽しく笑ってくれるけれど

自ら冗談やオヤジギャグを言うことはない。

素描を見て、そんな人だったように思います。

 

 

額縁の本 「Italian Renaissance Frames」 5月06日

 

ニューヨークにあるメトロポリタン美術館

所蔵の額縁を集めた英語の本です。

これも昨年フィレンツェの古書店で購入しましたが

鉛筆の書き込みやコーヒーのシミがあったりして

前の持ち主が読み込んだのだと思うと

愛着もわきます。

 


 

モノクロが多いけれど写真も沢山で

祭壇型額縁、サンソヴィーノ、トンド(丸型)

など特徴的な額縁が集められている印象です。

 

この本のとても面白いところは、使われている木材の

記述が断面図としてあるところでしょうか。

おおよそ8種類の材に分類されています。

クルミ、ポプラ、松、トウヒ、梨、モミ、黒檀

そして不明な木材または木材以外の物、だそうです。

この本によりますと、ルネッサンス時代の額縁は

ポプラや松で作られた木地には金箔仕上げ、

細かい彫刻をほどこすにはクルミが多いようです。

 

▲この祭壇型額縁にはトウヒとポプラが使われている。

 

2種類以上の材を組み合わせている額縁も多いのです。

他の本にも、使われているメインとなる材の記述は

もちろんあるのですが、この本のように図で説明してあるのは

ひと目で理解できて興味深いところです。

 

でも、なんだか見たことがある額縁が多いな

と思いきや、それもそのはずですね

Robert Lehman Collection との記載が。

メトロポリタン美術館が出版した本

「Frames in the Robert Lehman Collection」

に載っている額縁と重なっているのでした。

著者のひとりも同じ方です。

今回の本がまず出版されて、その後に改めて

「Frames in the Robert Lehman Collection」

がまとめられたようです。

 

▲右ページの額縁についているプッティの顔に見覚えあり。

 

同じ額縁の解説はどちらも似たような内容ですが

今回の「Italian Renaissance…」では

制作年代が17世紀とされていたものが

「Frames in…」では1620~1630年と

ほぼ特定されていたりと新しい情報もあります。

でもこちらには材の断面図説明はありません。

 

それぞれに特徴がありますので

情報の新しい「Frames in…」があるのなら

今回の「Italian Renaissance…」は要らない

と言い切れません。

どちらも良い。両方あると良い。

そんなところです。

 

「Italian Renaissance Frames」

The Metropolitan Museum of Art

Timothey J.Newbery

George Bisacca

Laurence B.Kanter

全111ページ 

1990年 第1刷発行

 

 

妄想叱咤激励 5月03日

 

ことしのゴールデンウィーク

法事で広島へ行くほかは、友人と会う程度で

家におります。

連休中はふだんの外出――Atelier LAPIS や

修復スタジオ、習い事――がお休みなので

家での作業に集中してせっせと進めました。

ことしのスローガン、スピードアップですから!

そうは言っても目標達成はなかなか大変。

根が怠け者で仕事が遅いですからね、

スピードアップしてようやく普通に近づく。

「自覚しているならさっさとしなさい!」

「わたしはこんなにがんばっていますよ」

とKANESEI福の神、モッコウバラの花に叱られ

(正確には叱られた気分。いつもの妄想。)

ハイ、がんばります・・・。

イタリアに行きたいなぁなんて呑気なことを考えるのは

目の前のご注文の山を終わらせてからにしなさいよ、と

自分につっこみながらの連休でございます。

モッコウバラはことしも見事な満開でした。

 

Firenze 2018 tempo calma №10 5月01日

 

フィレンツェの中心を流れるアルノ川左岸

グラツィエ橋のすぐ近くに

バルディーニ美術館があります。

ここもホーン美術館同様に

古美術商で成功したバルディーニさんの元邸宅で

コレクションを公開しています。

こちらは中世の石彫刻、タペストリー、

家具などのコレクションが豊富です。

 

聞いたところによると、最近では

50人程度を招待した結婚式も挙げられるとか。

さすがに披露宴は無理なようですけれど

美術館で結婚式、素敵ですね。

 

 

さて、そのバルディーニ美術館には

今回2回行くことができました。

その目的はずばり「額縁」でございます。

 

 

真っ青な美しい壁に金の額縁が

ギッシリと展示されている部屋は壮観!

そしてわたしのような人間には身悶えするほど

魅力的な部屋なのです。

 

写真をずらずら並べてみます。

 

本で観ていたような素晴らしい額縁が

ガラスも無く、他のお客さんも無く

--見張りの方もほぼいない--

たったひとりで近くで観る事ができるなんて。

額装された作品が無い「空っぽ」ですから

額縁そのものをより集中して観察できます。

 

 

ここは天国かしらん。

そんなバルディーニ美術館の一室でした。