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・・・とか言いつつ 4月28日

 

小箱ばっかり作っている

とかなんとか言って

 

 

額縁彫刻もやっぱり開始しました。

あっちばかり

こっちばかり

偏るのは宜しくないでしょう。

何事もバランス良く・・・

 

へへへ、飽き性の言い訳でした。

 

 

今年もこの季節に 4月25日

 

我が家のモッコウバラもいよいよ

本格的に咲いております。

 

場所によってはもう満開を過ぎている

モッコウバラも見かけますが

我が家の木はどうもノンビリのようです。

 

▲我が工房の福の神様モッコウバラ

 

作業部屋の窓を開けて制作していると

風に乗って花の香りがしてきます。

あれ、モッコウバラってこんなに

香りがあったかな??と思うほど。

黄色という強いイメージとは違う

優しくてほのかな、青みを感じる香りです。

 

▲おかげ様で今年も福をいただき忙しい毎日

 

花の香に包まれて作業をするとは

なんという幸せ。

小箱や額縁にこの香りが残れば良いのに

などと思っているうちに時間が過ぎていきます。

 

▲この後たくさんお水を上げました

 

鉢植えの小さかった木が、もう塀を超えました。

来年も元気に花を咲かせてください。

 

 

問題はある日突然解決するらしい 4月21日

 

小箱にせよ額縁にせよ模様を決めたら

まずトレーシングペーパーに写します。

そして改めてカーボン紙等で本体に写す

という作業をするのですが。

 

毎度毎度イライラしてキィィとなって

結局あきらめてハァァとため息をつくのが

トレペ(トレーシングペーパー)は

ボールペンで描けないこと!

その理由は知りませんが

ペン内部にインクは十分存在するのに

インクが出なくなるのです。むむー。

 

昨日もまた、何度も繰り返してきた

「ありったけのペンで試す」不毛をしつつ

ひとりでキーキーしておりましたが

なぜかそこにあった、そして

なぜか初めて試してみた

パイロットのVコーンペンの青が・・・!

なんと、するすると描けたのでした。

わーお・・・

 

▲小箱の石膏地に直接描いてバランスを見る。

そして線を決めたらトレペに写す・・・のですが!

 

インクの乾きが遅くて手に付いちゃう。

もうすこし細く描けるとさらに嬉しい。

調べればもっと早く分かっていたかも。

でもまぁ、とにもかくにも!

小さいけれど鋭い悩みが解決した午後でした。

 

今はひとまず 4月18日

 

昨年9月末に、わたしは友人から

「小箱作家」と評された(?)と

お話しましたけれど、最近は本当に

額縁よりも小箱を作る時間が圧倒的に

長くなっております。

その時々で活動内容が変わるのは

以前から同じですので、今のところ

小箱活動が多い、と言うだけではある

のですけれど。

やっぱり額縁から離れているのは

寂しいと言いますか不安もあったりして。

 

それはさておき。

ブツブツ言いつつも小箱は大好きなのです。

最近いくつか木地作りをした面取り小箱の

極小サイズがひとつ完成しました。

 

全面赤色ボーロに純金箔、刻印で模様入り

古色仕上げ。

「これぞ古典技法」でございます。

目指すはルネッサンス時代にイタリアで

作られたもの。・・・なんちゃって。

 

中はモスグリーン、1€コインを置くと

小ささが伝わりますでしょうか。

 

側面4面にも模様を入れました。

 

手のひらに乗せて愛でてください。

いかがでしょうか。

 

去年から言って止まっている目標に

「ネットショップを作る」があります。

夏までには!・・・おそらく。

 

小箱も額縁もテンペラ画模写も。

レディメイドもオーダーメイドも!

夢ばかり膨らんでおりますが

開店の暁にはぜひご覧ください。

 

 

今日は良い日 4月14日

 

今日、と言いつつ数日前のお話。

 

小箱の内側は艶消しラッカーで

保護しているのですが

せっかちな性格が災いしまして、

ラッカーが完全に乾く前に

蓋をかぶせてしまって

本体と蓋がくっついて開かない・・・!

そんな小箱が3つばかりありました。

それは冬に起きた「事件」でした。

 

押しても引いても開かない。

道具を使うと壊れちゃう。

熱するか冷やすか、そもそも

そんな方法では解決しないのか。

開かない小箱はもはや

ただの四角い塊りとなり果てる・・・。

 

▲上が件の小箱3つ、当然大阪催事にも不参加

 

く、くやしい。

せっかく作ったのに~!と

思っても後の祭りです。

寝室にずっと飾っておいて

(悔し紛れに)眺めつつも

思い出したように引っ張って

早数か月。

初夏のような陽気の本日午後

ついに開きました!

はー、びっくりしました。

 

理由は謎です。

この陽気で完全乾燥したのか?

お天気も良いし

小箱3つとも開いたし

今日は良い日でありました。

 

自分への教訓:ラッカーは

きちんと乾かすべし。うむ。

 

 

秘密の小箱の使い方 4月11日

 

3月末に参加した大阪の阪急うめだ本店の

催事では、はじめて小箱をたくさんの方々に

見て頂く機会になりました。

有り難いことに、わざわざ小箱を見に

お出かけくださった方々もいらっしゃいますが

通りすがりのお客様もたくさんいらっしゃいました。

 

そうした「偶然に小箱を手に取った」方から

いちばん受けたご質問は

「これ、何を入れるの?」でした。

もちろん何を入れて下さっても御自由なのです。

ジュエリーでも貝殻でも小石でも。

 

だけど、そうか、箱とは「物を入れるもの」

である限り、用途が必要なんだ。

普通はみんなそう考える。

分かっていたけれど、やっぱりそうなんだ。

 

 

わたしが作る小箱の存在目的・・・

小箱の中に何を入れても良いし

何も入れなくても良い。

毎日開け閉めして使うよりも

思い出の品をいれて閉じておくもの。

 

ひとりで手に取りひっそりと眺めて、

たまに蓋を開けてニンマリとして

また隠しておくもの。

どこか秘密めいた謎の小箱。

 

極々プライベートな楽しみとして

「ただ持っているだけでも楽しいもの」

として扱って頂けたら嬉しい、と思います。

 

 

みちびかれて 4月07日

 

わたしの宝物のひとつにペンダントがあります。

2001年にユーロに統一されるまで使われた

イタリアの通貨500リラコインのペンダントです。

 

▲REPUBBULICA ITALIANA イタリア共和国

 

両親の友達が、わたしが小学生だったころに

プレゼントして下さったものです。

なぜ子供にイタリア硬貨のペンダントを?

それはもはや霧の向こうのお話なのですが。

 

▲裏面はローマのクイリナーレ(大統領官邸)

とても美しいデザインのコインです。

 

その後、大学を卒業してイタリアに留学して

しばらくたった後に、突如このペンダントの

存在を思い出したのです。

「あれ、そういえばこのコインは?!」

ずっと箪笥の奥にしまっていた

まさに「あのペンダント」だったのでした。

 

▲1985年の刻印、点字が入っていることにも感動。

 

留学当時はまだ通貨リラの時代で

毎日のようにこの500リラコインを使っておりました。

チンクエチェント(500)おおよそ50円の感覚でした。

まさか現役通貨のペンダントを当該国で

身に着けるわけにもいかず。

帰国後はここぞという時のお守りになりました。

「このペンダントはイタリアとわたしを

結びつける何かの暗示か導きだったのだ」と思えて

大切にしております。

 

わたしの手の中の、小さなイタリアです。

 

 

 

最初から終わりまで続く 4月04日

 

この小箱は数年前に作ったものです。

ずいぶんと迷いながら作った記憶があって

完成後も釈然とせず、あまり気に入らない。

 

▲迷いに迷い、大阪催事には出品せず。

 

そうして最近になって、この小箱を

手に取ってくださった方々から

思いがけずお褒めの言葉を頂戴する機会が

何度もあって

そのお言葉を受け取りながらデヘヘ・・・

などと喜んでいる現金なわたしです。

 

その逆に「これは!」と思うものが出来ても

期待以下の評価しか頂けないことも

けっこうあるのです。

 

自分の感覚は当てにならない、だけど

褒めて頂ければ良いってものでは無い。

自己満足であってはならない。

物を作るとは・・・などと今さらながら

ぐるぐると考えております。

きっと「ものを作って売る」人にとって

最初の悩み、そして人生の最後まで

考える内容でしょう。

 

褒められれば良く見えてくる?

他の人がどう思おうと、自分が良いと

思えるものなら、それで良いのだ。

というものでも無し。

物を作って対価ををいただくとは。

ううむ。