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La nostalgia in Italia 2011 Roma -Mercenari svizzeri- 4月30日

 

イタリアの郷愁 2011 ローマ -スイス傭兵-

 

ヴァチカン市国はローマ教皇によって統べられている

世界一小さな主権国家であり カソリックの総本山です。

全世界に12万人以上の信者がいるとされるカソリックの聖地

ヴァチカンには 現在も教皇をお守りする兵士がいます。

ヴァチカン市国は軍事力を持ちませんので

市国警察もまた 一部をスイス傭兵が務めているそうです。

ヴァチカン大聖堂に向かって左側を通ったとき

市国内に通じる門(観光客は入れません)には

かの有名な(?)スイス人の傭兵が立っていました。

mercenari-svizzeri1

彼らの制服は ルネッサンス当時のままのデザインで素敵です。

(ミケランジェロのデザインとされますが諸説あります。)

赤 黄 青に黒といった色使い タッセルや包みボタンの装飾が

ルネッサンス絵画から抜け出て来たかのようです。

ミケランジェロによって最終設計された大聖堂と相まって

後期ルネッサンスにタイムスリップしたかのような

楽しい気分になりました。

2人の傭兵さん 写真を撮らせて頂いてありがとうございました。

 

 

額縁の作り方 10 4月26日

 

久しぶりの「額縁の作り方」です。

前回から続いて3回目 装飾技法について。

1回目に線刻 2回目は盛り上げ技法をご覧頂きましたが

今回は「グラッフィート」技法をご紹介します。

 

グラッフィート(graffito)とはイタリア語で

引っ掻き傷 錨などを指しますが 同時に

掻き絵 陰影線も意味します。

今回ご紹介する技法は 下の写真にあるように

下層に金 上層に絵具をぬり 絵具層を掻き取って

金箔層を出し コントラストで表現する方法です。

(写真の作品は「atlier LAPIS」の筒井先生製作の見本板で

7㎝×7㎝ほどの大きさです。)

graffito1

石膏地をつくり 箔下トノコを塗って全面に金箔を貼り磨きます。

ここまでの作業はいつもと同じ。

つぎに金箔の全面に濃色のテンペラ絵具を塗り

箔の面をすべて覆い隠してしまいます。

 

絵具が乾いたら下絵を転写して いよいよ「掻き絵」作業開始です。

線を掻く道具は わたしは竹串を使います。

柔らかすぎるとテンペラ絵具層が綺麗に掻けず

固すぎると金箔層に傷をつけてしまう恐れがありますが

今のところ 竹串が一番良い様に思っています。

仕上げには必ずニスを塗って絵具層を保護してください。

全面に金箔を貼る必要があるので 中々贅沢な技法ですが

細い線をシャープに表現したい場合に向いています。

graffito2

わたしもフィレンツェの修復学校を修了するときに作った

スペイン・ゴシック風額縁の装飾にこの技法を使いました。

http://www.kanesei.net/2009/09/11.html

 

ちなみに この「graffito」(グラッフィート・伊)という単語は

英語の「graphic」(グラフィック)につながります。

また 「grafica」(グラフィカ・伊)はグラフィックアートや印刷美術 筆跡

「grafico」(グラフィコ・伊)は図表 図式 表グラフを表します。

すべてギリシア語の「graphico’s」から派生した

ラテン語「graphicus」を基にした単語だとか。

ギリシア語からラテン語 そしてイタリア語と英語へ。

技法の歴史と言語の歴史の関係・・・面白いですね。

 

 

「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展 4月23日

 

先日 平日の午後にポッカリと時間が空いたので

ここぞとばかりに渋谷Bunkamura のザ・ミュージアムへ。

「レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想」展を観ました。

この展覧会の目玉(?)は「ほつれ髪の女」でしょうか。

セピア色の画面に描かれた女性は レオナルドの作品らしく

左向きの顔を傾けて微笑んでいます。

小さな作品ですが 筆跡一本一本までじっくりと

鑑賞することができて まるでレオナルドが

描きかけで置き忘れてしまった作品を こっそりと

秘密に見せてもらっているような感じでした。

 

その他にも 「モナ・リザ」の模写が数点並んで展示されており

それぞれの比較が面白いのですが 付けられている額縁も様々で

額縁鑑賞・比較も楽しめました。

同じ模写作品とはいえ完成度も色合いも違いますので

同じ構図でも合う額縁イメージは違うのですね。

 

レオナルドの作品だけを楽しみに行くと もしかしたら

残念な気持ちになるかもしれませんが・・・

ルネッサンス時代の典型的なトスカーナ風箱型額縁”cassetta”や

テンペラ画も観ることができましたし レオナルドの愛弟子

サライの描いた練習作品を観ることができたのも興味深いことでした。

 

レオナルドは巻き毛のやんちゃ少年サライを息子のように

成長後は恋人のように そしてあるいは所有物のように愛していて

なんとか彼に自分の持つ知識や技術を伝えようと思ったけれど

サライにとってはどこ吹く風。

でも自分を溺愛してくれるレオナルドの心に応えようと

頑張って描いてみた。でも本当は絵描きになりたくない・・・

そんな逸話を裏付けるような絵でした。

 

ザ・ミュージアム 展覧会情報:http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/12_davinci.html

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Roma -Musei Vaticani- 4月19日

 

イタリアの郷愁 2011 ローマ ヴァチカン美術館

 

ヴァチカン美術館をイタリア語では「Musei Vaticani」と表します。

これは複数形で(単数ならMuseo Vaticano)日本語に訳すれば

「ヴァチカン美術館群」とでも言いましょうか。

広大な敷地には かの有名なシスティーナ礼拝堂もあり

古代ローマの彫刻コレクションはもちろん ルネッサンス美術の区画に

バロック美術の区画 タペストリーの廊下が続き・・・

あまり知られていませんが 珠玉の現代美術コレクションもあります。

まさに「美術館群」なのです。

soffitto1

そんな広い広い美術館内は 長い長い廊下でつながれています。

壁面には気が遠くなるほどの絵画 彫刻 工芸品が並びますが

見上げれば そこにはまた フレスコで描かれた

美しい天井画があります。

soffitto2

天井にまで!こんなに丹精込めた作品がある!・・・と

もう この絢爛豪華の極致のような場所におののきます。

soffitto3

コッテリとしたバロック美術やローマ彫刻に疲れたら

優しい色使いの天井フレスコを眺めて 心をリフレッシュしましょう。

小物の制作や 服の色の組み合わせの参考にもなりそうです。soffitto4

 

 

 

 

点検してください 4月16日

 

いま修復でお預かりしている真っ白な額縁は

表から見ると 数か所に欠損がある程度で

十分にきれいで新しい額縁に見えます。

ですが 裏を見てみると・・・

紐を通した釣り金具も 裏板を留めるトンボ金具も

かなり錆びてもろくなっているのがわかります。

金具には本来 錆びない素材(ステンレス等)を

選ぶのが望ましいのですが そうではない額縁も多々あります。

錆びた金具で 危うく壁にかかっている額縁は

ある日突然金具が耐え切れなくなり

ちょっとした地震で落下し 作品もろとも壊れてしまう・・・

なんてことになりかねません。

そんな事故が起こる前に 耐震や災害時の対策準備の一つとして

額縁の金具もぜひ 点検・交換をしてください。

 

 

額縁の本 小笠原尚司著「額縁への視線」 4月12日

 

先日 atelier du Lapis の額縁教室の生徒さんとお話に

この「額縁への視線」という本が出ました。

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Lapisの本棚に1冊あり わたしも数年前に購入しています。

日本の一般的な書店で手に入る 日本語による額縁の本は

この「額縁への視線」と「額縁と名画」かと思います。

(「額縁の本 ニコラス・ペニー著『額縁と名画』」

http://www.kanesei.net/2009/09/08.html )

「額縁と名画」はイギリスのナショナルギャラリー所蔵品をメインに

イギリス人著者によって書かれている内容であるのに対し

「額縁への視線」は日本で長年額縁制作に携わり

日本での額縁の歴史 国内外マーケット事情 傾向等を深く理解した

著者による内容というのが大きな違いです。

本書には額と額装の歴史やデザインをはじめ

ヨーロッパと日本における額縁と額装の違いの紹介もあり

大変興味深い内容です。

 

実は先日 偶然にも著者の小笠原尚司さんにお会いして

すこしお話をさせて頂く機会がありました。

「額縁はインテリアの一部ですからね」とおっしゃった一言が

とても印象に残っています。

額縁はインテリアであるということ・・・初心に帰りました。

 

データ : 「額縁への視線 額装というデザイン」

著者 小笠原尚司

株式会社八坂書房

2008年7月15日 第1刷 発行

 

 

春の色 色々 4月09日

 

「好きな花は何ですか?」の質問に

「桜です」と答える方が多いのも頷けます。

今年もまた 桜の季節が来ました。

7日8日の週末 東京はお天気に恵まれて

絶好のお花見日和でした。

さっそくカメラを抱えて出かけました。

少し霞んだ空の色と桜の花の色は どちらも淡く

空気はまだ冷たいけれど ようやく来た春を実感させます。

 

通りがかったお家の木戸脇に 一重の山吹が。

幼い頃に住んでいた家の近くの公園にも

山吹がたくさん植えてあったのを思い出します。

通い始めた小学校への通学路になっていて

道草を食いつつ山吹を眺めたものです。

花の名前を覚え始めたのもこの頃からでした。

24本セットの色鉛筆にも「山吹色」があって

知っている花の名前がついた鉛筆が嬉しくて

ほかの色鉛筆よりずいぶん使って短くなりました。

 

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Roma -La Pigna di Vaticano- 4月05日

 

イタリアの郷愁 2011 ローマ ヴァチカンの松ぼっくり

 

いよいよヴァチカン美術館にやってきました。

開館前の入り口は オフシーズンながらも

観光客の長蛇の列!入館にどれだけ待つことやら。

わたしは日本でオンライン予約をしていましたので

並ぶことなく そそくさと入館。

予約には一人当たり4ユーロの手数料が必要ですが

個人で行かれる方には 予約をぜひお勧めします。

下の写真は予約票。

ネットで手続きをして(英語可)指定のページを印刷します。

vota-prenotazione

あまりに広いヴァチカン美術館 地図を片手に歩きます。

入り口から近く とても広い中庭に出ました。

ローマらしい色の外壁と 松ぼっくりの彫刻。

やはり松はローマを象徴する植物なのかもしれません。

それにしても 空が青い・・・!

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しあわせなもの 4月02日

 

ちかくにあると しあわせなもの。

暖かくて瑞々しくて ぽわぽわの頬と

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繊細で力強い小さな手。

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大きくなったら 何をする手?

パン作りのお手伝いをして 自転車のハンドルを握って・・・

額縁も作ってみる??