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「額縁とポートレート」展 はじまります 10月29日

 

銀座7丁目にあるギャラリー林で

KANESEIの額縁と篠田英美さんの写真の2人展

「額縁とポートレート」展が本日よりはじまります。

前日の午後、ああでもないこうでもないと試しつつ

展示をしました。

ギャラリーオーナーご夫妻にも大変お世話になりつつ

日が暮れる頃にようやく完了です。

2015-10-28 15.56.26

なにせ大慌てだったので作業後の写真を撮り忘れてしまいました。

 

 

沢山の方にご覧頂けるよう

明日から会場でお待ちしております。

どうぞご高覧下さい。

 

 

楽園のカンヴァス 10月26日

 

幼い頃に両親に連れられて行った展覧会で、母が

「ハガキを一枚買ってあげる。好きなのを選びなさい。」

と言って買ってもらったのは

アンリ・ルソーの「入市税関」でした。

しばらく壁に貼って、そのあとは折り紙の箱に入れて

いつのまにかどこかに行ってしまいましたけれど。

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アンリ・ルソー「入市税関」1900年頃 ロンドン大学コートルード・インスティテュート

 

先日手に取った「楽園のカンヴァス」はルソー作品をめぐる物語で、

あまりに面白くて先が気になって、電車は乗り過ごし

結局夜も眠らず一息に読んでしまったのでした。

小説内の物語ですから、内容の真偽は別として

主人公二人の-つまり著者の原田マハさんの-

ルソーを愛する気持ちや作品の解釈を読みながら

「ああ、そうだったなぁ。」とこのハガキを

買ってもらった時のことを思い出しました。

 

ちょうど Tokyo Conservation のスタジオでも

ルソーと同時代の、きっとルソーと会っていただろう画家の

作品が納められている額縁を修復しており、

すっかりルソーと「楽園のカンヴァス」の物語世界に

心が入り込んでしまった数日間でした。

 

とても面白い物語。おすすめです。

rakuen

「楽園のカンヴァス」

著者 原田マハ

株式会社新潮社

平成26年7月1日 第1刷発行

 

 

生みの苦しみ 10月22日

 

当然のことながら、思い描いた通りの額縁が

ひょいっと完成するなんてことはあり得ません。

それは分かっているのだけれど。

 

試行錯誤を繰り返して完成した額縁は

思い入れも沢山です。

なるほどなるほど、こうしたらああなる。

この方法ではダメ。

ならばこうしたらどうだろう?

その繰り返し。

色々と得ることも多い実験的制作でした。

また当然ながら、この技法はこれから進化させねばなりません。

が、ひとまず今回の額縁は完成といたします。

いや、中間発表的なところ、です・・・。

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「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

季語は秋 10月19日

 

今年の初夏に植えた4本の朝顔の苗は

ぐんぐんと伸びて、真夏の日差しをさえぎる

美しく逞しいカーテンになってくれました。

でも、いつまでたっても花が咲きませんでした。

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ところが、真夏が終わり金木犀も散った頃に

ハタと思い出したかのように突然、大きな花を咲かせ始めたのでした。

朝顔の花は真夏に咲くイメージだったので興醒め・・・

と思ったらなんと!朝顔の季語は秋なのですって。

「朝顔は秋の訪れを告げる花。

日本人はこの花に秋の訪れを感じてきた。

奈良時代薬として遣唐使により日本にもたらされた。」

まさに今が盛りの季節の朝顔なのでした。

 

小学校低学年の頃、理科の授業で一鉢ずつ植えた朝顔。

夏休みの観察絵日記で花が咲いて種を摘んで、と

描いた記憶は・・・わたしの勘違い?

それとも違う朝顔の種類だったのでしょうか。

今年、朝顔のイメージががらりと変わりました。

 

 

サーカス一座にはきっといる 10月15日

 

先日までサイケデリックだったアルルカン額縁は

アンティークな仕上げにして完成しました。

DSC_7515

目が回りそうだった色は落ち着いたトーンになって

めざしていたアルルカンにすこし近づいたような気がします。

DSC_7511

むかしから「古めかしいサーカス」の雰囲気が好きです。

2009年のブログにも「悲しいサーカスの配色」のタイトルで

お話していたような昔のサーカス。

そんな一座に必ずひとりいるピエロの衣装は

(ピエロとアルルカンは違いますけれど)

こんな配色なのではないかな、と想像しています。

DSC_7514

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。下から3右から3です。

 

サイケデリック・アルルカン 10月12日

 

何年か前に作りだして、金箔で止めたまま

壁にかかっていた格子模様の額縁がありました。

「works」ページ「classical」にある botan という名の額縁と

同じようなシンプルな額縁になるはずでした。

 

この夏に思い立って色を付けてみました。

すでに石膏地に格子模様が入っているので、

ひとつずつ塗り分けて、それならアルルカンの衣装のように。

イメージはアンドレ・ドランの「アルルカンとピエロ」です。

derain14[1]

額縁にも4色を塗り分けてみたのですが

ずいぶんと派手になりました。

サイケデリック・アルルカン。

herlequin1

KANESEI の額縁とは思えない色使いです。

たまにはこんな額縁があっても良いでしょうか。

これからアンティーク風に仕上げるつもりです。

 

 

展覧会のお知らせ 「額縁とポートレート」ギャラリー林にて 10月08日

 

10月29日から1週間 「額縁とポートレート」と題して

写真家篠田英美さんと2人展をいたします。

場所は銀座7丁目にあるギャラリー林です。

こちらでは昨年秋に Atelier LAPIS の展覧会をさせていただきました。

 

CCF20151014

KANESEIの額縁を新旧合わせ18点出品いたします。

最近このブログでご覧いただいていた額縁も登場。

また11月1日の日曜日午後にギャラリートークも予定しております。

どうぞご高覧下さい。

お待ちしております。

「額縁とポートレート」展画像1-e1443429056104

ギャラリー林

「額縁とポートレート」

2015年10月29日(木)~11月5日(木)

11:00~18:00 会期中無休

11月1日14:00~15:30 ギャラリートーク(参加費無料)

 

 

 

吊金具! 10月05日

 

額縁にたいてい付いている吊金具。

いわば裏方で機能重視の部品です。

だけど、もう少し自分好みの金具があったら嬉しいな

と思っていたのです。

そして、特注で2種類の吊金具を作ってもらえることになりました。

turikanagu (1)

ちいさいものは真鍮製

おおきいものは銅です。

turikanagu (2)

いざ作ってもらえるとなって、スケッチで適当に「こんな感じ」と

お願いしたのですが、後から「スケッチが適当過ぎる」と

クレームが入りつつも(当たり前です)、完成した吊金具は

わたしのイメージしていたよりずっと素敵!

うーむ、かわいいのです。

ひとつひとつ手作りなので、微妙な揺れがあって

それが品の良い雰囲気になりました。

この金具に見合う額縁を作らねば!と

鼻息を荒くしております。

 

 

汚し楽し  10月01日

 

前回ご覧頂いた、17世紀にシエナで作られた額縁を

モデルにしたものが完成しました。

今回は仕上げの汚しを思う存分ほどこすことに。

ツルピカだった額縁をコテコテに汚していくのは可哀想な、

でも楽しい作業なのです。

siena17c (2)

何百年も昔からお屋敷に存在していて、ホコリがたまりつつも

繰り返し掃除され、部屋の模様替えで何度も移動させられた額縁。

もしかしたら屋根裏に仕舞われて、雨漏りや嵐の隙間風にさらされて

カビが生えてしまったこともあったかもしれません。

そんな風にたくましく生きてきた(?)額縁のイメージで作りましたが・・・

いかがでしょうか。

siena17c (3)

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。右列上から3番目です。