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イソイソと使う予定 5月01日

 

2月に参加いたしましたギャラリーササキ商店での

「工芸市」では、展示の什器をすべて

ギャラリーササキのNさんがご準備くださいました。

テーブルクロスの美しい麻布

小箱を乗せるアンティークのお皿

小物の古い本など、それはそれは素敵なのです。

小箱を合わせると小箱が何倍もよく見える!

 

▲この銀のお皿も麻のクロスも奥の本もご準備くださったもの!

 

▲ラインがほれぼれエレガントなお皿。

 

それ以来、わたしももう少し展示用の

備品を揃えたいと思うようになりまして

ネットで探したり色々と考えておりました。

 

そして先日、デパートでアンティークの

催事をしていたので覗き込みましたら

ワーオ、欲しいお皿に出会ったのです。

 

 

Nさんのお皿は銀ですが、わたしが買ったものは錫。

なかなか重さもあります。

シンプルで無骨で、使い込んだ凹みが良い雰囲気。

マッチョな小箱を並べたらきっと可愛いぞぅ・・・

と妄想が膨らみます。

 

▲ナイフで何かを切った跡がたくさん。それも良い味になっている。

 

これまた先日、成城学園前にあるアンティークショップ

「attic」で購入した白いドイリーを乗せて遊んでみたりして。

これからこのお皿に乗せた小箱の写真が出てきたら

「ああ、例のお皿をイソイソ使って喜んでるなぁ」と思ってください。

 

 

ムフフ。

 

ようやく手に入れた 6月21日

 

成城学園前のアンティークショップ

atticさんにおじゃましましたら

ずっと前からほしかったガラス小箱が。

我ながらどれだけ小箱が好きなんだ?!

・・・と思いつつ。

 

 

このタイプの小箱は

「ヴィトリン」とか「ベベル」なんて

名前で呼ばれるそうですが

分厚いガラスを面取りして組んだ

美しいガラス小箱です。

骨董市などでたまに見つけると

数万円もして「ぎゃー」と逃げるのを

くり返しておりましたが

attic にあったものはなんと数千円!

それもそのはずリプロダクトなのですって。

でもそんなの構いません。

ガラスに程よく傷があって

佇まいもエレガントですもの。

アンティーク・骨董ではなくて

「古いもの」で十分でございます。

嬉々として連れ帰りました。

 

底の内張が黒い布で・・・それだけが

なんだかなポイントでしたので

水色の布貼りボードを仕込むことに。

▲黒い布底だと内部がとても暗い。

 

▲厚紙に青い布を貼って

箱底に両面テープで留めてしまう。

 

一番上の写真は仕込み後に

グスターヴォの左手を入れたところです。

イタリアの教会にある聖遺物風・・・

またもや家族に「こわい!」と叫ばれ

やめました。

 

 

香りの喜び 1月25日

 

もともと自宅で過ごす時間が多いわたしですが

緊急事態宣言が発令されて、ますます

引きこもりに拍車がかかっております。

出かけたいな、と思うこともあるけれど

家が好き、家でしたいこともするべきことも

沢山あります。

 

そんな毎日、快適ではあるのですが

家での時間をさらに快適にしよう!と

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局のポプリを1袋、

ネットで購入いたしました。

そして、ずっと前に買ったはいいけれど

使い道が見つからなったアンティークの

ガラスポットに入れました。

▲一見すると庭の枯葉・・・だけどよく見ると

葉以外に花や木の実、唐辛子なども入っている。

すこしミントやラベンダーも感じるすっきりとした

でも古いお屋敷の家具のようなノスタルジックな香り。

ガラスポットもようやく役割を得ました。

 

いやぁ、大変に良い香りです。

このポプリ、お値段が・・・あの、

ポプリを買うには勇気がいるのですけれど

少量で部屋中を香らせてくれますし

ポットの蓋を閉じて節約(!)すれば

勇気の分は十分に活躍してくれそうです。

 

▲残りの入ったパックはワイヤーで閉じて

さらにチャック付きバッグで密封!

 

ジャムの空き瓶にも入れて

こちらは作業部屋におきました。

これでわたしの個人スペースはいつも良い香り。

期待した以上に香りに喜びをもらいました。

自宅待機も快適度が上がって・・・

あとは精力的に制作するのみでございます!

がんばりますぞ。

 

 

物の心を感じるとき 3月02日

 

先日、ピアスを1組無くしました。

でもこのピアスとのお別れが早く訪れることは

以前から分かっていたことなのでした。  

無くしてから「分かっていた」と言うのもおかしな事ですが。

 

以前に行った骨董市で数千円で手に入れた イギリス製のピアスは

デザインも気に入って 迷わず買い求めたのですが

お会計を済ませて店主さんから手渡されたときに

「あれ、このピアスはわたしの物ではないのかもしれない」と

突然に思えて、我ながら頭の中は「???」でした。

 無くした理由はわたしの管理が悪かっただけ・・・ではありますが

ピアスがわたしを嫌って逃げ出して行ったとも感じています。  

「物に心があるなんて妄想も甚だしい」と思いますけれど、

ただ、古いものにだけは・・・

「古い物には心がある」と何やら確信をもって感じています。

 

 IMGP0080

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秘密の小壺 5月17日

 

ちいさな銀の壺を買いました。

高さは50mmくらいでしょうか。

とても薄くて軽い、飛んでいきそうな小壺です。

お店の方は塩を入れたのではないかとのお話。

いつ、どこで作られたのかわかりません。

 

 

だけど、お塩にしては穴が小さいような?

胡椒にしても、やっぱり穴が小さいような。

形もすこしエキゾチックな感じです。

たとえばハーブや香料を入れて

香りを楽しむ小壺だったりして・・・

あるいは袖にこっそり忍ばせる秘薬とか。

そんなことばかり考えています。

 

 

母へ誕生日の贈り物にして喜ばれたけれど

本当は自分が欲しかっただけです。

ハハハ。

 

 

使わないと、ずっとある。 8月27日

 

2009年8月のdiarioでお話した宝箱

いまもひっそりと部屋の片隅にあります。

アンティークの箱に仕舞いこんだタッセルは

9年前の、そのままです。


「ものを減らそうキャンペーン」には

コレクションは含むつもりは無かったけれど、

わたしが死んだ後もこの箱とタッセルは

きっと美しいまま在るのかと思ったら

それも何とも言えない気持ちです。

物は「使わないとずっとある」のですよね。

分かっちゃいたつもりだったんだけれど。

 

思い立ってタッセルを、まずはひとつ

コレクションから引っぱり出して

活用することにしましょう。

濃色タッセルのモジャモジャな毛を

濡らして梳かして整えてみました。

これぞ9年間の「寝ぐせ」ですな。

整えていない色違いタッセルと比べると

美しい姿にもどりました。

真っ黒なタブレットにぶら下げる予定です。

すこし優雅な気分で作業できそう。

 

整えて使ってあげないと

タッセルもかわいそうですものね。

 

 

古いもの、古い魂 7月20日

 

わたしは両親の影響があってか

昔から古いものが好きです。

今では骨董市に行ったり、

出先で骨董店や古書店を見つけると

ついつい立ち寄ります。

このブログ「diario」にも

「古いもの」というカテゴリーを作っています。

そんなわけで、我が家には家具、食器、

道具や本、アクセサリーなど

新しいものより古いものが多くなりました。

 

だけど古いものって、当然ながら

わたしの前に持ち主がいたということですよね?

中学の時にわたしが着ていた古着のダッフルコートに

友人が「でも、古いものって、怖くない?」

と遠慮がちに言いました。

深く考えず「古いもの」を受け入れてきたけれど

そうか、前の持ち主ってどんな人だったのだろう。

なぜ手放すことになったのだろう。

大切にしていたのかな。

手放したくなかったのに、やむを得ず手放した?

それとも、亡くなったから・・・?

 

「古いもの」に宿った「古い魂」があるならば。

霊とか気とか、念とか怨とか・・・

それはとても、とても恐ろしいことですね。

あるいは悲しいこと、寂しいこと、でしょうか。

わたしのものなのに、なぜおまえがもつのだ・・・?

そのような思いでしょうか。

 

古いものだからこその魅力も抗いがたい。

「古い魂」が辛く思わないように

大切にすればきっと許してくれるでしょう。

 

霊感も無く、妄想好きなわたしです。

今後もあまり深く考えずに。

 

 

ちいさいもの好き 4月04日

 

先日ご覧いただいた和柄の引出しツマミは

ほかのツマミ一族とともに小箱に納まりました。

 

わたしの宝物、タンブリッジウェアの小箱

 

こっそり開けると

 

ツマミのサンプルが12個。

数年前にもご紹介したのですけれど

また見て頂きたくて登場させました。

和柄ツマミで箱も満席です。

小さい箱に小さいものがぎっしり。

ニヤニヤしながら眺めています。

 

 

お父さん、これ買って 9月14日

 

アンティークの小さなカメオブローチ。

銀で縁どりされていてペンダントにもなります。

カメオによくある女性の肖像ではない、

植物の模様に惹かれました。

 

誕生日祝いとして父に買ってもらいました。

未だに父に日々お世話になっていますけれど

最後に「物をねだった」のは、ずいぶん前のこと。

なんだか童心にかえったような嬉し恥ずかし、でした。

お父さん、ありがとうございます。

 

 

海が似合う額縁 7月23日

 

旅先のアンティークショップで見かけた鏡入り額縁です。

8角形のシンプルな木枠に 上下には旋盤加工の装飾。

4つのまるい凸飾りも可愛らしく収まっています。

スマートで男性的な額縁 海を思い出させるような?

古い客船のスイートルームにありそうなイメージがありました。

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とても素敵で連れて帰りたかったけれど

お値段を見て むむむ。

 

それにしても 旋盤が欲しいです。

もとい「旋盤加工の技術が欲しい」でした。

上の額縁のような装飾も ツマミも引手も食器も

キャンドルスタンドも家具の脚も作れる・・・!

自分だけのこけしもマトリョーシカも作れるかもしれません。

でも旋盤技術も極めるには新しい人生が必要になりそうですね。

 

 

ブローチをめぐる物語 12月29日

 

とうとうわたしのところに来ることになった小さなブローチです。

骨董市でいつも覗くお店のガラスケースの中

「そういえば前も その前に来たときにもこのブローチがあったな」

気になって手に取らせてもらって でも結局ケースに戻していました。

そして先日3度目に手に取って もうケースに戻すのはやめました。

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15mm×25mmの小さな金属板に描かれた風景は 古城でしょうか。

思い出の場所をいつも身に着けておきたくて注文したもの?

それとも旅のスケッチを記念にブローチに描きなおしてみた?

 

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裏を見ると手作り感があってあまり丈夫ではなさそうです。

後年(割と最近?)に取り付けられたらしい安全鎖もありますから

きっと前の持ち主も大切にしていたのです。

 

わたしがこのブローチを身に着けることはありません。

絵具が弱っているし 万が一落としたら悲しいですから。

そのかわり小箱にしまってたまに出しては眺めましょう。

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あるいは とても小さな額縁を作って納めても良いかもしれません。

 

このブローチをめぐって なにか物語は作れないかな?

もし可能ならば たとえば好きな作家数人にブローチを預けて

短編を書いてもらって それを1冊にまとめてみたり。

辻邦夫や江國香織さん 海外ならピルチャー

あるいは浅田次郎さんはどうだろう?

浅田さんなら すでに亡くなった持ち主も登場するような

すこし怖くて でも心が温かくなるようなお話を作ってくれるのでは?

わたしだけのブローチの物語。

想像して楽しんでいます。

 

 

KANESEI の diario 2014年は今日でおしまいです。

一年間お付き合いいただきありがとうございました。

また 様々な仕事でお世話になりました皆さま

誠にありがとうございました。

来年もより充実した一年にするよう精進いたします。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

良いお年をお迎えくださいませ。

 

 

 

 

bellの箱 6月23日

 

先日京都に行きました。

2日かかってようやく荷物の片づけと洗濯が終わりました・・・。

旅の模様はあらためてご覧頂こうと思っています。

 

さて 京都で自分のために買ったのは美味しいパンと この箱。

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京都市役所前からほど近く 偶然通りかかった ANTIQUE bell という

かわいらしい骨董店に立ち寄りました。

目的地に行く途中になんとなくお邪魔して そしてこの箱に会って

でも迷いつつお店を後にして・・・結局また戻って手に入れました。

旅先で見つけた古いものは 今を逃せばもう二度とふたたび会うことも無し。

 

裏を引き上げて開閉する仕組みです。

ラワン材ですしガラスは接着剤でビシャーと貼りつけてありますし

そう古いものでも高価なものでもありませんが なんだか可愛い。

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でも いつものことながら中に入れるものが決まりません。

アイビーは息が詰まるから可哀想ですし。

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マトリョーシカ。ちょっとこわい。

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自然乾燥のざくろ。理科室の標本風。

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何度も登場している我が家のアイドル 顔だけ天使ちゃん

窓辺にたたずむ風。でもどれも収まりが良くありません。

そしてどれも不気味・・・。

なにか良い物を探さなくては。

ちなみにお店では白く細い薄手の徳利を入れて展示してありました。

「白い縦長」がキーワードのようです。

または中に一段棚を付けて 縦長空間を仕切ろうかとも検討中です。

 

お店のサイトには 店主さんと店員さんそれぞれのブログがありますが

どちらも面白くて笑ってしまって お勧めです。

 

ANTIQUE bell

京都市中京区姉小路通御幸町東入丸屋町334

 

 

 

ただ なんとなく 再び 9月09日

 

骨董市に行って「古いものを買う」ことを始めたばかりの頃

ただ なんとなく買った木製の歯車がふたつあります。

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手のひらに乗る程度の小さなものですが

ノミ跡も墨の線も残っています。

小さな歯を一つ一つ丁寧に仕上げてあります。

 

かつてはずいぶん働いたであろう擦り切れた歯。

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500円と900円。

骨董市ではもうすこし安く手に入れたように思います。

いまはもう歯車としての役には立たない古い歯車。

 

 

結局のところ わたしは古いものを手に取ってしまうと

そして その作者や使用者の「誠実な痕跡」を見つけてしまうと

いてもたってもいられなく愛しくなって

使う目的もなく買ってしまうようです。

(もちろん小遣いで手軽に変える程度の小さなものですが。)

 

毎日こつこつと木を彫って 歯車を作った名もない人。

歯車と一緒に その人の心もここに残っています。

 

 

ただ なんとなく 7月08日

 

先日 納戸の片づけをしていた母がくれました。

文庫本より一回り大きいくらいで 思いがけずずっしりと重い箱。

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開けてみると 古いコンパスのセットでした。

何年も前に不忍池の上野骨董市で買ったものだとか。

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母は使う目的があって買ったわけでは無くて

「ただ何となく買った」そうです。

・・・この母にしてこの娘(わたし)あり。

使い道とか必要性とか理由を考えることもなく

古いものに呼ばれて買ってしまうのですね。

 

アルファベットの商標 神田の文字

濃紺のベルベットとモアレの布

錆びているけれど欠けることなく今に至る一揃い。

どんな経緯で上野骨董市に並ぶことになったのか

知る由もありませんけれど

仕事道具として大切にしておられたであろう元の持ち主は

きっと夏には開襟シャツと麻の白いスーツ パナマの帽子

そして眼鏡をかけた眼光鋭い痩せた人・・・

だったのではないでしょうか。

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小箱の使いみち 7月01日

 

昨年11月に手に入れた タンブリッジ・ウェアの小箱は

http://www.kanesei.net/2012/11/15.html

その後もしばらく空っぽのまま

箱としての仕事をせずに飾られていましたが

最近ようやく役割が与えられました。

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箱の中には 引出し用ツマミのサンプルを仕舞いました。

scatolina2

小さな箱に小さなものがぎっしり。

「小さなもの好き」なわたしとしては

なかなか楽しい小箱になりました。

 

*「works」内「other」に新しいツマミを5つアップしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

まだ空っぽ 11月15日

 

骨董店で素敵なものを見つけたとき

いつも思うことですが

「ここで会ったも何かのご縁。

もう2度とめぐり合うこともない。」

迷ったら買う・・・ということです。

(もちろん身の程にあった程度で!)

それが旅先の骨董店ならなおさら。

 

森のはずれの薄暗い骨董店は 入るのも少し

躊躇するような 物語に出そうなお店でした。

この小箱を見付けて・・・というか

わたしがこの小箱に見付けられて 呼び寄せられてしまって

遠く離れた場所から連れて帰ることにしました。

イギリスのタンブリッジという街で作られた小箱。

「タンブリッジ・ウェア」と呼ばれていて

箱根の寄木細工のような特産有名品だそうです。

この小箱は130×130×50mmのサイズ。

象嵌と寄木と とても細かな細工がしてあります。

イタリア留学中 この象嵌細工の練習もしましたが

糸鋸で切り抜く作業の難しかったことを思い出します。

この細かさ・・・職人の技が光っています。

なのに数千円の価格が付いていたのですから

作った職人さんの苦労を考えると申し訳ないような値段でした。

中に何をしまおうか まだ決まりません。

なにか大切なものを入れたいと思います。

 

 

 

古い物の心 10月08日

 

雨降る日曜日 平和島の骨董市へ出かけました。

そして 小引出を手に入れました。

細かな彫の細工 オリジナルの引手 確かな造り。

中段右の鍵は失われていました。

継手の歯型も細かったり台形だったりと

変化がつけてあり 面白い表情です。

帰宅後に自室の机に置いてみたら

色もサイズも何もかもがピッタリしっくり馴染んで驚きました。

まるでわたしを待っていてくれたようだ・・・と思っていたら

「それはこの小引出が君を呼んだのだよ」と父。

広い骨董市会場を何周もして 何度もこの小引出を眺め

とうとう手に取った時にはもう心は決まったも同然でした。

 

物に心がある というのは想像上のことだけれど

古い物には確かに心があって

だからこそ人の命より長い時間 様々な人手に渡りつつも生きている

とも思えて なんだか納得してしまいました。

嬉しいような怖いような でも心温まる

不思議な気持ちです。

 

 

 

使う目的は無いけれど 11月24日

 

イタリアのフィレンツェに住んでいたころ

月に一度 アパートの近所にある広場で

アンティークマーケットが開かれるのを楽しみにしていました。

本物の骨董品から いわゆる「古いだけの雑貨」まで

ありとあらゆるものが山積みになって売られています。

何も買わなくても さまざまな雑貨を手に取って眺めたり

古い児童書を立ち読みしたり (今思えば迷惑でした・・・)

にぎわう雰囲気も楽しい市場でした。

その中でも 壊れた家具や部品を売っている店を見るのが楽しくて

あっという間に時間が過ぎてしまいます。

家具の修復を勉強していると言うと値引きしてくれたり。

 

下の写真の彫刻は 山積みの部品の中から買い求めたものです。

おそらく家具の側面にあった装飾でしょう。

対になっていたはずですが ひとつしか見つかりませんでした。

買ったのは良いけれど使い道もなくて

(そもそも「使う」必要もないのだけれど)

いまは作業部屋の棚の上に飾っています。

彫刻職人の手彫りの跡を見ると

気持ちも暖かになります。

 

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小さな古時計 6月09日

 

瀬戸内海にある生口島には

母方の家族の古い家があります。

今は誰も住んでおらず 時折伯父夫婦が滞在して

夏みかんや八朔の畑を手入れしている程度。

家にある物はなにもかも古くて 幼い頃は

土間の奥からオバケが出ると信じていました。

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古い時計はもう 何時からそこにあるのか

誰も知りません。

今も現役 誰もいない家で正確な時を知らせています。

.

昭和39年6月13日土曜日 1月13日

 

古道具を買ったら 中から古い新聞が出てきました。

昭和39年6月13日土曜日 愛知新聞の5面から8面。

文化面なので時事ニュースが無く残念でしたが

この年の秋に開かれる東京オリンピックの

話題で持ちきりです。

「目で見る東京オリンピック」

という記事には 1912年第5回大会(日本初参加)から

東京オリンピックに至る9大会までの

日本人選手の参加数 メダル数が載っていました。

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途中 第一次 第二次世界大戦があり

第14回ロンドン大会では日本は招待されませんでした。

選手の表情も 今の選手より素朴な印象。

まだ戦争の記憶がつよく残っている頃の記事・・・

.

色褪せても なお 7月19日

 

たまにお邪魔する骨董店で出会った写真立。

上等でもなく 骨董とも言えない「古いもの」です。

でもその佇まいに惹かれて買うことにしました。

ぶつけて凹んで錆びて ガラスも汚れたまま

裏板に貼られた青い布もすでに色褪せて

それでもなお 見るほどに魅力を感じます。

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古いもの 時間の経過が染み付いたものを

魅力的と思うか「役目を終えた物」と見向きもしないか

それぞれの人の感覚や気持ち次第ではありますが

わたしにとって時間を経たものは新しいものより

更に惹かれる厳然たる何かがあり  これはもう

いかんともしがたいことなのです。

装飾金具4種 7月01日

 

骨董市でみつけた装飾金具4種です。

3つは鋳物 1つは型押し(と言うのでしょうか)です。

何に使われていたのか 今はもう定かではありません。

箪笥か・・・照明器具だったかもしれません。

額縁に使っても素敵な装飾になりそうです。

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型取りして石膏で作れば 金属とは違った

柔らかい趣の部分装飾になります。

箔をはっても 色を塗ってアンティーク仕上げにしても

きっと額縁を引き立ててくれるワンポイントになるでしょう。

骨董ボタン2種 5月11日

 

19世紀フランスで作られたという古いボタンです。

どちらも1センチに満たない小さなもので

真鍮と乳白色のガラス。

1つずつしか残っていなくてペアに出来ず残念でしたが

ピアスに作り直してもらおうと思っています。

左右の耳に違うデザインのピアスをつけるのも

面白いでしょう。

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つかの間の預かり物 1月23日

 

お正月明けに行った骨董市で

とうとう自分用の小引出しを手に入れました。

お客様の小引出しの取っ手を作り 内心どこかで

わたしも自分の小引出しを持ちたいと思っていたようです。

 

我が家へ来た小引出しはめずらしく引出しが6杯。

すべて杉の無垢材で内部の板もしっかり厚みがあります。

釘も木釘です。とても良い造りでした。

かなり使い込まれた様子で引き手はオリジナルではありません。

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ガタつきも緩みもありませんので 表面のお化粧直しを。

色を注してワックスで磨くと だいぶ落ち着いた様子になりました。

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引き手を作り変えようか・・・? おいおい考えることにします。

それもお楽しみのひとつ。

 

古い物との出会いはご縁とタイミングですね。

運命とまで言うと大げさですが この小引出しを含め古い物たちは

わたしが生きた年月より長い時間を過ごしてきた今

こうしてわたしの元へ来ることを「選んでくれた」ような気がして

いつもながら不思議な気持ちになります。

そしていつかまたわたしの手元を離れて次ぎの持ち主へ。

それまでつかの間の預かり物なのかもしれません。

引き継がれていく宝物 12月21日

 

ひさしぶりに寄った骨董店で

可愛らしい指物の引出しを見つけて手に入れました。

文庫本程度のちいさなものです。

たばこ用でしょうか 上部には小物を並べ

下の引出しにはマッチを入れたのかもしれません。

いつもながら職人の技には感嘆する思いです。

釘を一本も使わず組み上げる指物の技術で作られており

年月を経た今も引出しはスムーズに動き 緩みもありません。

2000円という驚くような低価格で買うことが出来ましたが

作った職人さんを想うと申し訳ないようです。

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溜まっていた埃を取り除いて 引出しを裏返してみたら

微笑ましい落書きが見つかりました。

ピンクのクレヨンの絵(?)と鉛筆で「さき」の名前。

おままごとで遊ぶには丁度良い大きさだったのでしょう。

さきちゃんからバトンタッチ わたしが大切に使わせていただきます。

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さて どうする? 10月07日

 

その美しさとお値段(ひとつ100円…)で飛びついた

とんぼ玉が5つあります。

骨董市に並んではいましたが未使用のデッドストック。

そして古い物でもなさそうです。

キャンディーのような 風船ガムのような大きさで

色も様々とても可愛らしいとんぼ玉です。

さて…買ったけれど何に使いましょうか。

額縁に埋め込む? いえいえまさか。

しばらく掌で転がしてたのしんで 使い道を考えるとします。

 

なにか素敵なアイディア 教えていただけませんか?

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実は・・・ 9月23日

 

あいかわらず行かずにはいられない骨董市で見つけた

ちいさなフランス製の額縁です。

中に入れられる物はちょっと変形で縦長ですね。

まだ合いそうな絵(写真でしょうか)は見つかりません。

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この額縁は木製で丁寧にブドウの模様が彫られている・・・

と思われるでしょう?

ところが。

実は裏を見たら一目瞭然ですが 樹脂製でした。

小さな額縁をまるごと型取りして量産されたのだと思いますが

色といい彫の感じといい あやうく騙されるところでした。

この額縁にしてみれば騙すつもりは無かったかもしれませんけれど…。

 

なににせよ(樹脂にせよ)可愛らしい年代物には変わりありません。

和洋折衷 9月05日

 

鎌倉の骨董店で見つけた日本の模様集です。

和綴じの本で「古代模様集弐編」 横書きの文章は

まだ右から左へ書かれているので大正時代出版でしょうか。

着物や漆器などに使う模様を集めたようですが

中にはどこか西洋を思わせる模様も見受けられます。

正倉院の宝物にあるような・・・西洋とも東洋とも言えない

エキゾチック(?)な雰囲気です。

古典技法の箔を使った額縁にも合いそうな模様もあるので

この本を参考に「和洋折衷」の額縁を作ってみようと思っています。

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敬意を表して 7月18日

 

新しい額縁を作る仕事をしていても

骨董市で美しい一昔前の額縁を見ると手を伸ばしてしまいます。

こんな額縁を私も作りたい…とか どんな部屋に飾られていたのか…など

手に取りながら色々と想像します。

今日出かけた骨董市でも小さな円形の額縁を買いました。

額縁を作っている身で言うのははばかられますが

正確な円形や楕円形の額縁を作るのはなかなか難しいのです。

小さいとは言えきちんとした円形の手作り額縁を見つけるととても嬉しくなり

また作った職人さんに敬意を表したくなります。

下の写真は今日から我が家の住人(?)になった骨董雑貨達です。

中央の缶はお米用のようですが ギリシャ神話の絵柄です。

赤いガラスの器はかなりディスカウントして頂けました。

当分の間はこれらの雑貨を眺めて撫でて楽しめそうです。

骨董市通いは止められません。

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アンティークのカード 7月13日

 

コレクションするつもりも無く 気付くと数が集まっていた

アンティークのカードです。

骨董市に行くとたいてい何軒か西洋のアンティークカードを

扱っているお店があり 見逃せません。

こうして並べてみるとどうやら私の好みは

冬の風景や夕暮れの風景が入っているカードのようです。

左上に見えているカードは湖上のボートに乗る男性二人の様子とともに

シューベルトの歌曲集「白鳥の歌」の一曲が描かれており

とても美しく 大切にしている一枚です。

carta