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Firenze 2018 tempo calma №20 10月28日

 

サン・マルコ美術館にはフラ・アンジェリコ作品以外にも

もちろんほかの作家の作品もありますし

古い遺構の装飾なども展示されています。

ギルランダイオの最後の晩餐図もあります。

 

だけどわたしにとってここは「フラ・アンジェリコ美術館」。

2階の写本室(図書室でしょうか)には写本展示もあり

フレスコ画やテンペラ画とは違う美しさが堪能できます。

その薄暗い部屋の一番奥に、画材紹介がされていました。

 

▲写本室入り口。柱列がうつくしい。そして誰もいない。

 

おそらくルネッサンス時代に使われていた画材紹介で

顔料、膠、筆と樹脂など。

 

顔料は9色ありました。

黒=ワインブラック(葡萄の種などを炭化・粉末にしたもの)

白=鉛白(塩基性炭酸鉛)

青=ウルトラマリン(貴石ラピスラズリの粉末)

黄=イエローオーカー(天然土系顔料)

 =ローシェンナ(天然土系顔料)

茶=鉛丹(四酸化三鉛)

 =バーントシェンナ(天然土系顔料)

緑=テルベルト(天然土系顔料)

赤=辰砂(硫化水銀)

 =レッドラック(カイガラムシ由来の染料)

 

あとはアラビアガムの樹脂、クローブの枝、金粉。

樟脳、板状にした魚ニカワ。

クローブの枝と樟脳は何に使ったのかわかりませんでした。

 

これらを使ってフラ・アンジェリコもここで描いたのだなぁ、

などと考えると感慨深い気持ちになります。

映画「薔薇の名前」ではショーン・コネリー扮する修道士

「バスカヴィルのウィリアム」が写本の謎を解きますが、

その映画では1300年代の修道士が写本を描いていた

北イタリアの修道院にある写本室や様子が再現されていて、

とても興味深く面白いのです。

 

▲サン・マルコの写本室。

 窓は小さくて、当時はもっとずっと薄暗かったと思われます。

 

きっとアンジェリコたちサン・マルコ修道院の修道士たちも

あの映画とあまり変わらない環境で、上の写真のような

道具と材料で写本やテンペラ画を描いては祈る、

そんな生活をしていたのでしょう。

 

▲写本室正面の窓からは中庭が見下ろせる。

 アンジェリコも見たであろう風景です。

 

どんなことを考えながら描いていたのかなぁ・・・。

日が暮れて暗くなってきたら、その日の仕事は終わり。

きっとこの窓の前で深呼吸などしたのではないでしょうか。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №19 9月27日

 

Giovanni dal Ponte

ジョヴァンニ・ダル・ポンテという画家をご存じですか。

ゴシックとルネッサンスの端境期に

フィレンツェで活躍したそうです。

わたしはこの本を手に取るまで知りませんでした。


▲黒い布表紙。紙カバーがないのが珍しい。

 

フィレンツェのレプッブリカ広場にある書店

「Red」はとても広くて軽食がとれるスペースもあり

街の中心にある素敵な本屋さんです。

フィレンツェでたびたび行く書店のひとつ。

回廊になっている美術書売り場でこの本を見つけました。

画集ですが、どうやら2017年3月まで

アカデミア美術館で開かれていた展覧会カタログのようでした。


▲立ち読みでこの絵を見て、買うことを決めました。

 

ジョヴァンニ・ダル・ポンテ(1385~1438)は

マザッチョが影響を受けた人とありましたが

ほかにもロレンツォ・モナコ、マゾリーノ、

そして我がフラ・アンジェリコも影響されていたとか。


▲若きダル・ポンテ20代の作品。1405年ころ。

 

▲そしてアンジェリコ、こちらも20代前半の作。

1415年頃の作ですから、上の絵の10年後です。

 

アンジェリコはダル・ポンテの10歳下、

会ったこともあったかもしれません。

同時代に生きていたら影響も受けたでしょう。

だけど上の絵を見ると陰影、動きのあるポーズなど

10年という小さな時代の流れを感じます。

 

47歳で亡くなってしまったジョヴァンニ・ダル・ポンテ。

もう少し生きることができたら・・・

もっと影響を受けた画家、弟子もいたかもしれません。

日本であまり知られていない(わたしが不勉強なのですが)

この画家を知ることができて良かったと思っています。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №18 9月16日

 

フィレンツェについてから2週間が過ぎて

ようやく行ったサン・マルコ美術館です。

敬愛するフラ・アンジェリコの美術館

すぐにでも来たかったけれど、

なんだか勇気というか、フラ・アンジェリコの

作品に対峙する気持ちを整えないと行けない

という少々緊張の心持になっていたのでした。

 

さて、気持ちを落ち着けて、でもわくわくしながら

朝一番で向かったサン・マルコ美術館は

まだ誰もお客さんがいなくてひとりじめ。

階段下から見上げる受胎告知もひとりじめ。

2018年春に聞いたイタリア文化会館での講演

「アートと科学:広帯域の電磁波で観たフラアンジェリコの壁画」は

この受胎告知図がテーマでした。

天使の翼はすべて土系の顔料で描かれていた、など

その時に知ったさまざまなことを思い出しつつ見学です。

 

そしてマリア様の衣装、今は真っ白のワンピースに

青いガウンを着ているようなお姿だけど、

アンジェリコは白ではなくて赤に描いた、ということ。

たしかに白と青の服をまとうマリア様はめずらしい。

伝統的に赤と青の衣装と「決まって」いるのですから。

 

画面に近づいて見てみれば、確かに確かに。

フレスコの亀裂に赤い顔料が残っているのが確認できます。

そうなんだ、やっぱり赤だったんだ。

 

おそらく後世の修復時に赤い顔料が取れてしまう事故が

あったのではないか・・・とのお話でしたけれど、

一体何が起こったのでしょうか。

いやまったく、その時の修復家の心情いかばかりか!

(想像するだけで身の毛がよだつ。)

そして、事故であったならなぜ補彩で赤を再現しなかったのか。

いろいろと考えてしまいました。

 

だけど、こう言っては何ですが、

白い衣装とマリア様の表情がよく合って

赤い衣装より無垢なイメージを表現できているような。

・・・いや、これは単に好みの問題ですか。

そしてもう、わたしにとってこの絵は

「これ以外にはありえない」と思い込むほど見慣れて、

そして憧れているということなのだ、と思っています。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №17 8月30日

 

アパートからパオラの工房へ通う毎日の

通りみちにあって、毎朝訪ねた教会が

サン・レミージョ教会でした。

路地にあって観光名所でもない、そして

前を歩いても外観が目立たないからか、

この教会では誰にも会うことはありませんでした。

 

先日ご紹介した「隠れた珠玉の作品に出合う旅」にもあります。

本によると、この教会は1040年には最初の記録があり、

現在の建物は13世紀に完成。聖地ローマへむかう

フランス人巡礼者のために建てられたとか。

とても古い、そして歴史ある教会です。

 

この教会の宝物はビザンチンの聖母子像です。

作者も不明だけど、チマブエやドゥッチオにも

引けを取らない荘厳さ、でも母に抱きつくイエス様が

なんとも親しみを覚えるのです。

小さな子供ってこんな表情でお母さんに向かって

手を差し伸べますものね。

▲お母さん、抱っこして!

「隠れた珠玉の作品に出合う旅」より

 

毎朝ここでマリア様とイエス様に会ってから

額縁工房へ向かう日々でした。

 

窓が少なく壁が厚くて、教会内部は外と

空気も湿度も匂いも違う異空間。

暗くて静かで、でもまったく怖くない。

わたしは信仰を持っていないけれど、

この教会はそんなわたしでもすんなりと

受け止めてくれるような雰囲気がありました。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №16 7月31日

 

2018年の秋にフィレンツェにある

パオラの額縁工房をたずね、

とうとう自分のために1枚の額縁を

注文して帰国しました。

そして額縁が春に届きました。

こちらでもご紹介しようと思います。

 


 

サイズは外側が410×355mm、

内側が230×174mm、木枠巾が95mm。

SMサイズの変形と言ったところです。

工房にあった額縁でいちばん強い印象の

1枚を選びました。

 

▲木地にボローニャ石膏、赤色ボーロ。

金は純金箔ではなく洋箔です。

 

この額縁、新しく作られたのではなく

サンプルとして展示されていたものです。

かれこれ20年近く経っているでしょうか。

古色加工にさらの経年の「本当の古色」がついて

木も石膏も枯れはじめています。

 

新しい額縁を購入するのが本当だけど

わたしはわがままを言って

「この古い額縁が欲しい」とお願いしました。

いま工房には新しく作られた同じデザインの額縁が

(雰囲気も一見同じ、でもよく見ると違う・・・)

サンプルとして飾られているはずです。

 

▲経年で石膏が剥離している。黒い部分には白く傷も。

 

この額縁を見ていると、留学したばかりのころ毎日

ウィンドウからパオラとマッシモの額縁を見て

(しつこく覗き込んでいた怪しい東洋人のわたし)

ああ、こんな額縁を作って生きていきたいと

古典技法で古色を付けた額縁にあこがれたこと

いろいろと思い出し、今と未来を考えます。

 

 

それにしても

この額縁、そこにパオラとマッシモがいるような

まさに「作者そのもの」に感じます。

わたしの額縁にも「わたしそのもの」が

表れているのか・・・

それとも額縁職人としてそれは求められていない?

ううむ。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №15 7月10日

 

こちらの本は2015年にもご紹介しましたが

今回のフィレンツェ滞在でもずいぶん活躍しました。

「隠れた珠玉の作品に出会う旅」です。

フィレンツェの歴史的エリア(旧城壁内)の

小さな美術館、小さな教会などにある

25作品が紹介されています。

 

 

バルディーニ美術館ホーン美術館なども

この本で知りました。

 

珠玉の作品、まさにその通りで

「こんなところに(失礼)こんなお宝が!?」と驚きつつも

おおきな美術館のように次から次へと見るのではなく

1つの大切な作品に集中できるというメリットもありました。

 

 

そのうち、12の作品を観に行くことができました。

なんど訪ねても閉まっている教会、

偶然扉があいていて入れたけれど

神父様に追い出されてしまった教会などもあり。

(おそらくミサが始まる時間だったのでしょう。)

ずいぶん制覇したと思っていましたが

半分も見られなかった・・・。むむ。

1日にふたつは観るとしても25件で12日。

なかなか大変です。

 

そしてこの本、フィレンツェ郊外について

23作品も紹介しているのです。

ドナテッロの磔刑像やピサの先にあるロマネスク教会、

フラ・アンジェリコの観ていない作品もあります。

▲画集では見ているけれど、実物はまだ観ていない。

 

不便な場所でなかなか行き辛いところもあるようです。

でもきっと誰もいない空間でその建物、美術作品と

しずかに対峙できるのではないでしょうか。

寒い冬の晴れた日に行きたい。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №14 6月24日

 

ある朝、パオラの額縁工房へ行くと

まだシャッターが閉まったままでした。

いつもなら9時には開いているはず。

雨の中をしばらく待つことにしました。

 

▲“CORNICI”  額縁。店名は“Corniceria del’agnolo”

「アーニョロ通りの額縁店」です。シンプル。

 

すこし離れて店をみてみると

シャッターには落書きされたままだし

右の壁にある道路標識はひん曲がっているし

(この位置でここまで曲がる謎・・・)

CORNICIの看板も古びて薄汚れています。

雨で暗い日だったのもあって

うらさびしい雰囲気でした。

 

 

結局この日はパオラがひどい風邪をひいて

お店は閉店のままの一日。

パオラひとりで工房とお店を管理する

大変さと難しさを感じました。

 

今回のフィレンツェ滞在は、じつは当初

パオラがもうお店を閉じるかも・・・とのことで

わたしになにか手伝えることがあればと

急きょ決めた訪問でした。

パオラとマッシモ夫婦、ふたりで長年行ってきた作業を

もう若くないパオラがひとりでこなすのは至難のことです。

 

でもいざパオラに会ってみればお店を閉じる話は無し。

「どうして急に来たの?懐かしくなっちゃったの?」

なんて言われる始末なのでした・・・。

つまり閉店を考えてしまうほどに大変、ということで。

メールのみでのやり取りでわたしの早合点。トホホ。

 

なにはともあれ、緊急閉店はなく(ひとまずは。)

微力ながらもわたしが額縁制作を手伝ったことで

パオラの作業が楽になり、気分転換にもなり。

わたしはパオラから新しい技法を教えてもらったり、

日本で額縁制作の経験を積んだ今だからこそ

理解できること等をさらに相談できたりと

「悪くはない」滞在でした。

とは言え、パオラひとりでのお店経営問題が

解消したわけではありません。

心配は続く・・・

 

 

Firenze 2018 tempo calma №13 6月14日

 

フィレンツェの街で会ったかわいこちゃんたち。

お店のオーナーは職場に犬をつれてくる人が

多いのかもしれません。

 

▲洋服屋さんで店番。「いらっしゃ~い・・・買わないの?」

 

▲おーい美人さん、こっち向いて!

 

▲思いがけずやさしい微笑。抱きつきたいけど我慢しました。

 

▲じっ・・・。市場の八百屋さんの裏で。たいくつそう。

「知ってっか?おれ、ベジタリアンなんだぜ・・・。」(うそ)

 

▲夕暮れふわもこ3兄弟!・・・いや、4兄弟か??

パンを買うご主人をしずかに待つ。

「われらの晩御飯はなんじゃろか・・・。」

 

▲つま先をあわせてちょいちょい!これは撫でてほしい催促です。

マッシモの愛犬ガイア。人間好きでお客さんにもすぐご挨拶。

 

フィレンツェではバスや電車にのらないで

通勤できる人が多いこともあるかもしれませんけれど、

日本ではあまり見ない光景です。

日本より犬嫌いが少ない?

犬も人も一緒の空間に慣れていておおらか?

犬どうしが道でばったり出会っても

吠えたり騒いでいる様子も見ませんでした。

 

街中にあまり植物をみかけないフィレンツェで

穏やかな表情の犬に出会うと

ホッとして和やかな気持ちになりました。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №12 5月31日

 

今回の旅の大きな目的のひとつに

「pfeil社の彫刻刀を買うこと」がありました。

スイスのメーカーpfeil社の彫刻刀は

西洋木彫(と言うのでしょうか)を

なさる方はおそらく皆さんご存知の会社。

グスターヴォさんはじめイタリアの彫刻師も

pfeil製の彫刻刀を使う方が多い印象です。

 

フィレンツェの中心、ドゥオーモのすぐ北側に

「Ferramenta Paoletti」はあります。

金物屋、道具屋、と言ったところでしょうか。

 

▲うっかりすると通り過ぎてしまう、間口が狭いお店。

作業服の男性から初老のご婦人までお客さんが多い。

 

▲プロも使う工具からデザインカッターやエアブラシのノズル、

古典的な道具から水道部品まで、扱う商品は幅広い。

 

▲こんなかわいい吊金具も。大小ふたつずつ買いました。

 

そして、ありましたよpfeilの彫刻刀。

▲刃物がぎっしり・・・pfeilのシリーズが奥に並ぶ。

 

お店の在庫に欲しい号数がなくても、

なにせスイスはイタリアのお隣ですから

その場でpfeil社へ電話注文してくれます。

おおよそ2営業日後にはお店に到着。

 

フィレンツェは革で有名な街でもあります。

パオレッティオリジナルの道具巻もあって

革の色(黒、赤、茶、緑から選べる)

ポケットの数の希望を言えば

これまた2営業日後に特注道具巻が届いています。

赤の皮で12ポケットをお願いしましたら

日本円で5500円くらい(記憶はすでに遠い)でした。

 

 

▲革の良い匂い。裏地もしっかり、うつくしくて丈夫です。

この品質でこの価格、大変良心的であります。

 

時間が限られている中で、この対応の早さは

ほんとうにありがたい。

英語も通じる、とても親切な家族経営のお店です。

 

地元密着でプロの業者さんも頼りにしている

パオレッティさんのお店のご紹介でした。

 

Ferramenta Paoletti

13 R, Via de’ Pucci, 50122 Firenze

 

 

Firenze 2018 tempo calma №11 5月24日

 

わたしが留学していた当時から

スーパーマーケットのレジ袋は

有料だったイタリアですが

2018年になってますますビニール袋が

減っていると感じました。

たとえばなにかお土産を買ったとしても

雨の日以外は紙袋が基本。

そしてレジ袋をレジで購入している人を

見る機会はありませんでした。

老若男女、布のエコバッグを持ち歩くのは

ごく普通の日常な様子です。

 

市場で野菜を買うと入れてくれるのは

こんな袋でした。


100%生分解性、土に埋められる

と書いてあります。

ふわふわに軽くて薄く、破れやすい。

でも生ごみをいれて捨てるには十分です。

 

日本のスーパーマーケットでもレジ袋は

最近どこも有料ですし、ここ数年で

エコバッグも定着してきたと感じます。

ビニール袋を無くすことは難しいけれど

この生分解性の袋を日本でももっと

使われるようになれば良いなぁ・・・

と思いました。

 

問題は価格、なのでしょうか。

ビニール袋の代わりに紙袋ならいいのか

といえばそうでもありませんし。

なかなか難しい問題です。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №10 5月01日

 

フィレンツェの中心を流れるアルノ川左岸

グラツィエ橋のすぐ近くに

バルディーニ美術館があります。

ここもホーン美術館同様に

古美術商で成功したバルディーニさんの元邸宅で

コレクションを公開しています。

こちらは中世の石彫刻、タペストリー、

家具などのコレクションが豊富です。

 

聞いたところによると、最近では

50人程度を招待した結婚式も挙げられるとか。

さすがに披露宴は無理なようですけれど

美術館で結婚式、素敵ですね。

 

 

さて、そのバルディーニ美術館には

今回2回行くことができました。

その目的はずばり「額縁」でございます。

 

 

真っ青な美しい壁に金の額縁が

ギッシリと展示されている部屋は壮観!

そしてわたしのような人間には身悶えするほど

魅力的な部屋なのです。

 

写真をずらずら並べてみます。

 

本で観ていたような素晴らしい額縁が

ガラスも無く、他のお客さんも無く

--見張りの方もほぼいない--

たったひとりで近くで観る事ができるなんて。

額装された作品が無い「空っぽ」ですから

額縁そのものをより集中して観察できます。

 

 

ここは天国かしらん。

そんなバルディーニ美術館の一室でした。

 

 

思い出を共にした人へ 4月22日

 

小さな額縁が完成しました。

 

17mm幅の木地、白で模様を入れたスペースの幅は

5mmしかなくてほとんどミニチュア額縁です。

筆さばきもなかなか大変でしたけれども、なんとか。


中央部分の星が気に入っています。

 

この額縁には昨年フィレンツェで買った版画を入れて

ベルリンに住むドイツ人の友人へ贈る予定です。

昨年秋、12年ぶりに再会することができた友人K。

彼女がいなければわたしは留学3年間を乗り越えること

――楽しいことは山ほど、辛いことも同じくらい――は

できなかったと思っています。

 

4月21日(今年はイースター!)が誕生日のK、

間に合わなかったけれど、そして

彼女への感謝にはささやかすぎる贈り物ですが

フィレンツェ風の額縁に、フィレンツェ風景を納め、

2018年秋のフィレンツェの思い出を籠めて。

 

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №9 4月19日

 

2018年の秋にフィレンツェに1ヵ月間

滞在した時のことをお話しております。

1ヵ月間という旅行としては長く

住むというには短い期間、

小さなアパートを借りることにしました。

 

 

場所は中心街の中心、どこに行くにも

――パオラの工房もグスターヴォさんの工房も、

アルノ川の右岸も左岸も――とても良い場所。

変な話、お手洗いに行きたくなったら

アパートに帰る、といった感じでした。

▲背中側にベッドスペース、窓の向かいがキッチン。

右にバスルーム、玄関がつづきます。

 

きちんとしたキッチンが付いているダイニング

カーテンで仕切れば独立するベッドスペース、

▲白が基調の部屋にドライフラワーや花のパネル。

フェミニンですが落ち着インテリアです。

 

洗濯機、冷蔵庫、電子レンジや食器も完備

お湯がたっぷり出るシャワーもあります。

▲右奥のカーテンの中に洗濯機があります。

 

部屋は2階ですがエレベーターがあるので

大きなスーツケースも大丈夫でした。

歩いて数分でスーパーマーケットにもすぐ。

ひとり暮らしには十分快適です。

 

つかの間のひとり暮らし、気ままに

好きな時に好きなものを食べて寝て、

夜遊びで遅くなっても気を使わず。

留学時の友人と再会して当時を思い出し、

お互い歳を取ったねなんて尽きない話をして。

滞在たった1ヵ月、されど1ヵ月、

とても思い出深い部屋になりました。

またいつか行きたいな、と企んでいますが

その際にはぜひともまたこの部屋を

お借りしたいと思っています。

早く計画たてなくちゃ。

 

 

額縁の本「Pandolfini: Cornici antiche e dell’ottocento」 4月15日

 

これは本、ではありますけれども

オークションのカタログです。

昨年のフィレンツェ滞在で訪ねた

古本のお店で見つけることができました。

写真も豊富で、とても良い資料です。


Pandolfini パンドルフィーニとはフィレンツェにある

大手オークションハウスです。

2018年の4月18日に行われたオークションに

かけられた額縁カタログですので、開始価格と

落札予想価格も載っているのが興味深いところ。


予想価格が低い額縁で€700(130円換算で

91.000円)くらい、高い額縁ですと€9000

(1.170.000円)ほどと紹介されています。

ほほう・・・

どんな人が落札したのでしょうか。

 

広大な屋敷の奥にある薄暗い展示室には

膨大な額縁コレクションがあって、

壁一面に新旧問わず素晴らしい額縁が飾ってある。

そこに今日、18世紀の額縁が新たに加えられた。

これから先は門外不出、人目に触れることも無い。

部屋の主は夜な夜な絹のクロスで額縁を磨き

ひとりごとのように額縁に話しかけている。

使用人はみな不気味がってこの部屋には近づかない。

でも主は、これら額縁を作ったいにしえの職人たちの

姿と声を毎夜感じ、聞き続けているのだ。

 

額縁オタク。

妄想してしまう。

この本に掲載された額縁たち

どこから来て、どこへいくのでしょうね?

 

 

回廊の記憶 4月08日

 

白いアーチの並ぶ回廊

濃い色の空

強いコントラスト

イタリアの画家ジョルジョ・デ・キリコの

描いた風景に似ていませんか。

 

ここはフィレンツェ、捨子養育院の中庭。

美術館となった今、子供はもういません。

 

キリコの風景画は、イタリアの人にとって

どこかで見たことのある風景に感じるとか。

日本人のわたしにとっては

とても特別で不思議な風景でしたが

この中庭で「イタリアには本当にあるなぁ」と

驚きつつ納得しました。

 

 “Mystery and Melancholy of Street” Giorgio de Chirico 1914
Private Collection

 

数年前にリニューアルした捨子養育院美術館は

お客さんがとても少ないのが不思議なほどに

素晴らしい絵画コレクションが、

ギルランダイオの傑作が待っています。

ぜひ晴れた日に来てください。

 

捨て子養育院美術館:Museo degli innocenti

 

 

Firenze 2018 tempo calma №8 4月03日

 

パオラは骨董市や工房に訪ねてくる業者から

古くて良い作りだけど壊れている額縁を

手に入れて、修復して販売もしています。

 

わたしが行ったとき、お店には修復が

終わったばかりの額縁があったのですが

気になって気になって。

迷った挙句に売ってもらうことにしました。

わたしにとってはなかなかの出費でしたけれど

古いものとは出会いが大切です。

逃せば2度と会えませんから。


17世紀風のデザインですが、作られたのは

20世紀初頭の額縁ですのでさほど古くありません。

なんだかとても「イタリアっぽい」額縁です。

 

さて、どこが修復されているでしょうか。

お分かりですか?

答えは裏から見ると分かります。

 

左の長手(裏から見ると右)と

上下の花状装飾部分です。

▲上部、小さなパーツは欠けやすい。

セロテープの跡が残っているけど気にしない・・・?

 

▲ヤスリの跡も豪快に残っていますがへっちゃら?!

最下部の半円に割れて継いだ痕跡が見える。

 

パオラが買った当時、花状装飾はすでに

昔に修復がされていて、左長手が無い

状態だったとか。

パオラが新しく作った長手は、裏からみれば

修復後と分かるよう白木のままにしたそうです。

 

ちなみにこの長手の彫刻、グスターヴォさん

手によるものだとか。

お世話になったふたりが修復した額縁、

愛着もますます湧きます。

 

いまはまだ空っぽの状態ですけれど

古いガラスの鏡を入れたらかっこいいな。

鏡の古色加工(と言うのでしょうか)もしてみたいな!

傷や白い斑紋、黒い錆びが浮いたような

ぼろっちい鏡をつくってみたい。

などと企んでおります。

いつになるやら、ですけれども。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №7 3月22日

 

ホーン美術館訪問のつづきです。

2階には道具の展示室もありました。

手に取って眺めたいほど楽しい展示です。

 

どれもこれも当然ながらすべて手作り。

鍛冶屋、細工師、銀職人、さまざまな

専門職人が腕を振るった一品なのでしょう。

製図の道具コーナーには、わたしたちが

いまも日々使うような道具がありました。

三角定規や指矩、分度器にコンパス。

 

そのどれも美しい装飾入りです。

実用するには必要のない装飾ですけれど、

ひとつずつデザインし、彫って磨いた

職人さんがいたことに感動しました。

ここにもいました、道具を可愛くしたい人が。

 

今のように道具を手軽に手に入れることが

無かった時代、きっとこの定規は一生もの。

丁寧に装飾を入れることに、これらの

道具を大切に作り、大切に使った気持ちが

籠められているように感じます。

 

いにしえのイタリアの職人さんと

「やっぱり道具は美しくなきゃね~」なんて

微笑あって意気投合した気分でした。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №6 3月04日

 

東急百貨店吉祥寺店での

「手のひらサイズの小さい絵展」は

お蔭さまで無事終了いたしました。

お越しくださった皆様ありがとうございました。

またお買い上げを賜りありがとうございました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

フィレンツェの古典技法額縁制作は

分業体制になっていて、おおよそ

木地(指物師)、彫刻、金箔から仕上げの

3種の職人さんで成り立っています。

パオラとマッシモの工房は「額縁店」ですので

お客様がいらして打ち合わせをするプロデューサー、

デザイナー兼箔から仕上げまでを行います。

木地屋さんに竿を発注、それを切って組み、

彫刻師に木地を渡して彫ってもらい、

それからパオラとマッシモが石膏塗りをして・・・

という手順で制作が進められます。

 

パオラの額縁店で彫刻専門でお願いしている職人さんは

3人いらして、グスターヴォさんはそのひとり。

サン・マルコ美術館ちかくにある

グスターヴォさんの工房にお邪魔させて頂きました。

 

額縁だけではなく、家具の装飾、ランプの土台、

看板から小物まで(この時はイタリアの

超有名ハイブランドのバッグの木製ハンドルを

作っておられて大忙しでした。)

木彫ならなんでもござれ、なグスターヴォさんです。


▲イタリアの彫刻師はみな彫刻刀の刃を自分にむけて置く。

一見こわいけれど、必要な刀をすぐに見つけられる。

 

プロの机、つかう道具、工房の空気など

リアルに拝見することが出来て、自分の目がギラギラ

していたのが分かりました。

身心に刺激を受けます。

▲合板に木材を固定し、さらに合板を机に固定して彫る。

 

グスターヴォさんの彫刻用木槌(きづち)は

40年以上使っているとのことですが

半分近くにすり減っているのでした。

▲pfail社の彫刻刀。木槌で打つときはこのように持って構えます。

 

新しい木槌も準備してあるのだけど、

やっぱりこれが使いやすいんだよね、と。

手になじんで愛着がわいて、もう体の一部に

なったような木槌でした。

 

「いつでもおいで。ここで教えてあげるから。」

と言って下さったグスターヴォさん。

すっかり本気にしているわたしです。

いますぐにでも彫刻刀をかついで駆け付けたい。

彫刻技術をもっと高めたい。

またフィレンツェ滞在を必ず実現させねば!

いくつになっても、師を持って修練できる機会は

大切にしたいです。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №5 2月20日

 

額縁工房に通いつつも、やはり

美術館に行かずにはおられませぬ。

額縁工房からもほど近いホーン美術館へ。

 

イギリス人美術評論家であり美術商だった

ホーンさんのコレクションを基に作られた

こぢんまりとした美術館ですが、

聞きしに勝る充実でしたよ。

▲静謐なエントランス。期待が膨らみます。

 

まずはやはりこの美術館の宝物である

ジョットの「聖ステパノ」から。

発色、聖ステパノの表情にも惹きつけられますが

背景の金、そして石膏盛上げ(パスティリア)や

刻印による繊細な装飾に目は釘づけでした。

▲「聖ステパノ」1330年~1335年頃の制作。843×540mm

頭部の白いふたつは石です。石打の刑での殉教を表現しています。

 

照明の角度で亀裂や古びた擦れ、箔や画面の

経年変化が良く見えます。

左側、髪の描写の下に金箔があることが分かります。

こめかみには光輪を描いたコンパスの穴も。

▲亀裂はほぼ横向き。支持体の木目に関係するのでしょうか。

それとも石膏を塗ったときの刷毛の方向か?気になります。

 

▲若々しく赤味の指す肌、そして様々な装飾模様

どこをとっても「かわいい」と思ってしまいます。

 

もちろんジョットが描き終えた時には

この亀裂は皆無で表面はもっと滑らかで

金の輝きも強く彩色も鮮やかで

「この世のものならぬ」ように光り輝いて

いたことでしょう。

 

でも今の、まさに今のこの美しさは

ジョットの手になるものに経年による

変化が加わり、それがこれまで保存修復に

携わった方々によって保たれて、

すばらしい奥行きが増しています。

きっとジョットも「これも悪くないねぇ」

なんて思っていると想像します。

 

Il Museo Horne

 

 

Firenze 2018 tempo calma №4 1月28日

 

フィレンツェは以前にも増して

外国人の姿が増えていたように感じました。

アジアや南米の方々のグループ旅行、

アメリカの若い人たち(おそらく留学生)

EUの方々の個人旅行などなど。

そしてイタリア国内各地からのお客様も。

11月のフィレンツェはオフシーズンと思いきや

美術館も教会も朝から長蛇の列なのです。

それでも夏に比べればずっと短いとか。

▲サンタ・クローチェ教会入場の列。あともう少しなのですが

この日は時間切れで列から退散しました。

 

パオラ曰く、ユーロになってからイタリアは

景気が悪くなる一方とのことですが

こうして旅行者が大幅に増えて街は賑わい

若い人の仕事も増えたように感じたのでした。

古いお店が無くなった場所には今風のレストランや

バール、素敵な土産物店が立ち並んで、

暗くなると立ち寄りがたかった界隈が

オシャレスポットに様変わりして安全になっていたり

土日の夜まで開いているスーパーマーケットが

できていたり(これが一番驚いたけれど!)。

有名な教会はすべて入場料が必要になって、

その代りとてもきれいに整備・管理されて

働く人々も増えていた印象です。

 

そうそう、トラムができていましたし!

大学病院のあるカレッジ(わたし、ここで

親不知を抜いてもらいました・・・)や

もうすぐ空港もトラムでスイーッと

行けるようになるそうです。

 

わたしの思い出の「古き良きフィレンツェ」が

消えてしまった一抹の寂しさはあるものの、

8年ぶりに様変わりしていたフィレンツェは

さらに生き生きとした街になっていたようです。

 

 

額縁の本 「CORNICI DEI MEDICI la fantasia barocca al servizio del potere」 1月14日

 

この本は先日「古色再考 つづき」で

お話したときに参考にした本です。

メディチ家所蔵の額縁を紹介しています。

現在ピッティ宮殿内にある銀器博物館の一室が

「Sala delle Cornici」(額縁室)

として一般公開されており、その所蔵品が

メインに取り上げられているようです。

 

1500年代初め、コジモ1世からはじまり

1700年代初頭フェルディナンド3世の時代までを

紹介しつつ、額縁と額装されている作品も

同時に見ることができます。

▲ラファエロの女性の肖像。絵は本やネット上で

 何度も観ているけれど額縁を見る機会は少ない。

 

額装された状態と空っぽの額縁。

並べてみると、なるほどなるほど。

▲古い額縁の金の輝きは薄いグレーに感じる。

 

額縁だけ見ると彫刻も全面の金箔も

装飾過多で強烈すぎるように感じても、

作品--大抵は人物画――を額装された

状態でみればすんなりと見られるのです。

美術館などで見慣れている

という理由もあると思いますけれど、

やはり額縁は作品を入れてこそなのだと納得します。

額縁は面白いです。

 

この本を買った古書店が栞を入れてくれました。

8€の割引して頂いた記録も一緒に。

思い出です。

 

「CORNICI DEI MEDICI la fantasia baroccaal servizio del potere」

Marilena Mosco

Mauro Pagliai Editore

2007年発行

 

 

Firenze 2018 tempo calma №3 1月10日

 

フィレンツェの下町にあるパオラの額縁工房は

なんと言いましょうか、片付いていません。

サンプルとして展示されている額縁は

ちょっと傾いていたりするし、

床もカウンターもなにやら物だらけです。

ホコリを被った彫刻サンプルが転がっていたり、

制作途中の木地と書類が一緒に山積みだったり。

それなのに額縁と関係ない物は

一切置いていない不思議。

 

パオラ曰く

「この雰囲気に誘われてお客さんが来るのよ。

窓から眺めて、作業している様子がある方が

通りかかった人も入りやすいからね。

キッチリ片付いているとちょっと堅苦しくて

なかなか入りづらいでしょ。」

とのこと。

なるほど、毎日のお客さんの出入りの様子から

一理あるようです。

まぁ片付けが苦手というのも本当みたいだけど!

パオラのお喋りで親切、暖かな人柄が

お店の雰囲気に表れているのだと思っています。

 

 

古色再考 12月31日

 

フィレンツェ留学時に修業させていただいた

パオラとマッシモのお店が作る額縁の

最大の特徴は古色付け、アンティーク風仕上げです。

フィレンツェには、数は減りましたが

伝統的技法--つまり古典技法――で

額縁を作る工房は今も沢山あります。

そのなかで競争し生き残ってきたパオラとマッシモ。

古色の美しさ、力強さはイタリアのみならず

海外からのお客様からも認められています。

 

わたしが彼等の作る額縁に惹かれたのも

その古色の美しさで、修業中にもさまざまに

技法を教わりました。

そして今もわたしは古色を付けた額縁を

好んで作っているのですが・・・

 

今回のフィレンツェ滞在でパオラから

改めて古色の付け方を教わり、また

彼女の作業を傍らで見つつ過ごしていました。

それで分かったこと。

今までわたしが日本で行ってきた古色付けとは

仕上がりの光と色味が違うのです。

 

汚しに使う材料が思っていたのと違ったこと、

(バリエーションがいろいろあるのです。)

そしてなにより技術の違いが大きいのでした。

今回のフィレンツェ滞在で得た収穫は

たくさんありますが、この「古色について」は

改めて大きな気づきでした。

 

 

擦ってたたいて汚すだけではない。

古色再考のチャンス、活かそうと思います。

 

これにて2018年のKANESEIブログ「diario」を

お終いにいたします。

ブログをご覧くださりありがとうございました。

また額縁や修復の仕事でお世話になりました皆さま

大変ありがとうございました。

来る年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

2019年は諸々、心身ともにスピードアップを

めざす所存でございます。

 

 2018年12月31日 KANESEI

 

 

 

Firenze 2018 tempo calma №2 12月20日

 

今回の旅の目的は、額縁制作の修業先だった

工房へ行くことでした。

この工房はマッシモ氏とパオラさんご夫婦

ふたりで運営されていたのですが、

紆余曲折があり、現在はパオラさんひとりで

制作から販売まですべてを行っています。

 

工房を訪ねた日、なにせ7年ぶりですし

イタリア語も久しぶりですので緊張気味でしたが、

ドアを開けたとたんに感じた匂い--ニスや溶剤、

木の匂い、古い建物の匂いが入り混じった--

を嗅いで、パオラの笑顔が向こうに見えたとき

すっかり留学当時の気持ちが戻ったのでした。

▲お店のウィンドー。工房手作りの額縁と古い額縁(販売中)と

入り混じって展示されています。

 

工房はほんの少しの変化(物が増えた)はあったけれど

飾ってある見本の額縁の雰囲気も、カウンターの

雑多な雰囲気も、すっかり昔のまま。

▲右に見える入口の奥には作業部屋が続きます。

 

これからしばらく、パオラを手伝いながら

初心に帰って様々教えを乞います。

 

 

Firenze 2018 tempo calma №1 12月17日

 

2018年11月に、かつての留学先である

フィレンツェに行ってまいりました。

頂戴しているご注文をさらにお待ちいただき

Tokyo Conservation室長はじめ

額縁教室の先生、生徒さん方にもご了承いただき

渡伊を叶えることができました。

ここで改めてお礼申し上げます。

 

2011年以来7年ぶりのフィレンツェでしたが

La nostalgia in Italia 2011

とても変化があったところ

昔と変わらず続いているところ

さまざま感じました。

このブログ「diario」で、旅で見てきた

額縁や美術作品などと一緒にご紹介したいと思います。

どうぞお付き合いくださいませ。