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秋だから、ではないけれど 10月28日

 

先日読んだ辻仁成さんのブログ

「某月某日、なんだか、寂しい年齢なのである。

仕方ないけど、ここんところ、毎日、

寂しいので、なんでかな、と思ったら、秋だった。

秋だからか、と思ったら、思わず、笑ってしまった。」

とありました。

 

「そっか、寂しいのは秋だからだって。

秋だからかぁ・・・じゃぁ仕方がないよね!」

とわたしも納得してしまいました。

 

 

年がら年中どこかしら

うすぼんやりと寂しいのだけれど、

普段はあまり認めたくないというか

自分で見て見ぬふりをしている。

でも秋は寂しくても許されような

「寂しくて当然、だって秋だから。」

と大っぴらに言い訳できるような気がしています。

 

そうやって認めると楽になるのだけれど

改めて自覚すると余計に寂しくなったりして。

「やれやれ、あ~あ。」

とやり過ごしております。

秋は一番好きな季節なのですけれどね。

 

 

もどかしくも終了とする。 10月25日

 

なかなかイタリア人にならず

悩んでおりました天使です。

フラ・アンジェリコの作品を

卵黄テンペラで模写しました。

オリジナルよりだいぶ小さくした

手のひらサイズの模写ですので

なんとも・・・小さな点ひとつで

表情が変わってしまう。

 

これ以上いじくるともう

「ドツボにはまって這い上がれなくなる」

という時点で、お終いにいたしました。

 

フラ・アンジェリコ

「ボスコ・アイ・フラーティの祭壇画」より部分

 

フラ・アンジェリコ

「リナイウォーリの祭壇画」より部分

 

どちらもフィレンツェの

サン・マルコ美術館所蔵の作品。

本当は実物をじっくり観察しつつ

模写できれば良いのだけど、と

思いつつも、いや、やっぱり

実物と自作を見比べる勇気は無い。

・・・もどかしいのです。

 

 

小箱7 10月21日

 

このサイズの小箱、絵を描くには

最高だ~!と思い、まずは

この2つを作ってみました。

 

騎士の小箱と教会の模様小箱。

 

▲外側寸法:80×80×25mm

 

側面にはラテン語を装飾に入れました。

この文章は絵や箱とは特に関係がありません。

単純に文字装飾として選んだ格言です。

 

artis maxime proprium est creare et gignere

(騎士の小箱)

「想像し生産するは芸術の特質なり」

cantates licet usque ,minus via leadit,eamus

(教会の模様小箱)

「歌いつつ常に我々はいかん、道の辛さが減るべければ」

岩波書店の「ギリシア・ラテン引用辞典」より

 

 

迷った挙句、アンティーク風の仕上げにせず

黒とクリーム色のコントラストを

際立たせることにしました。

いかがでしょうか。

 

 

やっぱり小さい 10月18日

 

小さい額縁を4つ

同時進行で作っています。

小箱制作はひとまず置いておいて

額縁を作るけれど

やっぱり小さい。

 

▲手前の2枚はハガキサイズ。

奥の2枚はさらに一回り小さい。

 

手元でガサゴソとチマチマと

作ることができるから

そしてなぜか本能的に

幼いころから小さいものが好きです。

 

幼稚園児のころ、焼き物の

2~3センチの動物を集めていました。

ウサギや羊、ブタやアヒルとか・・・

それはそれは可愛いのです。

引っ越して以来とんと見かけない。

どこにしまっちゃったかなぁ。

 

三つ子の魂百まで、ですな。

 

 

Atelier LAPIS展「心の遠近」 10月14日

 

市が尾にある古典技法アトリエ

Atelier LAPIS の月曜日講師を担当して

いつのまにやら10年になりました。

いやはや、時間の流れは早いものです。

 

10月25日から Atelier LAPIS(アトリエ・ラピス)

の全ての講座で合同の展覧会を開催します。

 

 

コロナ禍で何度も休講になり、その間も

生徒さん方は地道に制作を続けてこられました。

そうした額縁、テンペラ画や油彩画など

古典技法の作品を発表します。

講師陣もまた、さまざまな気持ちを抱えながら

制作した作品を出品します。

わたしも2020年に制作したサンソヴィーノ2点を

展示させていただくことにいたしました。

 

 

あまり大きな声で「ぜひに」とは言えず

心苦しい気持ちもありつつ、なのですが

もしおついでがありましたら

銀座にお越しの機会がありましたら

ご高覧下さいますようお願いいたします。

29日金曜の14時30分以降、わたしも

在廊を予定しております。

 

Atelier LAPIS「心の遠近」

2021年10月25日(月)~31日(日)

11:00~18:30(最終日15:30まで)

月光荘 画室Ⅱ

中央区銀座8-7-18-1F

 

 

わかりやすい達成感が欲しい 10月11日

 

絵画修復にしろ

額縁制作や小箱作りにしろ

テンペラ模写にしろ

「これにて完了・終了」という

時点を迎えることができます。

 

この「おしまい」にすることで

得られる達成感がわたしには必要なんだと

つくづく感じています。

 

分かりやすい達成感があって

お疲れ様!と仲間や自分に言う。

そうしたら次に進める。

この繰り返しが必要なのです。

 

 

もっとも、自分の作業に

どこで区切りをつけるか

「おしまい」にするかは

悩み深いものがあって

毎回達成感を得られるわけではない

というジレンマもあるのですけれど。

 

区切りなのか見切りなのか。

ある種の諦めもあるようです。

 

 

小箱6 10月07日

 

わたしの小箱はいつも

箱義」さんというお店の桐箱を

使わせて頂いているのですが、

今日の小箱はもうずっと前に

駅前の文房具店でワゴンセールになっていた

桐無垢材の名刺入れです。

今もネット通販で購入できるようです。

▲こんな小箱。写真はネット上からお借りしました。

 

いつも作る小箱より一回り大きな木地で

どうも食指が動かない・・・だったのですが

試しにひとつ作って友人に見せたところ

「ショップカード入れに良さそう、

お店の入り口に置いたら面白いんじゃない?」

と言ってくれましたので

嬉々として追加で作りました。

 

 

4種類、サイズは同じで

それぞれ雰囲気を変えてみました。

 

 

名刺入れとしても、そして

ショップカード入れとしても

いかがでしょうか。

 

 

 

人生の半分は 10月04日

 

わたしも年齢相応に

作業時にはメガネが必要になりました。

(普段は裸眼なのですが。)

愛用しているメガネのフレームが

ぽっきり折れてしまったので

直そうと思ったら

メガネが無いからよく見えない・・・

というトホホな状況です。

 

接着してテープで仮止めしました。

またすぐに壊れてしまいそうだけど。

 

以前にラジオで「老眼鏡が必要になって

なんだか悲しい」という投稿がありました。

パーソナリティの方が

「でもまぁ人間は今や長生きになって

人生の後半分はメガネが必要なのだから、

好きなメガネを選んで楽しんだ方が良い」

というようなことを話していて

「そうか、人生の半分はメガネかけるのか、

そんなもんか!」と

老眼鏡嫌悪気分から

不思議なくらいあっさり抜け出しました。

 

そんな訳でして、お気に入りのメガネを

大切に使おうと思っています。