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大正11年に 1月31日

 

大正11年の記載がある額縁の修復をしています。

洋画家 坂本繁二郎(1882~1969)が描いた

海岸風景の美しい作品につけられている額縁です。

 

杉材の木枠に石膏(または胡粉)を塗り

四隅の彫刻には型取りしたものが取り付けられています。

デザインなどを見る限りでは 日本で作られた額縁です。

でも現在は その彫刻も大きく欠け

ところどころ木地が見えている痛々しい状態。

乾燥して今にも剥がれ落ちそうな部分には

何はともあれ剥落止めをして それから作業開始です。

木枠の緩みも接着剤を入れ あて木をして補強します。

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美味しいからか お腹が空いていたのか

ねずみがかじった跡も見られました。

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ここまで傷むと修復にもおおきな手術が必要。

既存の部分もある程度削り取り 

新たに型取りした石膏をはめ込む予定です。

 

大正11年は1922年 今から90年ほど前。

どちらの職人が作った額縁でしょうか。

おそらく今は天国におられる その職人さんに

安心してもらえるよう 丁寧に直すつもりです。

修復が完成したら またこちらでご覧頂けるように

準備しようと思っております。

 

ねずみのご飯にならないように

中に納められている絵画作品を危険にさらさないように

長いあいだ収納してある額縁をお持ちの方は 

ぜひ定期的に点検してみて下さい。

 

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食事の記憶 1月27日

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レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「最後の晩餐」

はじめて見た時 最後の食事なのに

ご馳走ではないのか・・・と思った記憶があります。

もっとも イエス・キリストにとってこの最後の食事で

大切だったのは 「なにを食べるか」ではなく

「弟子達になにを話すか」だったのですけれど。

 

 人生最後にとる食事に

何を食べたいと思うだろう?ということは

人間誰しも 一度は考えてみることではないでしょうか。

そして最後に思い至るのは

子供の頃に食べた母の味だったり

成功を収めて仲間と祝ったお酒の味など

幸せな記憶の再現 かもしれません。

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Ultima cena   1498    Leonardo da Vinci

 la chiesa di Santa maria delle Grazie,Milano,Italia

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成長にあわせて 1月24日

 

先日完成した額縁は ひさしぶりのモダンテイストでした。

春に生まれる赤ちゃんのお祝いに とのことで

当初は赤ちゃんらしい雰囲気を提案いたしましたが

ご両親となられるお二人の雰囲気にあわせて

シンプルでモダンな額縁を とのことで決定しました。

赤ちゃんのお祝いだからと言って 赤ちゃん仕様に

こだわることはありません。

お子さんのご成長に合わせて 大人になっても

写真を入れ替えて楽しんでいただける額縁を

作ることが出来たと思っています。

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* 「works」ページ内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

   どうぞご覧下さい。

不思議絵葉書 5 1月20日

 

水の都ヴェネツィアにあるカフェ・フローリアンは

1720年創業 ヴェネツィア最古のカフェです。

インテリアもとても優雅で 美術館のよう。

この絵葉書の部屋は「中国の間」と呼ばれているとか。

一見 美しい部屋を広告用に撮影した写真に見えますが

じっと見ていると 不思議な感想が沸いてきます。

誰ひとりおらず 真空になったような空間

ガラス越しに撮影したせいで 写りこんだらしい

奇妙な2点の光

薄暗い天井の角の陰

壁に描かれた絵の 空の異様な青さ…

正面の鏡には 写るべきはずの

撮影者の姿は見えません。

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Caffe Florian, VENEZIA-Piazza S.Marco

不思議絵葉書 4 1月17日

 

この写真が撮影された1914年は

日本では大正2年にあたります。

当時はモノクロで撮影した写真に

後から彩色するのも珍しいことではなかったようです。

この風景写真も単純に「空は青 地面は赤茶」と

色を入れたのかもしれません。

でも 建物も青のグラデーションになり

水没した遺跡のよう。

広場に佇む人物も赤茶色に硬直しています。

たった2色の彩色が不思議な印象を与えている…

色はとても重要 そして面白いものです。

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Praha 1914 – Museum and Monument of St.Wenceslas

昭和39年6月13日土曜日 1月13日

 

古道具を買ったら 中から古い新聞が出てきました。

昭和39年6月13日土曜日 愛知新聞の5面から8面。

文化面なので時事ニュースが無く残念でしたが

この年の秋に開かれる東京オリンピックの

話題で持ちきりです。

「目で見る東京オリンピック」

という記事には 1912年第5回大会(日本初参加)から

東京オリンピックに至る9大会までの

日本人選手の参加数 メダル数が載っていました。

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途中 第一次 第二次世界大戦があり

第14回ロンドン大会では日本は招待されませんでした。

選手の表情も 今の選手より素朴な印象。

まだ戦争の記憶がつよく残っている頃の記事・・・

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相棒として 1月10日

 

2011年のお正月が明けて 本日10日から

画廊るたん にて開かれる「新春素描展」で

使っていただく額縁は 黒と金で

はっきりとしたコントラストにしました。

中に入る作品も 原色を使った明るい色使いと

黒い輪郭線が印象的なドローイングです。

強い印象の作品には 相棒である額縁も

数歩下がりつつも強めのものを。

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* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

   どうぞご覧下さい。

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新春素描展 画廊るたん 1月06日

 

銀座6丁目にある 画廊るたん にて

今年も「新春素描展」が開催されます。

この展覧会にKANESEIの額縁を使って

いただいております。

お近くにお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。

 

「新春素描展」 銀座 画廊るたん

2010年1月10日(月)~1月15日(土)

11:00~19:00まで 最終日17:00まで

画廊るたん http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rutan/now.html

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明日の為に 1月03日

 

お正月は1年の中でも特別な数日ですが

毎年かならず訪れる日でもあります。

去年の正月と比べても変化が無いように

感じますが それは息災に過ごせた証です。

それでも 前年にあった良かったこと良くなかったこと

様々なことからつながった正月という大切な日。

辛かったことは行く年の記憶として心に納め

明日からの1年につながる良き日にしたいと思います。

2011ganjitu

 

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Buon Anno 2011 1月01日

 

明けましておめでとうございます。

本年も どうぞよろしくお願い申し上げます。

2011年 正月 KANESEI

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