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金と銀のあいだ 1月31日

 

銀箔をつかった額縁は艶消しに仕上げて

薄く茶色をかけて金茶色のような色味を加えるのが好きです。

銀色と金色の間・・・とでも言いましょうか。

金より落ち着いた色 銀より暖かい色。

上手く表現できませんけれど そんな雰囲気です。

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武澤信雄 線刻陶展 engraved liner 1月27日

 

雪深い福井も そろそろ雪が溶け始めている頃でしょうか。

福井県の越前で作陶を続けておられる武澤信雄さんの展覧会

「線刻陶」が2月1日から開かれます。

この展覧会に出品される陶板作品に KANESEIの額縁を

2点使っていただけることになりました。

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武澤信雄さんは越前に登窯を構え 

越前独特の鉄分の多い焼き締められた肌に

精緻な線刻を入れた作品を作っておられます。

今回わたしが額縁を作らせていただいた陶板作品も

細くカーブを描く線刻でシンプルに構成されていますが

その繊細さに驚くと共に 越前焼の奥深さに触れることが出来ました。

武澤さんご本人は一見とても明るくお喋りなロマンスグレーのオジサマ。

ですが作品のイメージ通りの緊張感と 作品作りに対するストイックさも 

また別の側面として強く感じられる方です。

 

展覧会場はJR北陸本線福井駅の西側すぐです。

東京からは少々遠くはありますが 会期は1ヶ月あります。

作品の風合い 色 線刻の美しさをぜひご覧になって頂きたい。

お近くへお出での方がいらっしゃいましたら ぜひお立ち寄り下さい。

武澤信雄 線刻陶展 -ENGRAVED LINER.デザイン-

2010年2月1日(月)~2月28日(日)

Gallery サライ 10:00~19:00

http://www.2ndgate.jp/sarai/gallery.php?year=2010&month=2

つかの間の預かり物 1月23日

 

お正月明けに行った骨董市で

とうとう自分用の小引出しを手に入れました。

お客様の小引出しの取っ手を作り 内心どこかで

わたしも自分の小引出しを持ちたいと思っていたようです。

 

我が家へ来た小引出しはめずらしく引出しが6杯。

すべて杉の無垢材で内部の板もしっかり厚みがあります。

釘も木釘です。とても良い造りでした。

かなり使い込まれた様子で引き手はオリジナルではありません。

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ガタつきも緩みもありませんので 表面のお化粧直しを。

色を注してワックスで磨くと だいぶ落ち着いた様子になりました。

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引き手を作り変えようか・・・? おいおい考えることにします。

それもお楽しみのひとつ。

 

古い物との出会いはご縁とタイミングですね。

運命とまで言うと大げさですが この小引出しを含め古い物たちは

わたしが生きた年月より長い時間を過ごしてきた今

こうしてわたしの元へ来ることを「選んでくれた」ような気がして

いつもながら不思議な気持ちになります。

そしていつかまたわたしの手元を離れて次ぎの持ち主へ。

それまでつかの間の預かり物なのかもしれません。

5つの青 嫁入り後のお話 1月18日

 

昨年12月に完成してお届けした

小引出しのツマミ「5つの青」の その後の様子を

ご依頼主の方が写真と共にお知らせくださいました。

http://www.kanesei.net/2009/12/12

レトロモダンな雰囲気の小引出しにちゃっかり納まって

お宅の雰囲気にもすっかり馴染んでいる様子。

作ったわたしも大変安心いたしました。

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こうして自作の「その後」の様子を見ることができるのはとても嬉しく

そして新たな印象を持ちつつ発見もあるものです。

とくに今回のように実物の小引出しを拝見することなく

部品(引き手)を作る場合は 取り付けた後の様子を見て

確認し 使用感や問題点を伺っておく必要があります。

今回はご依頼くださったお客様に喜んでいただき

使用にも問題が無かったようなので 成功と言えるでしょうか。

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上の棚に立つロボット君(時計?)が可愛いですね。

新春ドローイング展 1月15日

 

銀座6丁目にある「画廊るたん」にて

今月末から新春ドローイング展が開催されます。

この展覧会にKANESEIの額縁も使って頂けることになりました。

お近くにお越しの際は ぜひ画廊るたんへお立ち寄り下さい。

 

画廊るたん銀座開設10周年記念

独立美術協会会員による「新春ドローイング展」

2010年1月25日(月)~2月6日(土) 1月31日(日)休廊

11:00~19:00 最終日17:00まで

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画廊るたん http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rutan/now.html

pergamena 羊皮紙 その6 ジェッソ 1月13日

 

羊皮紙での作業も 石膏下地のテンペラ作業でも

金箔の貼り方は同じと思っておりましたが

材料も手順も違いが多いことは今回知ることが出来ました。

羊皮紙工房の八木先生からメールでご指導いただいて 

作業中の羊皮紙に金箔下地を塗りました。

テンペラの金箔下地はボーロ(箔下トノコ)を魚膠で溶いたものですが

羊皮紙ではボローニャ石膏と鉛白 粗糖 魚膠 ボーロなどを

水練りした「ジェッソ」を下地材として塗るそうです。

いわばテンペラの石膏下地とボーロを混ぜた物といった感じでしょうか。

わたしの経験では膠分が少なくて固着力が心配でしたが

糖分の威力なのか 乾いたジェッソをメノウ棒で磨く時点でも

キシキシとした粘り気がある手触りで しっかり定着していました。

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上の写真は乾いたジェッソのラインと整え メノウ棒で磨いたところ。

白く見えているのがジェッソを塗った部分です。

今回教えて頂いた方法では 赤ボーロは色づく程度にしか入れていませんが

手元にあるフラ・アンジェリコの画集写真を見ますと

テンペラ同様に濃く赤いボーロ下地が見えていますので

フラ・アンジェリコは別の方法で制作していたようです。

職人作業は正しく「10人10色」ですから

金箔の貼り方にも色々な方法があったのですね。

 

次回はいよいよ金箔貼りです。

鎌倉へ 「門」 1月11日

 

鎌倉散策のお話を引き続き。

八幡様へのお参りを終え 若宮大路と小町通を行き来しつつ

毎年お邪魔する骨董店や古書店を覗いては

鎌倉ならではの楽しみを満喫します。

歩きつかれた帰り道に 長年入ってみたいと思っていた

小町通にある喫茶店「門」へ立ち寄ることにしました。

このお店をご存知の方も多いかと思いますが

鎌倉の文豪・文化人に愛された喫茶店で

少々古めかしくも とても落ち着く雰囲気です。

わたしの好きな笠智衆さんもよくいらしていたとか。

ショートケーキと紅茶のセットをお願いしましたが

ケーキは素朴で これまた「昔ながらの」と言った美味しさです。

ミルクティーとメニューにあったのでお願いしたら

牛乳ではなくてコーヒー用のクリームだったのが

唯一残念なところですが・・・

いつかまた このお店で手紙を書いたり本を読んだりと

ひとりでゆっくり過してみたいと思います。

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日が暮れた頃に着いた浜辺は

大きな夕日が沈みつつあるなか サーフィンを楽しむ人達の

美しいシルエットが海に浮かんでいました。

毎年の「鎌倉散策」にて 2009年も無事に終わりました。

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鎌倉へ 冬の海 1月08日

 

冬の海が好きです。

春や夏の海のような明るい元気な雰囲気はありませんが

冬の海ではもっと静かで 自分の内面と対峙できるような

そんな気持ちになります。

冬の浜辺で過す時間はわずかですが

そうしたリセットの時間を毎年決まった時期に持つことは

わたしの大切な「儀式」となっているようです。

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すでに松も明けましたが 昨年末のお話です。

暮も押し迫った12月30日に鎌倉へ行きました。

毎年この時期には鎌倉の鶴ヶ丘八幡宮へお参りします。

由比ガ浜へ車を停めて 小町通から八幡様へ

帰りは若宮大路を通って浜まで戻るのがいつものルート。

忙しい時期にもかかわらず 鎌倉はどこもかしこも

観光客や地元の買出しの人達で大賑わいでした。

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八幡宮の入口には 大きな太鼓橋があります。

神様がお渡りになる橋。

現在は柵で閉じられています。

わたしが幼い頃は人間も自由に渡ることが出来て

滑り台のような橋を必死によじ登った楽しい記憶があります。

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2009年も無事に過せたことを感謝し

2010年もまた頑張ることができるように祈りました。

仕事始め 1月05日

 

2010年のお正月もそろそろ終り

KANESEIも今日5日から仕事始めです。

今年最初の額縁は 月末からの展覧会に出品される

ドローイングの額縁です。

艶消しの銀箔を使った シンプルでクラシカルなもの。

2010年もこうして健康で ご注文をいただいて

作業を始めることが出来るのはとても幸せなことです。

 

小さな白梅の盆栽が花を咲かせました。

紅梅のつぼみもふくらんでいます。

わたしも頑張らなくては。

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ゆっくりと 1月02日

 

お正月はわたし達日本人にとって 

やはり特別な日ですね。

旧年を振り返り 新年の健康と幸せを願う大切な日です。

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昨年6月末から毎日更新ではじめたこのブログですが

今年はゆっくりと マイペースで進めようと思っております。

毎日あたらしいページは作らず 

ここをご覧くださる方にお話したいようなことが

できた時に更新いたします。

1週間に1度か2度 新しいお話ができるように・・・。

どうぞこれからも KANESEIブログを

お忘れなきよう(笑) ご覧下さい。

よろしくお願いいたします。

buon anno 2010 1月01日

 

あけましておめでとうございます。

本年も どうぞよろしくお願い申し上げます。

2010年 正月 KANESEI

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