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その名は 9月29日

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ショーン・コネリー扮するジェームズ・ボンドが登場する

007シリーズのタイトルでもあり

はたまた 額縁修復でも活躍して頼りになるやつ。

その名は GOLDFINGER

goldfinger

油性で 仕上げに磨くと光沢が出る

とても便利な色材です。

これを使うたび 頭の中ではジェームズ・ボンドの

テーマ音楽が鳴り出します・・・

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ジェームズ・ボンドは英国のエリートハンサム諜報員

この色材のメーカーも英国の歴史ある会社

という共通点があります。

イギリス紳士は「GOLDFINGER」という言葉がお好きなのでしょうか。

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置くのか貼るのか 9月26日

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わたしはこちらのブログで 金箔を「貼る」と

お話しておりますが

額縁の世界では 箔は「置く」の表現を多く見聞きします。

日本の伝統工芸美術の世界でも「置く」と言うらしく

その流れが額縁にも続いているのだと思われます。

日本の明治期にできた額縁製作工房の職人さんは

それまでの様々な工芸で使われてきた日本の箔の技術を

応用して作っておられたでしょうから 当然かもしれません。

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わたしが「貼る」表現になったのは

箔技術を教えて下さった先生方がみなさん

絵画描写(油彩やテンペラ画)の世界の方々だった

という理由なのですが・・・

絵画の世界では 箔は「貼る」と表現されることが多いようです。

「貼る」の方が直接的で分かりやすい表現ですが

「置く」の方が 実際に箔作業をしていると

「確かに箔は『置く』なのだ」と感じる場合も多くて

「貼る」は客観的に見た表現であり

「置く」は体験から出る主観的な表現なのだと思っています。

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ちなみに イタリア語では Mettere という動詞を使いますが

直訳すれば「置く」にあたる単語。(他にも色んな意味があるのですが。)

つまり イタリア語でも「金箔を置く」なのです。

遠い東西の国でも 表現は共通なのでした。

なかなか面白い発見。

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楽しい工作の時間 9月22日

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最近書店では 自分でできる製本方法を

解説した本をよく見かけるようになりました。

本好きなわたし(『本』そのものが好き)なので

まずはチャレンジしてみることにしました。

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沢山ある指南書のなかから選んだ本には

文庫本をハードカバーに仕上げる方法が載っています。

わたしの本棚には 何度も読んでカバーも紛失し

少々傷んだ『吾輩は猫である』が眠っていましたので

さっそく作業開始です。

道具も材料も すべて手元にあるもので調達できました。

表紙には 額縁で使ったピンク色の端切れ布

見返しにはウィリアム・モリスデザインの包装紙です。

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指南書片手に 紙で裏打ちした布に厚紙を貼り付けます。

画面には映っていませんが 周りにはカッターや定規などが散乱・・・。

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作業開始から2時間弱で完成しました。

ピンクの布とモリスの柄は 『吾輩は猫である』に

あまり合っていませんが 手始めですからお許しを。

第1作としてはまずまずの仕上がりです。

改善点も分かりました。

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まだまだ 古いけれど大切な文庫本が沢山あるので

再度作ってみようと思っています。

そして上達した暁には いよいよ上製本にチャレンジです。

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玉木商会の額縁 その後 9月19日

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銀座一丁目にあった玉木商会。

そこで大正時代に作られたであろう額縁の

修復が終わりましたのでご紹介します。

一番欠損の激しかった部分(先日もご覧いただいた部分)を

写真でご覧いただこうと思います。

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額縁の左下角にあたる部分の装飾がすっかり無くなっています。

幸いにも 左上の角は欠損なく残っていましたので

ここからシリコンで型を取り 石膏を流し込んで

装飾レリーフを再現します。

レリーフ作りと同時進行で 浮き上がっている部分に

これ以上欠損が出ないように接着剤を入れて補修し

裏面の補修もします。

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型から取った石膏のパーツを削り 欠損部分に合わせます。

今回は4つに分けて型を取りました。

欠損している場所を整え 石膏パーツを接着します。

エポキシ系のパテを使って細かい部分の補修と隙間調整も。

上の写真は石膏パーツの一部分 右のあたりに

補彩の色をのせて 様子を見ているところです。

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さて 補彩が完了しました。

色を塗り重ね 周囲のオリジナルとできるだけ

近い色味と質感に調整し 最後に軽くニスをかけて終わりです。

作業をしている部屋は蛍光灯の明かりの下ですが

自然光や電球色の光での色味も確認します。

蛍光灯では色が合っているのに 自然光だと全くだめ!

ということも 無きにしも非ず・・・なのです。

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以上 額縁のレリーフ再現のご紹介でした。

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食べた後はパレットに 9月15日

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先日ご覧いただいた玉木商会の額縁は

ひとつの角のレリーフがまるごと無くなってしまっています。

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他の角にあるオリジナルレリーフを型に取って

石膏で再現したものを改めて取り付けました。

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型取りした石膏は真っ白なので 補彩をします。

使う絵具は少量ですが 5~6色は準備する必要があります。

そんな時には わたしは食品が入っていたプラスチックの

ケースをパレットの代わりとして使います。

お豆腐やヨーグルト もずく酢などが入っていたものですが

仕事の時 ちょっとした容器として大活躍し また

使い終われば 洗わずにそのまま捨てられて大変便利。

ちなみにイタリアの師匠の工房には

トマトの水煮が入っていた空き缶が きれいに洗われて

いつも棚に積まれていました。

食文化の違い お国柄が表れます。

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さて・・・

夕方になってパレットの絵具も増えました。

補彩も目途が立ったようです。

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もう少しだけ 9月12日

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夕方に届いた小包は

ピンクのリボンに淡い緑の小箱。

子どもの頃は 早く箱を開けたくて

大急ぎで包をひらいたものです。

でも今は 中のプレゼントが気になるのだけど

リボンをほどくのがもったいなくて

もう少しだけ 眺めていたくなります。

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鏡の中のふたり 9月08日

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フィレンツェにいる わたしの額縁の師匠夫妻とは

最近インターネットを通じてまた

頻繁にお互いの様子を知らせ合えるようになりました。

遠く離れていても日常の様子を知らせ合える

便利な時代です。

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先日ふたりが工房で撮った写真には

寄り添って額縁の完成を喜んでいる姿が写っていました。

工房の雰囲気 ふたりの様子も相変わらずで嬉しくなります。

この写真はわたしのお気に入りです。

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それにしても・・・

工房のお向かいに farmacia(薬局)が見えますが

わたしが居た頃には無かったような。

記憶違いでしょうか。ううむ。

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必殺 井の字固め 9月05日

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四隅の接合部分が開いてしまった額縁に

接着剤を注入して修復しています。

ヒモで縛って しっかりと。

必殺 井の字固め の技でした。

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Annunciazione 3D 9月01日

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どこかの美術館のお土産売り場で買った

「STEREO VIEWER」です。

筒状になった厚紙にレンズが2つ付いていて

奥にある絵が立体画像で見られるという おもちゃの一種。

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フラ・アンジェリコのフレスコ画「受胎告知」(annunciazione)が

舞台のように目の前に立体的に展開されています。

不思議な静けさがただよう絵ですが

そこに そよ風が吹いてくるような雰囲気が生まれて

いつまでも覗き込んでしまいます。

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ある瞬間 ふっと マリア様がこちらを向かれるのではないか??

などと錯覚してしまう程の臨場感なのです。

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この「受胎告知」はわたしにとって 個人的にも大変に

思い出深い作品でもあります。

この「3D受胎告知」を手に取って覗き込んでは

ぼんやりと考え事をしたりするので (変な癖ですが)

いつもデスクのそばに置いてあります。

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Annunciazione 1440~1450 Beato Angelico (Fra Angelico)

Museo nazionale di San Marco,Firenze,Italia

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