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鎌倉へ よろこびがある 12月29日

 

10回目になる「鎌倉へ」です。

今年の鎌倉詣ではまた1日早くなり28日。

いつも30日だったのが数年前から29日になって

今年は28日でしたが、お店もまだ開いていて

でも観光客は少なくて道も比較的すいていて

良いことが多かったようです。

 

穏やかな青い空、泡立つ波をながめていたら

北斎「神奈川沖浪裏」の指のような波が見えました。

 

そして小町通りへ。

空き地になったり新しい建物が建って開発が進んでいました。

あれ、ここは以前なにがあった?と考えても

思い出せない場所もあったりして、1年の長さを実感します。

そんな中でも、無くなってしまったと思っていた

古書店「藝林荘」が健在でした!わーい。

相変わらず山積みの古い本の匂いをかぎました。

 

八幡様も程よいにぎわいです。

大イチョウの2代目若木もずいぶん大きくなりました。

わーい。もう大丈夫、命が受け継がれました。

 

そして閉館した鎌倉近代美術館の建物。

取り壊されているかと思いきや

改修工事中だそうです。

ということは新たな役目がある?わーい。

池の風景も変わることが無さそうです。

 

帰りに葉山をまわって森戸大明神へ。

小さな岬にあるとても清い神社です。

思い出せないくらい久ぶりにひいたおみくじは小吉でした。

大吉で気が大きくなるより、小吉くらいの方が

わたしには向いている、との神様のお答ですね。

 

ことしの鎌倉、わたしの心がひっかかっていたこと

大イチョウの2代目が元気で、昔の鎌倉も残される

というよろこびが見つかって、良い旅でした。

ほかにもいくつも小さな嬉しいことがありましたが

それはまた改めて。

 

これにて2017年のKANESEIブログ「diario」を

お終いにいたします。

ブログをご覧くださりありがとうございました。

また額縁や修復の仕事でお世話になりました皆さま

大変ありがとうございました。

来る年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 2017年12月29日 KANESEI

 

 

額縁自作自修理 12月27日

 

数年前に作った額縁の側面が欠けました。

自分で作った額縁を自分で修理。

こういう時は我ながら便利だなぁと思います。

 

ボローニャ石膏を詰めて磨きましたよ。

 

ちなみに絵画修復の場合、作者本人に修復を頼むことは

してはなりません、と習いました。

本人なら良いだろうとお思いでしょうけれど、

単に剥がれた絵具を塗り直せばよい訳ではないのです。

下地の調整、剥落止め、洗浄等の必要有無もありますし、

作者本人が昔の自作を気に入らなくて、

ついうっかり違う場所まで手直ししたりすると

(それもたいていの場合、良かれと思って直してしまう)

もうその作品は違うものになってしまうのですから。

 

さて。だいたい修理完了です。

また元気に活躍しておくれ。

 

 

真っ赤な気球から愛をこめて 12月25日

 

メリークリスマス!

 

幼い頃は毎年、小さいけれど本物の

もみの木のクリスマスツリーを飾っては

ドキドキしたものです。

今はもうツリーは飾らないけれど

毎年この天使だけは出しています。

 

たぶん母が選んで買ってくれたのでしょう。

真っ赤な気球にぶら下がる金色つばさの天使。

・・・あれ、天使は飛べるのではなかった?

と思いましたが、

この天使の翼は 飛ぶには小さすぎるのかもね。

 

窓際に置いた寒さが苦手な植物たち

月下美人や蘭の緑に囲まれて明るい南国風。

今年も機嫌良さげにびょんびょんと

飛びまわって愛を振りまきながら

「ハロー♡ メリークリスマス♡」と言っています。

わたしも楽しいクリスマスを過ごそうと思います。

 

 

Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 12月24日

 

横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS

古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で

新しい生徒さんを募集いたします。

月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ひと月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで

午後のコースは13時30分から16時30分まで

お好きな月曜日においで頂けます。(特別を除いて祝日は休講です。)

中世から続くヨーロッパの古典技法を使って

お好みのデザインの額縁を作ったり ルネッサンス時代の作品を模写したり

生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。

美術に関して経験の無い方にも安心してご参加頂けるようお手伝いします。

金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を習得されたい方もぜひどうぞ。

一度ぜひご見学にいらしてください。

アトリエでお待ちしております。 

詳しくは下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

 

 

汚れた金が好きなのさ 12月22日

 

今日のお話はいわゆるdirty money ではありません。

すみません、まぎらわしいタイトルなのは

重々承知なのですけれど、つい。

 

先日「なぜ古典技法の額縁を作るのですか?」

という質問を受けて、ほとんど無意識に出た答えが

「おそらく金(gold )が好きだからでしょうか」でした。

その時「ええっ!!金ですか?!」と驚かれ

その驚きにまたわたしも驚いてしまったのですが。

 

金が好き・・・意外でしたでしょうか。

その方にはわたしに、あるいはわたしが作る額縁のイメージに

キラキラした華やかな金の印象がなかったからでしょう。

金の「俗っぽいイメージ」がお嫌いだったのかも。

でも、わたしが古典技法額縁を作るようになったのも

黄金背景テンペラ画で純金箔の水押し技法に魅了されたことが

おおきな理由の一つですから、金好き歴は長いのです。

 

風化した、古びた金が好きです。

赤いボーロに乗った金箔をメノウ石で磨き上げる。

その輝く金をわざわざ汚す作業を加えます。

汚れて擦れて傷がついて、それでも下からほんのりと輝く

半艶の金の額縁を作りたいと思っています。

 

 

2018年のこころの糧 12月20日

 

大山崎山荘美術館で開催された

有元利夫回顧展をどうしても観たくて

12月のはじめの頃、思いきって

京都に行きました。

山崎駅はJRで京都駅から15分くらいと近いのですが

とてもとても静かな場所でした。

線路を渡って、かなり急な坂道を

えっさえっさと10分くらい登ると

素晴らしい洋館がありました。

この洋館に入れるだけでも嬉しい。

重厚な洋館と有元利夫の作品は

とても良い組み合わせでした。

 

作品の前で、ひたすらぼぉっとしてしまう。

絵を見ている。

けれど違うものも同時に見ているような。

 

東京の小川美術館で毎年の展覧会を

楽しみにしていますけれど

来年もお休みとか。

こうして遠くまで来ましたが

有元利夫を「補給」できましたので

2018年もこの記憶を頼りに

心穏やかに過ごせると思います。

 

 

ほんのすこしの錆色 12月18日

 

以前に完成してすでにお客様の手に渡った額縁ですが

こちらでご覧いただいていなかった額縁がありました。

制作中の考えごとは書いていたのですけれど。

今さらながらですが、ご紹介させてください。

 

2015年の展覧会用に作った額縁です。

全面に純銀箔を水押しで貼って

刻印を打って模様を入れました。

デザインは15世紀にイタリア・ピエモンテ州で

作られた額縁を参考にしています。

 

銀はご存知のように錆びます。

この額縁、写真では分かり辛いかと思いますが

うっすら少しだけ錆びが始まっていて

部分的に黒、黄色、紫などに変化しています。

箔を貼ってから1ヵ月ばかり放置して錆が始まるのを待ち

程よい色加減になったところでラッカーを吹いて

錆を止めました。

艶あり、古色仕上げもしていません。


普段なら側面はグレーや黒を塗るところを

今回は白の艶消しにしてみたら少し抜け感があって

なかなか気に入っています。

 

カテゴリー分けでクラシカルかモダンか悩みますが・・・

打ちっぱなしの壁に合うかも?

ということで、ひとまず「modern」に入れます。

いかがでしょうか。

 

「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。    

 

 

 

 

Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 12月17日

 

横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS

古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で

新しい生徒さんを募集いたします。

月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?

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ひと月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで

午後のコースは13時30分から16時30分まで

お好きな月曜日においで頂けます。(特別を除いて祝日は休講です。)

中世から続くヨーロッパの古典技法を使って

お好みのデザインの額縁を作ったり ルネッサンス時代の作品を模写したり

生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。

美術に関して経験の無い方にも安心してご参加頂けるようお手伝いします。

金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を習得されたい方もぜひどうぞ。

一度ぜひご見学にいらしてください。

アトリエでお待ちしております。 

詳しくは下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

 

 

額縁の作り方 番外& Atelier LAPISの様子から 2017年12月 12月15日

 

今日はMAさんの古典技法箔道具作りをご紹介します。

古典技法の箔作業で使う道具は独特で

一般的な画材店や国内の箔屋さんでは購入できません。

でも自分で作ることができるものもあります。

MAさんは箔板作りに挑戦です。

(箔板あるいは箔床、箔台。クッション状で

箔のまな板のようなものとお考えください。)

 

必要な材料、A4サイズ程度9㎜厚のシナ合板、ガンタッカー

脱脂綿、太鼓鋲、革、テープ (革か布どちらでも)を揃えます。

革は牛か羊、厚すぎず薄すぎず、色はお好みで。

 

さて、まず脱脂綿を3枚分切ります。

2枚は板のサイズ、1枚は1センチ四方小さくした脱脂綿を切り

板サイズの2枚の間にひと回り小さい1枚を挟みます。

以前、サイズの違う脱脂綿をピラミッド状に3~4枚

重ねると習いましたが、試した結果

あまり段差が無い方が使いやすいように感じます。

 

つぎに革のスエード側を表にして

脱脂綿と板を重ねたものを包みます。

裏からガンタッカーで打ち付けましょう。

革をしっかりと引張ってきっちりと。

この革の張りが甘いと箔を上手に切ることができません。

キャンバス張機やペンチで引張っても良いでしょう。


箔ナイフを差し込むベルトも付けましょう。

今回は革の端材を利用しました。

 

側面周囲にテープを巻いて太鼓鋲で留めます。

これは装飾でもありますが、側面は傷みやすいので

ガードの役目もあります。

そして紙やすりをかけてスエードの毛を整えます。

毛足をある程度短くして、表面を滑らかにします。


仕上げにベビーパウダーを磨り込んで完成です。

 

自分で作った道具は愛着がわいて、箔作業も楽しくなりますよ。

製作のコツは革をしっかり引張ってタッカーを打つこと

そしてタッカーは隙間を開けず細かく打つこと、です。

どうぞお試しください。

 

 

枯れはじめた花をそえて 12月13日

 

ずいぶん前、プロのフォトグラファーの方に

わたしの額縁を撮影していただく機会がありました。

雑誌に掲載するための写真でした。

 

どんな風に撮ろうかと相談していたとき

「夕方前に部屋の自然光の中で

枯れはじめた花を添えよう」と提案されました。

わたしの額縁の色や古い仕上げの雰囲気を感じとって

そしてわたしがイメージしていることを理解して

とても美しく表現してくださったと感動しました。

青山、表参道のほぼ全ての花屋さんから

(枯れはじめた花を売るお店はありませんから

廃棄準備された花を少しずつ)かき集めた

枯れはじめの花を添えて撮影したことを

庭のバラをみて思い出しました。

 

終わりの始まりの花

特別な色や雰囲気は今もとても好きです。

 

 

陶房遙の額縁 吉田信介さん 12月11日

 

11月、友人の紹介で江古田にある「ギャラリー水・木・土」へ。


陶房遙の吉田信介さんの展覧会が開催されていました。

吉田さんは福井県で陶製フレームを作っていらっしゃって

以前にお話を伺ってから一度お会いしたいと思っていたのです。

 

今回の展覧会はうつわ中心の予定だったところ、

わたしがお邪魔するので急きょ額縁を持って来て下さったようで・・・

ありがとうございます。念願叶い手に取って拝見できました。

 

陶製額縁は粘土が乾いた時、そして焼く時で2回縮むので

それを計算して粘土板から整形しなければならないそうです。

吉田さんから制作方法をお聞きして、その手間にびっくり。

 

側面から額縁を見て、おや、真鍮が見えています。

これは裏板を留める金具でした。もちろん手作りです。

この仕組みは吉田さん特許出願中ですのであしからず。

(なんちゃって、特許申請はわたしの想像です。

でも素晴らしいアイディア!)

陶製の額縁は硬質だけど緩やかな揺れがあって

乾いた感触、質量など、木製や石膏下地の額縁とは

違った表情が面白いのでした。

経年変化はどんな感じだろう。

陶製は水洗いできるのも魅力ではないでしょうか。

 

吉田さんがなぜ額縁を作りはじめたのか、そして

額縁に込めた思いを伺って、うーむ・・・

ここにまたひとり、額縁愛を語りあえる人に会えたようです。

額縁を作る材料、方法、場所は違えど「作る情熱」に触れて

大変に感化された日でした。

ここのところ、わたしの額縁情熱が下火になってきたような気がして

内心恐怖が渦巻いていたのですが、また盛り返せそうです。

いろんな額縁作家がいるのだなぁ。

嬉しい。

 

 

Atelier LAPIS 新規生徒さん募集のお知らせ 12月10日

 

横浜市の市が尾にある Atelier LAPIS

古典技法による額縁制作と黄金背景テンペラ画模写の教室で

新しい生徒さんを募集いたします。

月曜日の3時間 ご一緒に制作しませんか?

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ひと月に1回~4回 午前のコースは9時30分から12時30分まで

午後のコースは13時30分から16時30分まで

お好きな月曜日においで頂けます。(特別を除いて祝日は休講です。)

中世から続くヨーロッパの古典技法を使って

お好みのデザインの額縁を作ったり ルネッサンス時代の作品を模写したり

生徒さんそれぞれ個人に合わせて対応します。

美術に関して経験の無い方にも安心してご参加頂けるようお手伝いします。

金箔や銀箔を水押しで仕上げる方法を習得されたい方もぜひどうぞ。

一度ぜひご見学にいらしてください。

アトリエでお待ちしております。 

詳しくは下記のAtelier LAPIS のホームページからお問い合わせください。

http://atelier-lapis.main.jp/?page_id=8

 

 

思うことを思うままに 12月07日

 

KANESEIのホームページ「works」の

写真キャプションを整理していて、ふと「diario」を

ブログを始めた頃の2009年から 読み返してみました。

当時のブログは今より文章も短くて

額縁に限らず、身のまわりのことや

思ったこと考えたことを書いていたようです。

 

最近はブログが半分仕事の様になって

自分で内容を狭めていたかも?

また最初の頃のように自由に書こうと思います。

 

「犬さん犬さん知らないでしょ教えてあげましょうか

KANESEIブログは製作以外のことももっと書くんだって!」

「あらなぁに、馴れ馴れしい鶏さんだこと

ブログを思うままに書くのは当然じゃないの

あなたは2017年のKANESEIでしょ

わたしは2018年のKANESEIよ

ニュースタンダードはわたしよ! ふふん」

「おや生意気だわね、猪さんに言いつけるから」

「!!??」

意地の悪いふたりの会話

 

干支張子 加守田次郎

 

 

久しぶりの金継ぎ 全然ちがう 12月04日

 

友人から預かっている朱塗りのお盃の

金継ぎをしております。

ずいぶん前にお預かりしたのですが

お正月も近づきそろそろタイムリミットです。

とても久しぶりなので、金継ぎ稽古時に頂いた

プリントを見直したりと心もそぞろ。

金継ぎ稽古では陶器や磁器の焼物ばかりを

直していましたので漆器の作業は初めてです。

 

いざ始めてみたら、当然ながら漆器金継ぎは全く違います。

なんと言っても、硬い磁器は研げるけれど漆器は傷になる。

わたしの持っている金継ぎ用の磨き棒では磨けないし

コンパウンドを使ってみる勇気もない。

手袋をしていると指先が漆に触って

他の部分を汚してしまっても気づきにくかったり。

マスキングすれば良かったと気づいても後の祭り!

焼物より数倍難しいのでした。

うーむ、安請け合いしてしまいましたが 後悔先に立たず

とにかく出来る範囲で。

こわいよーこわいよーと思いながら直すと

器に「こわいよ」が染み込みそうなので

なるようになる、で参ります。

いやはや。なんとも。

 

なんてブツブツ言っていますけれど

やっぱり金継ぎは楽しいです。

自宅のひとり趣味として再開しようとたくらんでいます。