top » diario

diario

格子窓の風景 出られない 3月05日

 

木の格子窓の向こうに金属の格子。

木の窓を内側に開けても

外に出られない。

この窓は日本だけれど日本ではないところ。

 

そういえばイタリアの外に向いた窓も

木の格子の外に金属の格子が入っていました。

(多くは1階の部屋だけれど)

 

外から入れないけれど

わたしも出られない。

閉じ込められて叫びだしてしまいそう。

なので、二重格子の窓の部屋には住みませんでした。

 

 

格子窓の風景 あなたはだれ 5月18日

 

ルーヴル美術館展に出品されていた

クエンティン・マセイスの「両替商とその妻」。

mas

画像はルーヴル美術館展ホームページより  クエンティン・マセイス 《両替商とその妻》 1514年 musée du Louvre

 

北方ルネッサンスらしく寓意が様々籠められています。

天秤 聖書 そして手前に置かれた鏡には別世界がうつります。

 

十字架のような格子窓 青空の向こうには教会の尖塔。

そして赤い帽子をかぶって窓枠に手を置き

聖書を読みふける男の姿。

あなたはだれ?

louvre2

目の前では両替商とその妻が 今まさに天秤で計っているのに

まるで違う世界のひとのようです。

 

よく見れば 天井板やカーテンも描かれ

空の雲の表現も何もかも 手を抜かれた部分がありません。

小さな鏡の中の世界を緻密に描く集中力と画力。

でもきっとクエンティン・マセイスは

とても楽しみながらこの小さな世界を描いたに違いない!

と想像しています。

 

格子窓の風景 教室から見ていたのは 1月29日

 

古い建物を大切に使っているカフェテリアで

窓際の席に案内されたとき

なんだかとても懐かしい気持ちになりました。

なんだろう?

知っている場所に良く似ている。

写真を撮ってみたら わかりました。

学校の窓辺の風景でした。

DSC_6651a

教室の一番後ろの窓際の席。

教壇から一番離れた場所で自分の世界に入り込んで

ぼんやりと外を眺めていた記憶。

その頃のわたし 何を考えていたのかもうあまり覚えていませんが

夢の中では思い出しているような気がします。

 

 

格子窓の風景 最後の光 1月23日

 

気づけば少しずつ少しずつ日が落ちる時間が遅くなって

まだ一年の一番寒い時期は過ぎていないけれど

確実に冬至から夏至に向かって時間は進んでいると実感します。

 

西向きの格子窓からは 森に沈もうとする夕日が見えました。

住むなら南向きや東向きの部屋が好かれるけれど

森に面しているなら西に格子窓のある部屋に住みたいと思っています。

窓の格子と木立の隙間から差し込む その日最後の太陽の光。

その日の その時だけの光が見える格子窓。

yuuhi

 

 

格子窓の風景 秘密 9月02日

 

暗い廊下の奥にあった細い格子窓から

裏庭の通路がよく見えました。

反対に おそらく明るい外からは

この窓の奥は暗すぎて良く見えないでしょう。

madoo2013.8

まるで横溝正史の小説に登場する探偵が

裏庭を抜けていく容疑者を追う舞台のような場所。

様々な疑惑と秘密がうごめく場所・・・

 

想像ばかりはかどっています。

 

 

 

 

格子窓の風景 幸せの図 5月26日

 

夕がた 一日の疲れを感じる頃に

窓から暖かな明りと団欒の風景を垣間見たら

ああ わたしも早く家に帰ろう・・・と思います。

 

彼らはどんな会話を楽しんでいるのでしょうか。

その日にあった様々なことを話し合える人が

待っている家がある。

幸せなことなのですね。

la-finestra-della-notte

 

.

格子窓の風景 紅茶と本の香り 3月28日

 

イギリス ロンドン郊外の美しい田園に建つ

築100年のマナーハウス・・・

aoyama

ではありません。

こちらは青山学院の青山キャンパスにある

ネオ・ゴシック様式の「ベリーホール」です。

1931年(昭和6年)に建てられ 

登録有形文化財に指定されているとか。

学生さん達には見慣れた風景でしょうけれど

訪問者のわたしには珍しくて楽しい風景です。

 

青空の下 ゴシック風の張り出し窓を覗くと

古い本や紅茶の香りが漂いそうな雰囲気。

遠くからは子供が走る軽やかな足音も響いてきそうです。

.

格子窓の風景 二つの月 2月10日

 

不思議なデザインの格子窓。

外の暗闇に浮かぶ満月が二つ・・・

いいえ 室内の照明が反射したのでした。

 

誰もいない静かな夜の格子窓。

myounitikan

 

.

格子窓の風景 ここは巴里か倫敦か 9月09日

 

kurodakinenkan1

こちらはロンドン郊外にある さる貴族の館…

 

…と ご紹介したいところですが

上野にある黒田記念館の外観です。

煉瓦造りの重厚な雰囲気 入口のアーチは

ジョージアン風(?)でもあり アールヌーボーの雰囲気も。

この建物は御茶ノ水のニコライ堂の再建設計をした

岡田信一郎(1883-1932)によるものです。

2階の大きな格子窓からは 事件を検証に来た

シャーロック・ホームズの姿が垣間見えそうな

物語が作れそうな様子。

どこか外国の邸宅のような そして

色々なスタイルが混ざった不思議な魅力もあります。

 

HPによると 内部装飾も創設当初を再現して

美しい装飾が見られるとか。

土曜と木曜のみ公開しているそうですので

季節の良いときにぜひ再訪してみたいと思います。

黒田記念館 http://www.tobunken.go.jp/kuroda/index.html

 

 

格子窓の風景 1894 4月08日

 

今月5日にオープンした 三菱一号館美術館です。

ご縁があって関係者ご招待を頂き 一足先に拝見しました。

夜の時間だったため レンガ造りの美術館の

格子窓から溢れる光が美しく並んでいました。

itigoukan

この美術館は1894年の建築を再建したもので

明治時代の趣たっぷりの外観と 現代の技術を総結集した

美術館としての機能を併せ持った素晴らしい建物です。

小さなネジ一つにまで拘って再現してある様子から

携わった方達の思い入れが感じられました。

素敵なカフェやミュージアムショップも楽しい場所。

オープニング記念として「マネとモダン・パリ」展を開催中です。

ぜひ一度足をお運び下さい。

manet

格子窓の風景 送らなかった便り 12月11日

 

イタリアに住んでいた頃はコンピューターを持っておらず

日本の友人には手紙や葉書を書いていました。

友人を思い浮かべながら 一枚一枚ペンで書く便りは

PCメールより気持ちが篭もっていたようです。

また日本から届く手紙も 海を渡って来たかと思うと

ひときわとても貴重で大切な物に思えました。

当時の手紙はすべて大切にしまってありますが

まだ読み返す気持ちにはなっていません。

おそらく・・・お婆さんになった頃に 穏やかな気持ちで

なつかしく切なく読み返し 思い出に浸ることができるでしょう。

 

先日どこから迷い込んだのか 引出しの中から

フィレンツェで買って結局出さなかった葉書が出てきました。

パラッツォ・ベッキオの格子窓からドゥオーモを見た風景葉書。

今はもう存在しない通貨「リラ」の切手800リラが貼ってあります。

ジャズフェスティバルの記念切手のようです。

hagaki-21

でも 良く見ると端に画鋲の跡が。

切手も貼って準備したけれど この写真が気に入って

結局使わずに部屋に飾った記憶が蘇ってきました。

何を書いて誰に送ろうと思っていたのか・・・。

hagaki-13

今でもこの葉書の写真をみると

フィレンツェでの良い思い出も辛い記憶も

さまざま思い出されるようです。

格子窓の風景 それぞれの人生 11月21日

 

近代的なビルが並ぶベルリンの街角にとつぜん

ひっそりと忘れられたような古いマンションがありました。

外壁は傷んで ところどころ苔が生えているような状態。

窓枠のペンキは白だったり茶色 緑とどれも色が違います。

良く見ると窓上壁面の装飾もルネッサンス風で変化があったり。

全ての部屋の格子窓から生活観が感じられました。

それぞれ職業も年齢も 考え方も違う人達が暮らす・・・

この窓一つ一つに住人の個性と人生が見えるようです。

彼らはいま 幸せを感じて生きているか?

「人生とはこんなもの」と思いつつも努力している?

 

今年はベルリンの壁が無くなってから20年目に当ります。

このマンションはドイツが分断される前から建っていて

ベルリンで起こった沢山の歴史 人々の喜怒哀楽を見てきたのでしょう。

berlin-mado

格子窓の風景 旅路 10月18日

 

スペインの大都市から次ぎの目的地へ出発する朝

駅の構内から見えた格子窓です。

いえ これは窓と言うには大きすぎるでしょうか。

ヨーロッパではこうした鉄のアーチとガラスで出来た

駅の建物も良く保存されて今なお現役です。

 

遠く日本からの旅で このガラスと鉄で囲まれた

駅に佇み感じるのは

旅ならではの楽しく自由な気分と同時に

不安と心細さ 一期一会の喜びと悲しみ・・・。

stazione

格子窓の風景 旧東ドイツから 9月30日

 

ベルリンに住む友人の家を訪ねたことがあります。

彼女の住むアパートは旧東ドイツ側にありました。

この窓からの風景を眺めて滞在した数日間

思い出話 将来のこと・・・取り留めの無い会話

楽しかった記憶が蘇ります。

友人は既にこのアパートから引越しました。

今は他の誰かがこの窓からの風景を眺めているのですね。

 

またいつか友人を訪ねてベルリンへ行きたいと思っています。

その時はまた新しい格子窓からの風景が見られるはずです。

kaa-finestra

格子窓の風景 日差しの中で 9月20日

 

天高馬肥の季節になりました。 

 

以前訪れた洋館の居間です。

午後の暖かな日差しが差し込むソファーで

ゆっくり本を読んだら・・・

気持ちよすぎて眠ってしまいそうです。

窓の向こうの森から鳥の声も聞こえます。

finestra-2

格子窓の風景 バロック音楽とともに 9月16日

 

洋風の格子の入った窓が好きです。

何気ない風景も 格子で四角く分割されると

物語が生まれてきそうな気がします。

こんなさわやかな青空を格子窓越しに眺めれば

バロック音楽でも聞こえてきそうな雰囲気ではありませんか?

finestra-1