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二つの喜びをもって 9月27日

 

ひとり気ままに好きな額縁を作り始めると

いつも小さな額縁を作ってしまいます。

元来小さなものが好きなこともありますが

大きな額縁に比べれば作業時間が少ないので

思いついたデザインを「ぱっ」と形にでることも

理由の一つかもしれません。

そうして完成した額縁は 思い描いた通りだったり

予想外の雰囲気に変身していたりと

わたし自身もどんな額縁が完成するか分からない

ある種の特別な楽しみもあります。

 

お客様からオーダーを頂いて 設計やデザインを図面にし

心構えを持って制作した額縁をお届けできる喜びと

実験的な勝手気ままな額縁制作の喜びと

2つの喜びの作業を良いバランスで続けられることが

額縁職人としての理想の仕事・・・と思っています。

 

今日ご覧いただく額縁も そんな「勝手気まま」に

好きなデザインと色で作ってみた額縁です。

金のリボンがくるくると踊ります。

額縁の表情も なんだかわたしの心の状況を映して

のんびりした雰囲気を漂わせているような気がします。

* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

丸木美術館にて 9月24日

 

埼玉県の東村山市にある「丸木美術館」へ行きました。

森の中に佇む静かな美術館です。

目の前には都幾川が流れ 夏も終わりだというのに

残暑のせいか 草いきれの香りでいっぱい。

館内にあったステンドグラスからの光が

まるで揺らめく炎のようでした。

ただいま丸木美術館では Tokyo Conservation が関わる企画展

「発掘:戦時下に描かれた絵画」を開催中です。

10月13日まで。

どうぞお立ち寄りくださいませ。

原爆の図丸木美術館 http://www.aya.or.jp/~marukimsn/kikaku/2012/2012hakkutsu.html

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Firenze -La varieta’ di gusti- 9月20日

 

イタリアの郷愁 2011 フィレンツェ -様々な趣向-

 

アルノ川右岸 夜の川沿いの道を散歩していると

「モスカルディ」という額縁店を通りかかりました。

生憎すでに閉店しており 窓から中を伺うばかり。

全面に彫刻を施し 金箔を使った華やかな額縁が沢山並びます。

場所柄 観光客も多く通るからなのか

ウィンドウも美しくデコレーションされています。

ロココ バロック ルネッサンス・・・額縁様式も様々。

額縁に限らず 燭台も箔仕上げで

アンティーク風の加工も見事な仕上がりです。

真っ赤な絨毯と金の色 そして間接照明のライトで大変豪華。

横のウィンドウには小品も並んでいました。

これまた凝った細工でとても可愛らしい!

後ろにはラファエッロの聖母子像が見えますが

このお店の好みがよく表れていました。

マッシモ夫妻の作る額縁とはまた違う趣の額縁店。

教会の区画それぞれに 恐らく必ず一件はある額縁店は

どこもその店独自の味を出した作品を作っている様子が

ウィンドウから垣間見ることができます。

お客様方がそれぞれに好みの額縁店を選ぶ事ができて

そして更に趣味を凝らした額縁をオーダーできる・・・

フィレンツェはそんな環境が整った街です。

 

 

額縁の作り方 12 銀箔を使う 9月17日

 

久しぶりの「額縁の作り方」です。

 

額縁に使う箔は 金箔のほか銀箔もあります。

その他プラチナ箔や代用箔など様々ありますが

今日は銀箔についてお話します。

 

銀箔の水押しによる貼り方は 基本的に金箔と同じで

ボローニャ石膏地に魚膠で溶いたボーロを塗り乾かし

下地を作ったところに貼ります。

そしてメノウ棒を使って磨き上げるのも同じです。

大きな違いは 金箔はボーロに水を塗って

箔を置いていきますが 銀箔は水の代わりに膠液を塗ること。

理由はおそらく銀箔は金箔より厚いから でしょうか。

(とは言え金箔は厚さ0.1μ 銀箔は厚さ0.2~0.3μの違い)

そして金箔は箔刷毛で移動させますが これまた

銀箔は厚いため刷毛では持てず 湿度を与えたコットンを使います。

 

銀箔のもう一つの注意点は 錆びる点です。

銀箔で装飾した額縁には 必ずニス(ラッカー)を塗る必要があります。

また銀箔の保存も 極力空気に触れないようにすること。

なんだか銀箔は扱いにくいような印象ですが

金箔より厚い分 手で触れても大丈夫という便利さがあり

(触らないに越したことはありませんが)

錆びることも利点ととらえて 錆びによる趣を与え

様々な表情を作ることも可能です。

金箔と銀箔 どちらも甲乙つけがたく好きな材料です。

 

 

GREENE & GREENE 9月13日

 

2011年 LOWY「A CHANGE OF TASTE」展

そして三菱一号館美術館で開催された「バーン=ジョーンズ」展と

アーツ&クラフツに関するお話が続いていますが

今日ご紹介する本もまたアーツ&クラフツ時代の建築家

チャールズ・グリーンとヘンリー・グリーン兄弟の

木造建築の写真集です。

この本はアンティークショップ(相も変わらず)の

本棚で見つけたものですが 嬉しい出会いでした。

額縁と家とインテリアは 歴史もデザインも全てにおいて

連続した流れでつながっています。

歴史的な名建築家の作った家には その家に合わせ同時に作られた

額縁や家具がある場合が多く これを観る機会は貴重です。

 

アメリカのカリフォルニア州にはグリーン兄弟の

それぞれの自宅をはじめ 幾つもの邸宅が残されています。

日本の文化を愛し 大きな影響を受けた兄弟が作った家には

神社や仏閣建築のような木の組み方 欄間のような装飾

浮世絵の影響が感じられるステンドグラス・・・

でも 単なる東洋の模倣ではなく 決定的に新しくオリジナル性豊かです。

飾り金具の使い方 ちょっとしたカーブ

壁や家具に使われる木肌の美しい照りなど眺めていたら

どきどきしながらため息が出てしまいます。

 

 

KANESEIの額縁は古典技法の箔仕上げを中心にしていますが

この本でグリーン兄弟の遺した建築を見て以来

日本の伝統的な木肌を生かす仕上げを

西洋的な額縁に使ってみたい と思っています。

日本画にも洋画にも合うオリジナルの・・・そんな額縁です。

 

データ: 「GREENE & GREENE  MASTERWORKS」

著者 Bruce Smith

写真    Alexander Vertikoff

Chronicle Books , San Francisco

1998年発行

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Firenze -La mia vecchia casa- 9月10日

 

イタリアの郷愁 2011 フィレンツェ -わたしの懐かしい家-

 

フィレンツェ市内の東にあるサンタ・クローチェ教会から

北東に上がったところにある通りの41番地に

わたしが下宿していたアパートがあります。

とても古い建物で なんでも1600年代に建ったとか。

懐かしい入り口は今も変わらず木の扉。

 

転々と引っ越しをせざるを得ない友人たちが多いなか

ずっと一か所に滞在できたわたしは とても恵まれていました。

リビングには中庭に面しておおきな両開きの窓があって

真白い壁と高い高い天井のある 明るい家でした。

ドイツ人女性の大家さんは音楽家で ピアノが置いてあり

わたしも自由に弾かせてもらえました。

このピアノの存在にどれだけ慰められたことか!

でも 表札にはすでに大家さんの名前はありませんでした。

ドイツに帰国されて 幸せに暮らしておられるのでしょう。

 

この家に住むことによって わたしが得られた

日々の生活 友人との楽しい団らんや食事の時間 また

安心して勉強に取り組む事が出来た時間・・・

全てが かけがえのない幸せなものでした。

 

 

 

黒い螺旋 9月06日

 

「黒い螺旋」(spirale-nera)

なんだか探偵小説のタイトルのようですが

新しく作った額縁の名前です。

昨年のイタリア旅行で仕入れた飾り装飾を使って

なにか作りたいと思っていたのですが

ようやく小さな形になりました。

下地に弁柄色を塗ってから黒色を重ね

すり出して すこし下地の弁柄を出しています。

仕上げはワックスと「にせものホコリ」で

アンティーク風にしてあります。

久しぶりに 思うまま 気ままに作った額縁で

楽しい作業ができました。

 

* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

イニシャル小箱講習会のお知らせ 9月03日

 

秋の午後に イニシャル入りの小箱を作りませんか?

 

成城学園前駅最寄のアンティークショップ「attic」プロデュースで

さまざまな講習会が開かれていますが

今回 KANESEIも仲間入りさせていただくことになりました。

お好きな色とイニシャルで彩色し オリジナル小箱を作る講習会です。

小箱はボローニャ石膏地に下書きをした物をKANESEIにて準備いたします。

絵具や筆等の道具もこちらで用意いたしますので

どうぞお気軽にご参加ください。

 

日時 10月11日(木) 13時~16時

会費 5.500円(材料費 お茶代込)

持物 エプロン 短めの定規(15㎝程度の)

場所 「CAFE BEULMANS」成城学園前駅最寄

http://cafebeulmans.com/

 

参加ご希望の方はattic(アティック)へご予約いただき

ご希望のイニシャルをお知らせください。

attic : http://www.attic-antiques.net/

tel 03-5490-6601   (11:00~19:00 火曜定休)

誠に勝手ながら6名様で定員とさせて頂きます。

ご参加をお待ち申し上げております。

 

 

制作予定の小箱外側寸法(約):60×53×33mm

       内側寸法(約):46×38×28mm