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ランチにバジルペーストを。 6月22日

 

庭のプランターに植えたバジリコ(バジル)が

茂りすぎて森化してきたので、

一株ばっさり収穫しました。


ザルに山盛り一杯。

これは Pesto di basilico バジルペーストを

作らずばなるまい!

空きビンに入れていた松の実と

チューブのすりおろしにんにく

生協のお手頃バージンオリーブオイルで

レシピも無く鼻歌まじりで作ったら

あら、けっこう美味しくできた?

でも片手ひとすくい程にしかなりませんでした。

あんなにあると思ったのにね!

 

自分の忘備として適当レシピ

バジリコ:大きいザルいっぱい

松の実:10粒くらい

にんにく:小さじ1/3

オイル:大さじ3くらい

塩:小さじ1と1/2

松の実はもっともっと増やして良いかも。

きれいな緑色、無添加ですから

塩はちょっと多めにしました。

 

パスタにするのもおいしいですけど、

トーストに塗るのと、ゆでたてホカホカの

タマゴやじゃがいもにつけるのが好きです。

 

それにしてもバジリコの花ってシソそっくり。

さすが同じシソ科なのです。

白身魚のカルパッチョに花を添えたら

おいしいかもしれませんね?

 

 

3年越しの待ちぼうけに終止符 6月20日

 

吊金具が痛んでいて、ある日突然

落下して壊れてしまった額縁。

額縁の大切な仕事のひとつである

「作品を守る」を果たしたとはいえ

装飾は失われ、木枠も歪みました。

 

幸い原形をとどめている部分も多いので

型取りをして装飾を再現します。

今回は箔は使わず、アクリル絵具と

古色ワックス、「ゴールドフィンガー」の

アンティークゴールド色で補彩しました。

写真は上が作業中、下が修復後です。



危険で重いガラスはアクリルに交換予定。

吊金具と紐も錆びにくい丈夫なものを付けます。

これでまた絵を守り、引き立てて

健やかに過ごしてくれることでしょう。

 

 

実はこの額縁、2015年晩冬にお話しした

「点検してください2」に登場した額縁です。

伯母から預かったまま、甘えていたら

3年も過ぎていました!

薄情な姪ですね。すみません。

祖父から伯母へ伝わった大切な作品、

早々にお届けしようと思います。

 

 

天使の誘惑に負けて夢を見る 6月18日

 

久しぶりに銀座の山野楽器2階にいったら

ついうっかりワゴンセールを覗き込んでしまう。

先日、必死になってCDを売りとばしたのに

また増やすのかい?!と思いつつも

結局レジに向かってしまうのでした。

だってジャケットがゴッツォリの天使なのですもの。


ここのところようやく雑貨と服の誘惑は

ぐぬぬ・・・とかわせるようになったけれど

CDショップと書店は克服ならず、わたしの鬼門です。

立ち入らないようにしていたのに

まんまと自分に負けてしまいました。

 

音楽も文章もデータが主流の昨今ですが

「手に持つ実感」「貸し借りできる」ということは

やはり抗いがたい魅力だと思うのですよね。

そんなわたしは古いのでしょう。

お婆さんになったら益々時代に取り残されていそう。

変な詐欺に引っかかったりしないようにせねば!

と今から自戒を込めて考えている次第です。

 

一方で、優秀で親切なロボットアシスタントが

ひとりに1台付いていてくれるから大丈夫、

というくらいずっと進んでいると良いなぁ

なんて夢も見ていたりします。

いまのところはAIBOが欲しいのですが、

これもまた夢のひとつ。

 

 

修復に度胸は必要ですか? 6月13日

 

先日、知人との会話で

「修復には度胸が必要でしょう?」

と言われました。

 

そうですね、修復処置をすべき額縁は

自分が作ったものではなく、多くの場合は

自分の持ち物でもない古いもの。

「代わりの物」は存在しません。

それに刃物を入れたり液体を塗ったり

様々手を入れなくてはいけない。

 

「さぁ始めるぞ」と言うとき、最初の一手には、

あるいはちいさな度胸が要るかもしれません。

でも、着手する前には念入りに調査し、

計画を立て、シミュレーションもして、

脳内リハーサルもしてしばらく考えて・・・

「うむ、よ~し!」となって始めます。

必要な処置を身心で理解できていれば

「恐怖」はそれだけ減るはずですから

度胸ではなくて安心を持って始められる。

 

そうは言っても、修復対象の額縁は

ひとつとして同じものは無い訳で、

予想外のことがおこる可能性もあります。

それを受け止めるのも「度胸」

冷静に処置するのも「度胸」

 

でもそれは

「覚悟」と言い換えることができる

かもしれません。

 

 

 

根暗な乙女風 6月11日

 

先日ご覧いただいたリメイクフレーム

あざみの花の模写をいれました。

ルドゥーテのあざみを 卵黄テンペラで。

最初から黒い額縁に入れるつもりで

背景や花の色もアレンジしたので

並べてみるとだいぶ違うのです。

グレーと黒と濃いピンクの組み合わせは

気が強いけれど根暗な乙女、の雰囲気。

なかなか好きな仕上がりになりましたよ。

12月の「小さい小さい絵」展に出品予定です。

 

 

額縁の作り方 20 色を塗る 6月08日

 

ボローニャ石膏地に部分的に金箔を置いて

さらに色を塗る場合、

どんな色材を使いましょうか。

フィレンツェの師匠マッシモ氏は

水彩絵の具を使っています。

わたしは水彩、卵黄テンペラを使う場合もありますが

今回は アクリルグアッシユにします。

完成色は黒の予定ですが、まず下色から。

ベネチアンレッドとローアンバーの混色、

つまりは赤色ボーロの様な色です。

入り組んでいるので細い丸筆で塗りました。

箔に絵の具が付いてしまっても

その日のうちなら取り除けます。

 

赤茶色が乾いたら黒を重ねます。

輝く金箔とつや消しの黒、なんとも派手になりました。

この写真では分かりづらいですが、

黒の下に赤茶色があることで深みと奥行きが増します。

また、そこはかとなく暖かみもかんじられます。

白い石膏地に直接黒を塗る場合とは

やはり歴然と違いが出ます。

 

ひとまず今日はここまで。

次は古色をつけて、いよいよ完成です。

 

 

イタリア人が落とすのは生ハム 6月06日

 

先日、読んでいたものに

「イタリアには『目から生ハムが落ちる』

ということわざがある」とありました。

意味は「目からうろこが落ちる」と

同じだそうです。

 

イタリア人の目からペラリと落ちる

生ハム・・・

一方、日本人の目からはパラリと

うろこが剥がれ落ちる。

その様子をお互いで見てびっくり!

なんて。

 

イタリア人と日本人、どこかで

似た感性を持っているのですね。

なんだか笑いつつ嬉しくなりました。

 

 

なぜそこに、あゝなぜあなたは書いたのですか 6月04日

 

色々な本を開いて資料を探していたのですが

久しぶりに見たこの額縁、やはりなんど見ても

一瞬驚いてしまいます。


というのも、これです。

表面の金箔の上に直接、整理番号が記入されています。

こちらも。

なぜ。

なにゆえここに書き込むのでしょうか。

まさか油性ペンではないとは思いますけれど。

この額縁、展示するという本来の用途の予定は無く

もはや資料としてだけの額縁なのでしょうか。

 

整理番号、必要ですからね。

額縁の裏側に、紙のラベルを水性の糊で

貼りつけてくれたらどんなに良かっただろう。

 

だれが、いつ、なぜここに書いたかは

知る由もありません。

現在もそのままにされて本にも載せるということは

おそらく理由もあるのでしょう。

でも、額縁を制作、そして修復する立場としては

なんだか複雑な気持ち。

せっかく素敵な額縁作ったのになぁ、・・・とか。

何百年も大切にされてきたのになぁ、・・・とか。

 

ううむ、わたしが気にし過ぎなのだろうか?

せめて可逆性のあるもので記入されていることを

願うばかりです。

 

 

フレームリメイク お色直し 6月01日

 

小さな黒額縁に古色付け。

ワックスを塗った上に「偽ホコリ」の

パウダーをはたきました。

しばらく待ってから布で磨きます。

この額縁、ずいぶん前に画材店のセールで

ふたつ買って忘れていたのですが、

ひょっこり出て来たので

黒に塗って雰囲気を変えました。

下の写真の奥がリメイクしていないものです。

元は明るいクリーム色の大理石風。

クリーム色もかわいいけれど

黒のアンティーク風も

なかなか良い感じに出来たと思います。

どちらがお好みですか?

 

 

どこまで直すかはお好み次第 5月30日

 

お預かりしていた小さな額縁の

修復が終わりました。

1800年代フランスの板絵が入っていて

額縁もおそらく同時代の物と思われます。

この額縁もまた、長い年月の間に

なんども修復の手が入った跡があります。

写真は上が修復後、下が修復前。

相変わらず写真が下手なのはご容赦ください。

 

 

 

修復後の写真をご覧になって、

「これで直ったと言えるの?

まだ割れている部分もあるし

留め切れ(角の接合部分の開き)も

汚れもそのままじゃないか」と

思われるかもしれません。

 

額縁に限らず、何かを修復する時

どこまで直すかというのは大きな問題です。

今回だって木地の歪みを戻し、留めをつなぎ、

欠損に石膏を詰めて全面に金箔を貼り直せば

まるっとピカピカに戻るわけです。

古くてあまい修復跡も直してしまえばいい。

 

でもお客様はこの雰囲気がお好きです。

欠けや留め切れ、金の擦れも気にならないとのことですし、

なにより絵の雰囲気によく合っているのです。

今回はご意向に沿って最低限の装飾復元、

木地緩み固定とカカリの改良のみを行いました。

 

絵が違和感なく額縁に納まって

安全に保存・展示できるのならそれで良い。

もし「やっぱり他の部分も気になる」と

思われたなら、その時にまた直せば良いのですから。

 

大切なのは「修復する目的と理由」

そして「完成イメージ」を理解して

お客様と共有すること、と考えています。

 

 

翼に乗る怪物 5月28日

 

ボーイング737に乗りました。

席はちょうど翼の上。

おおきな翼は地上では垂れ気味だけど

空の上では美しい反りがあります。

この辺りに座るといつも思い出す

「風の谷のナウシカ」コミックのワンシーン。

骸骨姿の「虚無」がもっともそうなことを言って

ナウシカを丸めこもうとしています。

ドキドキします。

 

飛行機の翼に怪物が乗っているシーンは

昔に観たホラー映画にもあったような記憶です。

「翼に怪物が乗っていたら」は

皆が考える恐怖のひとつ、なのでしょうか。

くわばらくわばら・・・

 

 

額縁の作り方 19 ジョットの弟子になった気分で 5月25日

 

こうして「額縁の作り方」なんて言って

おこがましくガサガサ書いておりますけれど

興味を持ってくださっている方は

いらっしゃるのでしょうか。

・・・めげずにつづけます。

何せ diario 「日記」ですからね!

開き直り気味です。

 

さて、凹凸に金箔を置いて繕いもして

磨き終えました。

はみ出した金箔はコットンや柔らかい筆で

払い取りましたが、取りきれませんでした。

次は色を塗る作業がつづきます。

下の写真、白い部分です。

 

ここでまた例の疑問が再燃してきます。

ボーロや箔を色で塗りつぶしても良いか。

ですが今回は「良し」とします。

先日の講演で福永先生の調査によると、

ジョットの黄金背景テンペラ画では

金箔は大胆に貼り、はみ出した部分、

聖母子の顔など大切な部分であっても

テンペラ絵の具で塗りつぶしている。

チマチマと削り取ったりしていない。

それでも500年以上絵具層は保たれている!

(もちろん保存修復されたうえで。)

 

わたしの基本姿勢は、やはり今まで通りに

必要な部分にだけボーロを塗るけれど、

箔がはみ出したら乾拭きで取り除く程度にして

少々残ってしまった箔は塗りつぶしでOK

そんなところでしょうか。

 

結局ボーロ塗り分けの手間は省けないけれど、

この「箔を塗りつぶすか問題」は

わたしの長年の疑問でしたので

気持ちがすっきりしました。

 

そんな訳で、わたしもジョットを見習って

今回は塗りつぶし作戦に出るつもりです。

次回、まずは下色を塗ります。

 

 

ヒヤ子と真珠3姉妹、夏の眠りへ 5月23日

 

春に花を終えて、ここしばらくは

緑の葉を茂らせていた我が家のヒヤシンス団を

そろそろ引き上げることにしましょう。

球根を土から掘り上げてみました。

 

庭のヒヤ子(デルフトブルー)を取り出したら

なんと。

やはり球根が分裂、というのでしょうか

分球して3つになっていました。

どおりで今年は花が一度に3本咲いたわけです。

下の写真、奥にあるのが真珠3姉妹

(ホワイトパール)の球根3つ、

手前がヒヤ子オリジナルと

増えた小さな球根2つです。

ヒヤシンスは自然分球しないと聞きましたが

どうしたことか。

ちゃっかりクローンを2つも作っていました。

びっくりしたなーもう。

 

読んだところによると、掘り上げた球根は

日陰の風通しの良いところで干して保存、とのこと。

裏の窓にぶら下げることにしました。

ここは風の通り道、ゆらゆら揺れて

揺り籠のようですから良く眠れるでしょう。

 

秋になったら6球を地植えにしようと思います。

ヒヤ子クローン1と2も独立して

立派に育つことを期待します。

おやすみ娘たち。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年5月 5月21日

 

NAKさんの初・古典技法額縁が完成しました。

 

2017年の初夏にご入会、そして隔週で

地道な作業をつづけ

時には宿題でメノウ磨きをこなし、

さらには箔板作りをしてみたり、

はたまたイタリア旅行にお出かけして

本場の額縁をじっくりご覧になったりしつつ

完成にたどり着きました。

 

はじめての作業ばかりでびっくり

恐々の開始でしたが、最後の頃にはもう

筆さばきもメノウ磨きもすっかり慣れて

わたしも安心して見守ることができました。

 

おこがましい発言ではありますが、

ひたむきに作業をつづける生徒さん方、

こうして「人の成長」を目の当たりにするのは

わたしにとってとても大切なことです。

自分も努力を続ければ成長できるのだ、と

励まされる気持ちです。

 

NAKさん、ピンクと金の可愛い額縁の完成

おめでとうございます!

次はぜひご自作の箔板を使って

金箔作業をいたしましょう!

 

 

楽しい仕事 5月18日

 

額縁修復の仕事

失われた装飾を復元して

正面から斜めからさまざま見て

あるいは自然光や蛍光灯、薄暗い光で見て

オリジナル部分と見分けが難しくなった時

ニヤッとしてひとり悦に入り

この仕事が好きだなぁとしみじみ思うのです。

しあわせなわたし。

 

 

頼むことが出来るようになったら 5月16日

 

わたしは幼い頃からひとりで催し物に参加したり、

友達と遊ぶけれど、ひとり遊びも好きで飽きないという

「ひとりが基本」の性格で、今もあまり変わりません。

ですのでKANESEIも基本的に、お客様との打合せ、

デザイン、木地作りから完成、納品まで

ほぼひとりで行っています。

もちろん材料や既成の竿を購入はしますけれども。

 

ですがここ数年で、他の方の技術をお借りして

わたしのデザインした木地を作って頂く

「発注」という機会が増えてきました。

KANESEIが受注する額縁の内容や

数が向上してきた、とも言えるでしょうか。

 

なぜかずっと思い込んでいた

「自分の持つ技術と既存の材料で完成させられるだけの

仕事しかできないんだ、自分でやらないと

いけない義務と不安」という考えから解放されて、

「この額縁を完成させるのに必要な技術と材料が

わたしに無いなら、できる人に仕事としてお願いすればいい。

そうすれば作ることができる」を受け入れました。

我ながら遅すぎる気づきでしたが。

 

受け入れることで身心がとても楽になりました。

 

 

わたしの仕事、オーダーメイド額縁のご注文を頂いて作る、

という仕事も、お客様からみてみれば

「自分の思ったような額縁が欲しいから、

作る人に注文して(頼んで)手に入れる」のですから、

頼む、頼まれる関係がずっと前から身近にあったのでした。

互助、ギブ&テイク。

人間が生きる上の基本なのでした。

 

 

額縁の作り方 18 彫刻木地に金箔を置く 5月14日

 

今回の木地は、金と黒で装飾します。

前回17で迷いながらもボーロを塗り分けました。

今日は彫刻木地に箔を水押ししましょう。

 

凹凸に箔を置くって、面倒です。

順番としては、高いところ凸から

低いところ凹に箔を置いていきます。

つまり水が流れる順番です。

この額縁は外側寸法が16センチ程度です。

金箔はおおよそ2cm角くらい、小さめにカットしました。

 

凹凸の箔水押しのコツとしては、

水を塗る場所を見極めるのが大切。

凹の谷底まで箔を入れるためには

凸に水が付いていると、そこで箔が

ひっかかって奥まで入りません。

Vの字の中に入れるなら、Vの片面だけに

水を塗って箔を差し込む必要があります。

片面ずつ箔を置いてもよいし、

上手になれば片面に水を塗って、大きな箔を入れて

横から水を垂らしこんで反対側も箔を付ける、

なんてこともします。

 

むむう、文章で説明するのも難しい。

「何が何やらよく分からん」説明ですね。

百聞は一見にしかず、そして

百見は一経験にしかず、と言えましょう・・・。

箔の技術についてご興味のある方は

古典技法額縁制作の教室 Atelier LAPIS

どうぞお越しください。

 

 

新聞紙を使いますか 5月11日

 

昨年12月に、思うことを思うままに

ブログに書いていこうと決めましたので

以前なら「こんなことをお話しても

仕方があるまい」と思っていたような

ちょっとしたことも書くようにしています。

このブログのタイトル diario ディアリオは

イタリア語で「日記」です。

わたしのつぶやきにどうぞお付き合いください。

 

前置きが長くなりましたが

先日ふと思いました。

新聞紙を活用するのは日本独特のことなのか?

それも日本の古い人間だけなのか?

 

わたしは額縁制作の作業中もLAPISでも

作業台の汚れ防止にしょっちゅう新聞紙をしきます。

粉も絵具も油も糊も、すべて受け止めてくれて

作業後には惜しげなく丸めて捨てられる。

なんて便利な紙なのでしょう。

 

でも、SNSで海外の作家や工房の様子を見ても

壁のマスキングに貼っているのを1度だけ、

新聞紙をしいて作業しているのを見たことは・・・

思い出せる限りありません。

わたしの作業風景(新聞紙をしいた作業台で

嬉々としている)の写真をSNSで見て下さった

海外の方々、一体どう思っているかと考えたら

なんとも言えない気分です。

でもやっぱり、新聞紙は便利ですからね、

これからも使い続けると思います。

 

なんでもかんでも新聞紙で包んで

きっちりと仕舞い込んでしまって

結局どこに何があるのかわからない

祖母の納戸を思い出しました。

新聞紙って昭和なイメージ。

 

 

たけのこときのこの問題。 5月09日

 

もの心ついた時からずっと

「たけのこの里」が好きでした。

いいえ、いまも好きです。

 

先日「きのこの山」をひと箱いただいて

しばらく手を付けずに眺めていたのですが

おおげさに意を決して食べてみたところ

なんと。

「たけのこの里」より軽くておいしいのでは?

あれ、おかしいな、こんなはずじゃなかったのに。

食の好みは体調や状況によって変わりますけれど

この「たけのこの里」から「きのこの山」への

自分の変わり様は内心小さくない驚きでした。

これはもしや・・・年齢によるものなのでは・・・。

 

大なり小なりこうした変化は

日々起きているのでしょう。

気づくきっかけがお菓子だっただけで。

 

つぎに買い物に行ったとき、どちらを買うか。

たのしい迷いが増えました。

 

 

額縁の作り方 17 塗るべき塗らないべきか、それが問題だ。 5月07日

 

石膏を磨き終えた彫刻木地に

ボーロという赤褐色の箔の下地剤を塗ります。

今回は金箔と黒色の組み合わせに

することに決めました。

箔を置く部分にだけボーロを塗ります。

 

いつも考えるのですけれど、

こうして箔と色と組み合わせる場合、

ボーロも塗り分けるべきか、それとも

色を塗る部分もすべてボーロを塗ってしまうか。

塗り分けるより、全面塗ったほうが

ずっと楽で時短ですから。

きっと、全面ボーロ塗りして、

必要な部分にだけ箔を置いて、

はみ出した箔もボーロも色で塗りつぶしてしまえば

それはそれで大丈夫なのだとは思うのです。

特に今回のように黒色の予定の場合など。

 

だけど、ううーむ・・・。

後の工程や仕上がりを考えて、やはり。

結局いつも、ボーロは必要なところにだけ

塗るようにしています。

だけど、ううーむ・・・。

全面塗っちゃっても大丈夫な気がしないでもない。

悩むなら実験すれば良いのですけれど!

 

 

10年ずっと守られて 5月04日

 

KANESEIの福の神様であるモッコウバラ、

今年は元気に沢山の花を付けてくれました。

いつも見ごろを迎える連休ですが、

桜同様にモッコウバラも今年は開花が早くて

そろそろ花の終わりを迎えています。

写真は今年4月の19日に撮ったものです。


わたしが「モッコウバラは福の神様」と

お話しているのは、毎年この時期は

ありがたいことに作業部屋にこもって

制作に励んでいることが多いから。

不思議な、としか言いようのないタイミングで

額縁人生をステップアップするような

プロジェクトを頂戴しています。

 

ずっと休み続けているインターネットからの

ご注文受付も、はやく再開したいと思いつつ

今年もドタバタと花の時期が過ぎていきます。

お待ちくださっている方に申し訳なく思っております。


わたしの作業部屋の窓辺に、日除けになるよう

母が黄色い八重咲のモッコウバラを植えてくれて、

花が美しく咲くようになってから10年。

モッコウバラの神様に守られ導かれた

10年を思い返しています。

 

 

Black&Gold 普遍の組み合わせ 5月02日

 

先日から「額縁の作り方」で

ご覧いただいております額縁が

一足早く完成いたしましたので

ご紹介させてください。


15世紀末から16世紀初頭に

イタリアのボローニャで作られた

額縁をモデルにしました。

オリジナルは平らな箱型額縁で

全面金箔、刻印打ちが施されていますが

わたしは外に低くなる形(外流れ)の

アユース木地を彫り、純金箔と黒の

ツートンカラーに仕上げてみました。

 

外側の寸法が225×210mmと小さいのですが

予想以上にコッテリハデハデになりました。

一歩間違えると下品になってしまう

難しい色の組み合わせですが、今回は

なんとかセーフとしてくださいませ。

 

金色と黒色。

様々な場所で文化が生まれて以来ずっと、

人を引き付ける普遍な色の組み合わせ

なのだろうと思っています。

 

「額縁の作り方」ではひきつづき

この額縁の制作過程をご紹介いたします。

 

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

美を伝える 「修理」の世界へようこそ! 4月30日

 

佐倉市の国立歴史民俗博物館には

全国の国立国立博物館・美術館が

出版している本がずらりと販売されていて、

それはそれは面白いブックショップでした。

 

京都国立博物館の「美を伝える」という

1冊を購入しました。

 

帯にある通り、修理・修復を紹介する内容。

写真が豊富で before&after が一目瞭然!

修理・修復の現場で必ず行うこと、

「調査し修復方針を決める→修復工程記録

→完成写真を撮って報告書をまとめる」

が分かりやすく解説されています。

こつこつとした地道な作業がつづけられ、

ボロボロの宝物が滑らかに鮮やかに修復、

保存されてスッキリ!サッパリ!です。


 

修復に使う道具、材料の説明や


「これからの文化財修理が目ざすもの」

というコラム、修復が必要な理由、

修理の基本は「現状維持修理」、その理由・・・

修理・修復をするうえの基本的なことを

こうして解説し、皆さんに知って頂くのは

とても大切なことですね。

 

この本は中・高生や大学生に読んで欲しい、

そして美術館・博物館の展示への

興味の幅をぐっと広げてもらいたいなぁ

と思いました。

 

「美を伝える

 京都国立博物館文化財保存修理所の現場から」

京都国立博物館編

京都新聞出版センター

2011年7月15日 初版発行

 

 

額縁の作り方 16 紙やすり選びの重要性 4月27日

 

彫刻をほどこした額縁木地に

石膏を塗って、さて。

丁寧に塗ってきれいに仕上がっても、

やはり磨かねばなりません。

 

細かい凹凸や入り組んだ形は

磨き辛いですね。

凹凸やカーブのある石膏地を磨くには

紙やすりの「コシとやわらかさ」が重要です。

バリバリと硬くて厚いと凸カーブに沿いません。

やわらかすぎてコシの無い紙やすりでも

凹の奥が磨けません。

ハリがあるけれどしなやかで指に沿い、

研磨剤が落ちづらく、目詰まりもしづらい

そんな紙やすりが理想です。

 

石膏の粉で指が乾きアカギレになるので

わたしは指サックを使っています。

紙やすりも滑らず磨けます。

 

つらい石膏磨き作業をいかに効率よく

美しく完成させるかは、ヤスリに

かかっていると言っても過言ではない。

・・・と思っています。

自分に合う道具と材料選び、重要です。

 

 

国立歴史民俗博物館 4月25日

 

良く晴れた爽やかな日に、千葉県佐倉市の

国立歴史民俗博物館へいきました。

 

「世界の眼でみる古墳文化」という

企画展が目的です。

古墳からの出土品の展示はもちろんなのですが

古墳内部を実物大に再現したものを覗き込んだり

壁画の詳細な模写(日本画による)を間近で観たり

アメリカ大陸やヨーロッパの「古墳的なもの」

の解説がとても興味深かったですよ。

王様のお墓の上に次の王様のお墓を作って、

そうしてどんどん積み重ねて巨大化するなんて。

なぜ重ねるんだろう??不思議です。

 

この博物館は国立だけあって、常設展が

かなり充実しています。

先史・古代(改装中)、中世、近世、

近代、現代と日本の歴史文化を追って

映画のセットのような街が作ってあったり

ジオラマやビデオ上映があったりと

体験型の展示が多くてとても楽しいのです。

きっと子供も喜ぶだろうなぁ、という感じ。

 

なにせ広くて、すべて見るには1日がかり。

当初は博物館の後に川村記念美術館や

ホキ美術館に行こうと目論んでいましたが

博物館で力尽きてしまいました。

それくらい楽しめる博物館です。

 

東京からすこし遠いけれど、

公園や植物園も充実していて気持ちの良い場所、

連休に遠足としてお出かけください。

レストランの古代ハヤシライスも

おいしかったですよ。

 

国立歴史民俗博物館

「世界の眼でみる古墳文化」

2018年3月6日~5月6日まで

 

 

 

MAさんの筆収納アイディア 4月23日

 

先日、atelier LAPIS でMAさんの

作業台をふと見たら

カンペン(死語ですか?)に筆が浮いているよう。

よく見てみたら、筆がジェルパッドに

貼りつけて収納されていたのです。


これはとても良いアイディアですね。

ジェルパッドは100円ショップで売られている

耐震ジェルだそうです。

これならカバンの中でペンケースが揺れても

筆は軽いので動かず、穂先も痛みません。

ジェルパッドは水洗いできるので

ホコリがついても大丈夫。

 

なるほどなるほど!

筆巻きよりずっとコンパクト。

巻いたりほどいたりの手間もかかりません。

そして見た目も美しい。

わたしも真似しようと思います。

 

 

ちいさいもの好き 2 4月20日

 

マカロンを食べ終わった

ラデュレの小箱。


中にはオーナメントを入れています。

小さい箱に小さいものがガサゴソと。


骨董市で買い集めたふるいもの、そして

フィレンツェのマッシモ氏に頂いたものも。

石膏で型取りして、額縁や小箱装飾に使います。

 

花型もありますよ。


ぜんぶ同じじゃないか、ですって?

いやいや、細部も厚さも違うのですよ。

 

使う目的で買いはじめましたが

眺めるだけで楽しい気分。

いつのまにかコレクションになっていました。

ニヤニヤが止まりません。

笑ってないで作りなさい、ですって?

はい、そうします。

 

 

太古の思い出との別れ方 4月18日

 

1月末にお話しした「物を減らしたい欲求」

低音でドヨドヨと、わたしの中で続いています。

服や本といった比較的整理しやすいものは済み

(第一回整理。本当はまだあるのです、きっと。)

「開かずの引出し」に着手しようと思いました。

 

この引出し、とても便利な場所にあるけれど

いままで全く活用していませんでした。

そっと開けて、唸って、そっと閉じる。

何故かと言えば、それは「思い出だけ」しか

詰まっていないと分かっているから。

 

連絡先も分からなくなった

学生時代の友人と撮った写真、

ものすごく古い手帳、

頂いたまま箱に入ったお土産品、

従兄と一緒につくった夏休み実験の結晶、

そうです、要らない物だけです。

 

もう何年も開けずに済んだ引出しの中身、

えいやとひっくり返して

中身を見ないで捨ててしまえば

楽なのは分かっていますけれど。

必死で整理して、結局どうにもならない

いくつかの物がまた引出しの奥に戻されました。

 

いったい皆さん、こういった物は

どう扱っていらっしゃるのでしょうか。

「捨てる」に気持ちを持っていくには

わたしはどうしたら良いのでしょう。

「だんしゃり」の本でも読めばいいのでしょうか。

それとも開き直ってあきらめる?

なぜ捨てられないのか理解に苦しむと

思われる方が沢山いらっしゃるのも

わかっているのですけれど。

 

わたしの「太古の品々」を目の前に

ぼんやりしゃがみこんでしまうのでした。

 

 

フラ・アンジェリコの後ろ姿を追って 4月16日

 

4月11日の夕方、九段にある

イタリア文化会館での講演「アートと科学:

広帯域の電磁波で観たフラアンジェリコの壁画

を聴講しました。


講師の福永先生は、電磁波についても

分かりやすく解説してくださいましたが、

この電磁波調査がいかに修復に役立つか、

なによりワクワクするような、ジオットや

フラ・アンジェリコがどのような手順と材料で

テンペラ画やフレスコ画を制作したのか?

というお話を聞けました。

 

サン・マルコ修道院の至宝「受胎告知」の

フレスコ画について、

・マリア様のクリーム色の衣は、当初は

 コチニールの赤い顔料で塗られていた。

・1960年代の修復時にはすでに赤が失われていた。

・天使の翼の顔料はすべて土系の顔料である。

・漆喰の最後の層(ジョルナータ)は0.5mm程

 の厚さで作られている。

・湿式法の上に乾式法で草花や赤褐色の

 アウトラインが描き加えられている。

・建物奥の天井付近に当初は鳩が描かれていた。

などなど、他にもジオットのテンペラ画についても

気づけば体を乗り出して聞いていました。

やー。

とても面白かったです!

 

サン・マルコ修道院の狭い廊下に足場を組んで、

黒い僧服の腕をまくったフラ・アンジェリコと弟子、

そして左官職人がせっせと作業している後姿、

並んでいる道具や筆、匂いや音まで

想像できたような気がします。

 

画像はwikipedia からお借りしました

 

こうして今まで大切に大切に

調査し、修復し、保存されてきました。

あらためて保存修復の大切さと面白さを

思い返す、興奮冷めやらぬ夜でした。

Aちゃん、知らせてくださってありがとう!

 

 

額縁の作り方 15 彫刻木地に石膏を塗る 4月13日

 

先日ご覧いただいた彫刻木地

ボローニャ石膏を塗りました。


今回のように彫刻で凹凸がある場合

平面やちょっとした曲面に塗るときとは

すこし勝手が違います。

いつものように塗ると凹部分に石膏液が溜り

彫刻を美しく表現するのがなかなか難しい。

ではどのようにするか?

今回ご紹介する塗り方も、わたし個人の

経験からのお話ですので、参考程度にお聞きください。

 

少々薄い石膏液を作るところから始めます。

いつものニカワ液(水10:兎膠1)に

石膏をふり入れて石膏液を作りますが

いつもの石膏液よりも6~8%程度石膏を減らします。

そして出来上がった石膏液を60℃程度

「けっこう熱いな」と思うくらいまで

湯煎で温めます。

 

ちなみに兎膠は70℃以上になると

煮えて接着力が無くなってしまいますから

ご注意ください。

 

そして温まった石膏液に、筆にひとすくいの

ぬるま湯を足して下からゆっくり混ぜましょう。

これを下ニカワを塗った木地に、丸筆を使って

手早く丁寧に塗っていきます。

凹みに液溜りができないように。

塗り残しがないように。

凹も凸も、できるだけ厚さが同じになるように。

いつもより薄い層を3~4回塗り重ねます。

KANESEI石膏塗りのスローガン

注意深く丁寧に、でも手早く!!

これに尽きます。

 

石膏を上手に塗ることができれば

その分、つらい石膏磨きの労力も減ります。

がんばりましょう!