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歌会始 2020「望」 1月17日

 

1月16日は毎年1月半ばのお楽しみ「歌会始」でした。

2020年のお題は「望」、令和初めてのお題に

とても相応しい明るいお題でした。

 

それぞれの歌を読み上げる人たち7名の方々の

お顔を拝見するのも実は楽しみのひとつなのですが

(皆さんの年相応の変化に自分も同様に感じられたりして・・・)

今年から新たな若者メンバーが加わり心機一転、

20代青年の声も若々しく伸び伸びとさわやかでした。

7名に年齢に幅があるほうがやはり良いのですね。

こうしてまた、新しい時代になったことを感じます。

 

選歌にいくつか「ああ、そうだなぁ、良いなぁ」と

感じる歌があり、しみじみ。

目の前にその人が見た風景が広がるようでした。

 

上皇后となられた美智子様の御歌が無いのは・・・

歌会始の楽しみが半減した感じです。

仕方がないことではあるのですけれど。

これもまた、新しい時代ということでしょう。

 

来年のお題は「実」だとか。

令和3年の歌会始、穏やかに迎えられますよう。

 

 

鎌倉彫の力強さ 1月15日

 

先日お話した鎌倉の八幡様詣でのさいに

鳥居横の茶寮「風の杜」に寄りました。

天井が高くて広々して静かで、とても居心地よい場所。

 

壁には鎌倉彫の鏡入り額縁がありました。

▲お店の許可をいただいて写真を撮りました。

 

写真が悪くて見づらいのですが、

ぐり模様(下部の渦巻き)はかなり深く彫ってあります。

わたしのイメージしていた鎌倉彫よりも

現代的でスッキリしていて力強い。

▲額縁の外側寸法はだいたい500×500mmくらいだった印象。

 

▲英語のパネルも。制作は博古堂さんという工房のようです。

 

どんな方が彫ったのかな。若い方か、男性か女性か。

作品からいろいろ想像するのも面白いのです。

外国からのお客様も多い八幡様のカフェなので

いろいろの方の目に留まると良いな、と思います。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年1月№2 1月13日

 

とても精力的に制作して下さるAさん、

はやくも3点目の額縁です。

 

木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに

純銀箔、テンペラでグラッフィート。

端先の垂直面には赤色ボーロを残しています。

角度によってちらりと見える赤が印象的です。

この模様は、まず純銀箔を貼り磨き、

その上に黒色のテンペラ絵具で塗りつぶし

模様を掻き落として下の銀を出すという

手の込んだグラッフィート技法で表現しています。

銀箔を丁寧に仕上げておかないと、上に塗る

テンペラ絵具もきれいに落とせません。

側面にも模様を入れるのはまさにAさんオリジナル。

わたしには「目からうろこ」でした。

人それぞれいろいろな表現があるのです。

 

Aさん、新しい提案をありがとうございました!

 

 

1500年前と同じものを使う 1月10日

 

少し前のお話ですが、埼玉県行田市にある

「さきたま史跡の博物館」へ行きました。

 

ここは5世紀から7世紀の大型古墳群で有名だそうですが

国宝展示室にてちょうど企画展開催中でした。

「金錯銘鉄剣」とその精密な復元品の展示です。


 

オリジナルは錆びているけれど、その迫力たるや!

オーラがただものではなく発せられているような。

権力者の威厳の象徴。

純金で象嵌された文字は今も輝きを失っていません。

復元品は大きさ材質、作り方から研ぎ方まですべて

5世紀ころに作られたままの姿で復元されたとか。

ガラスケースに入っていますがすごい迫力。

目の前に突き付けられたら背筋が凍りそう。

▲右下の剣が復元品。ひどい写真ですみません。

 象嵌の様子、刃の輝きが間近で見られました。

 

鉄剣も驚きの品でしたが、わたしにはこちらも衝撃。

奥には鉄剣とおなじ稲荷山古墳から出土した

道具類も展示されています。いずれも国宝です。

 

・・・なんだか見慣れた道具がただ古びている、

という感じです。

▲左から砥石、ヤリガンナ、チョウシ、カナハシ、大小のチョウナ

 いずれも現在でも伝統建築で使われている道具そのままの姿。

 

5世紀にはすでに今のわたしが額縁制作でも使うような

ペンチのような、ニッパーのような道具も。


▲サビをとって直せばいまにも使えそう?

 

そうか、1500年前の職人も同じような道具を

日々使っていたのか

この道具はすでに1500年前に完成された形なのか

感慨深い気持ちになりました。

 

1500年の時間は人間の進歩に長いのか短いのか?

 

さきたま史跡の博物館 金錯銘鉄剣復元品特別公開

稲荷山古墳出土鉄剣とは

埼玉古墳群とは

 

 

これで本当にわたしのもの。 1月08日

 

昨年末に買ってしまったkindle、

手に入れたのが嬉しくて

目印のようなものを付けたくなりました。

▲ケースは白。麻のような色です。

 

Kindleにどうにかしてタッセルを付けたい。

使わないと溜まったタッセルもかわいそうですし。

でもストラップホールなどありませんし。

日曜の夕方に工作することにいたしました。

 

秘蔵?のリボンを取り出しまして。

わたしの大好きなDEMELのリボン

Kindleケースの背の幅にぴったりです。

裏に両面テープを貼りました。


内側から貼りはじめ、一番下でタッセルを通して


また内側で貼り付ければ完成です。

これでこのKindleは「わたしのもの」になりました。

 

タブレットにもつけているのです。

使い勝手の良し悪し、耐久性などは

二の次にしております・・・ハハハ。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年1月№1 1月06日

 

本日2020年の仕事はじめ。

身体に気を付けて頑張りましょう。

 

なんと昨年2019年8月以来になってしまった

古典技法教室Atelier LAPIS の様子ですが

生徒さんの完成品記録をまたご紹介いたします。

 

NAさんの全面金箔額縁は、ご自作の箔盤初使い。

7月のこの日は箔の繕い最終仕上げの日でした。

▲奥に見えているのがピンクの美しい手製箔盤。

 使い勝手もばっちりでした。

 

今回は古色を強めにしたいとのご希望で

傷や凹み、磨り出しもしっかりして

ワックスとパウダーで仕上げました。

▲木地にボローニャ石膏、盛り上げ装飾に

 赤色ボーロ、純金箔メノウ磨き。

 ワックスによる古色。

 

デザインは15世紀イタリア・トスカーナ州で

作られた額縁の模様を参考にしています。

NAさん、全面金箔作業お疲れ様でございました。

順調に上達していらっしゃいます!

小箱完成も楽しみにしております。

 

 

抱負達成が抱負である・・・。 1月03日

 

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

皆様はどこでどのようなお正月をお迎えですか。

わたしは相も変わらず我が家で家族と一緒に

おせちを囲み日本酒をいただき

なかなか幸せな元日でございます。

 

今年のお節料理、30日31日で突貫工事状態で

作りましたので内心不安だったのですが

(味見はしましたけれど、冷えると変わりますでしょ)

まぁなんとか許容範囲で一安心でした。

▲料理は額縁同様、無心になれる物づくり。

 

ブログを長く続けて良いことのひとつに

昔の記録が見られることがあります。

毎年のお正月、なにを書いていたことやらと見たら

抱負やらスローガンを掲げておりましたが

それを追求できたかと問われますと、なんとも。

 

という訳でして、われながら凝りませんけれど

本年2020の抱負は毎年のことながら

「フットワークを軽く心と頭を柔軟に」そして

「その抱負達成に近づく」でございます。

ハハハ、がんばります・・・。

 

 

あけましておめでとうございます 1月01日

 

 

旧年中はありがとうございました。

新春を迎え皆様のご多幸をお祈り申し上げますと共に

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

令和2年 元旦 KANESEI

 

鎌倉へ 裏通りに見つけた 12月30日

 

昨年末は来られなかった鎌倉に

今年は来ることができました。

 

由比ガ浜に車を留めて八幡様へ歩きます。

途中にある鎌倉教会からはパイプオルガンの

「もろびとこぞりて」が聞こえてきました。

いつか立ち寄ってみたいと思います。

 

小町通は例年通りたいへんな人出。

骨董店や昔ながらの床屋さん、和紙屋さんなどの

「生存確認」をしつつ、なぜか増えたキリムラグやら

ポスターのお店を不思議に眺め、揚げ物の臭いに追われ、

外国からの観光客の多さに驚き人ごみにもまれて・・・

ようやく八幡様に着いた時にはぐったりでした。

その疲れには最後まで頑張っていた古書店

「藝林堂」がなくなっていたこともありそうです。

▲鎌倉彫の店先に展示されていた彫刻刀。興味深く眺めます。

 

変わらない八幡様と、大きくなった大イチョウ2号に

ほっと一息ついて、今年のお礼と来年のご挨拶をしました。

 

帰り道はもう小町通は通るまい、と一本裏を歩いたら

地元にお住まいの方に数人すれ違っただけで

人声も気配もなくわたしの靴音だけが響いて

これまた驚くばかりなのでした。

 

ようやく人通りのある古い商店街に行き当たったと思ったら

古い花屋さん、喫茶店、お肉屋さんが並んでいて

昭和から止まったままのような風景がありました。

 

きっとこの裏道と商店街のように、昔と変わらない鎌倉は

ここかしこに残っているのだと思うけれど、

そこをわたしのように年に1度しか訪れない人間が

興味本位で歩き回るのも違うような気がしています。

 

最後に見られた風景と、帰りの車から眺めた富士山で

今年の鎌倉詣では無事終了。

なにはともあれ八幡様にご挨拶が済んでほっとしました。

来年もまた気持ち新たにがんばります。

 

 

2019年のブログ diario はこれでおしまいです。

ご覧くださりありがとうございました。

大晦日は寒い予報です、どうぞ暖かくしてお過ごしください。

 

 

「kirikami-2」 12月27日

 

あの後、結局「これで良いとする。」になって

完成を迎えました kirikami シリーズ四角いバージョン

kirikami-2 です。

 

 

最初につくった丸い kirikami-1 から

凹みを作る方法を変え、塗装も変えました。

2つを並べてみれば違いははっきりありますが

全体の雰囲気や受ける印象は、あまり変わらないように

心がけたつもりです。

いかがでしょうか。

 

はー。いやはや。

頭がグルグルする度合いが高い制作でした。

 

「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。    

 

 

Buon Natale 2019 12月25日

 

メリークリスマス!

 

 

ことしもクリスマスになりました。

仕事納めまであと少し、でしょうか。

どうぞお体大切に、穏やかなクリスマスを

おすごしください。

 

 

掃除をしなさい 12月23日

 

フィレンツェにあるバルディーニ美術館所蔵の

額縁模刻はぼちぼちと進めています。

外側は大まかに彫り終わりが近づいて

今は深さ調整と「掃除」をしております。

毛羽やら小さな段、彫り残しを掃除すると

スッキリ整って見違えます。

 

▲掃除には小回りの効く細い彫刻刀を使います。

 

留学先の学校で彫刻の授業を受けていたころ

作業中、先生に見ていただいたら

「それじゃ次、少し掃除しなさい」 と毎回言われていました。

自分ではそれなりに掃除したつもりでも

先生の目にはまだまだだった訳ですが

この掃除がいまだに苦手です。

今となっては誰も言ってくれませんから

自分で自分に「もう一息掃除しなさいよ」

と言いつつ作業しています。

 

掃除は大事です。

分かっちゃいるけど!

 

 

できた、ような。 12月20日

 

kirikami シリーズ四角いバージョン

出来上がった・・・と、思います。

 

 

いや、どうかな。

もういいかな、まだかな。

妥協ではないけれど、不安というか。

これで「完成しました」と言って良いのか。

 

毎度のことながら迷います。

いえ、迷わなかったことがない、が正解です。

ううむ。

一晩おいて朝の明るい陽射しでもう一度見て

それから決めることにします。

 

 

ゴシックへの旅 12月18日

 

暖かな冬晴れの日に上野の西洋美術館へ行きました。

混雑する企画展を横目に、常設展の入り口から入り

目指すは版画素描展示室で開催中の

「ゴシック写本の小宇宙 内藤コレクション展」です。

 

獣皮紙に書かれた(描かれた)美しい装飾文字と

挿絵、イニシャル文字を、かなり近寄って見られました。

そして写真撮影も許されていました。


▲50×60mm程度のごく小さなスペースにぎっしり!

 

中世の厚い壁に囲まれた修道院内、

外光と蝋燭の灯りのみの時代

これだけ細かい文字と挿絵を描くには、

相当な集中力と技術が必要だったはずです。

若くして熟練した技術とセンスのある職人(僧)がいたのでしょう。

当時は老眼鏡などほぼありませんでしたから。


ユーモラスな人物、写実的なウサギやリス、

装飾的な草花など、時間を忘れて見入ります。

これを描いていた時、楽しかったんだろうな、

この線を引くときは筆をどう持ったのかな、

ラテン語が分かるともっと面白いだろうな、

などと静かに興奮しながらの鑑賞でした。

そしてまた映画「薔薇の名前」を観たくなったのでした。

 


▲各要所にパネルで用語や技法の解説も。

 

ものすごく小さな世界を出て、美術館外の広い世界へもどる。

数時間の別世界への旅行のようでした。

 

有名作家の絵があるわけではないけれど、

写本好きな人にはどうにも堪らない展覧会です。

ぜひお出かけください。

 

内藤コレクション展「ゴシック写本の小宇宙

国立西洋美術館 ~2020年1月26日(日)

 

 

凹は凸よりむずかしい 12月16日

 

kirikami シリーズの四角いバージョン

制作を続けています。

このデザイン、切紙模様が凹んでいるのが

特徴なのですが相変わらず試行錯誤です。


第1作目のまるいバージョンと違う方法で

この凹みを作っているのですけれど、

どちらの方法にも一長一短あるのでございます。

もっとブラッシュアップさせたい。

 

平面には凸をつくるより凹をつくるほうが

むずかしいような気がしています。

 

 

あっちもこっちもどこででも 12月13日

 

ご想像の通りでございます。

Kindle はわたしの手元にやってきました。

 

▲だって年末大セールだったのです!

 

広告付きのいちばんお手頃価格のもの。

さっそく原田マハ作品を数冊購入したり

無料のものをダウンロードしたりしました。

夏目漱石やら与謝野晶子などは

もう著作権が切れているのですね。

おかげで懐かしい「こころ」など

また読んでみる気持ちになりました。

 

なにせ家族全員が読書好きで

我が家にはわたしが読んでいない本がまだまだ

山積みですので、ちょっと後ろめたいのですが

それはそれ、これはこれ。

 

思えばイタリア留学中は日本語の活字に飢えて

友人間で文庫本がぼろぼろになるまで

回し読みしていたのでした。

普段なら読まないホラー小説など読んだりして。

古本屋のあるパリが羨ましかった思い出です。

今はKindleがあれば、どこでも読めますものね。

便利な時代になったものです。

 

出不精ですがKindleをもって出かけたい気分。

電車で「塩狩峠」を、カフェで「こころ」を、

ついでに新しい作品を探してみたりして

あっち読んでこっち読んで楽しもうと思います。

語学の勉強・・・も、できたら良いな。とか。

あたらしいオモチャを手に入れました。

感想などまたお話させてください。

 

 

乙女かボロボロか二択。 12月11日

 

先日、あまりに乙女チックな配色になって

やっぱりやめた!とばかりに

テンペラ絵具を削り落とした小箱は、

刻印を打ってワックスで古色仕上げしました。

 

 

中に灰茶色の別珍を貼りこみましたが

なんだか地味な趣きになりました。

 

結局いつもの雰囲気になりましたけれど、

仕上がりはなかなか気に入っております。

デザインの細かさに対して刻印の点が大きくて、

繊細さがない代わりに力強さはある、とでも

表現させてください・・・。

 

それにしても

古色を付けたとはいえ初々しさは皆無です。

わたしのつくる額縁は、以前から「いかにも

女性が作った額縁ですね」と言われることが多く、

制作者の性別も年齢も感じさせないものを

作りたいと思ってはいたのですけれど。

わたしの引き出しには今のところ

「乙女風」と「オンボロ風」のふたつしか

選択肢がないのでは?!

 

▲どっこいしょ・・・

 オンボロ箱と乙女クマを組み合わせたりして。

 

もう少し柔軟に幅広い表現をしたい

と思っている次第でございます。

 

 

「works」ページ内「other」にアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

額縁生まれ変わり 12月09日

 

純金箔の貼り直しをした祭壇型額縁

ようやく完成いたしました。

 

▲修復後。欠損を再成形して純金箔を貼りました。

少しの磨り出しをして下地の赤を出し、茶色の古色仕上げ。

 

▲修復前。金色の塗装と緑青色の古色で仕上げた額縁でした。

上部の欠損部分には金色のペイント修理の跡も。

 

今まで古い額縁の全面箔貼り直しには積極的ではなかったこと

また、普段とはちがう方法での箔置きをしたことなどもあり

(ミッショーネは部分的に装飾で使うことがメインでした)

下地の整え方や接着剤、仕上げ方法の検討などで

時間を消費してしまう結果になりましたが

理解も深まったという大きな収穫もありました。

お客様には託してくださったことに大変感謝申し上げます。

 

古い額縁に全面箔貼り直し、いままで避けていたのは

どうにもちぐはぐな印象になってしまう恐れがあったから。

ひどい例えですけれど、お婆さんが若作りしているような。

 

今回トライして分かったことは、下地を整えて

ある程度の古色を付ければ美しく仕上がるということです。

当然といえば当然なのですけれど、これはやはり

実際に試行錯誤しながら行って自分で理解することが

必要だったということでしょうか。

 

「山をひとつのぼり終えた」といううれしさを

感じながら完成した額縁を眺めています。

 

 

欲しいの?欲しいんでしょ? 12月06日

 

ここのところ、なんとも気になるのが

Kindle(電子書籍専用リーダー)です。

ものすごく今さらなのですけれど。

 

紙の本を愛するゆえに遠ざけてきた感もありますが

Kindle の小ささ軽さ、その容量は大変な魅力。

 

だけど「本」なら貸し借りも自由ですが

kindle は1作品につき1回限り14日間貸せるのみ。

古本は差し上げるのも売るのも可能だけど

コンテンツは売れないようですし溜まる一方?

 

 

なにせわたしは石橋を叩いて渡るどころか

渡る人を後ろからじっと眺めて10年経つような人間

と自覚しておりますので、新らしいことには程遠く

ようやく「気になるなぁ」にたどりつきました。

 

画集やじっくり読み返したい本は「本」を買って

情報や軽い読み物は電子書籍で、と分けるのが

皆さんの使い方なのですよね、きっと。

 

なんだかんだと自分に言い訳をしつつ

手に入れるような気がしています・・・。

 

 

小さい小さい絵展 2019 12月04日

 

毎年同じころに同じお知らせを。

今年もまた「小さい小さい絵」展に出品いたします。

池袋東武百貨店6階1番地 アートギャラリーにて

12月19日木曜から25日水曜まで。

 

今年は丸い黄金背景チューリップ、

のんきな鼓笛隊、赤い服の貴婦人3点

ボローニャ石膏地に卵黄テンペラの模写です。

お近くにお越しの際はどうぞお立ち寄りください。

よろしくお願い申し上げます。

 

 

出会っていたのは後で分かる 12月02日

 

フィレンツェのルネッサンス美術に

わたしが心から興味を持ったのは

NHKのテレビ番組を観たときからでした。

当時、高校3年生です。

 

それ以来、どうしてもフィレンツェに

行きたくてたまらなくて、

大学進学時は学校主催で行われる夏の旅で

フィレンツェに行ける学校を選び、

結局大学卒業後には両親の許しで

とうとう3年間の留学までさせてもらい、

額縁の本場で制作と修復を学び

身につけることができました。

 

 

今もテレビでは、イタリアの

ルネッサンス美術についての番組は

様々に放送されています。

出演のとても若いタレントさんが

幼い――でも一所懸命に――コメントを

話している姿を見ると、

当時の自分と重なるような気がします。

そして今の若い人たちが番組を見て

なにかの情熱を持ったかもしれません。

 

人生の方向を決めるきっかけやチャンスは

些細なことで、どこででも出会いますね。

そしてそれは後にならないと分からないのです。

わたしにとっては偶然観たテレビ番組が

いま思えば大きなきっかけのひとつでした。

 

色々な人の「振り返って分かるきっかけ」を

聞いてみたいと思います。

 

 

やっぱりやめた。 11月29日

 

隙間時間で作っている小箱です。

金箔をメノウで磨いてから

卵黄テンペラ絵具数色で彩色しました。

 

そして放置すること数か月・・・

なんだかな、なにか違うような。

イメージしていたより「乙女度」が高い。

思い切って絵具を削り落として

装飾をやり直すことにしました。

 

▲金箔の上に白、緑、紫、ピンクでふっくら彩色して

 七宝風にしたかったのですが、取り除きます。

 

金箔がしっかり磨いてあれば

テンペラ絵具はポリポリと除くことができます。

「やっぱりやめた」が可能なのです。

いわばグラッフィート技法と同じこと。

今回は割りばしのお尻で削り(こすり)ました。

 

さて、すっかり金色に戻ったところで

刻印を打ってみようかな、と思います。

もう少しルネッサンス風味にする予定です。

 

 

額縁の作り方 27 ミッショーネで箔置き 11月27日

 

前回ミッチャクロンで下地を整えて

アクリル絵の具の赤色ボーロ色(赤茶)を塗った

ドイツの祭壇型額縁に純金箔を貼ります。

▲赤茶を塗って乾いたところ。金箔作業の準備ができました。

 

この額縁は、もともと金色ではありましたが

洋箔(純金箔の代用品)が使われており、さらに

部分的に塗装で金色に塗られ、緑青色の古色が付けられて、

何度か修理された形跡もありました。

今回は欠損部分を再成形して形の復元からはじまり、

純金箔を全面に貼り直してから改めて古色を付けて完成。

そんな計画です。

 

今回のような額縁にはミッショーネ、つまり

接着剤で箔を貼り付ける方法しかありません。

日本では「ニス貼り」(ニスを接着剤にして箔を貼る)

とも言うようです。

検討した結果、わたしは使い慣れた糊で安全に進めることにして

フィレンツェの画材店「ZECCHI」(ゼッキ)が販売している

「missione all’acqua」を使いました。

白い水性の接着剤で、乾くと透明になります。

酢酸ビニール系(木工用ボンド)と近い雰囲気ですが

もっとさらりとした感触です。

 


▲左上に見える白いボトルが接着剤です。

 

この糊を筆で塗って、透明になってしばらくしたら

箔を置き、やさしく押さえます。

糊の乾き具合が難しくて、生乾きでも乾きすぎでもダメ。

触ってみて「乾く寸前」くらいがベストなのです。

 


さぁ、全面に貼れました。

目も眩むコガネイロでございます。

ミッショーネは金箔をメノウ棒で磨くことはご法度。

剥がれてしまいますからね。

ミッショーネの糊が乾いたら次は古色付けです。

 

 

ヒヤ子始動2019 11月25日

 

11月はじめの頃のおはなし。

長らく「夏眠」していたヒヤシンスの球根

我が家のヒヤシンス軍団をようやく植えました。

ヒヤ子とその仲間たち10球です。

ヒヤ子オリジナルと分球3つ、桃色3つ、真珠姉妹3つ。

最初はデルフトブルーのヒヤ子1球からはじまった

わたしのヒヤシンス栽培ですが、いつのまにか

こんな大所帯になっております。

 

庭のいつもの一角を耕して、たい肥を混ぜて。

3色ある球根を色ごとに並べるか・・・と思いましたが

ターシャ・テューダー風に混色でランダムに植えました。

▲いやまぁ、適当に並べたと言うほうが正しいのです。

 

おそらく桃色が一番、そして白、最後に青と順番に

成長し花を咲かせてくれるであろう、と思っています。

▲ふんわかと土をかぶせましたが、ここは通り道横。

 踏まれちゃうと困ります!・・・ので

 

▲割れた植木鉢を差し込んで境界を作りました。

 

ヒヤシンス栽培、楽しいですよ。

今なら来春に間に合う!おススメです。

 

それにしても

恐れていたミミズやらダンゴムシには土を掘り返しても

出会いませんでした。不思議。

きっとここで冬眠をはじめていると思っていたのだけど。

出会わなかったのはお互いに幸運でした!

 

 

kirikami にわかに 11月22日

 

2015年に銀座のギャラリー林さんで行った

写真とKANESEI額縁の展覧会(もう4年前!)に

出品しました kirikami と名付けた円形額縁があります。

 

たたんだ紙の角を△や〇に切って広げた模様から

このタイトルを付けました。

 

切紙の模様を額縁上に表現する方法を試行錯誤して

ぐるぐる・・・という記憶ばかり強いのですが

4年たった今、にわかに人気(?)上昇中です。

「この額縁のデザインで」または

「これと同じ額縁に鏡を入れて」などの

お問い合わせをいただいております。

いままでなしのつぶてでしたのに。

不思議ですが、そんなこともあるのですね。

 

さてそんな訳で、ただいま四角い kirikamiシリーズ

制作真っ最中でございます。

 

幅広マスキングテープを貼って、模様を転写します。

▲4年前の型紙を参考に四角の模様下描きをつくりました。

 

そして模様を切り抜きます。

以前、マスキングテープはお手頃価格のものやら

100円ショップのものを使ったこともあります。

でもマスキングテープは良いものを使うのが一番。

とくに切り抜く場合は差が顕著です。

いやまぁ当たり前なのですけれど、品質が完成の良し悪しに

とても影響するのがマスキングテープ、とつくづく思います。

 

 

模様の切り抜きを終え、端先の加工もして

(端先の加工、危うく忘れるところでした!)

日が暮れたので今日の作業はおしまいです。

 

 

小さなかわいこちゃん7 完成 11月20日

 

長らくご覧いただきました小さい祭壇型額縁が

ようやく完成を迎えました。

なにせ小さいものが好きですので

いつもに増して楽しく作ることができました。

 

▲台座の彫刻部分にも点刻印をいれました。

 

以前にもお話しましたが、予定と装飾方法を変えたので

模様が繊細な印象になりました。

彫刻部分がちょっと重く感じられたので

バランスをとるために台座にも点刻印を入れました。

すこし軽やかになったと思います。

 

いつまでも「かわいこちゃん」などと

親ばか名前で呼ぶわけにもいきませんので

tabernacolo-mini-1 と命名いたします。

tabernacolo とはイタリア語で祭壇型額縁。

なぜ次に英語 mini が来るのかといわれますと

わかりやすいでしょうということで。ハハハ。

 

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

顔料の製作者とアンジェリコのお好みと。 11月18日

 

先日のテレビ番組で、アドリア海で見つかった沈没船について

いつ、どこの港から出てどこへ向かい、

誰のどんな荷物を積んで誰に送っていたのか

調査する様子を観ました。

その船はルネッサンス時代、ヴェネツィアの総督が

トルコのスルタンの求めに応じて送ったガラスと

その他贈り物を積んでいた船でした。

海中調査し、膨大な資料から探り出し明らかになっていく様子は

とても面白かった!

 

その沈没船の積み荷に顔料もありました。

赤い顔料の辰砂、白い顔料の鉛白でした。

当時ヴェネツィア産の顔料は品質が良いことで

有名だったそうな。

昨年秋にフィレンツェのサン・マルコ美術館の

写本室で観たルネッサンス時代に使われた顔料紹介でも

赤は辰砂、白は鉛白が展示されていたことを思い出しました。


この沈没船はフラ・アンジェリコの生きた時代の100年も後だし

フィレンツェとヴェネツィアは当時ちがう国であったから

可能性はとても低いと思うけれど、想像が膨らんでしまう。

フラ・アンジェリコはヴェネツィア産の顔料を

好んでいたかもしれない、なんて。

どんな人がどんな場所で、どんな道具で

あの顔料を作っていたのかな、その生活はどんなかな、とか。

ヤマザキマリさんが物語にしてくれたら

とてもとても面白そう!と思ったりしております。

 

 

ひとまず使わずに。 11月15日

 

先日、お財布の整理をしていたら

やや?

 

 

平成31年の500円硬貨であります。

ピカピカと美しく財布の中でも目立って輝いています。

これって珍しいのではないかしらん?と思って

小銭入れから別のポケットに入れておきました。

使用済みですけれどきれいですし

ひとまず使わずに、記念に取っておくことにいたします。

 

平成31年。

令和の時代になって、もうずいぶん経ったような気がしてしまいます。

数十年後、忘れたころに引き出しの奥からこの硬貨を見つけ出して

あの頃は・・・などと思い出すのに使うかもしれません。

 

 

小さなかわいこちゃん6 11月13日

 

メノウ棒での点刻印が終わりまして。

さぁ!お愉しみの古色付けでございます。

 

▲夜なべ仕事の翌朝、装飾が完成しました。

 

▲まだ金の色が新しくて生々しいのです。

 

木槌でのキズ作りはせず、磨り出しのみをして。

今回は彫刻の凹凸に加えて点刻印もありますので

ゆるめに溶いたワックスを筆で塗ることにしました。

 

筆で塗ったとしても、筆跡が残ったら台無し!

筆につけるワックス量を調整し、塗り方も

伸ばしたり叩いたりこすったり工夫します。

▲凹や点にも擦りこんで輝きを残さない。

 

ワックスが乾いたら乾拭きして、完成です。

 

 

額縁の作り方 26 ミッチャクロン 11月11日

 

夏に「型取り方法」でご覧いただいた

ドイツ製祭壇型額縁のコリント様式柱の土台。

無事に取り付けまして、金箔の貼り直しをいたします。

 

この額縁はそんなに古いものではありませんので

木材と石膏のみではなく、部分的にプラスチックの装飾や

金属製ライナーも取り付けられていて複雑です。

 

ひたすら掃除をした後はアルコールで脱脂して

「ミッチャクロン」(プライマー)を吹き付けました。


▲庭の一角でスプレーします。

部分的に色が違うのは欠損部分を再成形したところ。

 

プライマーがあれば、複数の材を使った土台も

均一になって上に塗装することができます。

 

ミッチャクロン(わかりやすい商品名)はとても便利。

まさしく下地と上塗装を密着させてくれます。

ホームセンターやネット通販で容易に手に入ります。

ミッチャクロンがあれば、大体のものの塗装ができる

といっても過言ではないでしょう・・・たぶん。

ミッチャクロン塗布前にはかならず

最初にしっかり脱脂しておくことと、

乾くまで時間がかかるけど待つ。

わたしはこのふたつに気を付けています。

 

今回は純金箔をミッショーネ(箔用糊を塗って貼る)で

全面に施す計画です。

まずはミッチャクロンが乾いたところで

赤色ボーロ風のアクリル絵の具を全面に塗って下地作り。

 

色が整うときれい。

さて、この後はいよいよ箔仕事ですぞ。

いつもと違う方法での箔仕事、そわそわします。