top » diario

diario

額縁の作り方 28 石膏塗りの筆選び 2月24日

 

古典技法額縁の制作では

ボローニャ石膏塗りは大切な工程

かつ一番難しい工程と言えるのではないでしょうか。

「手早く丁寧に!」をスローガンに

適度な濃度で適温にした石膏液を塗るには

筆選びが大切です。

 

わたしがいつも使っているのは

水性用の平筆、12~15ミリ幅くらいのものです。

メーカーによって微妙に号数が違いますが

この写真の筆は世界堂オリジナル筆14号。

やわらかい毛がたっぷりしていて抜け毛も少ないく

このシリーズは愛用しております。

もちろん塗る対象――テンペラ用の板なのか

彫刻の入った額縁木地なのか――によって

選ぶ筆のサイズと形状は変わりますが

やわらかい毛の筆、というのはいつも同じです。

乾いた筆をいきなり石膏液につっこまず、

まずはお湯で(湯煎した鍋の湯で)ゆすいで

ホコリを落とし、空気を抜きましょう。

 

ボローニャ石膏液を扱う指南書がさまざまありますが、

著者によって選ぶ道具はちがいます。

ある本によるとブタ毛の堅い丸筆や刷毛で

筆跡を残してガシガシと塗るとありました。

でもわたしは、可能な限り筆跡を残さず

石膏液の表面張力を利用して滑らかに塗るのが好きです。

滑らかな表面なら、次の辛い作業「石膏磨き」で

削る必要が少なく(つまり時短)、そして

気泡が入りづらいと感じているからです。

 


翌日の朝、かわいた石膏地に気泡はありませんでした。

石膏塗り成功でございます。バンザーイ。

 

 

みんな臭かった 2月20日

 

なにやら匂い(臭い)の話がつづきますが。

 

Atelier LAPIS の生徒さんがある日

「古いウサギニカワがあるのだけど、まだ

使えるかどうか・・・」とおっしゃるので

まずは見てみましょう、と持って来ていただきました。

 

下の写真、左が古いニカワ、右が現在のニカワ

どちらもホルベイン社製で

水10:乾燥ニカワ1の割合で作った溶液です。


▲乾燥ニカワは古くても、カビたりしていなければ使えます。

 

古いニカワ液の蓋を開けた途端、すさまじい臭い!

一度も洗ったことがない野良犬が濡れて蒸れたような

何とも言えないケモノの脂臭といいましょうか。

ビンの下にはすこし濁った澱もあります。

そうそう、これこれ!このニカワの強烈な臭いは

とても懐かしいのです。

 

わたしが初めてウサギニカワを使ってテンペラ画を

描いていた大学生の頃(かれこれ随分前の話・・・)

ウサギニカワと言えばこの感じ、それはそれは臭くて

研究室がこの臭いで満たされ、鼻がマヒしていました。

 

古いニカワは今のニカワより不純物が多いのでしょう。

だけど、この古いニカワのほうが古典的といいますか

ルネッサンス時代のニカワに近いでしょうし、気分的にも

「古典技法で制作しているのだ!」と盛り上がります。

 

数年前から「ニカワを溶かしても臭わないな、

鼻は楽だけど、なにか違う・・・」と思っていたのです。

久しぶりにクッサ~~い「ザ・ウサギニカワ」の臭いを嗅いで

なんだかとても楽しくなったのでした。

この臭い、フラ・アンジェリコもレオナルド・ダ・ヴィンチも

みんな嗅いで臭がっていたのでは・・・。

 

 

匂いの記憶 2月17日

 

先日、近くに用事があったのですが早めに着いたので

ずっと気になっていた「旧小坂家住宅」を訪ねました。

世田谷トラストまちづくり

「旧小坂家住宅」および「瀬田四丁目旧小坂緑地」 

二子玉川駅から少しあります。静嘉堂文庫美術館近く。

 

急な坂道沿いにあって、敷地面積は広いけれど

いわば崖とその周囲、といった感じの場所。

今は雑木林の敷地が公園になっているのと、

崖上にある邸宅が無料公開されている施設です。

世田谷区の指定有形文化財になっています。

 

訪ねたとき、他にお客様はだれもおらず

広いお屋敷内を迷いながら見学しました。

お茶室や内倉、ティンバー風の応接室など

とても凝った造りのお屋敷。

一番奥にたどり着いたら、そこは主寝室でした。

▲シャンデリアや石膏装飾の天井がすてき。

 奥の盾状のものはこの家の主、小坂順造氏の肖像彫刻です。

 左のカーテンの向こうがサンルーム。

 

サンルームからの眺めが素晴らしいのです。

庭の向こうには富士山も見える明るい部屋で

とても落ち着いた雰囲気、ほっとしました。

 

ほっとしたのは雰囲気だけではなくて、

なぜかとても良く知っているにおいがするのです。

もうずっと前に亡くなった祖父の家のにおい。

もちろん祖父の家はこんな立派なお屋敷ではありませんでしたが

独特の同じにおいがします。

古い家特有のにおい・・・だけではないのです。

なんと表現して良いのか分からないのだけど、

古い家具や少し湿度のある空気の、

絨毯や壁や、あらゆる物のにおい、でしょうか。

 

近くには、祖父が持っていたのと同じステレオが。


▲ビクターの古いステレオ、レコードとラジオです。

 我が家にいまだに置いてあるので見間違えません。

 

そのほか、サッシではない窓や鍵、建具がそっくりだったりと

あまりに祖父を思わせるものが多くて

ぎょっとするやら懐かしいやら。

部屋着の着物姿の祖父がいても驚かない気持ちでした。

 

においの記憶って凄まじい。

脳の深いところから突然蘇ってきます。

不思議です。

 

 

ちょっとちょっと・・・クローン2つ発見 2月13日

 

我が家の庭に植えたヒヤシンス球根10個は

9つが無事に発芽しております。

どうやらピンクが1つ、まだ出ていない様子。

まだ眠っているのでしょうか。

 

それはさておき。

天気が良かった今日、じっくり観察したのですが

おや・・・なんだか変な形が。

 

なんと、すでに分球して発芽しているのでは??

▲右側に2つ、しっかり花芽もあるような。

 

いやいや、ちょっとちょっと

あなた誰?(何色?)

もう家族を増やさなくて良いのですよ。

生物の宿命か、子孫繁栄は自然の成り行きですか。

(これ以上球根が増えると植える場所に困ります・・・)

ううーむ。

なにはともあれ、健康に成長することを願いつつ

観察を続けます。

 

 

今までとは違う気持ちで 2月10日

 

ベルナール・ビュフェ美術館に行きました。

一緒に行った人の希望で立ち寄りましたので

わたしは何となく、大した興味もなく行ったのですが。

 

久しぶりに、というのもなんですが

とても感動しました。

期待していなかったのも大きいかもしれません。

(失礼な話です、すみません。)

▲写真はベルナール・ビュフェ美術館H.Pからお借りしました。

 

ビュフェの作品はいままでにも何度か

目にすることはありましたが、正直なところ

あまり好みではなくて流し見していました。

 

今回、若いころの作品から小品、大作など

まとめて鑑賞することができました。

第二次大戦中にもあきらめずシーツに描いたこと

自画像をずっと描き続けていたこと

特徴的な黒い線が誕生したころのこと

苦悩したこと、感じたこと考えていたことなどなど。

作品もさることながら、専門に扱う美術館なので

丁寧に解説、展示がされていたことで理解が深まりました。

美術館設立者がビュフェ作品にほれ込んで集めた

とのことで、その愛情と熱意も感じられました。

 

額縁もスタイリッシュでかっこいいものがありました。

ガラスが入っていないので、絵の色艶やタッチが

手に取るようにわかるのも素晴らしいのです。

 

以前に流し見していたころと比べて

自分の精神状態も経験も変わったからかもしれません。

でも今後またビュフェの作品を観る機会があれば、

きっと今までとは違う心持で鑑賞することが

できるような気がします。

 

東京からすこし遠いけれど、旅気分でぜひ。

おすすめです。

 

ベルナール・ビュフェ美術館

 

 

比べ物にならない美しさなのに 2月06日

 

いまお預かりして修復している額縁は

19世紀にイギリスで作られた額縁です。

持ち主何人かを渡って、最近日本に着いたところ。

 

装飾の少しの欠けはありますが

さすが木地本体は緩みもゆがみもなく

申し分ない状態です。

 

けれども。

以前の持ち主の方が修理を試みたのか、

純金箔の上に銀色のペイントがあります。

下部端先、とても目に付く場所なのです。

今回の修復目的のひとつは、このペイント除去。

▲美しい純金箔の上に銀色の謎のペイントが。

 ちぐはぐでおかしい。

 

溶剤テストをして、これぞという溶剤が決まったら

綿棒に浸してペイントを少しずつ取り除きます。

▲綿埃もいっしょに塗りこまれているペイント。

 除去は急がば回れ。丁寧に根気強く。

 

銀色ペイントの下から純金箔と

赤色ボーロが見えてきましたよ。

▲綿棒には目的の銀色ペイントのみの付着。

 金や赤が付いていないことを確認します。

 

恐らく「金箔が経年で擦れてしまった結果

赤色ボーロが見えて気になる。

金色はないけれど手近に銀色塗料があったから

ひとまず塗ってみた」のでしょうけれど・・・

なぜ「銀色でもいいや」と思ったのかは謎。

 

古色好きなわたしにとっては、銀色ペイントより

経年で擦れた純金箔とボーロの色のほうが

比べ物にならないほど美しいのです。

 

さて。

おおよそ除去できました。仕上げまでもう少し、

そして純金箔を補ってこの部分の作業は完成です。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年2月№1 2月03日

 

さて、続いておりますLAPIS生徒さん作品紹介、

本日はMIさんの小箱です。

 

わたしがLAPISアトリエでもガサゴソと作業をしていると

生徒さん方はとても興味を持って見てくださるのですが、

小箱も「作ってみたい!」と思ってくださる

制作のひとつです。

 

小箱木地は市販の桐材でつくられたもの。

それにいつもの古典技法どおりに石膏地を作り

線刻をしてから箔を貼り磨き、

今回はテンペラ絵具で彩色しました。

 

▲サイズは90×100mmくらいでしょうか。

 この細かい模様と細い線!いやはや。

イギリス留学経験のあるMIさんなので、

イギリスの模様を入れてみたそうです。

 

前側には箱の蓋と身の合印もいれました。

蓋を閉じるときに向きを迷わないように。

入れるものは決まっていないそうですが、

それを考えるのもこれからのお愉しみです!

 

 

弟子入り準備 1月30日

 

普段はご注文を受けた額縁を作りますが

「自分のために」作る額縁もあって、

新しく準備をはじめました。

 

ヴェネツィアで18世紀に作られた額縁をサンプルに

似たような形の木地で制作予定です。

▲女性的な花模様、C字のモチーフがロココ

 中央の平らな部分”specchio”がヴェネツィアらしいデザイン。

 


▲外側にもう一周彫刻がありますが後ほど足す予定です。

 ・・・下描きに描き落とし発見・・・。

 

まだバルディーニ美術館額縁の作業が残っていますが

(これからボローニャ石膏を塗らなければ)

また新しい額縁を準備し始めたのは

2018年秋に会った彫刻師グスターヴォさんに

短期弟子入りさせていただけるからなのです。

この木地と彫刻刀を担いで遠路フィレンツェへ

行ってまいります。

修行の成果など、またご報告させてください。

 

 

2回分の幸運 1月27日

 

先日1月9日に所用があり車を運転していましたら

鳥のフンがフロントガラスに・・・!

わたしが「ぎゃー!」などと叫んでおりますと

助手席にいたTokyo Conservasion 修復スタジオの

室長が「”運がつく”って本当だよ。俺も顔に

鳩のフンが落ちてきたことがあったけど

その年は記念すべき良い1年になったからね!」と

慰めてくださったのでした。

 

じつはわたし、今年の初詣で並んでいたときに

頭の上に鳥のフンが落ちてきたのです。

お正月早々なんたること・・・と

顔に縦線が入っていた(ちびまるこ風)のですが

室長のおはなしが本当なら、わたしの2020年は

それはそれはもう素晴らしい1年になるに違いない。

 

▲鳥・・・鶏のから揚げ。田町の老舗にて。

 大きなから揚げをハサミで豪快に切って食べる美味。

 

なにせ9日間で2回もウンに当たるなんて

(それも市街で。森の中ではないのです。)

そうそうあることではありませんでしょう?

 

▲鳥・・・これも鶏。我が家のクリスマスのご馳走。

 こんな写真を撮っているから鳥(鶏)に恨まれた可能性も。

 

室長の言葉を信じて。

2020きっと素晴らしい1年になるでしょう!

いや、素晴らしい1年になるよういたしますよ!

汚れたガラスは、後日父が拭き掃除してくれました・・・。

運は父にいったかもしれません!

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年1月№2 1月23日

 

HAさんの小さいけれど手の込んだ

かわいらしい額縁が完成しましたよ。

木地を彫刻、角にボローニャ石膏

赤色ボーロに純金箔装飾、刻印で模様入れ。

木地はステインで茶色く染めて古色付けです。

 

模様も彫刻も控えめながらも

とても丁寧に仕上げてあります。

お父様のお写真を入れるために作られた

愛情のこもった額縁です。

わたしも心がじーんと温かくなりました。

HAさん、ありがとうございました。

 

 

この子は誰? 1月20日

 

1月9日のおはなし。

わたしのペット?のヒヤシンス一家の球根は

今年も無事に芽を出しました。

白いホワイトパール3つ、ピンク3つ、

そして 青いデルフトブルー4つ、合わせて10球を

ランダムに植えたのは昨年秋です。

▲小石やら落葉があって分かりづらいですが

 右上に2つ、左上に1つ、3つの芽が出ました。

 

さてこの3つの芽は、一体どの球根か。

この子は誰だ?

▲葉の色から推察するにピンクかな?

 可愛くてたまらない。親ばか炸裂です。

 

予想ではピンクが一番乗り、なのです。

とにもかくにも10球全て元気に

芽を出してくれることを期待しつつ!

今年もヒヤシンス観察開始です。

 

今週からdiarioは週2回、月曜木曜の更新にします。

引き続きどうぞお付き合いください。

 

 

歌会始 2020「望」 1月17日

 

1月16日は毎年1月半ばのお楽しみ「歌会始」でした。

2020年のお題は「望」、令和初めてのお題に

とても相応しい明るいお題でした。

 

それぞれの歌を読み上げる人たち7名の方々の

お顔を拝見するのも実は楽しみのひとつなのですが

(皆さんの年相応の変化に自分も同様に感じられたりして・・・)

今年から新たな若者メンバーが加わり心機一転、

20代青年の声も若々しく伸び伸びとさわやかでした。

7名に年齢に幅があるほうがやはり良いのですね。

こうしてまた、新しい時代になったことを感じます。

 

選歌にいくつか「ああ、そうだなぁ、良いなぁ」と

感じる歌があり、しみじみ。

目の前にその人が見た風景が広がるようでした。

 

上皇后となられた美智子様の御歌が無いのは・・・

歌会始の楽しみが半減した感じです。

仕方がないことではあるのですけれど。

これもまた、新しい時代ということでしょう。

 

来年のお題は「実」だとか。

令和3年の歌会始、穏やかに迎えられますよう。

 

 

鎌倉彫の力強さ 1月15日

 

先日お話した鎌倉の八幡様詣でのさいに

鳥居横の茶寮「風の杜」に寄りました。

天井が高くて広々して静かで、とても居心地よい場所。

 

壁には鎌倉彫の鏡入り額縁がありました。

▲お店の許可をいただいて写真を撮りました。

 

写真が悪くて見づらいのですが、

ぐり模様(下部の渦巻き)はかなり深く彫ってあります。

わたしのイメージしていた鎌倉彫よりも

現代的でスッキリしていて力強い。

▲額縁の外側寸法はだいたい500×500mmくらいだった印象。

 

▲英語のパネルも。制作は博古堂さんという工房のようです。

 

どんな方が彫ったのかな。若い方か、男性か女性か。

作品からいろいろ想像するのも面白いのです。

外国からのお客様も多い八幡様のカフェなので

いろいろの方の目に留まると良いな、と思います。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2019年1月№2 1月13日

 

とても精力的に制作して下さるAさん、

はやくも3点目の額縁です。

 

木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに

純銀箔、テンペラでグラッフィート。

端先の垂直面には赤色ボーロを残しています。

角度によってちらりと見える赤が印象的です。

この模様は、まず純銀箔を貼り磨き、

その上に黒色のテンペラ絵具で塗りつぶし

模様を掻き落として下の銀を出すという

手の込んだグラッフィート技法で表現しています。

銀箔を丁寧に仕上げておかないと、上に塗る

テンペラ絵具もきれいに落とせません。

側面にも模様を入れるのはまさにAさんオリジナル。

わたしには「目からうろこ」でした。

人それぞれいろいろな表現があるのです。

 

Aさん、新しい提案をありがとうございました!

 

 

1500年前と同じものを使う 1月10日

 

少し前のお話ですが、埼玉県行田市にある

「さきたま史跡の博物館」へ行きました。

 

ここは5世紀から7世紀の大型古墳群で有名だそうですが

国宝展示室にてちょうど企画展開催中でした。

「金錯銘鉄剣」とその精密な復元品の展示です。


 

オリジナルは錆びているけれど、その迫力たるや!

オーラがただものではなく発せられているような。

権力者の威厳の象徴。

純金で象嵌された文字は今も輝きを失っていません。

復元品は大きさ材質、作り方から研ぎ方まですべて

5世紀ころに作られたままの姿で復元されたとか。

ガラスケースに入っていますがすごい迫力。

目の前に突き付けられたら背筋が凍りそう。

▲右下の剣が復元品。ひどい写真ですみません。

 象嵌の様子、刃の輝きが間近で見られました。

 

鉄剣も驚きの品でしたが、わたしにはこちらも衝撃。

奥には鉄剣とおなじ稲荷山古墳から出土した

道具類も展示されています。いずれも国宝です。

 

・・・なんだか見慣れた道具がただ古びている、

という感じです。

▲左から砥石、ヤリガンナ、チョウシ、カナハシ、大小のチョウナ

 いずれも現在でも伝統建築で使われている道具そのままの姿。

 

5世紀にはすでに今のわたしが額縁制作でも使うような

ペンチのような、ニッパーのような道具も。


▲サビをとって直せばいまにも使えそう?

 

そうか、1500年前の職人も同じような道具を

日々使っていたのか

この道具はすでに1500年前に完成された形なのか

感慨深い気持ちになりました。

 

1500年の時間は人間の進歩に長いのか短いのか?

 

さきたま史跡の博物館 金錯銘鉄剣復元品特別公開

稲荷山古墳出土鉄剣とは

埼玉古墳群とは

 

 

これで本当にわたしのもの。 1月08日

 

昨年末に買ってしまったkindle、

手に入れたのが嬉しくて

目印のようなものを付けたくなりました。

▲ケースは白。麻のような色です。

 

Kindleにどうにかしてタッセルを付けたい。

使わないと溜まったタッセルもかわいそうですし。

でもストラップホールなどありませんし。

日曜の夕方に工作することにいたしました。

 

秘蔵?のリボンを取り出しまして。

わたしの大好きなDEMELのリボン

Kindleケースの背の幅にぴったりです。

裏に両面テープを貼りました。


内側から貼りはじめ、一番下でタッセルを通して


また内側で貼り付ければ完成です。

これでこのKindleは「わたしのもの」になりました。

 

タブレットにもつけているのです。

使い勝手の良し悪し、耐久性などは

二の次にしております・・・ハハハ。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2020年1月№1 1月06日

 

本日2020年の仕事はじめ。

身体に気を付けて頑張りましょう。

 

なんと昨年2019年8月以来になってしまった

古典技法教室Atelier LAPIS の様子ですが

生徒さんの完成品記録をまたご紹介いたします。

 

NAさんの全面金箔額縁は、ご自作の箔盤初使い。

7月のこの日は箔の繕い最終仕上げの日でした。

▲奥に見えているのがピンクの美しい手製箔盤。

 使い勝手もばっちりでした。

 

今回は古色を強めにしたいとのご希望で

傷や凹み、磨り出しもしっかりして

ワックスとパウダーで仕上げました。

▲木地にボローニャ石膏、盛り上げ装飾に

 赤色ボーロ、純金箔メノウ磨き。

 ワックスによる古色。

 

デザインは15世紀イタリア・トスカーナ州で

作られた額縁の模様を参考にしています。

NAさん、全面金箔作業お疲れ様でございました。

順調に上達していらっしゃいます!

小箱完成も楽しみにしております。

 

 

抱負達成が抱負である・・・。 1月03日

 

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

皆様はどこでどのようなお正月をお迎えですか。

わたしは相も変わらず我が家で家族と一緒に

おせちを囲み日本酒をいただき

なかなか幸せな元日でございます。

 

今年のお節料理、30日31日で突貫工事状態で

作りましたので内心不安だったのですが

(味見はしましたけれど、冷えると変わりますでしょ)

まぁなんとか許容範囲で一安心でした。

▲料理は額縁同様、無心になれる物づくり。

 

ブログを長く続けて良いことのひとつに

昔の記録が見られることがあります。

毎年のお正月、なにを書いていたことやらと見たら

抱負やらスローガンを掲げておりましたが

それを追求できたかと問われますと、なんとも。

 

という訳でして、われながら凝りませんけれど

本年2020の抱負は毎年のことながら

「フットワークを軽く心と頭を柔軟に」そして

「その抱負達成に近づく」でございます。

ハハハ、がんばります・・・。

 

 

あけましておめでとうございます 1月01日

 

 

旧年中はありがとうございました。

新春を迎え皆様のご多幸をお祈り申し上げますと共に

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

令和2年 元旦 KANESEI

 

鎌倉へ 裏通りに見つけた 12月30日

 

昨年末は来られなかった鎌倉に

今年は来ることができました。

 

由比ガ浜に車を留めて八幡様へ歩きます。

途中にある鎌倉教会からはパイプオルガンの

「もろびとこぞりて」が聞こえてきました。

いつか立ち寄ってみたいと思います。

 

小町通は例年通りたいへんな人出。

骨董店や昔ながらの床屋さん、和紙屋さんなどの

「生存確認」をしつつ、なぜか増えたキリムラグやら

ポスターのお店を不思議に眺め、揚げ物の臭いに追われ、

外国からの観光客の多さに驚き人ごみにもまれて・・・

ようやく八幡様に着いた時にはぐったりでした。

その疲れには最後まで頑張っていた古書店

「藝林堂」がなくなっていたこともありそうです。

▲鎌倉彫の店先に展示されていた彫刻刀。興味深く眺めます。

 

変わらない八幡様と、大きくなった大イチョウ2号に

ほっと一息ついて、今年のお礼と来年のご挨拶をしました。

 

帰り道はもう小町通は通るまい、と一本裏を歩いたら

地元にお住まいの方に数人すれ違っただけで

人声も気配もなくわたしの靴音だけが響いて

これまた驚くばかりなのでした。

 

ようやく人通りのある古い商店街に行き当たったと思ったら

古い花屋さん、喫茶店、お肉屋さんが並んでいて

昭和から止まったままのような風景がありました。

 

きっとこの裏道と商店街のように、昔と変わらない鎌倉は

ここかしこに残っているのだと思うけれど、

そこをわたしのように年に1度しか訪れない人間が

興味本位で歩き回るのも違うような気がしています。

 

最後に見られた風景と、帰りの車から眺めた富士山で

今年の鎌倉詣では無事終了。

なにはともあれ八幡様にご挨拶が済んでほっとしました。

来年もまた気持ち新たにがんばります。

 

 

2019年のブログ diario はこれでおしまいです。

ご覧くださりありがとうございました。

大晦日は寒い予報です、どうぞ暖かくしてお過ごしください。

 

 

「kirikami-2」 12月27日

 

あの後、結局「これで良いとする。」になって

完成を迎えました kirikami シリーズ四角いバージョン

kirikami-2 です。

 

 

最初につくった丸い kirikami-1 から

凹みを作る方法を変え、塗装も変えました。

2つを並べてみれば違いははっきりありますが

全体の雰囲気や受ける印象は、あまり変わらないように

心がけたつもりです。

いかがでしょうか。

 

はー。いやはや。

頭がグルグルする度合いが高い制作でした。

 

「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。    

 

 

Buon Natale 2019 12月25日

 

メリークリスマス!

 

 

ことしもクリスマスになりました。

仕事納めまであと少し、でしょうか。

どうぞお体大切に、穏やかなクリスマスを

おすごしください。

 

 

掃除をしなさい 12月23日

 

フィレンツェにあるバルディーニ美術館所蔵の

額縁模刻はぼちぼちと進めています。

外側は大まかに彫り終わりが近づいて

今は深さ調整と「掃除」をしております。

毛羽やら小さな段、彫り残しを掃除すると

スッキリ整って見違えます。

 

▲掃除には小回りの効く細い彫刻刀を使います。

 

留学先の学校で彫刻の授業を受けていたころ

作業中、先生に見ていただいたら

「それじゃ次、少し掃除しなさい」 と毎回言われていました。

自分ではそれなりに掃除したつもりでも

先生の目にはまだまだだった訳ですが

この掃除がいまだに苦手です。

今となっては誰も言ってくれませんから

自分で自分に「もう一息掃除しなさいよ」

と言いつつ作業しています。

 

掃除は大事です。

分かっちゃいるけど!

 

 

できた、ような。 12月20日

 

kirikami シリーズ四角いバージョン

出来上がった・・・と、思います。

 

 

いや、どうかな。

もういいかな、まだかな。

妥協ではないけれど、不安というか。

これで「完成しました」と言って良いのか。

 

毎度のことながら迷います。

いえ、迷わなかったことがない、が正解です。

ううむ。

一晩おいて朝の明るい陽射しでもう一度見て

それから決めることにします。

 

 

ゴシックへの旅 12月18日

 

暖かな冬晴れの日に上野の西洋美術館へ行きました。

混雑する企画展を横目に、常設展の入り口から入り

目指すは版画素描展示室で開催中の

「ゴシック写本の小宇宙 内藤コレクション展」です。

 

獣皮紙に書かれた(描かれた)美しい装飾文字と

挿絵、イニシャル文字を、かなり近寄って見られました。

そして写真撮影も許されていました。


▲50×60mm程度のごく小さなスペースにぎっしり!

 

中世の厚い壁に囲まれた修道院内、

外光と蝋燭の灯りのみの時代

これだけ細かい文字と挿絵を描くには、

相当な集中力と技術が必要だったはずです。

若くして熟練した技術とセンスのある職人(僧)がいたのでしょう。

当時は老眼鏡などほぼありませんでしたから。


ユーモラスな人物、写実的なウサギやリス、

装飾的な草花など、時間を忘れて見入ります。

これを描いていた時、楽しかったんだろうな、

この線を引くときは筆をどう持ったのかな、

ラテン語が分かるともっと面白いだろうな、

などと静かに興奮しながらの鑑賞でした。

そしてまた映画「薔薇の名前」を観たくなったのでした。

 


▲各要所にパネルで用語や技法の解説も。

 

ものすごく小さな世界を出て、美術館外の広い世界へもどる。

数時間の別世界への旅行のようでした。

 

有名作家の絵があるわけではないけれど、

写本好きな人にはどうにも堪らない展覧会です。

ぜひお出かけください。

 

内藤コレクション展「ゴシック写本の小宇宙

国立西洋美術館 ~2020年1月26日(日)

 

 

凹は凸よりむずかしい 12月16日

 

kirikami シリーズの四角いバージョン

制作を続けています。

このデザイン、切紙模様が凹んでいるのが

特徴なのですが相変わらず試行錯誤です。


第1作目のまるいバージョンと違う方法で

この凹みを作っているのですけれど、

どちらの方法にも一長一短あるのでございます。

もっとブラッシュアップさせたい。

 

平面には凸をつくるより凹をつくるほうが

むずかしいような気がしています。

 

 

あっちもこっちもどこででも 12月13日

 

ご想像の通りでございます。

Kindle はわたしの手元にやってきました。

 

▲だって年末大セールだったのです!

 

広告付きのいちばんお手頃価格のもの。

さっそく原田マハ作品を数冊購入したり

無料のものをダウンロードしたりしました。

夏目漱石やら与謝野晶子などは

もう著作権が切れているのですね。

おかげで懐かしい「こころ」など

また読んでみる気持ちになりました。

 

なにせ家族全員が読書好きで

我が家にはわたしが読んでいない本がまだまだ

山積みですので、ちょっと後ろめたいのですが

それはそれ、これはこれ。

 

思えばイタリア留学中は日本語の活字に飢えて

友人間で文庫本がぼろぼろになるまで

回し読みしていたのでした。

普段なら読まないホラー小説など読んだりして。

古本屋のあるパリが羨ましかった思い出です。

今はKindleがあれば、どこでも読めますものね。

便利な時代になったものです。

 

出不精ですがKindleをもって出かけたい気分。

電車で「塩狩峠」を、カフェで「こころ」を、

ついでに新しい作品を探してみたりして

あっち読んでこっち読んで楽しもうと思います。

語学の勉強・・・も、できたら良いな。とか。

あたらしいオモチャを手に入れました。

感想などまたお話させてください。

 

 

乙女かボロボロか二択。 12月11日

 

先日、あまりに乙女チックな配色になって

やっぱりやめた!とばかりに

テンペラ絵具を削り落とした小箱は、

刻印を打ってワックスで古色仕上げしました。

 

 

中に灰茶色の別珍を貼りこみましたが

なんだか地味な趣きになりました。

 

結局いつもの雰囲気になりましたけれど、

仕上がりはなかなか気に入っております。

デザインの細かさに対して刻印の点が大きくて、

繊細さがない代わりに力強さはある、とでも

表現させてください・・・。

 

それにしても

古色を付けたとはいえ初々しさは皆無です。

わたしのつくる額縁は、以前から「いかにも

女性が作った額縁ですね」と言われることが多く、

制作者の性別も年齢も感じさせないものを

作りたいと思ってはいたのですけれど。

わたしの引き出しには今のところ

「乙女風」と「オンボロ風」のふたつしか

選択肢がないのでは?!

 

▲どっこいしょ・・・

 オンボロ箱と乙女クマを組み合わせたりして。

 

もう少し柔軟に幅広い表現をしたい

と思っている次第でございます。

 

 

「works」ページ内「other」にアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

額縁生まれ変わり 12月09日

 

純金箔の貼り直しをした祭壇型額縁

ようやく完成いたしました。

 

▲修復後。欠損を再成形して純金箔を貼りました。

少しの磨り出しをして下地の赤を出し、茶色の古色仕上げ。

 

▲修復前。金色の塗装と緑青色の古色で仕上げた額縁でした。

上部の欠損部分には金色のペイント修理の跡も。

 

今まで古い額縁の全面箔貼り直しには積極的ではなかったこと

また、普段とはちがう方法での箔置きをしたことなどもあり

(ミッショーネは部分的に装飾で使うことがメインでした)

下地の整え方や接着剤、仕上げ方法の検討などで

時間を消費してしまう結果になりましたが

理解も深まったという大きな収穫もありました。

お客様には託してくださったことに大変感謝申し上げます。

 

古い額縁に全面箔貼り直し、いままで避けていたのは

どうにもちぐはぐな印象になってしまう恐れがあったから。

ひどい例えですけれど、お婆さんが若作りしているような。

 

今回トライして分かったことは、下地を整えて

ある程度の古色を付ければ美しく仕上がるということです。

当然といえば当然なのですけれど、これはやはり

実際に試行錯誤しながら行って自分で理解することが

必要だったということでしょうか。

 

「山をひとつのぼり終えた」といううれしさを

感じながら完成した額縁を眺めています。

 

 

欲しいの?欲しいんでしょ? 12月06日

 

ここのところ、なんとも気になるのが

Kindle(電子書籍専用リーダー)です。

ものすごく今さらなのですけれど。

 

紙の本を愛するゆえに遠ざけてきた感もありますが

Kindle の小ささ軽さ、その容量は大変な魅力。

 

だけど「本」なら貸し借りも自由ですが

kindle は1作品につき1回限り14日間貸せるのみ。

古本は差し上げるのも売るのも可能だけど

コンテンツは売れないようですし溜まる一方?

 

 

なにせわたしは石橋を叩いて渡るどころか

渡る人を後ろからじっと眺めて10年経つような人間

と自覚しておりますので、新らしいことには程遠く

ようやく「気になるなぁ」にたどりつきました。

 

画集やじっくり読み返したい本は「本」を買って

情報や軽い読み物は電子書籍で、と分けるのが

皆さんの使い方なのですよね、きっと。

 

なんだかんだと自分に言い訳をしつつ

手に入れるような気がしています・・・。