top » diario

diario

食べられないお菓子 5月29日

 

KANESEI小箱は、以前から「なんだか美味しそう」

「お菓子みたい」と言われることもありました。

小ささや色味がチョコレートやきんつば(!笑い)に例えられたりして。

 

今回完成した小箱をじっと眺めていたら

我ながら「たしかにお菓子っぽい・・・」と思いました。

 

▲お皿に載せたらますますお菓子風

 

お抹茶味の天使チョコレート

デイジー(でしょうか)のプラリネチョコレート

和三盆の落雁、奥にはビターチョコレートのビスケット・・・

 

 

ささ、一服しましょう。

コーヒーと紅茶、どちらがお好きですか?お抹茶にしますか?

お供にひとくち、甘いものはいかがですか?

・・・なんちゃって。

 

いっそのこと「お菓子シリーズ」を作っちゃおうかな

いや、狙って作るとわざとらしいかな、などと

グルグル悩み出すと止まらない。

 

いや、グルグルはもうやめましょう。

今まで通り「出来上がってみたらお菓子っぽい」が

一番自然に「お菓子っぽく」なる気がします。

 

昨年9月末にご披露しました小箱の展示会「秘密の小箱展」は

箱義桐箱店谷中店さんのご厚意で今年も同じころに

開催させていただくことになりました。

今日の小箱も9月後半にお披露目の予定です。

 

ただいまガサゴソと「鋭意制作中」でございます。

詳しく決まりましたらまたご報告いたします!

 

 

芸術は長く人生は短し 5月25日

 

曹洞宗の冊子「禅の友」6月号です。

 

2015年に完成させたレプリカ、オリジナルは

16世紀のイタリア・トスカーナ州で作られた祭壇型額縁で

オリジナルの額縁はロンドンの

ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館が所蔵しています。

 

 

かつてアトリエLAPISのメンバーだったSさんが

製作販売してくださったキットを使って作りました。

(残念ながらキット販売はすでに終了)

 

▲制作キット。写真はアトリエLAPISからお借りしました。

 

小さくてぎゅっと詰まっていて、それはそれは可愛い額縁です。

作っている間も楽しくてたまりませんでした。懐かしい。

そんな思い出深い額縁を表紙に採用していただけて

(毎月それぞれに感慨深いのですが)

これまたいろいろと思い出してしみじみします。

 

 

裏表紙には額縁の裏面を入れてください!

とのお願いを叶えて頂きました。

こうした変形の額縁って裏面はどうなっているのか

気になりますよね?(気になると言ってください・・・)

このレプリカの木地はオリジナルに

忠実に作ってありますので、構造も同じ。

窓をくりぬいた一枚板をベースにして

それぞれ装飾を組み合わせてあります。

 

 

この額縁にはKANESEIオリジナルの

銅の吊り金具を付けてありますので

これまた裏面を掲載していただけてうれしい限り。

 

 

6月号に掲載されている青木千恵さんのコラム

「時事を考える」のテーマは「人と音楽」

坂本龍一さんについてです。

坂本龍一さんの好まれたラテン語の名フレーズ

「Ars longa, vita brevis」(芸術は長く人生は短し)

人生は短いけれど芸術は長く後世へ残り続けるという意味と同時に

芸術を完成させるには人生は短い、という意味もあるとか。

「芸術」とは、「生きる」とは一体なんだろう。

そんなところから改めて考えたくなります。

 

「禅の友」、ぜひお手に取ってご覧ください。

 

 

イニシャル小箱3つ 5月22日

 

偶然にも同時期にイニシャル小箱のご注文をふたついただき

同時に完成いたしました。

大き目のA小箱、豆サイズのS小箱です。

(豆サイズAは以前に作ったものです。)

 

 

S小箱は遠くにお住まいの方からのご注文でしたので

仕上げのニュアンスや内側の布の色など

写真をお送りしてご相談したり

そのやり取りも楽しいものでした。

 

大き目のA小箱は豆サイズA小箱をご覧になって

「一回り大きいものを」とのご注文でした。

お客様はすでに完成イメージをお持ちですので

できるだけ豆Aとの差がないように

でもただ大きくするだけではなくバランスを考慮したつもりです。

なかなか難しい。

 

Sの純金そのもののキラキラも

Aのアンティーク風なしっとり感もどちらも可愛くて

ニヤニヤしながら眺めております。

 

 

この豆S小箱もA小箱も先日無事に

お客様のお手元に「お嫁入り」しました。

ふたつとも幸せに過ごしてくれることは

確信している母(わたし)です。

 

 

Firenze 2023ー食べた食べた2 5月18日

 

フィレンツェ滞在中、アパートで

しがない自炊料理が基本ではありましたが

友人宅にてご馳走もいただきました。

 

「おいしいワインがあるからウチで

ビステッカ(ステーキ)パーティーしよう!」

と誘ってくれたのは

フィレンツェ留学時に修復学校で

3年間クラスメイトだったLです。

彼はキャリアウーマンの奥さんと

猫2匹と暮らしています。

 

約束の午後に「これを焼くぜ~」と送られてきたお肉の写真。

熟成したキアーナ牛の赤身は骨付きですが巨大。

何グラム??これで2人分です。

 

▲猫のチョルニの目が真剣。

 

Lの奥さんCちゃんはお肉が苦手。

そして大学では日本文学専攻だったそうで日本大好き! 

この日はLがステーキなどお料理担当、わたしは

Cちゃん用に日本食を作って持っていくことにしました。

 

さて、じゃあわたしはCちゃんに何を作ろうかしらと考え

まぁ結局いつも日本の家で作っているものが無難だろうと

肉無し肉じゃが(つまり野菜の煮物・・・)とインゲンの胡麻和え

それからメインに鮭とイカのから揚げにしました。

 

アパート近くの「コナッド」というスーパーは結構大きくて

毎週(木曜か金曜か忘れました)魚売り場が素晴らしく充実します。

 

▲生のたこ!お刺身で食べたい。

 

▲鯛やサバのような魚、マスのような川魚から

イカ、切り身の鮭やエビなど豊富でおいしそう。

ただお値段はそれなりに・・・

 

▲肉無し肉じゃが製作中。

コンロは4口あり大きなフライパンもアパート備品。

 

さて、18時ころ彼らのお宅へお邪魔しました。

アパートから歩いて20分くらい。

フィレンツェではとにかくよく歩きます。

食前酒のプロセッコ(発砲白ワイン)でお喋りしつつ

ここぞとばかりに猫2匹を撫でくりまわしていると

20時にCちゃんが帰宅、さぁいよいよ晩御飯ですぞ~

 

▲「どうだ~」と笑顔のLがご馳走してくれたワイン

どちらも美味しかったけれど左の赤が特に美味。

 

▲付け合わせのポテトはニンニクとオリーブオイルとお塩のみ

弱火でじっくりローストして、これまた美味しい。

 

▲奥にいるのはチョルニの相棒ムジッチェ

 

食べかけの写真ですみません。

あまりに美味しくて仰け反り続けたビステッカ

レアだけど肉汁は流れ出さず、お皿もほとんど汚れないほど。

外はカリッと香ばしく、中はほんのり暖かくてジューシー

そこに新物のオリーブオイルと美味しいお塩

そしてピンクペッパーでパクっと! 

ビステッカにオリーブオイルをかけるなんてどうなの?

と思いきや、味に深みが出てまろやかになって

こんなに合うとは驚きでした。

イタリア料理をイタリア人といただくと発見があります。

 

Cちゃんはわたしの家庭料理を

大喜びで完食してくれて、これまたうれしい。

美味しいご馳走と暖かな友人と

膝で眠ってくれる猫がいて、何と幸せな夜だこと。

 

昔のLは、料理といえば「素パスタ(茹でたパスタに

オリーブオイルかバターとお塩のみ)か

「素ブロード」(お湯にコンソメキューブを溶かしただけ)の

専門だったのに、いつの間にか大変な料理上手になっていました。

 

思えばLとわたしが学生時代は毎日

学校でも放課後でもグループで集まって

ワイワイギャーギャーと遊んでいましたが

二十歳すぎの子供でしたからお金もなくて

誰かの家に集まってトマトソースのパスタを食べて

安ワインを飲むのがせいぜいでした。

今はこうして美味しい料理をゆっくり会話しながら

楽しむゆとりが出来たんだな

わたし達も成長したな・・・と感慨深い夜でもありました。

 

 

やるぞエミリア、要らなかったかも・・・? 5月15日

 

3月に着手しましたエミリア地方16世紀の

額縁レプリカ制作は、何と言いましょうか

進みは遅いですが必死に作っております。

 

だんだんと目が点になってきている気がします。

一枚の写真だけを参考に

作ったこともない複雑な額縁を真似して作る無謀・・・。

そこで自分を励ます一言を心の中で叫びます。

「この1枚目の木地は失敗しても大丈夫、

なにせもう1枚予備があるから!」

そして思い切って彫り進めることにいたしました。

 

▲ジェルトン材。柔らかくサクサク彫れますが欠けやすいのが難点。

 

どこを思い切ったのかい?とのご質問が聞こえてきそうですが

上部と下部の葉が巻いている部分です。

ここは内側に巻き込まれた葉を表現するために

部分的にパーツを別に彫って後から取り付けるつもりでした。

 

▲彫る前状態。上にある6つのピースが貼り付け予定の部分パーツ。

 

 

せっかくのパーツだけど、要らなかったかも・・・?

木地を厚く作って頂いたので

予想以上に高さに余裕がありました。

もしかしたらこのままいけるかも、と彫ってみた次第です。

 

左肩部分の葉の失敗が痛いですが

(パーツ取り付けのつもりで彫り落してしまった)

ここは当初の予定通りパーツを張り付ければ大丈夫でしょう。

 

「なぁに心配無用!もう1枚予備の木地がありますので!」

と呪文を唱えて再度自分を励まします。

最後の救世主であるエポキシパテ木部用も準備万端です。

 

為せば成る、為さねば成らぬ何事も!

・・・為しても成らぬ事もあるけどね・・・。

成るように頑張ります。

 

 

Firenze 2023ーサン・ロレンツォ教会地下潜入 5月11日

 

すこし間が空いてしまった2月のフィレンツェ滞在記

つづきです。(そして長いです。)

 

彫刻師匠グスターヴォと一緒に

サン・ロレンツォ教会へ納品に行きます。

教会の保存修復部門入口は一般見学の入口の

右奥の鉄扉の先にあります。

インターフォンを押して重々しく扉が開き

中に入ってみると

 

 

バラ咲く中庭があって

 

 

振り向いて見上げれば、そこにはサン・ロレンツォ教会の

メディチ家礼拝堂クーポラがそびえています。

近すぎてよく見えないくらい。

 

 

小さな扉から「やぁ、どうもどうも」 

グスターヴォはIKEAのバッグに額縁をいれて持ってきました。

工房から歩いて10分ですからね。

東京だったら考えられない近さと手軽さです。

 

さて。この教会の保存・修復部門の担当者の

ご許可をいただいて写真を撮りましたのでご紹介します。

 

▲中央の楕円額縁が今回グスターヴォが彫刻を修復した額縁

 

テニスコートくらい?の広さ、低い天井

そして雑多に置かれた教会の宝物!

ものすごく散らかって(失礼!)ホコリだらけ

とても面白くワクワクします。

 

▲ゴシック風の祭壇、そんなに古くはなさそうですが

素敵なデザインです。

 

 

▲「あらよっと! 早く直してよ~」

 

▲これはいったい・・・?

 

▲これはアレです、たぶん。

十字架から降ろされたイエス様や聖人の亡骸風彫刻が

横たえられているケース・・・じゃないでしょうか・・・

 

▲なんだか見慣れたものも。赤ボーロやファーゼ社の塗料。

そしてホコリ・・・

 

グスターヴォと担当の方が次の修復の打ち合わせをしています。

聖人像の冠が無くなっちゃったから、新たに作るのだとか。

 

 

置かれてある道具や材料も、修復を待っている宝物も

この蛍光灯の照明やらニオイやら埃っぽさや何もかもが

留学していたパラッツォ・スピネッリ木工修復コースの教室

パオラの工房、グスターヴォの工房、そして

2020年にローマで訪ねた額縁修復工房を思い出させるものでした。

繋がっている。

 

わたしがあまりに興味津々で右往左往しているものですから

じゃあちょっと案内してあげましょう!と

修復室の外も見せて頂けることに!

 

 

入口と反対にある奥の扉を出ると、教会の地下通路でした。

きゃーこわい♪ ドキワク

 

 

冬なので空気は冷たい。そして湿度もあります。

ミケランジェロは一時期このサン・ロレンツォ教会の

地下に身を隠していたことがあるとか。

その部屋には窓があったようですが

「雰囲気は近いのかも・・・」と想像が膨らみます。

 

▲教会の中庭が高く見える。

外の明るさ、オレンジの生る木の暖かさと

この地下道の暗さと湿度のコントラストが強い。

 

サン・ロレンツォ教会は紀元4世紀まで

さかのぼる歴史があるそうですが

1421年にメディチ家の出資により拡張工事がされたとか。

この地下迷宮はその頃に作られたのかもしれない、と

想像しています。(確認はしていません。)

だとしたら600年。

この踏み固められた通路は600年間

いったい何人が歩いたことか。

この小窓から、いったい何人が「ああ、外は明るく美しい」

と思っただろう?

 

 

道端には燭台が山のようにありました。

誰も管理していないし、修復も未定。

もはや教会のどの場所に置かれていたかも

資料がなくて不明だとか。

泥に汚れたものがあり「これは1966年11月の

洪水の時に被害を受けたものだね」とのこと。

それはつまり、57年ずっと放置されているの??

 

グスターヴォが「ちょっと直して売っちゃえば?」

なんて言いましたら、担当の方曰く

「そうなんだよね~(そうなんかい!)

でも全部に管理番号が付いているから

ちょっと難しそうなんだよね~」ですって。トホホ。

 

予算はない。どうにもできないし、どうする予定もない。

そんな宝物が修復室にも沢山ありました。

なんだか残念なような、でも仕方がないような。

 

 

そんな燭台をボケッと見ていたら、二人はどんどん先に。

ぎゃー!待って! 

置いていかれたら道に迷って二度と出られず

死んでも発見は57年後・・・そんな気がしました。

 

教会って聖なる場所で、この教会などいわゆる

「パワースポット」かもしれませんけれど

どうしてこうも怖いのでしょう。

日本のお寺も神社も、やはり時々

ドキッとするときもあります

(わたしはスピリチュアル系にはうといのですけれど)。

人間の「気」や「思い」が降り積もっているからですかね。

 

以上、サン・ロレンツォ教会地下潜入報告でした。

 

 

脱・開店休業 5月08日

 

開店休業に近い状態だった

KANESEI のネットショップですが

8つ小箱とテンペラ模写2点を追加して

更新いたしました。

 

せっかく作ったのに放置していては

立ち寄ってくださった方にも

「ああ、ずっと同じままだ。

つまらないな。やる気がないんだな!」と

思われてしまってはもったいない。

 

▲新作の星模様も出しました。

 

小箱は手に取って実際ご覧いただいてこそ

小ささや面白さをお伝えできると思うのです。

でも今の世の中は遠く離れた場所からも

ご興味を持っていただけるのですから

使わない手はありませぬ。

小さいものがお好きな方は

全世界にいらっしゃるのですからね・・・。

 

▲委託でお預けしていた「おなじみ」も帰ってきました。

 

小箱は、プレゼント用とお伝えいただければ

オーガンジーのポーチに入れて包装いたします。

今は国内限定販売ですが、近々には

海外からのご注文にも対応できるよういたします。

ぜひKANESEI ネットショップ

ご利用くださいませ。

お待ちしております。

 

 

春のその先 5月04日

 

この豆小箱もまた以前に作ったものの色違いです。

前回は真っ赤なベースに模様を金色のペイントで入れたデザイン

今回は全面純金箔を貼り磨き、模様をグリーンで入れました。

 

 

アンティーク風の仕上げをせずピッカピカのままにしました。

豆小箱くらいのサイズだと金箔そのままのキラキラでも可愛く感じます。

大きな小箱(変な表現)で磨きっぱなしのキラキラだと

・・・ちょっと濃すぎるように思うのです。 

でもお好みもそれぞれですしね。

大きなキラキラを選んでくださる方もいらっしゃるかもしれません。

ゴージャスで華やかで、それも有りですね。

今度作ってみようと思います。

 

 

中は模様と合わせて濃いグリーンの布を選びました。

春のその先、初夏の雰囲気になったようです。

 

いかがでしょうか。

 

外側サイズ:35×35×23mm

木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに純金箔、メノウ磨き

アクリルグアッシュで彩色

内側にグリーンの布貼り

 

 

イソイソと使う予定 5月01日

 

2月に参加いたしましたギャラリーササキ商店での

「工芸市」では、展示の什器をすべて

ギャラリーササキのNさんがご準備くださいました。

テーブルクロスの美しい麻布

小箱を乗せるアンティークのお皿

小物の古い本など、それはそれは素敵なのです。

小箱を合わせると小箱が何倍もよく見える!

 

▲この銀のお皿も麻のクロスも奥の本もご準備くださったもの!

 

▲ラインがほれぼれエレガントなお皿。

 

それ以来、わたしももう少し展示用の

備品を揃えたいと思うようになりまして

ネットで探したり色々と考えておりました。

 

そして先日、デパートでアンティークの

催事をしていたので覗き込みましたら

ワーオ、欲しいお皿に出会ったのです。

 

 

Nさんのお皿は銀ですが、わたしが買ったものは錫。

なかなか重さもあります。

シンプルで無骨で、使い込んだ凹みが良い雰囲気。

マッチョな小箱を並べたらきっと可愛いぞぅ・・・

と妄想が膨らみます。

 

▲ナイフで何かを切った跡がたくさん。それも良い味になっている。

 

これまた先日、成城学園前にあるアンティークショップ

「attic」で購入した白いドイリーを乗せて遊んでみたりして。

これからこのお皿に乗せた小箱の写真が出てきたら

「ああ、例のお皿をイソイソ使って喜んでるなぁ」と思ってください。

 

 

ムフフ。

 

モッコウバラの叱咤激励 4月27日

 

春が終わりに近づいていますね。

毎年のことながら不思議。

4月から5月の連休はなぜか大忙しになります。

ちょうどモッコウバラが咲く季節なので

印象が強いのかもしれません。

我が工房自慢のモッコウバラはもう散ってしまいましたが

この忙しさはモッコウバラからの贈り物と励ましだ!

と思っております。

 

 

とはいえ、気持ちと体が追い付かぬ。

モッコウバラよ、お許しを。集中できない。

わたしの「やる気スイッチ」は爆発して消えました。

・・・そんな時もありますよね。人間だもの。

 

 

最近なんだか小さな切り傷ばかり作っています。

今もまたハサミで指を切りました。

ハサミで指を切るって、小学生以来かもしれません!自分でびっくり。

 

 

引き出しにあった絆創膏、ここぞとばかりに使うことに。

名前も知らないクマちゃんの(クマですよね??)

真っ赤な笑顔に励まされます。

 

そしてこの「コ―フル」という軟膏はわたしの特効薬です。

切り傷って案外と痛いのですよね。

でもこれを切り口に詰め込む勢いで塗ると、あら不思議

痛みがとても和らぐのです。

たまになる口角炎と靴擦れにも使っています。

 

どこのお家にも「我が家の特効薬」的な

軟膏ってありましたよね。

オロナインとかタイガーバームとかメンソレータムとか。

我が家の場合は「コ―フル」なのでした。

 

 

とりとめもない話になりました。

モッコウバラに「さぁさぁ、わたしもがんばっているよ

君もがんばりなさい!こんな愚痴ブログを書く暇に

さっさとやりなさい」とお尻を叩かれましたが

集中力が散漫なのも、きっと季節の変わり目だからなのだ

人間も生き物だからだ、と言い訳しています。

 

いや、でも、こつこつ少しずつでも進めます。

とにかくわたしの「やる気スイッチ」の

発掘作業も同時進行しようと思います・・・。

 

 

5月の空の色 4月24日

 

曹洞宗の冊子「禅の友」5月号です。

今月の表紙には2016年に作った

彫刻額縁を使っていただいています。

16世紀のイタリア・ボローニャで作られた額縁のレプリカ。

2016年って最近のような、ずいぶん昔のような。

 

 

今月号の背景は真っ青!これぞ5月の空の色です。

額縁の茶色との2色でバシッと引き締まっています。

かっこいい。

 

今月も「額縁が自分の写真を自分で額装」

自己額装、セルフフレーミング写真を撮ってみました。

表紙一枚だと額縁が小さい・・・ので4冊並べてみたら

不思議で面白い「部分自己額装」になりました。

 

 

そして裏面に小箱を載せて頂いております。これまたうれしい!

 

 

今月号、面白かったのは「素髪ケア -自分の髪を知る-」です。

合成シャンプーやカラーリング剤

日常的に使っているけれど改めて考えてみたこと。

環境はもちろん、自分の体への影響や湯シャンの方法やコツなど。

市販のシャンプーを使わずお湯だけで洗う湯シャン

実は懐疑的だったわたしですが

このページを読んでちょっと試してみようかしらん?

と思いつつあります。

髪の健康は髪だけケアすれば良いのではない。

食べ物、運動、呼吸や血の巡り、そして

心の健康も影響するのですって。

「それはそうだろうなぁ!」と納得です。

 

「禅の友」ぜひお手に取ってご覧ください。

曹洞宗出版物販売サイト

 

 

 

大きいマイクロの楽しい悩み 4月20日

 

昨年10月に作り始めた大きめ小箱

(大きいのか小さいのか、変な表現ですが)

マイクロ点々でダマスク模様を入れる作業がようやく終わりました。

 

この点々打ちは本当に地道で地味な作業ですが

小箱と細いメノウ棒があれば作業できますので場所を選びません。

そんな訳で阪急うめだ本店での「クチュールジュエリー展」に

持ち込んで実演(という名の内職)をいたしました。

 

▲とんとん、てんてん、つんつん・・・なんと表現するべきか。

 

クチュールジュエリー展終了後に自宅で最後の仕上げをしまして

点々打ち作業終了です。なんとも達成感があります。

 

 

晴れた日の光で見るとキラキラして本当にきれい。

いや、自画自賛で恐縮ですが、今回はお許しください・・・。

 

さて蓋の装飾がひとまず完成しましたので

あとは何色に塗るかで頭を悩ませています。

黒は強すぎますしね。濃い茶色は嫌がる人がひとり家にいますし。

 

ある人は赤、またある人は若草色、家族は空色・・・と。

つまり何色でも良いんじゃないの?! 

なんとなく、わたしの気持ちは若草色かクリーム色に傾いております。

・・・ううむ、空色も捨てがたい。

楽しい悩み。

 

追:どうやら抜歯は免れそうです!

  

 

その運命やいかに・・・?! 4月17日

 

わたくし事で恐縮ですが

・・・このブログにはわたくし事しか

書いておりませんので今更ですが

歯が痛いです。

 

いや、正確には「その歯の歯茎が痛い」です。

2023年お正月から違和感があった右下

奥歯と前歯のあいだ辺りの歯。

数年前に欠けて炎症を起こし

神経を抜いて歯の内部を清浄して埋める

結構大工事治療をして頂いたのですが

最近その歯の根元がとうとう大きく膨らんで

何かが溜まっている・・・これはまずい。

もう「いやいや、気のせい。そのうち治まる」

という望みは薄れました。

怒涛のように友人と「おいしいものを食べ飲み」

の予定を入れまくり、意を決して歯科へ行きました。

 

▲息継ぎに名残の桜などご覧ください。

 

以前の治療で埋めた詰め物を取り除いても

膿は出てこなかったから再発ではなく、

歯の根元が新たに欠けた可能性、とのこと。

 

歯の根元が欠けるって、どういうことです!?

殴り合いの喧嘩もしませんし

歯ぎしりした覚えもない。

先生がおっしゃるには

「手入れが悪いとか人為的な理由ではありません。

でも原因は不明」とのことでした。

ちなみに欠けた歯を接着するのはダメ?と質問したら

縦半分に割れた直後なら方法はあるけれど

根本の欠けはダメ・・・とのお話でした。

つい「壊れたら直す」修復精神がムラムラしますが

ダメなものはダメなのですな。

 

この「歯が欠けて炎症→神経を抜いて埋める治療」は

他の歯でも経験しているのです。

虫歯じゃないし、硬いものを齧ってもいない。

自分で対策ができないのは本当に・・・本当に困ります。

こんな歯を持って生まれた体質としか言えない。

 

▲花の写真など撮って必死に平静を装う・・・

 

来週は歯科でレントゲンを撮る予定です。

この時わたしの歯の運命が決まるのですって。

つまり治癒可能か抜歯か!!

抜歯・・・嗚呼。

インプラント・・・という言葉が現実味を帯びて

目耳に飛び込んでくる今日この頃です。

 

 

ChatGPTに問う額縁の将来 4月13日

 

いま、毎日聞かない日はないChatGPTですが

実際にお使いになりましたか?

国会答弁に使うとか、大学のレポートでの使用問題。

イタリアではプライバシーに問題があるとの懸念で

一時的に使用禁止を発表しました。

わたしは文章を書くのは専らこのブログ程度ですので

ChatGPTを使う必要もない日々ですが

あまりに毎日耳にするので使ってみました。

 

 

さて。ChatGPTに何を問うか。

「額縁の将来についてどう思いますか?」と打ち込んでみました。

答えは以下のように出ました。(句読点もそのままです。)

 

”私は、額縁は未来においても依然として需要があると考えています。

これは、アートや写真などの美術品を保護し、

美しく飾るために使用されるためです。

また、デジタル写真やアート作品が普及している現代でも、

人々は依然として額縁を使用しています。

これは、額縁を使用することで、

作品をより高級感や価値感を持たせることができるからです。

さらに、額縁は、インテリアデザインの一部としても使用されており、

家庭やオフィスなどで装飾的な目的で使用されることが多いです。

これは、将来においても続くでしょう。

ただし、持続可能性の観点から、額縁の素材や

製造方法に関する改善が必要となる可能性があります

例えば、リサイクル可能な素材を使用する、

環境に優しい製造方法を採用するなどの取り組みが求められるでしょう。”

 

まず驚いたのは「私は、・・・思います。」という

一人称で答えが来たこと。

実在の人物を錯覚しそうです。

答えの内容は、そうですね、未来に依然と需要があるだろう

との予想に一安心しました。

そして、当たり障りない答えでありながらも不思議な説得力がある。

いや、分かっています。

ChatGPTは占い師でもタイムトラベラーでも無い。

でも何故か、見知らぬ人の意見より信憑性を感じてしまうのです。

これが正に恐れるところであり、

分かっていても不安を感じます。

機械が作ったこの「無難すぎる『見本のような』答え」に

背筋がスッと寒くなるような。

 

 

ChatGPTをよく理解していないだけでしょうか。

新しいことに対する単なる反発?

自分でもよくわかりません。

将来の激変がどうなるのか。

自分を含め人間がChatoGPTに付いていくことができるのか。

今後に恐々と期待しようかな・・・いや、どうだろう。

 

皆様はどんな感想をお持ちになりましたか?

 

春のつばめ 4月10日

 

2月末、ギャラリーササキ商店の「工芸市」に参加しました際に

何度か「鳥の小箱は無いのですか」と訊ねられました。

その時はふたつ展示してあったのですけれど

おおきなつばめモチーフ小箱とベージュ色の豆小箱で

「ううむ、これじゃなくて・・・」と

お客様の心の声が聞こえた気がしたのでした。

 

心斎橋から帰宅後

さっそく小さいつばめオーナメントの箱を作りました。

 

 

フランスのアンティークから型をとって作った

オーナメントを取り付けてあります。

つばめは縁起が良いのです。

 

イタリア語でつばめは Rondine ロンディーネと言うそうです。

のんびりとした音ですね。

 

 

内側の布は緑を選んでみました。これまた春ですからね。

 

ちなみに

「つばめ」をイタリア語で何というのか

とある自動翻訳で探してみたのですが

最初に何と出たと思います??

uomo più giovane coinvolto con una donna più anziana.

「年上女性と関わり合いのある若い男性」ですって。

 

そうじゃなくて!

つばめって、関わり合い・・・って

そうじゃなくて。

いや、日本語でそういう意味も確かにあるけれど

まずは Rondine を出してくれたまえよ・・・

大笑い!

 

外側サイズ:46×45×28mm

木地にボローニャ石膏、つばめのオーナメント

アクリルグアッシュで彩色

ワックスによるアンティーク仕上げ

 

Firenze 2023-グスターヴォの仕事 4月06日

 

わたしがフィレンツェに着いて最初の1週間は

雨ばかりでした。そして寒い。

ダウンコートを持って行かなかったことを後悔しつつ

彫刻師匠のグスターヴォの工房へ行きます。

 

 

「来年80歳だぞ~!ワハハ」と笑いながら

とても頼もしく逞しいグスターヴォ。満面の笑顔です。

 

 

祭壇型額縁と思いきや、中央の半円アーチ部分は

ガラス扉になって開閉できるようにするのだとか。

ちょうどアーチを作っているところでした。

 

 

後ろの机を見ると、これまた素敵な額縁があるではないですか!

・・・額縁かな?

 

 

欠けていた彫刻部分を再現したんだよ、とのこと。

花飾りの部分です。

 

 

「これは何?」と訊ねたところ

「サン・ロレンツォからの修復仕事で、明日納品に行くのだ」と。

なんと、明日納品?!わたしも連れてって~!!

と叫びましたら快諾してくれたのです。

 

サン・ロレンツォ教会とはメディチ家菩提寺で有名な

あのサン・ロレンツォ教会です。

あんなに大きくて重要な教会の仕事もしているグスターヴォ

まだまだ元気で手元も確かですから素晴らしい。

わたしもこんな風にいつまでも

楽しく作業出来たら、と思いました。

 

さて、次回はいよいよサン・ロレンツォ教会の裏側に潜入ですぞ。

つづく!

 

 

クチュールジュエリー展 ありがとうございました 4月03日

 

3月22日から27日まで大阪の阪急うめだ本店にて開催されました

「クチュールジュエリー展2023」は、無事終了いたしました。

雨の日が多く、足元の悪い中を

お越しくださいました方々に感謝申し上げます。

 

 

今回は昨年に続き2回目の参加でした。

大阪在住の方、東京でお目にかかり辛い方々と

お会いできたのが収穫でした。

また、今年は実演と言いますか(内職と言いますか)

テーブルの端で「マイクロ点々入れ」をしていたのですが

こちらにご興味を持って下さる方々も。

 

▲こちらまだ下描き中・・・

 

「こんな小箱初めて見た」「こんな技法は知らなかった」など

あるいは既に古典技法をご存じの方とのおしゃべりなど

対話のきっかけになったようです。

 

2年目の課題としては・・・いろいろ沢山ありました。

こちらについては対策を考えるつもりです。

自分で作った物に値段をつけて

自分で対面で売るというのは

やはり一筋縄ではいかないものでございます・・・。いやはや。

 

今回のクチュールジュエリー展で

ひとまず小箱の行商はしばらくおしまい。

次は4月末に松屋銀座(わたしは在店できず失礼いたします)

9月には箱義桐箱店谷中店にて昨年同様の展示会を行う予定です。

 

 

さぁ、一息ついたらまた小箱を作ります!

そして額縁の修復と制作はいろいろプロジェクトが目白押しです。

いよいよ4月の新年度、やりますぞ!!

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

やるぞエミリア、着手の日 3月30日

 

自覚はあまり無かったのですが(今はある・・・)

わたしはお調子者の面があるようです。

その場の勢いとか雰囲気で、あまり考えずに

「いいねいいね!やってみよう!やってみないと分からないよ」と口走り

いざ始めてみて「・・・あれ、大丈夫かな」などと思うのです。

これつまり後の祭りと言う。

 

今回の額縁摸刻もまさにそれ。

 

▲本の額縁はイタリアのエミリア地方で17世紀に作られた額縁です。

 

市が尾の古典技法教室 アトリエLAPIS の生徒さん数人と

「この額縁かわいい~♡こんなのつくってみた~い!」と盛り上がり

いそいそと千洲額縁さんへ木地をお願いしたのでした。

 

届いた木地を見て、そして本の写真と比べてつくづく見て

3月ついに着手する日が来て・・・

 

 

おおぅ・・・強烈。いや、分かっていたけど。

 

同じ木地を購入された生徒さん方が作る前に

講師のわたしが一通り理解していないとなりませんから

何はともあれやるべしやるべし!でございます。

 

▲上の小さなピースは別に彫ってあとから取り付けます。

 

下描きをしてみたらやっぱり可愛いムフ。

だんだんと気分が盛り上がってきました。

これまたお調子者です。

 

なにせ「曲線の額縁」は初めてですので

今回、同じ木地を2枚注文しました。

ひとつはチャレンジ用、もうひとつは完成用。

つまり、ひとつ目は間違えること前提です。

心置きなく失敗して経験して理解して

もうひとつをきっちり仕上げるつもりです。

・・・つもりです。

 

なぁに、人生何ごとも挑戦ですよ!ワハハ!

・・・ハハ・・・がんばります。

 

 

「青き衣」じゃない 3月27日

 

先日、鼻歌交じりに純金箔を貼り終えた小箱を彩色しました。

「ここはキリッと青と赤にしちゃおう」と思いまして。

緑がかった明るい青と濃い赤を選びました。

 

 

塗り終えて、なにか・・・

なにかとても良く知っているものを思い起こさせる。

 

それはナウシカの「青き衣」なのでした。

 

▲分かる方にはわかって頂けると期待します。

王蠢の体液に染まった衣・・・

模様の感じとか青の色味とか、似ていませんか。

(「風の谷のナウシカ」をご覧になっていない方には

何のことか分かりませんよね。すみません。)

 

そう思うともう、そうとしか見えなくなる不思議。

これはまずい・・・。

「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし・・・」

大ババ様!違います、これは金色の小箱なのです!

 

ユパ様に相談しまして(嘘)、これは強めの古色を付けて

「脱・青き衣」を狙うべし、となりましたので

つや消しにしてからワックスとパウダーで汚して

青の色味を変えました。

 

▲ いかがでしょう、「青き衣」感は遠ざかりましたでしょうか。

 

 

最初は我ながら「まさかのお蔵入り?」と

どうなることやらハラハラしましたが

古色を付けてみたらすっかり気に入りました。

笑ってしまう。

何となく祭壇型額縁の装飾模様にも見えてきました。

かなり贔屓目ですが!

そしてもう一度「風の谷のナウシカ」を観たくなりました。

 

箱の内側に貼り込む布を何色にするか悩んでいます。

でも青は選ばないつもりです。

・・・いや、やっぱり青ですかね??

 

 

小箱の物語 3月23日

 

先日作っておりました金箔の小箱は

内側には予定通りバラ色の別珍を貼って

完成といたしました。

 

 

しっかり磨り出して下地のボーロ色(今回は赤)を出して

パスティリアで作った凹凸レリーフが強調されました。

そして汚しのワックスとパウダーを強めにつけてコッテリと。

 

 

外側はコッテリと派手。内側も乙女バラ色で派手。

つまりとても派手。

(当社比・・・というか私が思うに!)

勝手なイメージですけれど、往年の宝塚大女優

(もちろん娘役)な感じがしてきました。

 

”かつての女優時代の美しさをわずかに残す老婦が

夕日の差し込む部屋でひとり開けた小箱には

かつての恋人からの贈り物が今も大切に仕舞われていた。

数年ぶりに小箱を開いた彼女は

随分前に旅立ったと人伝に聞いた恋人の面影が明るく甦り

はっとした。

女優の瞳の輝きが戻った瞬間だった。”

なんちゃって。

 

宝塚の舞台、わたしは従姉に数回連れて行ってもらいましたが

華やかで夢のような世界でした。

この小箱もちょっと現実離れした雰囲気ですが

それもまた良し、でございます。

 

いかがでしょうか。

 

外側サイズ:78×58×39mm

木地にボローニャ石膏、パスティリアでレリーフ模様装飾

赤色ボーロに純金箔水押し、メノウ磨き

ワックスによる古色仕上げ、内側にピンク色の別珍布貼り

 

春だからバラ色に 3月20日

 

毎日ドタバタとしているつもりでしたが

実はものすごく狭い範囲しか移動していません。

はっきり言えば家の中か買い出しのスーパーくらい!

だけど頭の中はものすごく慌ただしく過ごしている今日この頃です。

 

ご注文いただいた額縁の制作ついでに

(ついでと言っては語弊がありますが!)

小箱も同時進行しています。

 

 

この額縁と小箱は、いわば「同じロット」であります。

同じ石膏液、同じボーロを使って同時に箔を貼って磨きました。

ですので古色加工ももちろん一緒に。

 

 

ロットナンバー0304「ちょっとコッテリ風味」です。

小箱の中に貼る布は何色にしようかな、と迷い中です。

気持ちを盛り上げたいので「バラ色」にしましょうかねぇ・・・。

春ですしね。

 

 

Firenze 2023-2 食べた食べた1 3月16日

 

2020年のフィレンツェ滞在記でご覧いただいた

「食べたもの」は、きっと誰もご興味ないだろうな!

と思いつつも忘備録として書いたのですが

先日「あの食事の様子は面白かった」と

お話くださった方がいらっしゃったので

嬉しくなってまたまたご報告します。

 

到着した日は午後3時にアパートチェックインでしたので

荷物を置いて一息ついて、ひとまず最寄のスーパーへ

買い出しに行きました。

前回まではウフィツィ美術館裏の

中心地中の中心地のアパートでしたが、今回は住宅街の方

それも留学時代に住んでいた場所から徒歩1分という場所でしたので

なんとも懐かしい地区でした。

最寄のスーパーも当時からお世話になっていたお店です。

 

さて、そこで買ってきたのはまず、生パスタ、牛乳、卵

オリーブオイル、海の塩、紅茶とプチトマト

イチゴとチーズとヨーグルト。

そして忘れちゃならない白ワインです。

 

▲食器はアパートの備え付け。

パスタ皿とフォークがなんとも昭和な雰囲気です。

 

第1回晩ごはん、時差もあるし面倒なのもあって

結局は日本から担いで行ったパスタソース

(成城石井の白トリュフソース。豪華!)でした。

卵4個入りを買って帰って開けてみたら1個ひびがある・・・

「イタリアだから」と諦めの境地。

まぁ腐っていないから良いや!と急きょゆで卵も追加しました。

 

晩酌をしないのは体調不良時のみというワタクシですが

この日は飲む気分になれず。ハハハ。

とは言え、図らずも初日夜から悪くない晩餐になったのでございます。

 

現地時間夜8時は日本の明け方

眠くて仕方がないけれど我慢して10時に就寝。

明日朝は市場へ野菜を買いに行こう!と鼻息荒く眠りにつきました。

 

そうして明け方午前5時・・・

この頃のフィレンツェの夜明けは朝7時過ぎなのでまだ真っ暗です。

でももう眠れない。

1時間ばかりベッドの中でうずくまって、もう飽きた。

ガサゴソ起き上がって朝ごはんでも食べれば元気になるかいな・・・と。

 

▲お箸も持って行きました!

 

第1回朝ごはん。

こんなものご覧いただく必要あるか?・・・と

相変わらず恐縮しつつもご紹介しますと

前日にスーパーで調達したプチトマトとヨーグルト。

そしてこれが無いと辛いお味噌汁です。

ちょっと少く作ってしまい物足りなかった。

今回はフリーズドライの出汁入り味噌と

これまたフリーズドライの「みそ汁の具」を別々に持って行きました。

1食分小分けのインスタント味噌汁より荷物にならず

お味噌を料理にも使えて便利でした。

 

ヨーグルトは洋ナシ風味にシリアル入り。

不思議な食感です。ゆるいヨーグルトにプチプチのシリアル

(ふやけた皮付きの麦?玄米のような?)が入っているので

なんだか甘くて冷たいヨーグルト粥のような。

いや、表現が悪いですな、美味しいのですよ。

はまってしまって、この後ほぼ毎朝食べました。

そしてこの黄色い箱はカロリーメイト!

持って行って良かった、助かりました。

 

ひとまずお腹は満足、夜も明けました。

予定通り市場へゴーゴー!です。

新鮮野菜と美味しいパンとバターと・・・ムフフ。

 

つづく

 

クチュールジュエリー展 2023 ~春を編む~ 3月13日

 

3月後半のイベントのお知らせです。

なんだかお知らせが続いて恐縮です・・・

KANESEI活動記録ということで。

 

大阪の阪急うめだ本店で開催の

「クチュールジュエリー展 2023 」

昨年に続き今年も参加いたします。

 

 

会期は3月22日水曜から27日月曜まで。阪急うめだ本店9階の催場です。

 

 

メインはアクセサリーのイベントなのですが

小箱も仲間に入れて頂いております。

わたしは期間中毎日会場の店頭に立つ予定です。

ぜひお越しくださいませ。

 

 

阪急うめだ本店イベントスケジュール

 

2月のギャラリーササキ商店「工芸市」につづいて

大阪での催事なのですが、だんだんと

新大阪や梅田の駅も「全然知らない!」から

「何となく知っている」になってきました。

デパート催事も早くも4回目・・・

冷や汗が少し減ってきたような・・・

会場でお待ちしております!

 

 

ヨーロッパの古典技法展 ―絵画・額縁の魅力― 3月09日

 

横浜市の市が尾にある古典技法の教室

「Atelier LAPIS」の展覧会のお知らせです。

わたしが月曜コースを担当させて頂いてから

早くも12年目!なんと早いこと。

こちらのアトリエの講師と生徒さん方の作品の展覧会です。

 

横浜本牧絵画館の第4回 作家・研究者支援プログラム展示

と言うことで、かなり本格的な展覧会になりました。

わたしは額縁を2点出品いたします。

 

↑16世紀半ばにフィレンツェで作られた額縁の摸刻と

 

↑18世紀にイタリア・ヴェネト地方で作られた額縁の摸刻の2点です。

展覧会のポスターはアトリエ主催の筒井先生の作品です。

 

 

水曜コース講師の井上雅未花先生の作品

古典技法で制作された生徒さんの作品

そしてわたしの額縁のご紹介ページなど。

 

 

それから、2022年秋にご紹介しておりました

「古典技法額縁制作見本」の額縁はこの展覧会で

筒井先生のご解説と共に展示いたします。

 

 

わたしは会場にてお迎えすることが出来ず恐縮ですが

ぜひ生徒さん(とわたし)の情熱のこもった作品をご覧頂ければ幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

横浜本牧絵画館

Atelier LAPIS

 

 

和風に見えてくる不思議 3月06日

 

「禅の友」(曹洞宗の冊子)の3月号が届きました。

今月は「cassetta-1」という名前で出している

額縁を選んで頂きました。

 

 

雛祭りの時期だから、バックはピンクで可愛く!

額縁も併せて可愛らしいものを!!

と編集の方が作って下さった表紙です。

 

それにしても漢字タイトルが隣にあるせいか

額縁がとても和風に見えてくるのが不思議です。

なんだか金糸で織られた帯のような。

オリジナルの額縁は16世紀半ばに

フィレンツェで作られた額縁なのですが

日本人のわたしがレプリカを作りましたので・・・

なにか「和の血」が注がれたのかもしれません。

 

▲こうして見ると大して和風でもないような・・・。

影の有無とか?やっぱり和風??

 

 

なぞの折衷と言うことで!

 

この「禅の友」は毎号に山下裕二先生の「体感!日本美術」

というコラム(今月は若冲と田中一村)があったり

今月号には箱根駅伝で総合優勝した駒澤大学の

監督インタビューなども掲載されていて

読みごたえがあります。

お手に取って頂けますと幸いです。

 

 

ギャラリーササキ商店「工芸市」ありがとうございました 3月02日

 

大阪の心斎橋、御堂筋にあるギャラリーササキ商店にて

開催されました「工芸市」は2月27日に無事終了いたしました。

お越しくださり、またお買い上げいただきありがとうございました。

遅ればせながら様子をご報告させてください。

 

 

今回は7名それぞれ違う分野での作家のグループ展でした。

丹波布、陶器、椅子、染色、螺鈿、ホームスパン、そして小箱です。

東京からの参加はわたしのみ。

なんだかとても新鮮な気分でした。

 

▲並べた小箱も額縁も「いつもの」です・・・。

 

何といってもギャラリーのSさんとNさんが!

それはそれは素敵なお二人で、このお二人のギャラリーなら

何も心配は要らない・・・と思いました。

穏やかでふんわりとした雰囲気

作家にもお客様にも心配りが行き届き

好奇心に溢れ(だから知識も経験も豊富で)冗談と笑いがある。

ギャラリーはシンプルで細部にこだわりがあって

目抜き通りに面しているのにテラスには花と緑があって、中庭もある!

本当に唯一無二だなぁ・・・と

居心地の良さに毎日ボンヤリしてしまうのでした。

 

▲このシルバーのトレーはNさんの私物を貸してくださいました。

 

他の参加者6名の作家さん方も、そんなSさんとNさんが

呼び寄せた方々ですので不思議とホンワカした雰囲気で

初対面のわたしを(他の皆さんは顔見知りとのこと)

すぐに仲間に入れてくださり、これまた居心地が良すぎてボンヤリ・・・

 

 

昨年3月の阪急うめだ本店でのイベント以来の大阪でしたが

インスタグラムを見たとお出かけくださった方が

何人もいらっしゃって、本当にうれしいことでした。

 

物を作って発表するって想像以上に勇気と根性が必要と痛感していますが

こうしてお客様が来てくださる喜びも想像以上のものです。

大袈裟に言えば「生きていることが許された」と言うか・・・。

だから、今後もまた小箱と額縁を作ってイソイソと発表しようと思います。

 

 

お越しくださいましたお客様、ご一緒して下さった作家の皆様

そしてギャラリーササキ商店の皆様

心よりありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

Firenze 2023-1 2月27日

 

2023年の1月後半から2月半ばにかけて

イタリアのフィレンツェに滞在しました。

コロナ禍が完全に明けたわけでもなく

仕事や家族の事も色々考えて、

でもやっぱり「今行く」と決めたのでした。

快く送り出してくださった方々には

大変感謝しております。

 

毎度毎度イタリア滞在記は尻切れトンボになっておりまして

お恥ずかしい限りなのですけれど

今回も思い出すままに皆さまに聞いて

(読んで)いただければと思います。

 

 

今回の目的は、第一に「小箱の営業をする」でした。

第二は友人知人との再会

第三は日常と違う場所でひとりきりで過ごすこと。

目的はほぼ果たすことが出来ました。

 

何人か会えず仕舞いだった人もいるのですけれど

またいつか必ず会えると思っています。

 

そんな訳でして、スーツケースと小箱を入れた

大箱(!)を担いでいざいざ!

今回は今まで通ったことのないルートでした。

ご存じのように現在はロシア上空を通ることが出来ませんので

アンカレッジ付近を通るルートでした。

 

▲以前のロシア通過ルートの反対周りで北極近くを通るルート。

機内で見る地図が物珍しい。

 

羽田を夜に出発して14時間後、朝のパリに到着、3時間の待ち時間。

そして乗り換えて2時間でフィレンツェに到着しました。

やれやれ、いつもに増しての長旅でした。

 

お昼ごろに着いたフィレンツェ空港で

まずはツーリストインフォメーションにて

美術館や教会の開館予定表をもらい

(イレギュラーな予定が多い時期なので必須)

アパートのチェックインまで時間があるのでお昼ご飯にしました。

 

▲到着ロビー奥にきれいなカフェが出来ていました。

前からあったか・・・記憶が遠い。

お水はトスカーナの銘水パンナでございます。

 

イタリアでは最近ポケボウル(日本ではポキ?)が

大流行中のようでして至る所で見かけました。

この時食べたポケは生のサーモン、枝豆、パイナップル

穀物(大麦と・・・玄米のような?)の

茹でたものの盛り合わせでした。

写真で見るより大量、そして具の下はこれまた大量の穀物。

お味は、ええと、見たままです。

身体に良い。でも食べきれませんでした。

お醤油が欲しいな~などとイタリア到着直後に思ってしまう。

ちなみにこのミネラルウォーター「パンナ PANNA」は

軟水だそうで、疲れた体に優しいのです。

 

さて、こうして3年ぶりのイタリア滞在を開始いたしました。

つづく・・・!!

 

見るだけだったけれど!のバトン 2月23日

 

わたしのこのブログ「diario」は、実は

(と言いつつもうご存じの方もいらっしゃる)

アメーバのブログでも同じ内容で出しています。

アメブロは本当にブログの文章のみの「支店」

こちらホームページが「本店」なのです。

古典技法額縁制作修復 KANESEI (ameblo.jp)

↑支店はこちら

 

そのアメブロの方で面白い企画をしているようで

いわゆる「バトン」が回ってきました。

内容に指定があって、それを書いたら

同じくアメーバでブログを書いている方に回すというもので

題して「2023年自己紹介バトン」です。

下記はアメブロに書いた内容をそのまま転載しました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ブログを書き始めてずいぶんと月日が過ぎました。

が、こうしたバトンを受け取るのは初めてです。

「シエナの坂道。。」のラファエラさんから

幻のバトンを渡して頂き、わ~お。

本当にあるんだねー!・・・などと感想を抱きつつ、いざいざ。

 

ハンドルネーム:

KANESEI (カネセイ)です。

 

ハンドルネームの由来:

これはわたしの額縁と小箱制作の屋号でございます。

カネはカナジャク(直角定規)、セイは名前の音読み

「直角をきっちり出す仕事をしますぜ」という意味で。

(いやスローガンで・・・。)父命名です。

 

アイコン:

イタリア・フィレンツェで木工修復を学んだ際に

修了制作で作った祭壇型額縁です。

 

家族紹介:

これはまぁ、そうですね、数人で暮らしています。

 

私の画像:

先日2月11日フィレンツェのリッカルディ宮殿の特別展

Christian Balzano の「FUOLI DAL MONDO」展で

ゆがんだ鏡に映ったわたし。雰囲気だけ。

 

居住地:

東京です。わりと長閑なところ。窓からは緑がたくさん見える。

 

出身地:

同じく東京。京王線沿線で、今よりもう少しだけ便利な場所でした。

 

趣味:

ううむ・・・趣味が実益を兼ねる部分も多いのですけれど

以前はピアノを弾くことが好きでした。

最近はめっきりなので再開したいと思いつつ早数年。

 

長所:

これって自分で全世界に向けて述べる勇気が中々ありません・・・。

あえて申し上げれば、手先が器用、でしょうか。

 

短所:

これまた自分で全世界に向けて・・・(以下同上)

気が小さいくせに尖っている。しつこい。

当然まだまだある。お恥ずかしくて書けない!

 

好きな諺:

その時々で変わりますけれど、今は「諸行無常」

こだわってしがみつく性格ですが

この言葉で手を放す気持ちに近づけるような。

 

好きな人や芸能人:

辻仁成さんのブログと猫沢エミさんのインスタを

読むのがとても好きです。

お二人の日々の様子や綴る言葉に励まされることが多いのです。

JINSEI STORIES | Design Stories (designstoriesinc.com)

Emi Necozawa/猫沢エミ(@necozawaemi) • Instagram写真と動画

 

好きな曲:

何だろう??色々あって載せきれない。

今はイタリアから帰って来たばかりなので

マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の

間奏曲にしておきます。

わたしのイタリアに関する良い思い出も忘れたい記憶も、

諸々すべてまとめて「そんな時もあったねぇ」と

慰めてくれるような気がします。

(YouTubeは載せ方分からず・・・すみません)

 

好きな〇〇:

これまた何だろう??・・・好きな時間帯、にします。

なぜだか不明ですが、制作作業が一番はかどるのが

夕方4時から6時ころで、気持ちも手もジャンジャカ動く

わたしにとっての「輝ける2時間」です。

わたしのこの2時間は、それ以外の制作時間より

目が爛々としているのだと思います。

だけど毎日この「輝ける2時間」が降臨するとも限らない・・・。

 

今一番のマイブーム:

マイブームと言いますか、ここしばらく気になって仕方がないこと。

それは匂い。

日本って本当に「匂い」(良い香りも悪臭も含めて)が

少ない国だなぁと思います。

人間の体臭も、建物内も外気の匂いも

なんなら猫の背中の匂いも含めて、薄い気がします。

良し悪しは別として。

これは国民性なのでしょうか、それともわたしが感じるだけ?

個人的には匂い(良い香りも悪臭も含めて)は

何でも興味があります。

匂いは個性を表しますし、情報量がとても多いので

嗅いだ一瞬で色んなことを想像したり理解したりできるので。

 

今年の抱負:

お正月にも書いたのですが、今年はふたつ抱負をあげました。

ひとつの挑戦は先日のフィレンツェ滞在で

何とか達成いたしましたので良し。

こちらに関しては後日改めてお話させてください。

もうひとつは「人生の残り時間を考えて

計画を立て直してみようではないか」です。

行き当たりばったり人生も悪くなかったのですけれど、そろそろ。

 

最後に一言:

結局、大体の事はいままでブログで書き連ねてきた内容だったりして

でも改めて書き表してみると自分の現状を見直せたような気がします。

 

いやはや。こんなんで良いのでしょうか。

良いですよね、ハハハ、これにておしまいです。

お付き合いいただきありがとうございました。

 

 

遅ればせながら 2月20日

 

今年2023年の「禅の友」(曹洞宗の冊子)表紙に

採用していただいた額縁のご紹介

2月号は遅ればせながらこちらです。

 

 

渋い辛子色の背景にサンソヴィーノ木地額縁でした。

「マッチョ」なイメージの額縁に

黒のタイトル文字がかっこいいのです。

 

 

一見すると何の冊子か分かりませんが

それもきっと今年の狙いの一つなのだと思っています。

そして裏表紙にもなんと・・・!

 

 

小箱を採用して頂いたのです。

編集の方が「裏表紙に広告が入らない時には

小箱も入れられるかも・・・」と仰っていたのですけれど

早くも2月号で実現しました。うれしい!

 

もうすぐ3月号が発行されます。

3月号は雛祭りの時期なので

可愛らしい雰囲気になる予定です。

ご期待ください~!

 

「禅の友」2月号ダイジェスト

 

椿の花とクッキー2枚 2月16日

 

しばらく前に作ったクッキー模様の

額縁2点、今さらながらご紹介させてください。

パスティリア(石膏盛り上げ)で

模様を入れて純金箔装飾

艶消しの仕上げにしました。

 

 

クリーム色と明るいオリーブグリーン。

同じサイズ、同じデザインの色違いです。

 

 

それぞれSMサイズの油彩画を額装しました。

この油彩作品は2枚とも木枠を外して

長い時間保管されていました。

お客様の「小さく薄く額装してほしい」

とのご希望で、キャンバス作品を

薄い板に張り直してから額装。

 

 

かわいい椿。優しく穏やかな色。

完成したらお客様にお届けせねばならず

なんとも寂しい。

 

それもいつもの事ですけれどね。

 

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい