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完成度をあげるために 10月22日

 

先日、とある方に

「金箔がきれいに仕上がらない、

どうしたら上手にできるようになるか

なにかアドバイスをしてほしい」

とのご相談を受けました。

その時はうまく答えられず、

ここ数日考えてみました。

 

効率的な作業のコツなどもあるけれど、

それは些細なこと。

結局のところ、心の持ち方

我慢する

あきらめない

「まぁいいか」の2歩先へ

なのではないかと思います。

自分との闘い、とも言えるでしょうか。

 

古典技法額縁の制作でいえば、当然ながら

木地作りから完成の美しさを左右します。

余計な段差はないか、接着剤は適量か、

隙間は埋めたか、ざらつきは取り除いたか。

ニカワ液は煮詰まっていないか、石膏液は適温か。

石膏を磨くときも磨き残しはないか、

木地が露出していないか、厚さは均一か。

金箔の小さな穴は丁寧に繕ったか。

基本的なことばかりですけれど

ひとつひとつが次の作業に影響し、

金箔の仕上がりを左右します。

 

「箔置きだけ」上手にすれば

美しく仕上がるわけではなく、

すべての作業が繋がっているのです。

 

ちょっとアレだけど、まぁいいか。

疲れちゃったから、もういいや。

と思ったことはわたしもあります。

いや、いまだに思うこと度々ですけれど。

ここを我慢してさらにトライするのです。

 

「まぁいいか」のつぎの1歩は「良く出来た」

そしてあともう1歩「これが今できる最上」まで

あきらめずに作業を積み重ねたとき、

完成した額縁は、きっと今までとは

ちがうものになっているはずです。

そして、それを繰り返して

額縁を作り続けていくことで

向上するのではないでしょうか。

 

と、考えています。

おこがましいですね。

ありきたりの内容になってしまいましたし

「言うは易し」なのも承知です。

わたしももっと上手く作りたいと模索中ですから

上に書いたことを実践する努力をします。

 

どうしたら完成度をあげられるか、というのは

もの作りの永遠のテーマのひとつ。

技術の修練と、心の修練と。

がんばりたい。

がんばります。

 

 

名前をあらためまして月桂冠 10月18日

 

先日から彫っていた花輪の額縁ですが

ニスを吹き付けて完成しました。

以前に作った額縁と同じデザイン制作中は

いつもはブログであまりお話しませんが

この額縁は、なんだか良くできたようなので

嬉しくなってしまいました。


昨年つくった額縁より色つやが良い気がしています。

額装予定の作品と、よりしっくりくるでしょう。

完全に自己満足の世界ですけれども。

 

ところで、この額縁の名前は

corona-di-fiori-1」花輪なのですけれど

改めて見れば花輪ではなくて月桂冠でした。

花はひとつもありませぬ。

というわけで、本日からこちらの額縁、

月桂冠「corona-di alloro-1」にいたします。

よろしくお引き立てくださいませ・・・。

 

 

Atelier LAPIS 展覧会クロージングパーティー 10月15日

 

1年近い準備期間を経て開催された

Atelier LAPIS の展覧会も、

始まってみるとあっという間の1週間でした。

展覧会をご覧くださったみなさまへ、

この場で恐縮ですがお礼申し上げます。

ありがとうございました。

 

ふだんはアトリエで作って完成を一緒に喜び祝い

後はご自宅で楽しむという生徒さんが大半ですが、

展覧会という発表の場に出品するにあたり

制作に対する情熱もいつも以上だった気がします。

 

月曜、火曜と土曜の生徒さん方の作品が

一同に集まっている展示ですので、

皆さんそれぞれに興味が深まり刺激を受けて

とても有意義な展覧会になった様子でした。

 

13日土曜の夕方にクロージングパーティーが

賑やかに催されました。

おいしいお料理、デザートにワインもあって

初対面の生徒さん方も会話がはずみます。


みなさん古典技法に興味のある方ばかりですので

話題は尽きません。

あっという間の2時間半でした。

これで一区切り、そしてまた気持ち新たに

アトリエでみなさんと切磋琢磨する月曜日が

はじまります。

Atelier LAPIS

 

祭壇型額縁を作る プロローグ 10月11日

 

額縁のながい歴史の中で、祭壇型の額縁は

比較的はじめの頃に登場した形ですが、

その特徴的なスタイルと雰囲気から

現在でも欲しいと思われる方がいらっしゃいます。

でも、日本で制作する工房はあまりないようです。

その理由はさまざま推測しますが、ひとつに

木地作りのむずかしさがあるように思っています。

 

そんな祭壇型額縁をKANESEIで制作しています。

電卓片手に四苦八苦、ようやく設計図をおこし、

そして注文して作って頂いた木地がいよいよ届きました。

木地は茨城にある千洲額縁さんにお願いしました。

ミリ単位の調整、細かいお願いを誠実に

聞いて下さるとても頼りになる工房です。


千洲額縁さんのブログに、おととしお願いした祭壇型額縁の

木地製作の様子(今回の木地ではありません)が

すこし紹介されていますので、ぜひご覧ください。

千洲額縁さんブログ2016.10.27

 

お客様からのご注文は、下の写真の額縁を再現すること。

この額縁は、ニューヨークにある有名な工房で

作られたものであろう、とのお話です。

(絵画作品は隠しました。お見苦しくてすみません。)

 

この祭壇型額縁制作は千洲額縁さんの木地が50%

続くKANESEIでの彫刻と装飾が50%という感じで

わたし一人では到底作ることができないもの。

木地完成の時点で半分完成したも同然・・・

の感がありますけれども、

今回のKANESEIでの作業過程をすこしずつ

このdiarioでご紹介しようと思っています。

ご興味を持ってくださる方がいらっしゃると

嬉しいのですが。

 

それでは、始まり始まり。

どうぞ気長におつきあいくださいませ。

 

 

なにかを見た。 10月08日

 

毎度のことですが今回もまた

終わり間近の駆け込みでどうにか

藤田嗣治展を観て参りました。

没後50年とのこと・・・そうなのか。

わたしが生まれた時には亡くなっているけれど

半世紀も昔の人とも思えない。

 

さて、雨の日の夕方にもかかわらず

展覧会は大盛況で、ゆっくり感慨にふける

というような鑑賞はできませんでした。

それでもやはり、あの独特の

白く半艶消しの画面と細く長い墨の線、

そして古色を付けたような繊細な表現を

間近に観ることができて心は燃えました。

額縁も手作りしたことで有名なフジタですが

ポーラ美術館の「姉妹」の8角形額縁は

今はレプリカに換えられていて、

オリジナルを見ることは叶いませんでした。

 

でも今回、風景の小品(フランスの美術館所蔵)に

付けられていた額縁は・・・なにも記載は

ありませんでしたが、あれはきっと

フジタの手になるものだったろうと確信しています。

なんということも無い、白い箱額で

「姉妹」と同じような四角いモチーフの

彫刻が入っているのですが、

その彫刻の「美しい不揃いさ」と言いましょうか、

バランスと佇まいと、オーラと、

大げさですけれど、額縁からぐいと

腕を掴まれたような気持ちになりました。

 

あの額縁と絵のひと組を観て、

今回「フジタを垣間見た」と思います。

彼の本業の絵から感じるものではない、

もっとちがう何かを見ることができた、と思います。

 

 

 

もう思い出せないこと 10月04日

 

花輪模様の額縁を彫っています。

自分で作った額縁をそばに置いて

見本にしながら同じように作ります。

 

 

試行錯誤しながら昨年つくった額縁、

1年前のことを色々思い出しています。

もう思い出せない、ということが

分かったりもします。

1年は短いような長いような時間です。

 

 

これもひとつの嫁入り支度 10月01日

 

以前に作った額縁たちは、普段は我が家で

箱に納められてしずかに暮らしていますが

お客様に見本としてお持ちする時などには

おめかしして(磨かれて)出掛けます。


 

先日、ひとつの額縁がお客様のお目に留まり

お買い上げいただくことになりました。

見本としてお持ちしたのですが、

額装する作品とのサイズと色味がぴったり合い、

手に入り辛くなったオーナメントを使っていることもあり

現品をお納めさせて頂くことになりました。

これから額装をしてお届けする予定です。

 

わたしの心はすっかり母です。

娘(額縁)をお見合いに連れて行き、

ご挨拶をし、嫁入り支度を整えて嫁がせる・・・

うれしくてさびしい。

しみじみとした気分です。

 

 

ところで、このブログ「diario」でお話している内容は

必ずしも現在のことではないのです。

つい昨日のことをお話するときもあれば

数か月前の出来事のときもありますので

「そんなことをしていたのね~」程度に

思って下さればと存じます。

 

 

花と小鳥と女の子 闇に向かう乙女感 9月27日

 

ことしは諸事情によりいつもより早く

「小さい絵」展に出して頂く模写を

仕上げました。

 

あざみ、小鳥2羽、ギルランダイオの女の子の

4枚が完成しましたので

近々支度をさせて旅に送り出します。

(荷造りしてエージェントさんに発送します。)


今回の額縁はどれも市販のものを

改造しましたので、いつもと少し

雰囲気が違うような気がしています。

デザインが可愛らしくて小さくて、

よりメルヘンチックになったような。

絵の背景に暗い色を選んだからか

乙女感がねじくれてきたような。

変化もたまには必要、ということで・・・。


皆さまにご覧頂けるのは12月の予定です。

またご案内させていただきます。

 

 

Atelier LAPIS 展覧会のおしらせ 9月24日

 

古典技法の額縁と絵画の教室

Atelier LAPIS の展覧会のおしらせです。


10月8日(月)から14日(日)まで

銀座8丁目にあります「月光荘画室Ⅱ」で

生徒さん方の成果と講師陣の作品を

展示いたします。

わたしが講師をしております月曜日の

生徒さんも多数出品しておられます。

また、今回はわたしも小さな額縁

hori-16c-1を展示させていただきます。

お近くにお越しの際は、ぜひ

お立ち寄り頂けましたら幸いです。


どうぞよろしくお願い申し上げます。

月光荘

Atelier LAPIS

 

 

しらけて斜めなわたしだけど 9月20日

 

迷信を気にするくせに

斜に構えて「しらけ気質」のわたしは

自己啓発書籍の類は避けていました。

考えてみればそれも

コンプレックスの裏返しなのですけれど。

 

先日の楽しいお酒の席で、尊敬する人から

1冊の本を紹介されました。

「とても良い本だったよ。機会があったら

読んでみてごらん。」と何げない感じで。

著者はわたしも一度だけお会いした方でした。

「なんとなく」の斜めな態度で読み始めました。

 

顔を覚えている人が書いた本を、

尊敬する人が勧めているというだけで、

それだけで素直に頭に入ってくるのですね。

相変わらずわたしは子供っぽい・・・と

つくづく思い至りました。

もっと芯を持って柔軟にならねば。

 

わたしもトビンさんのように

穏やかで気持ちの良い人になりたい、と思います。

 

なにか活用法はないものか→だから物が増えるんでしょう 9月17日

 

金箔を手づかみできるのが便利な

カサカサ手のわたしですが

さすがに今年の猛暑では汗っぽくて

脱カサ、しっとり手になりました。

そうすると磨いた金箔など

触れませんので手袋必須です。

 

100円ショップなどで売られている

お手頃な白手袋の指先を切り取ると

金箔仕事も安心、大変便利なのですが、

さて。


切りとった指先部分はどうしたものか。

なにか活用できないかしら。

 

そう思ってしばらく置いておくけれど

結局いつも、ごみ箱にさようなら。

この布指サック、すぐ脱げちゃうのが問題です。

脱げなければ使える場面は思いつくのに。

もったいない気がする。

でも要らない。ううむ。

 

もったいないけど要らなものって

日々、けっこう沢山ありますね。

捨てるに忍びないというか。

だから物が増えるのですけれどね・・・。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年9月 №1 9月13日

 

昨年2016年の秋に計画開始した

HAMさんのテンペラ模写と額縁プロジェクトの

第1弾が8月末にいよいよ完成しました。

フラ・アンジェリコの楽奏の天使で

作品サイズが70×30センチほどある

大きな模写です。

 

支持体にカルトンを写し、石膏盛上げの

装飾を入れて形を整えます。

2017年2月6日。

金箔を磨き終え、マスキングを剥がします。

11月13日、模写もずいぶんと進みました。

 

年が明けて2018年1月22日模写完成。

額縁の木地が届き、デザインも決まりました。


2月19日、額縁のライナーを彫刻します。


5月7日、石膏を塗り、石膏の盛上げ装飾を入れます。

額縁の完成した姿が徐々に見えてきました。

全面に金箔を貼り、繕い、磨きあげました。

ピカピカな7月23日。

そしてワックスとパウダーで古色付けです。

 

8月13日、盛夏になりました。

長い長い工程を経て、完成した作品です。

 

 

 

こうして日付と写真で工程を追ってみると

感慨もひとしおです。

このラッパの天使はプロジェクトの第一弾。

同じサイズの天使をあと2枚模写する

計画だそうです。

大変だけど楽しそう!

HAMさん、2弾3弾も期待しております!

 

atelier LAPIS

 

 

30人のお地蔵様プロジェクト 9月10日

 

お地蔵様30人を、一緒に額装しよう!

という計画が完成しました。

 

お札の様な和紙に刷られたお地蔵様は

5枚の札が1枚のシートに貼られています。

どのように並べるのが良いかな・・・と

縦に並べてみたり横に並べてみたり。

無難になってもつまらないし・・・

最終的に、1列にすることに決まりました。

そして91×20cmのお地蔵様大行列、

細長~~い額装が出来ました。

 

マットは3mm厚で安定感がありますが

額縁はシンプルな純金箔のツヤ消しで明るく軽く。

漆喰壁の床の間においても、

打ちっぱなしのモダンな玄関にかけても、

どちらも馴染みそうです。


 

それぞれ少しずつ表情も違う(ように見える)

かわいいお地蔵様、どうぞ末永くお守り下さい。

 

 

小鳥も。 9月06日

 

卵黄テンペラの模写は

ギルランダイオの女の子

黄金背景の小鳥も加わりました。


 

女の子の表情がどうにも上手くいかない。

・・・というところで

気分を変えて小鳥の華やかな翼を描いて、

尻尾が細かすぎてどうにも上手くいかない。

・・・というところで

女の子の髪の毛を描こうかなぁ。

 

あっち描いてこっち描いて

行ったり来たりしています。

 

それにしてもこのプラスチックパレットは

15年前に100円ショップで買いましたが

いまだに現役で、このパレット無しは

考えられないような相棒になりました。

100円ショップの物って長持ちしない

というイメージですけれど、

こんなパレットもありますよ。

これからも大事に使います。

 

 

突き刺さる迷信とその理由 9月03日

 

「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」

なんとひどい言葉でしょうか。

 

おそらく小学生の頃に知った迷信ですが

それ以来ずっと心に突き刺さっています。

 

迷信だから気にすることも無い!

と思いつつも、どうしても気になってしまうのです。

そして相変わらず夜のお風呂上りに

爪を切る習慣はやめていないのですから

我ながら矛盾しています。

 

迷信ってなんでしょうね。

縁起の善し悪し、ジンクスも

全世界、太古の昔からありますし。

人間の心理は単純なのか複雑なのか。

 

「世界の迷信とその理由」なんて本

ありそうですね。

ちょっと読んでみたい気がしないでもない。

 

 

実物サイズで考えてみる 8月30日

 

先日、お客様と額縁のサイズの

打合せをしました。

額縁はcorona-di-fiori-1


このデザインで小ぶりの色紙を納める計画です。

 

作品と額縁の間をどのくらい空ける?

これはとても重要な決定です。

サンプルを眺めてもなかなか

イメージが湧き難いかもしれません。

 

今回、お客様のご提案で

実物大の簡単な図を描いて

(カレンダーの裏で失礼いたします!)

バランスを比べてみることにしました。

額縁と色紙の間、下の写真は

3センチと6センチの比較図です。

狭めの3センチ

広めの6センチ

 

こうして具体的に見ると

サイズ感がよりつかみ易くなるかも。

あまり大きな額装には難しいですけれど。

 

どちらがお好みですか?

 

 

使わないと、ずっとある。 8月27日

 

2009年8月のdiarioでお話した宝箱

いまもひっそりと部屋の片隅にあります。

アンティークの箱に仕舞いこんだタッセルは

9年前の、そのままです。


「ものを減らそうキャンペーン」には

コレクションは含むつもりは無かったけれど、

わたしが死んだ後もこの箱とタッセルは

きっと美しいまま在るのかと思ったら

それも何とも言えない気持ちです。

物は「使わないとずっとある」のですよね。

分かっちゃいたつもりだったんだけれど。

 

思い立ってタッセルを、まずはひとつ

コレクションから引っぱり出して

活用することにしましょう。

濃色タッセルのモジャモジャな毛を

濡らして梳かして整えてみました。

これぞ9年間の「寝ぐせ」ですな。

整えていない色違いタッセルと比べると

美しい姿にもどりました。

真っ黒なタブレットにぶら下げる予定です。

すこし優雅な気分で作業できそう。

 

整えて使ってあげないと

タッセルもかわいそうですものね。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年8月 №2 8月23日

 

昨年か一昨年か・・・TAさんが彫り上げた

アカンサスの額縁木地ですが

いつの間にやらご自宅で金箔を仕上げて

先日アトリエで披露してくださいました。


彫刻の凹凸、すみずみまできっちりと

金箔が入っています。

時間を置いて丁寧になんども箔置きをして、

きっちり磨かれた金箔はまばゆくて

MIさん、IMさんの額縁にひきつづき

古色仕上げはひとまず先送りに。

この額縁に納める作品に合わせて

古色の風合いを決めても遅くありませんから。

 

皆さんの腕前にわたしは戦々恐々しつつも、

額縁制作に真摯に向き合い楽しく努力する姿に接し、

美術はもちろん、人生の様々なお話ができて

週に一度のLAPISの時間が楽しくてなりません。

 

TAさん、丁寧な作業で美しい額縁を

完成させてくださってありがとうございました。

 

 

冬は早く来るから 8月20日

 

味を占めて、というのもなんですが

前回なんだか可愛らしくできあがったので

額縁を買い足しました。

 

前回と同じサイズのもの

同じデザインで楕円形のもの、

ひと回り大きいデザイン違い、

それぞれにまたテンペラ画を入れて

暮の「小さい小さい絵」展に出品予定です。


このままでは使えませんので、

裏側にいろいろと細工を施します。

「お色直し」をして色を変えたり

ワックスで汚しを付けるかもしれません。

それは入れる絵に合わせて、おいおいに。

 

とはいえ

夏真っ盛りと思っていたけれど、

案外と冬は早く来ます。

すでに日が短くなって空が高いです。

あまりノンビリしている時間はありません。

早いところ絵を描きすすめなくては。

 

 

新旧の良いところでひとり遊び 8月17日

 

卵黄テンペラで模写をしています。

ギルランダイオの若い女性の肖像。

 

以前は見本となる原画をカラーコピーで

サイズさまざま準備しましたが

最近はタブレットひとつです。

印刷物より細部がとても良く見えますし

拡大も思いのままに。

なんと便利な時代になったことか。


ルネサンス時代の古い技法で描くために

21世紀の道具を使うのです。

わたしにとってはまさに新旧の良いとこ取り。

 

ギルランダイオ、そして

レオナルド・ダ・ヴィンチに

500年後の現代を案内できたら・・・

きっと驚き楽しむのだろうなぁ。

レオナルドは最新流行の服を身に着けて

PCもすぐに使いこなしてしまうだろうな。

ギルランダイオは、きっと若い芸術家とも

古い職人とも様々な話をして目を輝かせそう。

などと勝手に妄想しながら描いています。

楽しいひとり遊びの時間。

 

 

決断しようそうしよう 8月15日

 

「物を減らそうキャンペーン」開催中の

わたしですが、なぜか骨董市には

行ってしまうのでした。ううむ。

でも

以前は「わぁかわいい」というだけで

衝動買いしていた古い絵葉書やら

ガラスの小瓶とか空き缶、ボタン、

何かの破片(!)、端切れなど

謎小物の誘惑には負けませんでしたよ。

昔に買った謎小物は今も手元にありますが

「かわいいけど、結局どうするのこれ。」

という状態で意味なく並んでおります。

 

もっと身軽になりたいのです。

近々には、段ボールもうひと箱くらい

本を手放したいと思います。

昨夏は嬉々として着ていたのに

今年は釈然としない服とかありますし。

要るような要らないような微妙な書類や

旅先でもらったパンフレット類、

見返すことも無い古い記録ノートも

いっそ古紙回収に出してしまおう。

 

後悔するかどうか、手放さないと分からない。

決断の夏、です。

 

 

風にご注意 8月13日

 

箔仕事の大敵は風です。

なにせ金箔は鼻息でも 飛んでしまいますから。

真夏の箔置きとなりますと

当然ながら扇風機はもっての外、

エアコンも止めねばならない訳でして、

でも金箔に水分はこれまた大敵ですので

汗を滴らせる訳にもいきません。

 

部屋と自分を強烈に冷やしてから エアコンを止め、

ささっと箔置き。

湧き出す汗とジリジリ上がる室温に

耐えられなくなったら

箔を隠してからエアコンをつけて・・・

普段の倍の時間をかけてしまう。

どうしたものか。

秋が恋しい日々でございます。

 

 

残暑お見舞い申し上げます 8月10日

 

言われなくても分かっているし

もう聞き飽きたわけですが

暑いです。

 

先日の夕方、車で外出時に首都高速の

トンネル内で渋滞になりました。

ダッシュボートに表示された外気温は

40度ですって。

繰り返しますがトンネル内です。

上を見ると水のミストが噴きだされていて

すこしでも涼しく快適に、という

心遣いが感じられます。

窓から手を出してみたら・・・

なんと言うのでしょう、手だけ入浴というか。

ミストサウナは大好きですけれど、トンネルですし。

さすがのミストも敵わない暑さなのですね。

気温40度の湿度100%、いやはや

オートバイの皆様の御苦労いかばかりか。

 

被災地の方、ボランティアの方をはじめ

どうぞ皆様、ご自愛のうえお過ごしください。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年8月 №1 8月08日

 

遠くから通って下さっているIMさんは

油彩古典技法のプロフェッショナルで

いらっしゃいますが、ご自身の作品額装のために

月に1度アトリエに来て下さっています。

 

緻密で、そして追求の集中力には

わたしも尊敬の念を抱いているIMさんが

丹精込めた額縁が完成しました。


ここまでの完成度、脱帽です。

ボローニャ石膏を塗り磨く作業をはじめ、

レリーフの高さ、刻印の正確さ、箔の輝き

どれだけの労力と時間を費やされたことか。

お家でも地道に急がず少しずつ進められた成果。

疲れたら無理に続けない、潔く中断することが

均一に仕上げるには重要、とのお話です。


当初は古色を付ける予定でしたが

あまりの完成度の高さから

お引止めしてしまいました。

古色加工は後からでも可能ですのでね・・・。

最近は生徒さんの技術が大変向上し

古色加工が惜しくなるばかりです。

 

自分の手で自分のために、

心と技術と時間を最大限に費やすこと。

いつも同じ精神で作業を進めること。

出来るようでなかなか難しいことです。

わたしも生徒さん方も大変感化された作品でした。

IMさん、心のお手本を見せてくださって

ありがとうございました。

 

 

先人の教えに忠実に 8月06日

 

額縁の四角い形は

4本の棒状の木材を組んで作りますので

角をボンド等で接着する必要があります。

(他の補強ももちろんしますが。)

 

その接合部分にボローニャ石膏など

下地剤を塗り乾かすと、多くの場合

亀裂が入ってしまうのです。

留め切れ、と呼ばれています。

 

材木は湿度で伸縮しますし

ニカワ液も石膏液も水性ですから

乾くときのスピード、水分濃度、

木材の乾燥度やクセで

ひび割れが出るのは仕方がない。

だけど。

これはとても困ることが多いのです。

一旦ひび割れた石膏は、亀裂を埋めても

(エポキシパテ等で埋めても)

最後には線状の跡が浮き上がってきてしまう。

シンプルな額縁ほど目立ちますからね。


フィレンツェ留学先の修復学校で、

また古典技法の伝統技法書で、

接合部には目の粗い麻布をニカワで木地に

貼る、と教えられました。

 

そうは言っても

麻布を貼るとその分だけ厚みが出るので

美的に微妙・・・と思っておりました。

接着剤を変えてみたり、和紙を貼ったり

色々試したこともありました。

 

今回ひさしぶりに麻布を使ってみて

その丈夫さに改めて驚きつつ、

頼もしさを再確認した次第です。

ちいさな麻布が木地と石膏をがっちり繋ぎ、

細くて大きい不安定な額縁も亀裂皆無。

 

結局のところ麻布に勝るものなし。

基本に戻るって大切です・・・。

右往左往せず、今後は麻布を使うべし!

 

 

夏の金継ぎ大会開催中 その2 8月03日

 

大会報告その1でお話した

蒔絵みがきです。

 

数日前、薄く塗った漆に金粉を撒いて

2日間ほど室(むろ)で乾かしてから

最後に「堅め」の生漆を塗って

1日室入れ。

翌日に鯛牙で磨きます。

古典技法額縁のメノウ磨き同様に

とてもワクワクする作業ですよ。

 

岡晋吾さんのお皿が欠けていましたが


エポキシパテで欠けを埋め

本漆で蒔絵。

磨き終えて完成です。

金が入って、ワンポイントアクセント。

これはこれで可愛らしい。

今夜のお食事から使えます。

 

わたしはお手頃な漆を使っています。

マニキュアのような筆付き小ビンに入っており

ほんの少し出すことができて便利です。


室も、ご覧に入れるのが申し訳無いような

超簡易室、段ボール箱にタオルをしいて

ビニール袋で覆っています。

漆専用の部屋も無く、手頃な材料ばかり

ですけれど、いまのところ十分。

「平成最後の夏・金継ぎ大会」は

まだつづきます。

 

 

ドアの向こうの親子は誰 8月01日

 

なんども繰り返してみる悪夢。

夢の中で「ああ、またこの夢が来た」と

思いながらも抜け出すことができない。

皆さんもいくつかあるのではないでしょうか。

 

わたしの悪夢の話

聞いて下さいますか。

 

場所は以前に住んでいた古いマンション、

廊下の突き当りにある自宅のドア。

夢の中でわたしは子供に戻っています。

深夜、静かな家の中は薄暗い蛍光灯がひとつ。

家族は出かけていて一人で不安です。

鉄の玄関ドアの下部にある新聞受けの

ちいさな扉から人が覗きこんでいるのが見える。

 

わたしはそっと近づき覗き窓から外を見ると

うす暗いマンションの廊下で、

幼い男の子、小学生の女の子

そしてそのお母さん3人が

ドアのすぐ前に立っています。

覗き窓から3人と目が合います。

ドアの蝶つがいはいつの間にか壊れていて、

わたしは内側から必死でドアノブを引っ張っている。

ドアの向こうからそのお母さんの声が聞こえました。

「殺したのはお前だ」

 

 

いったいわたしは誰を殺したのでしょうか。

深夜の廊下に立つ3人は、誰なのでしょう。

 

余りの恐怖に、目が覚めてからも

しばらく茫然と暗い部屋を見詰めてしまいます。

この悪夢がなぜ繰り返されるのかも

いまだにわかりません。

 

 

Atelier LAPIS(アトリエ ラピス)の様子から 2018年7月№1 7月30日

 

久しぶりになりましたatelier LAPIS 生徒さんの

完成作品ご紹介です。

MIさんの模写と額縁、とうとう完成しました。

 

真鍮プレートをカットして書き込んだ

タグプレートを取付けます。

狭いスペースで滑るので慎重に。

 

さぁ、出来上がりです。

このプレートの存在で作品がぱしっと絞まりました。

 

美しく磨き上げた金箔は、あまりに美しく

古色を付けるのを中止するほどです。

模写もぐんぐん上達しました。

 

金箔の永遠の輝きとメディチ家の食卓を飾った

フルーツの模写を、どうぞ大切に楽しんでください!

MIさん、すばらしい作品を完成させてくださり

ありがとうございました。

 

atelier LAPIS

 

 

メール不具合のお知らせ 7月28日

 

KANESEIホームページにございます

「contact」からのメール送信について、

7月25日あたりから不具合がございました。

発覚が遅れ失礼いたしました。

 

お送りくださったメールがキャンセルされてしまった、

またはKANESEIからの返信が無いという方が

いらっしゃいましたら、大変恐縮ですが下記のアドレス

hrk830kanesei@gmail.com

再度こちらへお送り下さいますようお願い申し上げます。

 

 2018年7月28日 KANESEI

 

 

チューリップを箱に入れよう・・・かな? 7月27日

 

まるい板に黄金背景テンペラで

満開のチューリップを模写をしました。

天気が良くて乾燥している日を狙って

ニスを塗って、完成です。

 

ちいさな板の側面にも箔を貼りたい、

そんな時には持ち手の棒を取付けます。

 

真上からの照明で金箔を撮影するのは

難しいです・・・。

 

さて、どんな額縁に入れましょうか。

透明アクリルのボックスなど

シンプルな箱に納めてしまうのも

側面が見られて良さそうです。

でもやっぱり・・・

クラシカルな額縁に入れた方が無難でしょうか。

迷います!