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満ち足りてしまったから、その時が来るまでは 6月17日

 

先日のこと、あまりに出不精になって

リハビリが必要なレベルかも・・・と

友人と話したことがありました。

本当にもう、我ながら社会性がどんどん失われるんじゃないかと

(もともと希薄なのに!)思っています。

その良し悪しを考え始めると止まらない。

 

どうもこの傾向は2020年、コロナ禍以降顕著になったようです。

きっと世の中全体が引き籠りせざるを得なくなって、

でもその時期も終わって、皆さん否応なく元の生活に戻られたことでしょう。

そしてわたしですが、作業部屋が自宅の一角にあること

元から出不精だったこともあって、

コロナ禍が終わってもそのままの生活を引きずっています。

 

あの友人、かの人はどうしているかなと思って連絡はするけれど

出向いて会うまでに至らないことが増えた。

「あの展覧会、見たいな、会期はあと1週間しかないな」と思っても

出かけて行くことが減った。出かけたいと思わなくなった・・・。

 

どうしてこうも出不精に拍車がかかったのかな、

以前のようにもっと友人と会ったり美術展や

遠くの大きな本屋さんに出かけたりしなくなったのかな・・・と考えたのですが

 

 

つまり、小箱制作が楽しすぎて充実しすぎて

それで満足しているからなのです。

2020年春から本格的に作り出した小箱が

図らずもわたしの人生に対する姿勢まで変えてしまったのでした。

 

 

楽しくて仕方がない小箱制作と額縁制作を

ひとりで引き籠れる部屋で毎日好きなように続けることが出来て、

それらを喜んでくださる方々が居て、満ち足りている。

それなら別に、人付き合いが悪くても(もともと良くも無い)

最新の美術界情報に疎くても

今のところはまぁ、良いんじゃないの・・・という結論に至りました。

こんな風に認めるには時間がずいぶんと必要でしたが

それも併せて良いと、自分に言い聞かせています。

 

 

きっとわたしも、否応なくこの生活を変える時が来るでしょう。

その時まではこのままで。

ひとりでニヤニヤと制作を続けられる幸せを噛みしめています。

ありがとうございます。

 

隠れた異空間 6月10日

 

2024年フィレンツェ滞在記、つづきます。

 

カッライア橋のロータリーからボルゴ・オンニッサンティを進むと

右側に謎めいた施設がありました。

教会かな?でもなんだか違うな、と思いつつ

ごめんくださーい・・・図々しくドアを開けてみると

 

 

なんじゃこりゃぁぁ・・・!

 

素晴らしいエントランスでした。なんだろう、ここ。

広くないけれど迫力満載。

 

 

フィレンツェにしては珍しくバロックバリバリ。

天井画もだまし絵になっていました。

お、おもしろい・・・人が降ってきそう。首が痛くなりました。

 

 

シモーネ・デ・ピエロ・ヴェスプッチの記念碑。

ここは旧サン・ジョバンニ・ディ・ディオ病院でした。

病院本体はすでに郊外に引っ越し、現在は

どうやら本部施設の一部が残っているとか。

 

ヴェスプッチと言って思い出すのはアメリゴ・ヴェスプッチ(1454~1512)

アメリカ大陸を発見した(インドと思っていたらしいけれど)冒険家です。

アメリゴはこのシモーネの子孫だそうです。

ヴェスプッチ家はこのオンニッサンティ界隈の有力貴族で

シモーネさんがこの病院の創設者、1382年のこと、

日本では室町時代が始まってようやく50年と言った頃です。

 

700年近く前に設立された病院が今も続いていて

その跡地が改修を重ねつつも大切にされている・・・

素晴らしいことです。

 

 

階段を背に振り返った風景。

正面のガラスドアの向こうはボルゴ・オンニッサンティです。

ガラスドアを隔てて、これまた別世界が広がっていました。

ガイドブックには載っていない場所

地元の人もあまり立ち入らないような不思議な場所。

 

先日ご紹介したカスターニョの最後の晩餐画がある

サンタポッローニャ修道院跡やこの旧病院など

フィレンツェには無料で入れる素晴らしい空間があります。

そしてどこも、外界とバシャッと断ち切られたような

空気が変わる異空間なのです。

 

通りがかりで立ち入り可能なのはこのエントランスまで。

奥には美しい中庭が見えていました。

きっとヴェスプッチ家の美しいお屋敷と庭が続いているのでしょう。

次回、もうちょっと時間の余裕をもって再訪しようと思います。

あわよくば守衛さんにお願いして中庭だけでも覗かせてもらおう・・・。

 

 

リセットは必要 6月06日

 

結局、完成した小箱はまた黒なのでした。

 

 

少々抵抗して・・・というか、

自制して黒以外の箱も作りましたが

定期的に黒小箱を作ってリセットしてから

新たに色付き小箱を作る、というのが良いペースなのです。

とは言え、真っ黒ですけれど内側には

濃いバラ色の布を貼りました。

「真っ黒だな~」と何気なく開けてみて

あらびっくり、実は乙女チック!

 

 

この小箱はすでにインスタグラムでご紹介したのですが

その際に「外は真っ黒でも内側は乙女薔薇色

ツンデレ小箱」などと書きました。

ツンデレってすでに死語なのですね。そうですか、

使えるようになってきたらもう死語・・・そんなものですね。

ちなみにきっと、と言うか確実に「乙女チック」も死語。

 

 

この小箱は角に溝を入れてみたのですが

その影響なのかペルシャのような天平風なような

エキゾチックな異国情緒漂う雰囲気になりました。

 

▲パスティリアで入れた模様はイタリアの古い額縁から拝借しました。

 

 

黒い小箱を作って落ち着きましたので

また気持ち新たに明るい色の小箱を作ることにします!

 

 

身体は食べたもので作られる・・・ 6月03日

 

相変わらずダラダラ続く2024年2月の

フィレンツェ滞在記でございます。

 

なにせ普段は家族と暮らしておりますので

ひとりで家で食事をする機会はほとんどありません。

ですので、ひとり分、それも自分のためだけに準備するとなると

どうにも面倒くさい気持ちが先立つのでした。

 

言い訳はそのくらいにして、何を食べていたか少々ご紹介など。

手抜き食事の風景です・・・。

 

▲ひたすら手を抜いた晩御飯。切らない。加熱もしない。

冷蔵庫から直行野菜。

 

▲プチトマトを買うのは切らなくてよいから。

ルッコラと人参もパックから出すだけ。

でもアボカドとモッツァレッラは切った。がんばった。

 

▲この日のお昼ご飯。トスカーナのサラミとプチトマト。

パックを開けて並べました。

もちろんこれだけじゃ足りなくて、ポテトチップスなぞバリボリと。

 

▲もう見飽きたいつものサラダ。

あまりにひどいので豆追加。缶詰開けただけ。

 

▲生ハムもわすれずに。そしてお煎餅をバリボリ。

 

▲この夜はビーツもあるし、豪華に蒸し野菜もある!

ものすごくがんばった。

 

鬼平犯科帳と日本のニュースを見ながら

白ワインなど片手にノンキなものです。

色んな種類をまんべんなく食べましょう、ええ、分かっています。

でもほら、期間限定ですのでね、ちょっと勝手気ままにやりました。

 

▲お隣にお招きいただきました。

オレンジとモッツァレッラのサラダが美味しかった!

 

今回のアパートは2軒長屋のようになっていて、玄関が共同でした。

で、お隣に滞在中の日本人女性の方が夕飯にご招待くださったのです。

きちんとした家庭料理、正しいお食事。

この前菜の後には沢山の種類の野菜と豆のスープと

カリッと焼いたパン。美味しくて楽しい夜でした。

 

 

ミラノの友人が沢山の差し入れを持って来てくれた後は

一転して豪華になりました。

トリュフ風味のバジルペーストを混ぜたパスタに

美味しいオリーブオイルと美味しいパルミジャーノレッジャーノを。

(自分では買う勇気が出ない食材)

ルッコラも張り切ってトッピング。

 

友人が来てくれた時にはガサゴソと作りました。

 

 

鶏手羽先とブロッコリーのトマト煮。

白いのはポテトピュレです。これは買いました。

作ったのは煮込みだけ。この一皿の前に例によっていつものサラダ

(モッツァレラとプチトマトとルッコラと人参)も出しました・・・。

友人は優しいので喜んでくれましたよ、たぶん。

 

 

最後の夜にも友人が来てくれました。

前日に友人LとCちゃん宅でビステッカをご馳走になり

残りのお肉を持たせてもらったので(まるで実家のお母さん・・・)

ビーフシチューを作りました。

トルテッリーニと一緒に食べたら中々の美味。お肉が美味しいから。

ちなみにトルテッリーニは市販品です。

ビーフシチューの素も日本から持参・・・。

 

今回の滞在、実は初めて風邪をひかずに済みました。

ひとえに寒くなかったからだと思います。

前回はあまりに寒くてLに「凍死したくなければダウンを買え」

と言われたけれど、今回はコートが暑いくらいでした。

今までは「食事内容が悪いから免疫が落ちて風邪ひくんだ・・・!」

と思っておりましたけれど、そうじゃなかった!たぶん!

と言う訳で、きっと次回(可能ならば)の滞在でも

引き続きこんな食生活になると思われます。

まぁいいか!ハハハ

 

 

幸せな娘時代を思い出すマダム風 5月30日

 

現在、ご注文を頂いて作っている額縁は楕円形です。

白木(無塗装)の額縁木地を日本で調達する場合、

木工所に頼むか、木地メーカーから購入するか

既成の木地を買う。おおむねその3パターンです。

そして日本で楕円形の木地を手に入れるのは困難なのです。

需要が少ない上にサイズ調整もできないし

板を刳り貫くので材料費もかかる・・・

入手困難もやむを得ないことでございます。

 

今回の木地は、ご注文下さったお客様ご自身が購入されて

KANESEIに持ち込んで下さったものです。

イタリア製だとか。いいなぁ、楕円・・・

 

さてさて、デザインはすぐに決まりました。

パスティリア(石膏盛上げ)で模様と文字

「CHAOS」「ORDER」を入れることになりました。

木地に石膏を塗り磨きまして、わたしの好きな技法

パスティリアで左右に模様。

そして上に CHAOS 上に ORDER とゴシック体で入れます。

文字アウトラインに線刻を入れて

 

▲額縁サイズはB5の縦長な感じ

 

純金箔の水押し。古典技法真っ只中を進みます。

 

▲ボーロは赤。やはり赤が一番美しく仕上がると感じます。

 

今回、楕円形の額縁の箔作業は初めてでした。

ずいぶん昔に作った楕円額縁は木地仕上げでしたので・・・。

箔作業は、貼り始めの場所を記憶しておくことが必要

(次の作業の開始場所でもあるので)ですが、

四角など角が無い形、始まりと終わりが無い

繋がった形ですので不思議な感覚でした。

楕円(正円)の額縁制作の注意点を知る。

途中、どこから始めたか分からなくなってしまって気づきました・・・。

 

▲机の上の散らかり様は見て見ぬふりでご容赦ください・・・

 

箔を貼り磨き、部分的に黒で彩色して、

文字の中をマイクロ点々打ちをして、さて。

楽しい楽しい古色付けです。

キラキラ輝く金箔をスチールウールで擦って傷をつけ

ワックスで汚して、ボロボロ加工をしてアンティーク調にします。

輝く金と艶やかな真っ黒な色が

この加工でしっとりと落ち着いてきます。

 

勝手なイメージですけれど、古色加工前の額縁は

「露出度高めの黒いドレスを着た若い女の子が

瞳をキラキラさせて楽しくパーティーへ向かう!」

という雰囲気だったのが、古色加工をすると

「50年後、その女の子は沢山の人に愛されて沢山の経験をして

奥底から湧き上がるような美しさを湛えるようになった。

そうして幸せな娘時代を思い出して微笑んでいる」

というような変化。

 

そんな感じになったら良いなぁフフフ・・・

と思いつつ、今日も嬉々としてガサゴソ作っています。

 

初夏の乾いたイメージ 5月27日

 

小箱を展示した際など、お客様の様子を拝見していますと

意外な色味の小箱を選んてくださる方がいらっしゃいます。

散々こちらでお話しています通り、わたしは

黒と金の小箱ばかり作ってしまうのですが、

当然ながら明るい色や茶色がお好みの方も沢山いらっしゃるのです。

 

ええと、つまり、明るめの色の小箱を作ってみました・・・

と言うことでございます。

 

 

白地に金泥と銀泥で模様をいれました。

 

 

純金箔で帯を入れて、下部は濃い緑色です。

 

 

内側はペールグレー、布は純白で爽やかに。

初夏のような陽気の日に色を選んだら

こんな組み合わせになりましたけれど、

なんだか平安時代の着物の重ねのような・・・

いや、ちょっとおこがましいですかな。

 

 

パリッとした小箱(当社比)、いかがでしょうか。

 

 

2人きりで夢の時間を 5月23日

 

唐突に登場するフィレンツェ滞在のお話です。

 

フィレンツェ歴史地区にある

アンドレア・デル・カスターニョ(1421~1457)の

「最後の晩餐」フレスコ画は、無料で見られるのが不思議なほど

(有難い限り)素晴らしい作品です。

サンタポッローニャ(サンタ・アポッローニャ)修道院の

食堂だけが残っていて、平日午前中に公開されています。

ここは彫刻師匠グスターヴォの工房から中心街への通り道なので

工房に行った日は必ず立ち寄るのです。

 

 

とても広い食堂には今はもう何もなくて、そうして大抵だれもいない。

 

▲ライオンも厳かに絵を見上げる

 

足音が響き渡るほど静かな場所で、誰もいない空間を独り占め。

カスターニョの作品と二人きりで過ごすのは大変に贅沢な時間です。

ここはカスターニョの美術館となっていて

最後の晩餐がメイン作品ではありますが

わたしはこちらのピエタが好きです。

 

 

タイトルは「Cristo in pieta tra angeli」、直訳すると

「亡くなったイエス様と天使」と言ったところですけれど

復活したイエス様が棺から出るのを天使が手伝っている図

と勝手に解釈しております。

(全く違うかもしれません。あくまでわたしの勝手な想像です。)

 

3日間を石の棺で横になって過ごしたイエス様、

手足には穴が開いて、胸には槍で刺された傷もあって

立ち上がるのも一苦労な様子です。

ようやく体を起こしたイエス様を天使がかいがいしく支えています。

ううう・・・と唸るイエス様の隣で

右天使「はい、大丈夫ですよ~、ゆっくりゆっくり~」

左天使「足上げて~、さぁ出ましょうね~」

なんて言っているんじゃなかろうか。違うかな。

 

▲下描きも残っている。迷いのない線の上手さ素晴らしさ!

 

 

そして、「最後の晩餐」の左上には無事復活して

旗を持って天に戻るイエス様の姿が描かれています。

あの細長い窓を開けたら何が見えるのかな、と想像したりして。

 

これらの絵を描いた時、カスターニョはたったの26歳だったそうです。

その10年後、36歳でペストに感染して亡くなってしまった。

無念だっただろうな、家族や恋人はいたのかな、

描きかけの絵はどんな作品だったのだろう、

もっと長く生きたらどんな作品を描いたかな、

彫刻はしたのかな・・・

 

まさにこの場所で、若きカスターニョが立って絵を描いていた。

そしてきっと、お弁当も食べただろうし

日々喜んだり怒ったり不安になる時もあったかもしれない。

600年前の、まさに、ここで!

 

この場所は想像が膨らみすぎて(なにせ誰もいないので)

頭がパンパンになってしまいます。

そうしてボォォッと過ごしてから大通りへの扉を開けると

大学生が闊歩していて、バスやバイクが走っている現実にもどる。

 

カスターニョと夢の時間を過ごせる場所です。

 

 

やりすぎちゃった? 5月20日

 

黒い小箱ばかり作っているとまた家族に笑われそうなので

(良いんですけどね、別に!開き直っております。)

ちょいと色味のあるものを作るべし・・・と

ダマスク模様をブルーグレーの濃淡で入れてみることにしました。

 

 

パスティリア(石膏盛上げ)で

箱縁にポチポチを入れて純金を貼り磨き

そしてベースに明るい青、模様をブルーグレーで入れています。

 

 

模様入れた。できた。金もキラキラ。

・・・でも、なんだか、こう・・・

既視感が漂いすぎるような。ありがち。

 

じゃぁ!ということで、ひび割れ加工をしまして

濃い色に調整したワックスを塗りたくりまして

 

▲ワックスコッテコテ

 

磨き上げて完成としました。

 

▲ピンぼけ失礼いたします・・・

 

 

鮮やかだった青が、ほとんどグレーになりました。

 

 

ひび割れ加工の割れ目にワックスが入って、古色感満載です。

・・・ちょっとコッテリやりすぎちゃった?

色のある小箱のつもりが、またもや暗路線・・・?

いや、でも良いのですこれで。

 

なんだかほら、ヴェネツィアの裏路地にある薄暗い骨董店で

埃を被っていそうな雰囲気になりましたでしょう?

「これはね、さるお屋敷から出たイワク付きの小箱でね、

特別なお客にしか見せていないんだ。だから秘密だよ・・・」

なんて、眼光鋭い店主が話し出しそうでしょう?

・・・ね?!(「うん」と言って下さい。)

 

このひび割れ加工小箱、ちょっと楽しくなってきました。

またやってみます。

 

 

販売禁止の理由が気になる 5月16日

 

思い出した時に登場、フィレンツェ滞在記です。

 

イタリアに行く度に必ず買うもの、それは薬です・・・。

怪しい。でも日本の薬とは違う良さ(変な表現ですが)があります。

それはとにかく「早く良く効く」です。

 

薬に対する考え方は人それぞれで、

できるだけ薬は飲まずに過ごしたいという方もいらっしゃれば

わたしのように「薬があるなら我慢せずにさっさと飲んでしまう」

と言う方もいらっしゃるでしょう。(もちろん容量用法を守った上で)

 

今回のフィレンツェ滞在ではいつもの

咳止めトローチ「Benactiv」と、もうひとつ買いました。

メラトニン1mg の錠剤です。

Benactiv は薬局で買いましたので薬の扱いだと思いますが

こちらメラトニンはエルボリステリア(直訳すると薬草店)

で買いましたので、サプリメント扱いかもしれません。

 

▲左がBenactiv 右がメラトニン

 

メラトニンは寝つきが悪い時などに効きます。

日本のドラッグストアで販売されている睡眠サポートサプリとは違うものです。

メラトニン剤は日本では販売禁止だそうで

(理由は詳しく知りませんが)もしかしたら

悪影響もあるかもしれません。自己責任ということで。

ちなみに持ち帰る際に申請手続きなど必要なく

特に何も問題ありませんでした。

 

▲Benactiv は16錠(2シート)入り、メラトニンはこのシートが3枚入り

 

ええと、とにかくですね、

このメラトニン錠剤、時差ボケに大活躍なのです。

わたしは眠りたい時間の30分前に1回3~4錠飲みますが

途中で目が覚めることなく6~7時間眠れます。

体調によっては寝覚めが少々重い時もあります。

イタリアと日本の時差は7~8時間あって

これは中々キツイものがありますので、

とにかく早く現地時間に慣れる(戻る)には

メラトニン錠剤が大いに助けてくれます。

旅行や出張の際にも初日・二日目はなかなか寝付けず

悶々とするのですが、その心配もだいぶ減ります。

 

日本でも解禁したら良いのだけど・・・

禁止されている問題は何か、気になるところです。

海外のサプリメント等を販売するオンラインショップでは

普通に販売されているようですが

どういう仕組みなのでしょうね。

 

なんだかメラトニンお勧め!な感じになっておりますが

ひとつの経験談として。

もし時差や寝つきに心配がある方

機会があればお試しになってみるのも

ひとつの手かもしれませんよ・・・程度に

お読みいただけたら幸いです。

 

 

暗かろうともわたしは 5月13日

 

完成した小箱をまとめてイソイソと並べていましたら

それを見た家族が

「うわぁ~暗ぁぁい~・・・」とのたまう。

 

 

黒がベースだけど金が入っているし、そんなに暗くないでしょ?

ほら、中は黒じゃないし暗くないよ!と開けて見せましたら

 

 

えー、やっぱり暗いぃぃ・・・とのたまう。

 

いいよいいよ、暗くて結構

わたしゃ人間性が暗いんで作るものも暗いんじゃ!と

灰色の整理用箱に片付けましたら

「暗い箱の中に暗い小箱がいっぱいぃぃ~!

アハハハハ!」と笑う家族。

 

 

ほっといてくれ!と叫びつつも改めて眺めれば

うむ、暗いっちゃ暗い。確かに暗いかもしれん。

 

わたしは額縁も小箱も、無意識に作ると黒と金になります。

これはやっぱり、ヨーロッパの額縁からの影響が大きいでしょう。

金の隣に来る色は黒が一番美しいと思うのです。

古色加工をすると、さらにその美しさが際立つ。

 

暗かろうが何だろうが、黒と金が好きなんじゃ~!

もうしばらく我が道を突き進みます。

 

 

写真の古典技法 5月09日

 

某日、友人の篠田英美さんの写真展レセプションに伺いました。

 

彼女はいろいろな国で成長し

今も海外と強い繋がりを持っている人で、

撮る写真もまた外国なのに日本のよう

また日本の風景なのに外国っぽい・・・

英美さんの世界はとても広く居心地が良いのです。

 

今回の写真展に、わたしが作った額縁2枚も

参加させてくださいました。

2015年に銀座のギャラリー林で

わたしたち2人の額縁と写真の二人展を開催しまして

その時の作品2点です。

 

ギャラリーの方とのお話しで

写真にも古典技法があると言いうことを知りました。

今やデジタルがメインになった写真の世界。

フィルムで撮影し現像、プリントして完成する写真は

もはや古典技法なのだとか。

デジタルとフィルムによる「古典技法」と

作品にはどちらも特徴があって

好みの世界としか言いようがありません。

 

 

古典技法で古色を付けた額縁に、古典技法で撮影・現像した写真。

 

 

懐古主義ではない(つもり)ですし

奇をてらってわざわざ、という訳ではありません。

古典技法と呼ばれるものに惹かれるのは

結局は雰囲気や肌触り、質感の好みとしか言えないのだけれど。

 

 

篠田英美さんの展覧会「銀河は高く歌う」は

中野のギャラリー冬青で5月25日まで開催です。

ぜひお越しください。

 

ギャラリー冬青

 

 

庭の攻防 5月06日

 

我が家は東京都23区内とは言え

(よく言えば)自然豊かな場所にありまして

ささやかな庭があります。

父がお仏壇から下げたご飯を鳥用の餌台に入れて

食べに来る様子を家族で楽しんでいます。

来るのは主にスズメとヒヨドリ。

 

▲ヒヨドリはいつもひとり。

ひよどりひとり。韻を踏む。

 

▲スズメはふたりで来る。

 

餌台、変な形と思われるでしょう・・・

この形に至るまで色々とありました。

この台は父の労作でして、数年前に完成した時は

額縁の付いた美しいお盆状のでした。

今はこの状況・・・

白い小さな器はお豆腐が入っていたケースを下げています。

小さい!そして下部の青い三角はネズミ返し・・・。

昔、社会科の授業で弥生時代の高床式住居を習いましたでしょう

その時に覚えたのが「ネズミ返し」、アレです。

柱を上ってきてもこの「返し」でそれ以上登れない仕掛けです。

美しい広い台だと植木からネズミが飛び移ってくる。

ネズミ返しがないと柱をネズミが駆け上ってくる。

 

なぜ小鳥は良くてネズミはだめなの?!同じ生き物でしょうに!

実際、庭を駆け回る(そうです、居ます・・・)

小さな野ネズミはとても可愛らしいのです。

ベアトリクス・ポターの絵本そのままの姿です。

でもねぇ、家に入ってくるのが、そして子孫繁栄しちゃうのが問題でねぇ。

 

そんな訳で、我が家の庭には小さな攻防戦が繰り広げられております。

今のところ餌台は父の勝ち、となっております。

 

 

必要か必要ではないのか、それが問題だ 5月02日

 

わたしの制作に純金箔は欠かせません。

必要なのですから買います。

ええ、買いますとも、必要ですからね。

たとえ懐が痛もうとも。

 

▲主に4号箔を使っています。

 

金は時価ですからいくつかの金箔メーカーの価格を比較して

その時々で選んでおります。

 

それにしても、た、たか・・・

 

いや、これ以上は言いますまい。

タイムマシンがあったら大学時代に戻って

金箔を大量購入したいと思います。

当時に比べたら4倍近いお値段なのですもの・・・嗚呼。

 

額縁も小箱も生活必需品ではありません。

命にかかわる事でも無し。

わかっちゃいるけど。

金箔の価格で嘆くなんてねぇ・・・。

世界を見回せば、わたしの周りの狭い世界の

なんと穏やかなことよ・・・。

 

 

ふたつ並べば 4月29日

 

先日完成しました点々打ち装飾の水箔小箱です。

 

隙間時間に制作しましたので

着手から完成まで思いのほか時間がかかりました。

 

 

水箔(金と銀が半々くらいの合金)は

いつも磨き上げて終わっていたのですが

今回はじめてアンティーク調の古色仕上げにしてみました。

 

 

箔の表面を擦って下地を出し

ワックスで少し汚しをかけた仕上げなのです。

反射が抑えられてワックスの色味が加わって

落ち着いた表現になりました。

いつものキラキラ輝く美しさも良いけれど

今回の落ち着きもとても良い感じ。

なんで今まで水箔の古色仕上げをしなかったのかな。

・・・我ながら謎です。

 

さて、この小箱は実は双子というか姉妹でして

先に金箔小箱が生まれていました。

 

 

 

ふたつとも同じ模様、同じサイズです。

並べると可愛さ倍増・・・親バカですみません。

 

 

今年の秋、いくつか展覧会に参加させていただく予定です。

どこかの機会でお披露目出来たらと思っています。

その際には改めてお知らせいたしますので

どうぞ実物をご覧になりにお越しください。

 

 

誰が誰のために 4月25日

 

先日お話しましたアンティーク市「骨董グランデ」で

何に出会ったか、ご紹介させてください。

「いや別に、どこで何に出会おうがどうでも良い」ですって?

まぁまぁ、そうおっしゃらずにお付き合いください・・・。

 

わたしが骨董市で鼻息を荒くする物は

もうご想像通りなのですけれど、額縁です。

ヨーロッパの小物を扱うお店の最奥のガラスケース

その中の一番後ろにあったのがこの額縁なのです。

 

 

サイズは縦16センチ、横が10.5センチと小さいのに

それはそれは繊細な彫刻が施されています。

 

 

上部にバラと蔦の葉

 

 

下部にはグリフィンです。

バラの花ひとつが1センチに満たない。

グリフィンの顔は小指の先ほど。

楕円の窓も細い枠もすべて彫り出してあります。

 

▲裏面

 

なんというかもう、超絶技巧すぎてため息も出ないと言うか

まさに「息をのむ」。

フランスの1850~70年頃のものだとか・・・

それが本当かどうか、わたしには分かりませんけれど

はっきり言ってそんなことはどうでも良いと言うか(良くも無いけれど)

こんな額縁をカリコリと作った人がいて、

それが200年近く大切にされてきた

(残念ながら葉が一枚だけ欠けている)と言うことなのであります。

 

どんな人が作ったのかな、神経質そうな初老男性かな

でもこの細かさは天才的な新進気鋭の若者彫刻師かな。

どんな人が持っていたのかな、やっぱりブルジョワの奥様かな

それとも若くして亡くなった女性の肖像画(写真かも)を

入れるために家族が注文したのかな。

・・・とか!

相変わらず激しく妄想を繰り広げています。

それもまた楽しい。

 

 

骨董グランデの会場奥深くで、わたしは

胸ぐらをつかまれた勢いで引き寄せられたこの額縁です。

今までの人生で、何度かこうした「呼ばれた」品

(古本やら道具やら)がありますが、

逃せばもう二度と会うことも無い。

もう運命、一種の諦めを持って呆然と立ち止まってしまう。

 

だけど、そうです、この日のお財布はほぼ空っぽ。

目を泳がせているわたしの隣で家族が

「そんなに欲しいのぉぉ・・・?

じゃあ誕生日プレゼントに買ってあげるぅ。

ハッピーバースデーフフフ・・・」と買ってくれてたのでした。

ちなみにわたしの誕生日は8月です。

先取も甚だしいですけれど、とても嬉しい。

 

さて・・・この額縁を作った職人に思いを馳せて

わたしもせっせと制作に励みます!

 

 

骨董グランデ 4月22日

 

わたしの出不精もすっかり定着してしまって

同じく出不精の友人と「リハビリが必要なレベル」

と言い合う最近なのですが

どうにかこうにか出かけてきました。

行先は東京ビッグサイトで開催されました

アンティーク市「骨董グランデ」です。

今年で第五回だとか。

 

 

初日(金曜日)のお昼に入場しましたが

まだお客様はまばらで空いていて歩きやすい。

ここぞとばかりに練り歩きます。

目に入るのは小さい物ばかり。・・・性でございます。

 

▲グリ模様彫刻の御香合。素敵。

 

▲こちらは七宝でしょうか。手のひらサイズ。

 

▲細かくてもラインがキチッとしていてぶれがない。素晴らしい仕事。

 

 

午後になって少しずつ人も増えました。

そして外国語もずいぶんと聞こえてきます。

中国や韓国(朝鮮)の骨董を扱うお店

イギリスのステッキ専門店など

それぞれそのお国の方が店主、

そしてお客様も外国の方・・・インターナショナル。

 

▲オールド・バカラのデキャンタ、キラキラと美しくて見惚れます。

 

▲おもちゃのお店も。

 

トッポ・ジージョを見つけてしまった―!かわいい。

言わずと知れたイタリア出身のキャラクターです。

ウフフ♡(←トッポ・ジージョ風に)

 

この日の骨董グランデは急遽行くことにしましたので

まぁ何も買わないかな・・・買わないことにしよう!と

お財布もほぼ空っぽで出かけたのです。

でも、そういう時を狙ったかのように

出会うものなのであります。

 

何に出会ったか、次回ご披露いたします!

引っ張り失礼致します・・・!

 

 

星の指輪入れ 4月18日

 

星の指輪入れが完成しました。

成城学園前にあるアンティークショップ

「attic」さんからのご注文で制作しました。

 

 

箱義桐箱店製のアクリルガラス入り指輪ケースに

いつものように古典技法で水箔(14K金箔)を貼り磨き

星の模様を点打ちで散らしています。

 

▲加工前の指輪ケース、桐の木地です。

 

18の小部屋があって、それぞれに

黒い別珍のクッションが入っています。

難点はアクリルガラスが取り外せないこと。

カバーはしましたが石膏の作業時には不便・・・。

ううむ、でも加工を前提に作られていませんから

仕方がありませんのです。

 

 

指輪はもちろんですが、こぶりのピアスも入れられます。

 

 

お店で使っていただく箱ですので、頻繁に開け閉めすること

不特定多数の方が触ることを考えて、

箔の表面をすこし厚めにコートしました。

その効果なのか、表面がいつもよりガラス質に見えて

それも良い雰囲気に仕上がったような。

 

 

成城学園のお近くにお越しの際には

ぜひ atticさんへお立ち寄りください。

星の指輪入れもお越しをお待ちしております。

 

attic

 

引き込まれて救われて 4月15日

 

なぜだか分からないけれど

どうにもこうにも嫌な考えのループに嵌ってしまう事があります。

そして自己嫌悪したりして。

 

昨今はウェブ上にそんな時の解決法がたくさん紹介されていて

瞑想する、運動する、自分を俯瞰的に見る、

そんな自分も受け入れる等々、いくつもあります。

 

だけど、ううむ、そうじゃないんだよ・・・

と、ひねくれ者のわたしは思う訳です。

運動したって一時しのぎでしょ(大体運動嫌いである。)

そんな自己嫌悪するような自分を受け入れましょうって、

そうしたら、そんな思考回路で止まってしまうじゃないか

・・・ブツブツ。

 

▲小箱ばっかり作っている場合じゃない。

小箱に逃げている。分かっておる。

 

そんなある日、偶然に北インドのシタール音楽を聴きました。

シタールはご存じと思いますが、ギターのように

左手で弦を押さえ、右手で爪弾きます。

そしてタブラと呼ばれる太鼓(二つセット)奏者と

2人で演奏するのが多い様子。

このシタール音楽が「ぐるぐる思考」からの脱出に

大変効果があることが分かりました。

・・・わたしだけかもしれませんが。

 

全く詳しくありませんので勝手な解釈ですが、

伝統的な演奏は短くて30分、おおむね1時間と長い。

そして曲の出だしはシタールのみでジャラララ~~~ン・・・と

地底から響くようにゆっくり始まります。

曲の半分頃にタブラがこれまたゆっくり加わって

そこから徐々にスピードが上がります。

 

タブラの「タンタカタンタカ」(右手)と「ムーンムーン」(左手)が

どんどん早くになって、シタールのメロディーも競うように早く複雑になって

聴衆の心拍数もどんどん上がる。

そして全員の興奮が最高潮に達したときにジャンッ!と終わるのです。

 

この、歌詞もなく(意味付けが無く)

聞く機会が少ない音楽なのもポイントに思われます。

少しずつ興奮の渦に引き込まれる時に

徐々にわたしも変な思考から引きずり出され

何も考えずにハラハラドキドキが高まって

ダンッと曲が終わるときにはまるで「サウナから出て

水風呂に浸かって整った」ようなサッパリ爽快な気分になるのです。

 

驚くほど効果があります。・・・わたしだけかもしれませんが。

長々と説明しても、この不思議な解放感は説明できません。

YouTubeやSpotifyでも「シタール」と検索すると

沢山聞くことが出来ます。

わたしは最近のオシャレなアレンジではなくて

いわゆる巨匠の演奏を選んでいます。(モノクロ写真の演奏)

シタールの音は少し琵琶や津軽三味線のようですし

タブラも鼓のように聞こえる時があります。

 

もし気になる方がいらっしゃったら

もし聞いてみようかな、と思われたら

Ust Vilayat Khan aged 16 – rare video (youtube.com)

(↑3分ショートビデオ、英語の解説あり)

Shahid Parvez Raga Darbari (youtube.com)

Vilayat Khan – Raag Darbari (1968) (youtube.com)

上記YouTubeの演奏などぜひ。

長いですけれど、きっと引き込まれること請け合いです。

 

 

イニシャルいろいろ 4月11日

 

ご注文で制作したイニシャル小箱ふたつ

ご紹介させてください。

 

 

サイズはいちばん小さな豆小箱

指輪がひとつ斜めに入る程度のものです。

左は純金箔にKとMのモノグラム

右は水箔(14金)にMのイニシャルです。

装飾方法はそれぞれ違うのですが

 

 

純金の方はベースに蔦模様を線彫りしKとMを黒でペイント。

すこしの磨り出しをしてアンティーク調に仕上げました。

中は紺色の別珍張り。シックな雰囲気です。

 

 

水箔のMは、ベースの蔦模様は金と同様ですが

Mと蓋側面の点々をパスティリアで盛上げ装飾しました。

箔も磨き上げたままですので華やかでキラキラと輝きます。

中はすべて黒、コントラストできりりと引き締まります。

 

 

どちらもお客様と仕上げのイメージ、中の色などご相談をして作ります。

同じサイズのイニシャル小箱、と一口に言っても

箔の色、文字のフォント、装飾技法によって

また開けた時の中の色によってイメージは大きく変わります。

そんなところも楽しくなります。

 

 

記念におひとつ、いかがでしょうか。

 

 

猫とお肉とアフリカと 4月08日

 

2024年2月のフィレンツェ滞在記

相変わらず忘れたころに再登場です。

フィレンツェ滞在時には公私ともに(?)

お世話になりっぱなしの友人Lですが

今回の滞在でもLと奥さんCちゃん

そして猫のムジッチェとチョルニのお宅へお邪魔しました。

猫を愛でながらビステッカをいただくのです。

 

今回、わたしはベジタリアンCちゃん用に

ホウレン草の胡麻和えとポテトサラダを山盛り

そして頂き物のシャンパンとアマローネ

(赤ワイン)がありましたので持っていきました。

アマローネはイタリア北部ヴェネト州名産ワインだそうで

ヴェネト州出身のLは大喜び、そして

レアのステーキにはピッタリ!でございました。

シャンパンもアマローネも自分では選べない

(知識がない上に価格的にも)お酒でしたので、

大切な友人とシェア出来て何よりでした。

 

▲シャンパンと猫・・・至福の時。この子はチョルニ。

お行儀の良い女の子。でもテーブルに乗ってはいけません。

 

▲相棒のムジッチェは人懐っこい男の子、じっとしていません。

テーブルからは降りなさい~。

 

さて、今年もLが準備してくれた

美味しいお肉と記念撮影をしまして、

早速ジャジャッと焼いていただきます。

もちろんLが焼いてくれます。

Cちゃんとわたしは座りっぱなし!

 

▲満面笑顔のLをご紹介できないのが残念

 

 

フィレンツェのTボーンステーキは厚切り

それをレアで頂くのが定番です。

外側はカリッと香ばしく、中はほんのり暖かい。

そして血が滴ることはほとんどありません。

 

▲さらにもう一種

 

ステーキのつづきはイタリアンソーセージ

「サルシッチャ」です。

これは豚肉だと思うのですが、ハーブが効いていて美味しい。

そして半生・・・。

以前から不思議なのですが、イタリアでは

「生ソーセージのパニーノ」がありますし

こうして家やバーベキューでも半生で食べます。

日本では生の豚肉は絶対食べちゃダメ!と言われますが

イタリアと処理に違いがあるのか、未だに謎なまま。

そして謎なまま美味しいので食べてしまう・・・。

 

▲毎回ムジッチェが膝にやってきて、わたしはもうノックアウト。

 

「もうお腹いっぱいだ~!」と叫ぶ頃

ベストなタイミングで猫が膝に座ってくれます。

実は言葉が分かっていて、残り物をつまもうと

膝に乗っただけかもしれません・・・

でも良いのです。幸せなので。

(もちろん彼らには人間のご飯は食べさせません。)

猫の頭のにおいを嗅ぎながら食後のジントニック・・・

なんたる幸せ。

 

▲Cちゃんに抱かれて至福のチョルニ、それを見るCちゃんもうっとり。

 

女の子のチョルニはわたしには抱っこさせてくれません。

それもまた猫らしくて「くぅぅ~♡」となるポイントです。

 

LとCちゃんは2023年夏にアフリカ旅行をして

すっかりアフリカに魅了されたとか。

今年の夏も今度はボツワナに行くのだと張り切っていました。

写真を沢山見せてもらって、地平線や真っ青な空、

荒涼とした砂漠も力強いサバンナ、

そして野生動物の眼差しも美しい宿ももう別世界、

二人の興奮が伝わりました。

「一度は行った方が良いよ!

だまされたと思って行ってごらん!!」と

二人に勧められました。

・・・アフリカかぁ・・・遠い。

感覚的にも距離的にも、わたしにはとても遠い。

イタリアからアフリカって、南下すれば良いんだもんねぇ・・・

時差が無いのですもの。日本からよりずっと近い。

きっと日本人とイタリア人と

アフリカに対する感覚も違うのかもしれない、

実際イタリアの街にはアフリカ系の人たちも沢山いて

イタリア社会に馴染んでいます。

歴史的にも地理的にももっと近しいんだろうなぁ、と

酔った頭で考えていました。

 

アフリカに行く前に、まずは

南極とニューヨークと北インドに行きたい・・・

二日酔いの翌日に思っていました。

 

技術とセンス 4月04日

 

現在フィレンツェに滞在中の友人が

美しい写真を送ってくれました。

EREDI PAPERONE Bottega d’Arte の

ショーウィンドウに並ぶKANESEI小箱です。

 

 

写真のセンスと技術があると、こうも違うのですな…!

彼女の配偶者の方はフォトグラファーなので

やはりそんな所もお二人は通じているのかもしれません。

 

 

あれ、こんなにカッコいい雰囲気に展示されていたっけ?

 

 

おや、こんな美しい陰影が見えていたかな??

 

 

実物より良く見えている!?

 

 

この小箱たちが良いご縁に恵まれますよう。

もしフィレンツェにお越しがありましたらぜひ

EREDI PAPERONE Bottega d’Arte へお立ち寄りください。

 

EREDI PAPERONE Bottega d’Arte

Via del Proconsoli,26r Firenze

10::00~13:00/14:00~19:00

 

 

考えすぎだとしても 4月01日

 

3月30日の土曜日、悲しいニュースに触れました。

彫刻家の船越桂さんが肺がんで亡くなったと。

展覧会に行ったり制作過程等のDVDを観たり

お父様の船越保武さん共に尊敬する方でした。

ご冥福をお祈りいたします。

 

そしてまた、マッシモを思い出したのです。

 

フィレンツェの額縁師匠マッシモは

昨年初秋に体調を崩して呼吸が困難になり

病院で検査を受けたところ、すでに肺がんが

進んでいて手の施しようがない状態だったとのこと。

妻パオラ曰く「とてもアクティブながん」で

骨や腎臓、リンパにどんどん転移してしまって

治療を施す暇もなくあっという間に行ってしまった。

そしてパオラもまた今、呼吸がつらくて

ほぼ24時間酸素吸入をしています。

 

確かに2人ともタバコを吸っていたけれど

(パオラは今も吸い続けている!止めてくれない。)

もしかしてもしかしたら、いや可能性として

額縁製作の職業による影響もあったりして・・・?

 

 

なにせ古典技法額縁では木屑と石膏粉から

逃れることが出来ません。

そして彼らは咥えタバコでマスクなどしなかった。

仕事として朝から晩まで毎日をこの粉の中で

過ごしていたら、と考えてしまう。

船越桂さんもまた、木彫作家の毎日で

粉塵は避けられない生活だったのではないでしょうか。

 

考えすぎかもしれないし、そうではないかもしれない。

石膏粉や木屑よりタバコの方が肺にはずっと悪い事は

百も承知だけれど、ううむ。

 

 

自分の身体を守れるのは自分だけですものね。

面倒くさがっていても後悔先に立たず。

わたしはマスクをもう少し高性能のものにしようと

改めて思います。

 

 

額縁の蔵出し販売 3月28日

 

以前に展覧会用などに作ってそのまま

自宅の片隅で眠っている額縁がいくつもあります。

本当は展覧会時に販売できれば良かったのだけど

そう上手く行くことも無く・・・

長らく冬眠していた額縁たちを

オンラインショップで販売しています。

 

サイズは規格サイズではありませんが

鏡を入れていただくことも可能ですし

もちろん作品の額装として、

またお店の展示や什器として、

色々と使っていただけると思います。

 

▲piatto-francese フランスの古いお皿をイメージしたデザイン。

 

▲金焼 金箔を貼り磨いてから焼いたもの。かなり強い古色です。

 

▲銀焼 こちらも同様に銀箔を貼り磨いて焼いたもの。

 

どの額縁も、手に取れば作った時の記憶がよみがえります。

いちいち感傷にふけっている場合ではないのでございますけれども。

新しい持ち主の方に使っていただければ額縁の使命を全うできるはず。

よろしければどうぞ、KANESEIのオンラインショップをご覧ください。

 

 

KANESEIオンラインショップ

 

 

「そういう時」のために 3月25日

 

先日お話したようにノロウィルスに大打撃を受けた我が一家

おかげ様でそれぞれ快復いたしました。

わたしもどうにかパジャマを脱ぎ捨てて作業部屋に入った日

納期間近の額縁制作を再開したは良いけれど

あわや大失敗!という瞬間がありまして

いやもう、こんな日は急がば回れ、

落ち着いて違うことをした方が良いのです。

 

かと言って気は焦りますし本を読んだりする気分でもない。

何かしていないと落ち着かない。

「そういう時」のために、制作途中の

マイクロ点々打ち小箱がいくつかあります。

 

 

石膏や金箔が乾くのを待つ間の手持無沙汰の時とか

気分を落ち着かせたい時とか、

ひたすら点々打ちをします。

「なにかしている感」が感じられて(実際なにかしているし)

瞑想のような効果もあるようで

気持ちが徐々に落ち着くのでした。

 

今回のノロ騒動の余波で上の写真の小箱装飾は完成しました。

これも怪我の功名といいましょうか。

 

 

うわさ通りのアイツ 3月21日

 

いたって個人的な事ですけれども

先日ノロウィルスに感染しました。

家族のひとりが外食時に感染したらしく

(同席した方々も感染・・・)、

その後に他の家族も感染、そして最後にわたし。

 

話には聞いていましたけれど

このウィルスの強さにはもう、どうにもこうにも。

症状はいわゆる「ノロウィルスに感染した時」そのものでした。

お茶を飲むのも恐ろしい。

身体中がウィルスを追い出そうと

奮闘してくれているのを痛感しつつ寝ているのみ。

 

▲せめて画像は爽やかなフィレンツェの青空

 

いやはや・・・家庭内では気を付けるにも限度があります。

これはもう、コロナ並みにお風呂もトイレも寝室も

もちろん食事も別にしない事には

避けられなかったと思われます。

後悔先に立たず。

 

それにしても、どうにかこうにかシャワーを浴びられるまでに快復して

久しぶりに見た鏡の恐ろしさたるや。

10~20年くらい老けていました。

なんというか・・・日帰りした浦島太郎というか・・・

 

 

これから春なのに!気持ちの良い季節がやってくる!

わたしもここで老け込んでばかりいられませぬ。

モリモリ食べてジャンジャン作って

心身を盛り上げて回復したいと思います。

 

皆様も油断大敵、いつどこで何ウィルスが待ち受けているか・・・

ご用心です!

 

 

中世の本のような 3月18日

 

2023年にペルージャの国立ウンブリア美術館に行った時

誰もいないとても静かな空間で

思う存分に黄金背景テンペラ画を堪能できました。

その時に見た数々の作品に登場する聖人や司教など

聖書を持って佇む様子が沢山あるのでした。

 

その人物が誰であるとか

持っているのが本当に聖書なのかどうか等々はさておき

その本の装飾に見とれました。

大抵描かれているのはは赤とか青とか

ハッキリした色の本に金で模様が入って、

そうして金具で閉じられているのです。

 

それら絵の「金具で閉じられた聖書」のイメージで作りました。

 

 

古い黄金背景テンペラ画にご興味をお持ちの方でしたら

「ああ、よく見るあの感じね」と思われるような

そんなデザインです。

 

 

当時の聖書は羊皮紙に描かれて厚い皮表紙が付いて

とても重くてとても貴重な品だったようです。

重い聖書をきちんと閉じるために

こんな感じの蝶番のついた金具が取り付けてあるのは

写本の展覧会などでも見ることができます。

 

この小箱には「なんちゃって蝶番金具」を着けたくて

石膏下地を磨いた後、パスティリアで金具のベースの形を盛り上げて平らに磨き

さらにその上にもう一度パスティリアで釘風に小さなポチポチを乗せました。

金具で閉じられたように感じていただけるでしょうか。

 

 

クリーム色でちょっと明るく可愛くなっちゃったかしら・・・

で、中はキリリと紺色の別珍を貼り込みました。

 

いかがでしょうか。

 

 

お終いのとき 3月14日

 

わたしの額縁師匠パオラとマッシモについては

何度もお話しているのですが、

もう少しお付き合いください。

 

今回のフィレンツェ滞在で一番に連絡したけれど

なかなか会うことが出来なかったパオラ。

週に1~2度、体調の良い午前中だけ動けるとのことで

滞在後半にようやく会いました。

小柄でとても痩せていて身体が強くないパオラは

昨年秋から体調を崩していて

今は酸素ボンベを携帯しつつ吸入する生活になっていました。

昨年暮に夫のマッシモが亡くなり自分の体調も限界

これが潮時なのよ、と工房を閉じることに決めたと話してくれました。

 

▲「CORNICI」額縁。

シャッターが閉まっている時間がほとんどになった。

 

今はとにかく最後の注文額縁をどうにか仕上げること

(これは無理かも・・・と言うけれど古くからのお客様だから待ってくれるはず)。

その後には大量の材料や道具、荷物を片付けること

見本として店舗に掲げていた額縁を売りきること

そして空にした「元工房」店舗を賃貸に出すこと。

 

店にはまだ額縁が沢山かけてあって、

でもところどころ歯が抜けたように額縁が無くなっている壁には

かつてあった額縁の跡がうっすらと残っている。

あの額縁もこの額縁も、わたしを見習いで

受け入れてくれていた頃からあって、いつも眺めていた額縁でした。

なかにはマッシモを手伝ってわたしも制作に参加した額縁もありました。

 

 

現実問題として、この大量の物の仕分け、

業者を呼んだり売ったり捨てたり、事務手続き、

それらは今のパオラには無理なのでは・・・

かといって、わたしが出来ることはほとんど何も無い。

せいぜい荷物運びゴミ捨て掃除程度の肉体労働で

そんなのは最後の最後。

パオラのひとり娘(裁判所勤務)や友人知人がすることであって

わたしが出る幕では無いのだと頭では理解しつつも

でもこの寂しさ心細さはとても辛い。

次にフィレンツェに行った時、それが今年か来年か数年先か

その時にこの工房はもう姿を変えているのだろうと覚悟をしました。

 

店の見本額縁はすでに予約済みのものも沢山あったので

わたしはひとつだけ小さな額縁を買うことにしました。

パオラと、今は亡きマッシモの合作、ふたりの工房の残照。

 

 

懐かしの天使 3月11日

 

イタリア滞在から帰国して

オンラインショップも再開するのを機会に

新しい商品も載せることにいたしました。

新作ばかりではなくて旧作もいろいろと。

 

 

純金箔と純銀箔の双子額縁、かれこれ・・・

大変大昔に作ったものです。

その頃はエージェント事務所に所属しておりまして

マネージメントを担当してくださっていた方の

アイディアでアンティークの布を入れました。

な、なつかしい・・・

 

 

天使の模様が織り込んであるシルクを

クッションになるようにして(キルト芯を入れて)

ふかふかにしてあります。

帰宅後に外したアクセサリーを乗せたり

お店の展示にも使って頂けたら・・・と思っています。

 

 

このふたつの額縁を作っていた頃

なんだか無駄に色々と悩んで考えていたような記憶が蘇っています。

この頃に比べれば今は自分との付き合いが

ずいぶんと楽になりました。ハハハ。

 

オンラインショップでどうぞご覧くださいませ。

KANESEIショップ

 

 

ところ変わればお好みも変わる 3月07日

 

さて、今回のイタリア・フィレンツェ滞在の

目的1はマッシモのお墓参りでしたが、

もうひとつの目的は小箱販売継続に向けての諸々でした。

 

昨年2月の滞在時に友人Lに手伝ってもらって

ようやく辿り着いた「KANESEI小箱販売店代理店」の

EREDI PAPERONE へ、納品小箱を担いで行って参りました。

 

フィレンツェ特産工芸品のマーブル紙や革を使った

高級文具店の奥の一角にあるガラスケース、

そこに我が娘たち(小箱)が並んでおりました。

Lが写真に撮って送ってくれていましたが

自分の目で見ると喜びもひとしおでした。

▲お送りしたショップカードも置いてくださっている

 

鍵付きのガラスケースでライトアップされていて

安心安全にキラキラ輝いています。

なんだか授業参観に来た母の気分と言いましょうか。

 

今回は新しく10個の小箱をお預けしました。

20個持って行ったうち、売れ筋10個を

お店の奥様スザンナさんに選んでいただきました。

 

実は箔を使ったものが売れているような気がしていて

今回半分は箔小箱を持って行ったのですが

意外にもスザンナさんが選んだのは色小箱、

それも明るめの色の小箱でした。

そういえばショーウィンドウに残っているのは箔小箱が多い、

そしてホワイトゴールド、錫箔はず~~っと前から残っている。

日本ではというと箔の小箱がメインですし

色小箱もシックな色が人気だったりして。

ところ変わればお好みも変わる。

 

そうかそうか、ふむふむ。

このお店で買って下さるお客様の傾向が半年経って

少しずつ見えてきました。

 

▲素敵なウィンドウを見て、通りがかりで立ち寄って下さる方も。

2月なのに気温20度近くあった日、半そで姿とダウンが共存・・・

 

今までメールでのやり取りばかりでしたが

今回スザンナさんと3日に一度は顔を合わせて

送金についてや税金について手続き諸々やら

打ち合わせをすることが出来ました。やはり手っ取り早い。

そして実際のお店やお客様の様子を見ることが出来て

本当に良かったと思っています。

 

スザンナさんとお互いに人となりも分かって来た安心感も大きい。

(笑顔が素敵でとても優しくて機嫌の良し悪しを表に出さない、

手間も惜しまないキッチリしたスザンナさんでした。

語弊があるけれどイタリア人とは思えない・・・

日本人同士のような感覚で接することが出来ました。)

これからまだまだ長いお付き合いが出来るよう期待しつつ

あわよくば将来的に小さい額縁(写真やハガキサイズ)も

置いてもらえたら良いな、ウヒヒ・・・

などと小さな野望も抱いております。

 

今はとにもかくにも、良い小箱を作ってお届けしたいと思います。

EREDI PAPERONE Bottega d’Arte

Via del Proconsoli,26r Firenze

10::00~13:00/14:00~19:00

 

 

ありがとうはどこからでも 3月04日

 

フィレンツェ滞在から帰国いたしました。

1か月弱の期間、とてもとても充実した盛沢山の時間を過ごしました。

 

出発前のブログ(1月22日)で、わたしの額縁師匠マッシモが

昨年12月に亡くなったとお話しました。

今回の滞在でマッシモの墓前にご挨拶することを

大きな目標にしていたのでしたが、

結局叶えることは出来ませんでした。

 

 

マッシモの妻でわたしのもう一人の師匠である

パオラは現在体調を崩していて、

週に1~2度ほんの少し体調の良い午前中だけ動ける様子です。

すでに工房はほとんど使われておらず

見本として壁に掛けていた沢山の額縁も

「もう作れないから必要ない」とどんどん販売している状態。

そんなパオラに「マッシモのお墓に連れて行ってほしい」とは言えず

墓地の場所もフィレンツェ郊外でバスで行けるものの

「ものすごく広い墓地だから、あなた一人で行っても

お墓の場所が分からないでしょ・・・」と諭されてしまったのでした。

つまり「そんなに必死になって行く必要はないでしょ、

もう亡くなってしまったのだから」と言うことなのかな、と思いました。

 

日本のお墓参りの感覚とイタリアのそれと

大きな違いはないように感じます。そして

「お墓に大切な人の存在を感じるか感じないか」が

人それぞれなのも同じ。

最近のイタリアでは火葬が多く、

散骨(散灰)も増えているのだとか。

 

 

フィレンツェには驚くほど沢山の教会があって

そのどれもに、大切になさっている方々の存在を感じます。

お花、蝋燭の灯、清められた床などなど・・・。

マッシモに「ありがとう」も「さようなら」も言えなかったけれど

手入れの行き届いた教会に立ち寄るたびに

なんとなくマッシモを思っていたので、

きっと伝わっていたであろう

伝わっていてほしいと思っています。