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アレッサンドロ・アレッサンドリの息子 11月30日

 

今年はもしかしたら無いかもしれない

と思っていた「小さい絵展」ですが

無事に開催されるとのこと、ほっとしています。

毎年暮れの恒例行事ですから。

 

こうした「決まりごと」があるほうが

日々に目標や区切りがあって健康に過ごせるようです。

 

外出自粛期間中にのんびりと描いた模写

フィリッポ・リッピの「アレッサンドリ祭壇画

部分模写の額縁を作りました。

シンプルだけど、穏やかな表情に合っているかな

と思っています。

 

▲この青年はアレッサンドリ君。

彼の父親(アレッサンドロ・アレッサンドリ氏)が

この祭壇画の注文主で、自分と二人の息子を

祭壇画の中に登場させているのだそうです。

1440年頃の制作・・・600年近く前の作品。

 

展覧会については、改めてご案内させてください。

 

 

気分転換に 11月26日

 

制作中の額縁の金箔作業に疲れて

気分転換に金箔作業をする、という

よく分からないことをしています。

結局のところ、わたしは金箔作業が

好きである。

ということに尽きるのですけれども。

ハハハ。

これから磨り出し、古色付けです。

かわいい小箱になりますぞ。

 

 

Firenze 2020-10 11月23日

 

ローマへの日帰りの旅のつづき。

 

ローマは地下鉄があり、バスもたくさんありますが

なにせよく知らない街ですのでタクシーが一番です。

ギャラリーの住所を言えば真ん前まで行ってくれます。

 

さてさて、午前11時にギャラリーへ着きました。

ですが・・・閉まっている!

カントさんには時間をお知らせしておらず失敗しました。

てっきりお店のように開いているものと

思い込んでおりました。困ったぞ。

カントさんへはインスタづラムのチャットから

連絡したところ、あと5分で戻りますとのこと。

ひとまずほっとして、美しい内部を覗き込みます。

▲鼻息荒く窓から覗き込む。でも暗い・・・。

 

そうこうするうちに無事にカントさんが登場して

ギャラリーを見学させていただきます。

もちろん購入なんて出来ないことは分かっていましたので

せめてお時間頂戴するお詫びとして日本から

手土産を持って行ったのですが、正解でした。

想像以上に桁が違う。

なにせ、展示されている額縁のレベルが超一級品ばかり。

なんと言ったらよいのでしょうか、尋常ではないのです。

 

上写真の祭壇型額縁は1500年代にフィレンツェで作られたもの。

来歴もほぼ分かっている由緒正しい額縁です。

そして既にご売約済みでした。

誰もが知る大きな美術館の、おののくような有名絵画が

納まる予定だとか。(はっきりお伝えできずすみません。)

 

わたしの大好きな、ちいさな祭壇型額縁もたくさん。

1500年代から1700年代末、ルネッサンスからバロックの

さまざまな装飾が施された額縁が美しく並んでいるのです。

本や美術館でしか見ないような額縁がずらり。

ここはどこ、天国ですか。

 

以下、素晴らしいとしか言いようのない額縁をご覧ください・・・。

わたしがあまりに興奮して青くなったり赤くなったりしつつ

必死で見ていると、カントさんは「触っていいよ~」などと

気軽に言いつつ説明してくださるのでした。

どこそこ所蔵のレオナルド・ダ・ヴィンチを入れた

額縁は僕のところのだよ~とか、そんなお話も。

レオナルドの額縁・・・そうですか。ああ仰け反りそう。

 

近くから遠くから眺め、裏側も見て彫り跡も見て

触って撫でて、こっそり匂いも嗅いだりして!

そして貴重な本も見せていただいたり、

どうしよう、もう嬉しすぎて倒れそう。

鼻血が出なかっただけ良かったのかもしれません!

 

わたしの額縁の世界なんてほんのほんのわずか。

世界のレベルに触れて、あまりの広さと重さに

押しつぶされそう、飛ばされてしまいそうです。

だけどとても深い感動を得ました。

 

La Cornice Antica di Fabrizio Canto

 

もしそれが薔薇なら、咲くだろう 11月19日

 

すでに2020年も終わりが見えてきて

いったい今年は何だったんだろう・・・と

呆然とするような、でも振り返ると実に

色々とあった一年でありました。

まだ何か大きなことが起こるかもしれないけれど

2020年はすでに終わった気でおりまして、

早くも次の2021年に希望を抱いています。

 

コロナ禍で計画も予定も、希望と夢も

ブツリと切られてしまって

初夏にはちょっと取り乱したりしたことを

思い出しています。

そして秋が深まってきて、ようやく

心身が落ち着いてきた感覚です。

 

イタリアのことわざに

“Se son rose,fioriranno” という言葉があるのを知りました。

直訳すれば「それが薔薇なら咲くだろう」と。

「なるようになる」とでも言いましょうか。

「成ると決まっていることは、何をしようとも成る。」

 

いや、なにかもっと前向きな美しい表現があるはず。

諦めたとかではなくて、なんと言うのだろう

「人事を尽くして天命を待つ」かな?

でもこんなに大げさな感じではなくて。

 

▲初夏に咲いた我が家の薔薇。見事でした。

 

わたしのイメージで、ありきたりですが

「柔らかく前向きな気持ちで、

日々できることをする努力を続ければ

やがて希望が叶う日も来るでしょう」

・・・とでも思っておきます。

 

Se son rose,fioriranno

希望を薔薇に表現するところが

イタリア人ってとてもすてきだな、と思っています。

 

 

秘密の左手は 11月16日

 

先日ご覧いただいた秘密の左手

金箔をメノウで磨き、古色を付けて完成しました。

完成後にわたしが「かわいい!」と叫んだら

家族は「こわい!」と叫んでいました。

そうかなぁ、こわいかなぁ。

まぁ、手だけですからね、こわいかもしれません。

だけどイメージしていた「イタリアの古い聖像から

取れてしまった左手は、秘密に大切にされていた」

という物語は、そんなに悪くないと思うのです。

▲仏像風からも脱却した・・・と思うのですが。

 

なんだかとっても気に入った左手です。

 

グスターヴォさんに写真をおおくりしたところ

「次は右手を作ってあげましょう・・・」とのこと。

わーい、うれしい!

右手もいいけれど、右足もいいなぁ!

きっと右足もかわいいだろうなぁ、などと

図々しいことを想像しております。

 

 

何とかなる。たぶん。 11月12日

 

大きな祭壇型額縁は、着々と進んではいるのですが

なにせ大きいものですからスピードがゆっくりで

気持ちは焦ります。

 

予想外の事で計画通りに作業を進められなくなって

急きょ違う部分から、可能な方法で作業継続です。

中断にならなくてよかった、と思っています。

その時になってみると、案外と慌てないものですね。

まぁ何とかなるし、こっちがダメならあっちから。

経験って大切ですね。

それなりの経験が積まれていれば計画変更も可能。

 

年々図太くなってきている気がします。

それも悪いことばかりではないかも。

 

 

Firenze 2020-9 11月09日

 

今回の滞在の主な目的3つのうちのひとつ

ローマにあるアンティークフレームギャラリー

「La Cornice Antica を訪ねる」を決行する日が来ました。

まずは電車(イタリアの新幹線のような特急)を予約します。

昔は前日までに駅で時刻表を見て、窓口に並んで

不愛想なオバチャマから切符を買うという試練(?)がありましたが

いまはネット予約、クレジット払いですから

自宅でパジャマ姿であっという間に済ませるのです。

Omio というサイトで前日に予約・購入しました。

人気の時間帯は高く、午後の早い時間などは安い。

そして直前のキャンセルチケットなどに出会うと

おどろきの安さで買えるようです。

わたしは往復とも便利で人気の時間だったからか

片道40~50ユーロくらい、往復で13000円ほどの記憶です。

 

さて、朝9時前発の電車ですので、8時半には駅に到着。

ギャラリーオーナーのファブリツィオ・カントさんには

今日うかがう旨をチャットでお伝えしましたので大丈夫なはず。

▲電光掲示板でまめにチェックします。

出発ホームが急に変更になって慌てることもあります。

左右にあるのは切符自販機です。

 

▲Biglietteria 切符売り窓口はガラガラ。

長蛇の列だったのは昔のことのようです。

 

スマホの画面で予約ページを表示して、改札を抜けます。

昔はこんな改札はなくて、直接乗り込んだものですが

これまた時代は変わったのですね。

さて、無事に座席に納まりました。

この電車はミラノ発でしたので既にたくさんの乗客で

ほぼ満席でした。

新幹線同様1等(グリーン)と2等(普通席)が

ありまして、わたしは2等席通路側です。

▲窓からはのどかな田園風景。良い天気です。

 

2時間弱でローマ中央のテルミニ駅に到着。

眠って乗り過ごすのも恐ろしいのですが、

そもそも眠りこけている人はまずいません。

盗難が怖いから、というのもありそうですが

電話で話している人、同行者とおしゃべりしている人で

結構にぎやかですし、PCやスマホを見ている人がほとんど。

わたしはと言いますと、やはりタブレットを見たり

ぼぉっとしたりお手洗いに行ったりしているうちに

あっという間に着いちゃった、という感じでした。

 

テルミニ駅到着後、外に出たら・・・

真っ青な雲一つない空。

広い!

建物が大きい!

笠松がたくさん!

フィレンツェと比べてどぉ~~んと広くて明るい。

日本はどこの都市へ行っても駅前はほぼ同じ雰囲気ですが

イタリアは地方それぞれ建物も道路も匂いも変わります。

フィレンツェとの違い、都会の雰囲気に驚きつつ

タクシーに乗り込みいざいざ。

カントさんのギャラリーへ向かいます。

 

つづきます。

 

 

cassetta-1 完成 11月05日

 

留め切れを作ってグラッフィート装飾をした

cassetta 箱型額縁が完成しました。

 

この額縁は、ローマにあるアンティーク額縁専門店

「La Cornice Antica」のファブリツィオ・カント氏著

「CorniciXV-XVIIIsecolo」に掲載されていて、

はじめてこの本を見たときから魅了されていたのです。

▲左が本に掲載されている額縁写真。

16世紀半ばにフィレンツェで作られた額縁です。

オリジナルとおなじ材料、同じ技法で再現しました。

(おそらく木地の材だけは違うと思われます。)

仕上げの古色加工に迷いがあって

オリジナルの額縁より古色度は低くなってしまいました。

グラッフィート装飾(平らな部分の黒と金の模様)に

傷を付けたくないし、あまり汚すのもどうかなぁ・・・

などとつい加工に消極的になったのですが

まぁ、しばらく眺めて足りなければ追加工

ということにいたします。

▲右上の留め切れはこんな感じに仕上がりました。

 

久しぶりに彫刻から離れて、小さな世界で

凝った装飾を詰め込んだ額縁を作ることができて

心身共に充実しました。

 

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

Firenze 2020-8 11月02日

 

なんだかお食事の話ばかり続けましたが

もちろんグスターヴォ師匠との修行も続きます。

▲手前の机をお借りしていたのに、とうとう

師匠の机の端っこに割り込み。おまけに商売道具の

彫刻刀もお借りする図々しいわたしです・・・。

 

そして、わたしの彫刻刀の切れ味の悪さに驚く師匠・・・。

首を振り振り手早く研いでくださるのでした。

▲緑の小さな機械が電動研磨機

▲まずは粗目の石で形を整えて

▲バッファをかけて仕上げ。ものの数十秒。

あっという間に切れ味がよみがえる!

 

わたしが普段、人口砥石でガサゴソ研ぐと話すと

さもありなん、と最後にはあきれ顔になってしまう!

すみません・・・お恥ずかしい。

(手で研ぐのが悪いのでは決してなくて、つまり

わたしがヘタクソということでございます。)

 

じつは自宅にも同じような電動研磨機があるのです。

家族のものなので、使い方も教えてもらえるのです。

だけど、なんだか避けて今に至っており

(何にせよ電動工具は速くて音が大きくて苦手です、

いや、苦手とか言っている場合ではないのですけれど。)

やはり根性を据えて電動研磨機使用を習得せねば!

と思ったのでありました。

・・・おいおいに。ハハハ・・・。

 

 

秘密の左手 10月29日

 

2020年2月に木彫修行でお世話になった

わたしの師匠グスターヴォさんから、帰国時に

いろいろとお土産をいただいたのですが

その中に、木彫りの小さな手がありました。

 

グスターヴォさんが以前、彫像の手を修復するときに

作ったのだけど、形が違うからと作り直しになって

そのボツの手をもらっちゃったのでした。

ボツと言ったって、爪の形まで彫ってあるような

とても美しい左手なのです。

▲35mmくらいの小さな木彫りの左手

 

ピアノの上のお気に入りコーナーに飾って

しばらく楽しんでいたのですが、思い立って

金箔を貼ってアンティーク風にしてみることに。

▲ボローニャ石膏を塗って磨いて、赤色ボーロ。

 

▲仕事が終わったあと、夜に箔を貼りました。

 

なんだか仏像の手に見えてきた・・・けれど

いやいや、これから磨いて古色を付けたら大丈夫。

イタリアのどこかの教会にある古い聖像の手が

取れてしまったのだけど、こっそり拾った人がいて

いまも大切にされている、なんて雰囲気になる予定です。

 

 

cassetta-1 つづき 10月26日

 

16世紀のフィレンツェで作られた cassetta 額縁

そのレプリカ制作のつづきです。

 

先日は四隅の点打ちによる装飾を終えたところまで

お話しましたが、今日から中央部分のグラッフィート

つまり絵具の削り出し装飾と言いましょうか、

こちらを開始いたします。

 

マスキングしていた部分、そして金箔の上に

黒の卵黄テンペラを塗ります。

▲またもや黒と金の組み合わせ。

なんだか一気に派手になりました・・・。

 

絵具が乾きましたら、チャコペーパーを使って

下描き模様を転写いたします。

(黒地にはパステルカラーのチャコペーパー転写が

見やすくて便利です。)

そしていよいよ絵具の削り出しです。

▲額縁右にあるGペンを使って

金箔の上の黒テンペラ絵具を削り落とします。

絵具の下から美しい金が見えてきます。

 

いやもうほんと、この楽しさと言ったら!

ひとりでニヤニヤ、眺めてはよろこび、

また作業に戻るの繰り返しなのです。

この削り出し作業は、少々間違えたとしても

また黒テンペラで補彩して削り直せば大丈夫。

やり直しの利く技法なので気持ちも楽ちん!

細かい作業が苦にならない方には

ぜひともお試しいただきたい技法です。

 

 

Firenze 2020-7 10月22日

 

イタリアのバールはカウンターでエスプレッソコーヒーを

さっと飲んで、さっと出る!というのがイメージですが

甘いものもや軽食もとても充実しているのですよね。

一口甘いものが食べたいときにはチョコレートを一粒とか

500円硬貨くらいのちいさなタルトがあったり。

(ミニョンと呼ばれています。なぜかフランス語。)

そしてわたしはイタリアに来たら必ず一度は食べたい。

それはカンノ―ロであります。

 

シチリアの銘菓ですが今や全国区のバールにあります。

揚げた筒状の生地にリコッタクリームをたっぷりと。

そして粉砂糖をふりかけてかぶりつくお菓子です。

ちょっと素敵なお店でサーブしてもらっても

フォークでは無理。最後には手づかみでかじることに・・・。

▲ここはピアッツァ・レップッブリカ(共和国広場)の

角にあるカフェ・ジッリ(Caffè Gilli

 

またある時は紅茶専門店へ。

イタリアと言えばコーヒーの国ですが、今は

フィレンツェ発の紅茶専門店 La Via del Te があります。

茶葉の入ったポットで入れてくれるたっぷりの紅茶と

アップルパイでございます。

(Caffè Gilli ではティーバッグ。イタリアでは普通です。)

予想以上に大きな一切れ、これまたたっぷりと

アイスクリームが添えられている!

▲断面に見えているリンゴのボリュームにわくわくする。

甘さも控えめで大きな一切れも平らげてしまいます。

 

あたたかいパイに乗せたクリームがすこし溶けたころに

パクっと一口。ううむ、こりゃ堪らんのです。

 

ただ、カンノーロも巨大アップルパイ(アイス添え)も

どちらもカロリーは知らないが吉、といったところ。

たま~に食べるので丁度良さそうです。

 

カウンターの立ち飲みなら1.5ユーロ程度で

エスプレッソコーヒーが飲めるけれど、

着席するととたんに値段が上がるのがイタリア。

でもたまには良いでしょう。

ゆったり座って甘いものと美味しい紅茶でおしゃべりしたり

考え事をしたりと楽しんだ思い出でした。

 

 

しあわせな悩み 10月19日

 

今までに無く大きな祭壇型額縁制作中です。

このサイズはわたしの小さな作業部屋に対して

そしてわたしの体力に対しても最大と思われます。

 

鼻息荒くわっせわっせと彫ったり削ったりして

はっと気づくとすでに夕方。

床には今までに無く大きな削り屑が散らばっていて、

掃除を始めるとおもむろに、ものすごく腕と肩が

痛くなっていることに気づく!

 

 

いやもう、作業中は楽しくて仕方がないのだけど

夕飯時にはお箸を持つので精一杯というのが

目下の悩みであります・・・。

 

 

cassetta-1 10月15日

 

最近はどうも彫刻した額縁ばかり気になって

摸刻もはかどっていたのですけれど

気分を変えて平面的な装飾をしようと思い立ちました。

 

16世紀半ばのイタリア・フィレンツェで作られた

美しい額縁のレプリカです。

「a cssetta」というスタイル。カッセッタとは

イタリア語で箱を指しまして、つまり箱型の額縁です。

 


木地を組んで下ニカワを塗って、ボローニャ石膏。

ここまでは先日の「留め切れを作る」で

ご紹介した木地なのですが、この木地に

装飾模様の下描き線刻を入れてからボーロです。

これもいつも通りの作業。

金箔を貼り磨き、いよいよ装飾の開始です。

 

この額縁、形はシンプルなのですけれど

小さい世界に装飾がぎゅっと詰まっています。

四隅には点打ち、中央にはグラッフィートと

さらに点打ちの両方が入るという凝りようです。

いやもう、楽しくて楽しくて!

▲オリジナル額縁の装飾拡大写真。ぎっちりです。

 

まずは四隅の点打ち作業から開始します。

相変わらず「目が、目がぁ~・・・」と

眩しさに耐えつつ、ひたすらに何千何万

(大袈裟ですかな)と点を打つ2日間

ようやく四隅の装飾を終えたのでした。

 

在宅ワークと「ご機嫌は自分で作るもの」 10月12日

 

わたしはもうずっと前からなのですが

基本的にひとりで在宅ワークです。

自宅にある作業部屋でガサゴソと

作業をしていると、考え事がはかどります。

はかどると言うより考えすぎると言いましょうか。

 

手を動かしていると、頭の半分は実際の作業について

残る半分はまったく関係のないことを考えています。

2015年にも似たようなことを書いていますので

もうわたしのクセというか性格なのですね。

前向きなこと、計画とか準備とかを考えるなら良いけれど

わたしの場合は「それをいま考えても仕方がない」

というような事が多いのが問題なのです・・・。

わたしの考え事は「考える」というか「想像する」ばかりで

悪い方へぐるぐる螺旋を降りていってドツボにはまるパターン。

何もない(だろう)ところに自分で問題を作って

勝手に落ち込んで閉じこもるのは、もう何なのでしょうね。

ひとりでいる時間が長すぎるのか、ひまなのか。

 

自分が考える(想像する)ことさえままならないのに

ましてや相手のあることなど、どうしようもありません。

他人が心の奥底で考えていることなど知る由もなし。

だけどそれを鬱々と想像してしまうのです。

▲削り屑がイタリアのパスタ「オレッキエッテ」に

似ているな、お腹空いたな、なんてことも考える。

 

朝のラジオでパーソナリティーの別所哲也さんが

「ご機嫌は自分で作るもの」と言っておられました。

まさにまさに。

いやはや、わたしのスローガンですな。

別所さん、ありがとうございます。

 

 

額縁の作り方 30 留め切れをつくる 10月08日

 

先日から作りはじめた額縁は、以前にも

ご紹介した額縁本「CorniciXV-XVIIIsecolo」にある

16世紀に作られた古い額縁の摸刻、レプリカです。

 

古い額縁には必ずひび割れ、とくに四隅の角の

接合部分(留め)に亀裂が入っているのです。

これを「留め切れ」と呼びます。

「留め切れ」はモダンデザインの新しい額縁には

とても困るひび割れで、和紙や麻布を貼り込んで

ひび割れができないように努力します。

ですが、今回の16世紀の額縁摸刻だったり

古色を付けるようなアンティーク風の額縁に

留め切れがないとなんだかかえって不自然と言いますか。

かといって刃物等で作れるものではありません。

 

意図的に留め切れを作る方法をご紹介します。

つまりは「こうしなければ留め切れは出来づらい」

との解説にもなりますので、ご覧いただければと思います。

 

さて、いつものように木地にウサギの下ニカワを塗ります。

そしてこれもいつものように作ったボローニャ石膏液

(10:1のニカワ液にボローニャ石膏を振り入れて、湯煎で温めたもの)

に10%程度の水を足します。もう少し多いかも・・・?

とにかくかなりシャバシャバの石膏液にしてたものを

木地にタプタプと塗ります。あまり薄く塗らない方が良いようです。

▲これは1層目

▲石膏液の濃度が薄いので木のエッジが目立っています。

 

この石膏液を4層ぬり重ね、翌日に乾いたとき

留め切れができています。しめしめ、でございます。

▲こんな風に石膏がひび割れます。

 

この後は普段通りに紙やすりで磨き、ボーロを塗り

金箔を貼りますけれど、作業を重ねる(水分を与える)と

さらに留め切れは広がります。

 

最後の作業、古色付け時のワックスや偽ホコリの

パウダーを留め切れに擦りこみますと・・・

自然な「ぼろぼろ感」が出るのです。

 

石膏液の濃度は本当に重要です。

季節や気温で細かく変える・・・という程

神経質になる必要はありませんけれども、

ニカワ液、石膏液を煮詰めないこと、

塗りやすいからと言って安易に水を足さないこと。

ニカワ、石膏、水の濃度、温度、そして木地の乾燥度。

これらすべてを許容範囲内に納めれば

石膏塗りは上手く行くはず、なのです。

 

今回ご紹介しました留め切れの作り方も

わたしの数々の失敗経験から、ついうっかりと

「出来るようになってしまった」ようなものなのです!

 

 

青い光が降ってくる 10月05日

 

2020年の中秋の名月、その翌日の満月。

ご覧になりましたでしょうか。

当日より雲が多くてよりドラマチックでした。

 

寝る前に撮った写真には、青い光が写っていて

まるで月からこちらに向かって飛んでいるような?

 

「青い光が月からのしあわせの贈り物になって

わたしに降ってくる」そんな風に感じたのでした。

 

レンズの反射とか、そんなことだとは思うけれど

楽しい想像を膨らませるのも、まぁ良いではないか・・・と

穏やかな気持ちになって眠りました。

 

 

自覚した欲求 10月01日

 

本棚の整理をしていたら気づきました。

この春、コロナ禍以降に買ったいくつかの本のうち

4冊が旅に関するものでした。

イタリア全国、ローマ、フィレンツェ、そしてパリ。

おまけにすべて「美味しいもの」について!

(もちろん内容はそれだけではないのですけれど)

自分が無意識に何を考えていたか分かってしまった。

外国で美味しいものが食べたい。そうなのだ。

 

もともと年に1度イタリアへ行ければ御の字でしたが

行けないとなるとますます行きたくなるのです。

今年2月に滞在したフィレンツェでの思い出や

おすすめのお店など書き連ねておりますけれど

次はいったいいつ行けるのやら、悶々としております。

いやはや、我ながら欲は尽きないもの。

わたしはこの半年で「待つ」を学んでいるようです。

今さらながら、ですけれどね・・・。

 

 

Firenze 2020-6 9月28日

 

ひきつづき外食ご紹介編です。

なにせ気ままなひとり旅(ひとり滞在?)ですので

気が向いたらぽいっと行って好きなものを食べる。

とても気楽で楽しいけれど、たまに寂しい・・・

でもまぁそれも醍醐味でございます。

 

週末はグスターヴォさんの彫刻授業も

パオラの工房手伝いもありませんので、思い立って

「捨て子養育院」美術館のカフェへ。

Caffè del Verone 

ここは様々なガイドブックやネット記事で紹介されていて

ご存じの方もたくさんいらっしゃるでしょう。

美術館付属ですけれど、カフェだけ行きたい!

という場合もOKなのがまた素敵なところ。

▲ドゥオーモを北側から眺める。

 

捨て子養育院だった建物の洗濯物干し場、つまり

屋上テラスが数年前にカフェに改装されたそうで

なにせもう眺めが素晴らしいのです。

日当たりも良くて空いていて、のんびりした雰囲気。

この日はランチ目掛けていきましたので

カジキマグロのカルパッチョとクラフトビール。

紙袋には数種類のパンが入っていて、

トスカーナの塩なしパンとカルパッチョの塩味が

絶妙なのでした。

▲お昼からビール・・・良いのです、休日ですから。

イタリアでもクラフトビールは盛んで、白ビールが美味しかった!

 

ガラスに覆われた室内は2月でもサンルームのように

ポカポカして、目の前にはドゥオーモの絶景があって

ひたすらぼぉぉぉ~~~っとしてしまう。

あまりに気に入ったので後日友人とまたランチです。

この日はランチタイムを過ぎていたけれど

快くランチ対応をしてくれてさらにファンになってしまう!

(空いていたからという理由もありそうですが。)

▲この日はツナサラダ。パンと席料込み16ユーロだったでしょうか。

日本なら二人分はありそうなサイズにびっくりです。

安くはないけれど、このボリュームとロケーションなら

まったくもって悪くないと思います。

 

観光客があふれるフィレンツェで、ゆっくりできて

気持ちの良い場所ってあまり見つかりませんけれど

ここはとても良い場所、おすすめです。

あまり知られて混まないでほしいなぁ・・・などと

思ってしまいつつのご紹介でした。

 

 

サンソヴィーノの双子 ひとつ完成 9月24日

 

ふたつ同時に作りはじめたサンソヴィーノ額縁は

練習台になっていたものが一足早く完成しました。

目に刺さるような派手さだった「出来たてほやほや」に

磨り出しをしてワックスとパウダーで汚して

アンティーク風に仕上げて・・・ようやく落ち着きました。

▲吊り金具は現代の手作り。釘は古いもの。

どちらもイタリア製。

 

下の写真、ひだりページの額縁を

参考に今回の額縁を作りました。

オリジナルは全面金ですけれども。

このオリジナル額縁のデータとして本には

「サイズは225×240mm、おそらく1560~1580年頃に

作られたかなり小さくシンプルなサンソヴィーノ。

大きな額縁をサイズダウンしたのではなく、

元々この小さなサイズで作られた。」とのこと。

ちなみにわたしが作った額縁は

外側寸法が242×225mmです。

この額縁にはどんな作品が納められていたのでしょう。

プライベートコレクションですので

知る由もないのが残念です。

前回につくったサンソヴィーノ額縁・・・いえ、

「サンソヴィーノ額縁」は厚みが足りなくて

悔しい思いをしましたが、今回はまぁなんとか

自分で合格点を与えたいと思っております。

楽しくて学びの多い製作でした。

「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。

 

 

ワシントン・ナショナル・ギャラリー参百景 9月21日

 

いつもの行きつけの大きな書店の美術コーナーで

じぃいいっとわたしを見つめた美女は

ワシントンにあるナショナルギャラリー所蔵の

レオナルド・ダ・ヴィンチ作

「ジネヴラ・ド・ベンチの肖像」であります。

著者は存じ上げない方だな、と思って開いてみたら

▲ぼんやりとご紹介。ゴッホの女性像に17世紀中部イタリア

(と思う)のサルヴァトーレローザ額縁が。

 

美術館に展示してある状態の作品写真がたくさん!

 

著者の松岡將氏は在ワシントン日本大使館に勤務された方で

美術史研究家等ではいらっしゃらないのでした。

掲載されている写真もすべて松岡氏の撮影によるもの。

なので、内容も写真も、まるで松岡さんのお宅に伺って

懐かしい写真を見せていただきながらお話を聞いているような

親密な懐かしさを感じられるのです。

(写真も一部はピンボケだったり切れていたりするけれど

プロの撮影でなければこうだろうな、といった感じ)

▲セザンヌの作品が16世紀ボローニャ(と思う)の

額縁に入れられている。素敵。

 

15世紀のイタリア絵画からはじまって、もちろん

祭壇型額縁やトンド(円形額縁)も見られますし

18世紀、19世紀絵画に16~17世紀イタリアの

ゴージャスな額縁がつけられていると

なるほどな、そうなのね、と納得してしまう。

 

かねがね美術館のカタログでも展覧会カタログでも

額縁が載っていないのを残念に思っていたのです。

こうして作品と額縁一体になった姿を見られる、

それも遠いワシントンの国立美術館所蔵の宝物の姿を

見ることができるなんて、もう嬉しい限りなのです!

 

額縁の有無、デザインで絵の印象は大きく変わります。

この本の作品写真を眺めながら

「この絵をあの額縁に入れたらどうだろう?」

「この絵と額縁の組み合わせを思いつかないな~」

などと想像を膨らませるのもひとつの楽しみ方です。

 

「ワシントン・ナショナル・ギャラリー参百景」

松岡 將

株式会社 同時代社

2020年7月7日初版第1刷発行

 

 

サンソヴィーノの双子 強烈・・・ 9月17日

 

金箔を磨き終え、いよいよ箔塗りつぶしで

黒彩色をいたします。ううむ。

 

フィレンツェの師匠パオラは水彩絵の具を使いますが

わたしはアクリルグアッシュのジェットブラックと

カーボンブラックを混ぜたもので彩色します。

金の上は水溶性塗料ははじかれてしまいますので

これまたいつものように Fiele di bue 雄牛の胆汁液

少量絵具に足します。

▲7mmの平筆と0号の細密用の筆を使って彩色します。

 

でも、あれなんだか、えーっと・・・

わたし、こんなに強烈な額縁を作るつもりは

あまりなかったのだけど。

と思うような額縁になりつつあります。

▲金と茶色や黒の組み合わせのサンソヴィーノは

存在するのです。左の額縁を参考にしたのですが。

 

男性的な(わたしのイメージですが)彫刻に

コントラストの強い金と黒となれば

否応なく強い印象になるのは分かっていたけれど

それにしてもこれは強烈。

このサンソヴィーノ額縁が流行したのは16世紀ですが

当時はこんな完成したばかりの真新しいサンソヴィーノ額縁に

肖像画を入れたりしていたのです。

この額縁が引き立て役に回るくらいの肖像画・・・

さまざまな想像が膨らんでしまいます。

▲金も黒も生々しくて目に刺さる派手さ。

 

さて、今回の実験「金塗りつぶし作戦」は

今のところ問題なさそうです。

当然と言えば当然か。

塗りつぶす場合ときっちり分ける場合とでは

ラインのイメージがほんの少し違うけれど、

それを改めて理解できたように思います。

 

あとは古色付けで完成です。

この強烈コントラストでは終えられません・・・。

 

 

Firenze 2020-5 9月14日

 

夕方になるとほぼ毎日通っていたパオラの工房では

もっぱらわたしは力仕事担当でして、石膏磨きや

画材店Zecchi へのお使いで走ったり。

そして模様入れ担当だったマッシモが不在な今、

及ばずながらわたしにバトンが回ってきました。

▲左の額縁が見本。右の額縁に同じ模様を描きます。

 

▲描きました。まだ金も色も生々しい。

 

▲そして翌日行くと古色が施されていた。

 

▲ピンボケすみません。まだ金が黄色い。

これからさらに古色を追加します。

 

そして閉店間近になると、愛犬と散歩中のグスターヴォさんが

あいさつに立ち寄ってくれるのです。

じつはパオラの工房とグスターヴォさん宅は目と鼻の先。

元保護犬のラーラがかわいくてかわいくて仕方がない様子です。

▲とても賢くおとなしいラーラ、眼差しがいじらしい。

 

パオラが「この子(わたしの事。ほぼ母心のパオラ)の様子はどう?

毎日あなたの工房に通っているんでしょう?」と

グスターヴォさんにたずねると

「うん、がんばっているよ。

だけどね、とにかく仕事が遅いよ。遅い!」

と言われてしまったー!反省です。

留学当時にもマッシモに「仕事が遅い」、パオラには

「時間はお金だからね、早くしないとだめよ」と

言われていたのです。いやはや、成長がない。

 

でも、その後にグスターヴォさんとパオラが

「仕事が丁寧で細かいのがきみの良いところだから!」

「丁寧さを生かす仕事の仕方をすれば良いのよ」と

言ってくださったのでした。

ふたりのお師匠様に慰められてしまって

反省しきりな夜でございました・・・。

 

 

サンソヴィーノの双子 自称ジォットの弟子として 9月10日

 

いよいよ箔作業をいたします。

この額縁、オリジナルは全面金箔が貼られていますが

今回はアレンジで金箔と黒色の組み合わせにする計画。

 

どこを金にしてどこを黒にするか検討・決定しまして

ひたすらに箔を貼ります。

ちいさな額縁ですので、使った金箔は4枚+αでした。

▲こちら参考にした額縁は全面金箔。

 

そしていつものように夜なべをしてメノウ磨きです。

必要部分だけ磨いたあと、コットンで強めに拭くと

ボーロに残った余分な箔が取り除けます。

▲とはいえ黒にする予定部分にも箔が残っています。

 

今回の悩み、といいますか以前からの悩み。

金と色の組み合わせのデザインの場合、余分な金をどうするか。

色で金を塗りつぶすか、きちんと取り除いてから色を塗るべきか。

それが問題なのでございます・・・。

以前はボーロを箔部分にだけ塗り、余分な金は取り除き

2手間多く作業をしておりましたけれど、今回は思い切って

もう全面にボーロを塗っちゃって、余分な金は塗りつぶしちゃう!

 

なぜかと言うと。

2018年フィレンツェに行った際に訪れたホーン美術館

ジォットの作品を見たからなのであります。

▲ホーン美術館所蔵ジォット作「聖ステパノ」

 

色々な角度から見ていたら、頭の一部分は箔の上に

描かれているのが分かったのがわたしの大発見でした。

いちいち箔を取り除かず、気にしないで描いてしまう。

そうか、まぁそりゃそうかもね・・・と納得したのでした。

(マスキングテープも紙やすりも売っていない時代)

 

この発見といいますか、ジォットから学びまして

自称ジォットの弟子のわたしとしては箔塗りつぶしに

トライすることを決めました。

 

次回は「ジォット秘儀(?)塗りつぶし大作戦」決行です。

 

 

Firenze 2020-4 9月07日

 

前回は自宅のしがない食事風景ばかりを

お目にかけまして恐縮でございましたが

今回から外食編をご覧ください・・・。

 

パオラの工房をちょっとお休みしまして

留学時代の友人Gとアルノ川沿いにあるエノテカへ。

Signorvino Firenze

▲夕方のテラスからの眺め。ポンテ・ヴェッキオのすぐ横なのです。

 

生まれも育ちもフィレンツェの、フィレンツェ人らしいG、

彼はソムリエでありワイン卸売をしていますので

任せておけばおいしいワインに会えるのは間違いなし。

今回はGが双子のパパになったささやかなお祝いとして

ご馳走することにしました。

外食と言いますか、アペリティーヴォ(食前の集い?)です。

▲すっかり落ち着いたお父さんの顔になっていたG

子供がかわいくて仕方がなくて、話すだけで笑顔になる!

 

選んでくれたのはロゼワイン(双子は女の子だから!)

だけど、琥珀色のスッキリとしたおいしいワインでした。

 

このお店の良いところは、とにかく眺めが素晴らしいこと。

便利な場所で観光客が多いけれど、お店の方はフレンドリーで

とても親切ですし、モダンなインテリアで落ち着きます。

▲来たときの青空から徐々に黄昏に変わる空を眺めるだけでしあわせ。

ポンテ・ヴェッキオのお店に明かりが灯るとなんだか切なくなる。

 

2月のテラスは少々寒いけれど、ひざ掛けも貸してくれて

お酒と会話で体もポカポカ、つい長居してしまうのです。

店内ではワイン販売はもちろん、カウンターもあり

ちょっとした休憩にひとりで立ち寄るのも良いかもしれません。

 

 

サンソヴィーノの双子 石膏とボーロ 9月03日

 

サンソヴィーノの双子木地は

ひとつは練習台、もうひとつが本番として

どうにか彫り終わりに到着しました。

▲左が練習台。パテ部分を影に隠して記念撮影・・・

 

まずはパテが痛々しい練習台から石膏作業開始です。

今回使ったのはエポキシパテ木部用で、

彫った材より硬く密度も高いのですが

いままで何度か使った経験によりますと

石膏~箔仕上げの下地に使っても大丈夫なようです。

 

▲真っ白になってパテが隠れて一安心。

 

さて、いつもの辛い石膏磨きはのご報告は割愛しまして

箔の準備、下地のボーロでございます。

今回もまたいろいろと悩みはあります。

まずはどんな色のボーロにするか。

わたしの額縁史先生にご相談したところ

「真っ赤。典型的なヴェネツィアのボーロ色にするように。」

とのことで、普段あまり使わない赤ボーロを

ガサゴソと奥から探し出しました。

わたしが普段使っているシャルボネの赤ボーロより

赤が強いゼッキオリジナルの赤ボーロを使います。

▲ゼッキのボーロにおまじない程度シャルボネボーロを足しました。

あまり意味はないけれど、安心感のためと言いましょうか。

 

いつもより気持ち厚めに塗りました。

見慣れない赤色に塗りあがったサンソヴィーノ。

蛍光灯下で見ると乾いた部分が赤というか

紫がかったピンクに見えます。

▲紫ピンクもこれはこれで可愛らしいような。

 

さて、これで箔の準備ができました。

あとは箔を貼るだけ・・・ではあるのですけれども。

まだ悩みはあるのです。ううむ。

 

 

Firenze 2020-3 8月31日

 

ひとり暮らしの1ヵ月、基本的に毎日自炊です。

なんとなく記録として、食事を写真に撮りました。

その一部をご覧いただこうと思います。

他人の食事内容なんてご興味ない??

まぁそう仰らずに・・・

 

毎日のスケジュールはおおよそ、午前9時から12時まで

グスターヴォさんの工房にて額縁彫刻の修行、

帰宅の途中に美術館や教会に寄り道をする。

そしてアパートに帰ってからお昼ごはん。

お昼過ぎは洗濯したりスーパーマーケットに行くか美術館へ。

夕方5時にパオラの工房へ(午後の開店は4時半だけど

時間ちょうどには開いていないことも多い)。

夜の7時半か8時まで手伝って、帰宅してからお風呂、夕飯。

そんな毎日なのでした。

 

朝ごはんは東京でもフィレンツェでも同じ、

お味噌汁とシリアルとミルクティーです。

違いと言えばフィレンツェではインスタント味噌汁・・・

2月の寒い朝に温かなお味噌汁は欠かせませんのです。

▲前回を踏まえて、赤いランチョンマットと

緑色のお箸を持参いたしました。

 

お昼ごはんはパスタがほとんどでした。

朝出かける前にマカロニを水に漬けて出発。

帰宅したらふやけたマカロニが待っていますので

すかさず着火、すぐにゆだってすぐに食べる!

ついでに野菜もゆでて、大好きなペストジェノヴェーゼで

和えるだけという手抜きランチでございます。

▲芽キャベツが安くて大喜び!

水漬けパスタはイタリア人が聞いたら変な顔をしそうだけど・・・

腹ペコで帰宅するわたしにはとても有効でした。

 

▲たまにイタリア米を炊いて、冷凍サーモンを

塩じゃけにして日本を懐かしむ。

こちらの冷凍サーモンは皮無し。皮がおいしいのに!

 

▲マルタイの棒ラーメンは荷物の必需品。

キャベツとネギだけで十分おいしい。

 

夜はすっかりくたびれて、自分だけのために

料理をする気力は残っておらず・・・さらなる手抜き。

ルッコラや茹で野菜と、アボカドやビーツ、チーズと果物。

イタリアならではのおいしいハムやサラミ!

たま~にお肉かお魚、そして白ワインは何としても!

タブレットで日本のニュース番組を見ながら食べるのでした。

 

▲夜は炭水化物抜き。でもお酒で差し引きゼロ・・・。

 

▲チーズを豚肉で巻いて焼くだけ!のものをスーパーで発見。

とろけるチーズがおいしかった。

 

▲たまにロゼワインにしてみたり。飲まない日はない・・・。

 

▲ニシンのマリネも売っていました。とても塩が効いていた!

 

▲黒いのはビーツ。ゴルゴンゾーラと食べると美味!大好物。

 

▲鳥の手羽は手羽先と手羽元が一緒のまま売っている。

ひとパック10本入り・・・冷凍庫もなく食べきれなかった罪悪感。

 

▲マグロの「タルタル」つまりお刺身もスーパーの隅っこで発見。

マグロでお腹がいっぱいになるしあわせ。

 

と、まぁなんともノンキな食生活を送りました。

振り返るとあまり健康的とは言えませぬ。

途中でちょっと風邪気味になりましたけれど

体調を崩すことなく1ヵ月暮らしました。

 

次回(まだつづく!)は外食編です・・・

 

サンソヴィーノの双子 その後 8月27日

 

先日ご覧いただきましたサンソヴィーノの

双子額縁は、どうにか彫り終わりが近づきました。

とは言え、これはふたつのうちのひとつ。

もうひとつは悲しいかな、練習台の犠牲となって

パテで修正されつつ控えております。

▲だいぶ良い感じ。

 

双子で同時制作と言っても、なぜだか同じにならない。

職人とは同じものを同じように繰り返し作ることが

できなくてはいけないんじゃ・・・と思いつつも

まぁ今回はひとつは練習台、ひとつが本番と考えて

「同じ失敗を繰り返さなければそれでよし」

としようと思っています。

▲下の額縁が「練習台」、パテで補修されているのを

隠しつつの写真撮影・・・

 

さて、練習台のほうはパテを隠して取り繕うために

石膏を塗るほかありませんけれども、

もうひとつはまだ仕上げを決めていません。

どうしたものか。

まだ時間はあるので悩んでみます。楽しい悩み。

 

 

Firenze 2020 -2 8月24日

 

2月初頭からイタリアのフィレンツェへ

彫刻修行に行ってまりました。

もうずいぶん前にお話ししました「弟子入り修行」先

グスターヴォさんの工房です。

 

工房のあるサンタ・レパラータ通りへは

アパートから歩いて15分くらい、

シニョーリア広場を抜けてドゥオーモの前を通り、

サン・ロレンツォ教会の横からさらに北上。

観光名所を眺めつつ早歩きで気持ちが良い通学路です。

日本から持ってきた木地と彫刻刀、そして

お菓子のお土産を担いでいざいざ!

 

初日は朝いちばんで工房にてご挨拶、そして

さっそく翌日から特訓が開始されたのです。

 

▲グスターヴォさんもわたしもまだお互い様子見といった感じ。

そして出だしからびっくりする。

 

何に驚いたかと言えば、まず出だしは三角刀で

アウトラインを取ってしまうということ。

留学時に学校の彫刻の授業で教わったっけ??

いや、これがプロの時短+技術か??

頭はぐるぐる、そして「さぁやってごらん」と言われて

 

・・・ふたりで固まってしまいました。

だって出来ないのですもの! 

大きな三角刀を滑らかなカーブで均一の深さで

彫り進めていくには相当な腕力と握力が必要なのです。

わたし、自慢ではありませんが(いや自慢だけれども)

腕力と握力は女性としてかなりあるのですよ。

なのにまさか出来ないなんて初日から自信喪失。

どうにかカーブを彫れても、最後に止められない、

あまりに力を入れすぎて彫り抜けてしまうのです。

 

前途多難な始まりの日なのであります。

 

continua…

 

飛ぶのじゃ! 8月20日

 

このコロナ禍がはじまって、運動嫌いなわたしの

運動量はますます減る一方

そして身体は重くなる一方。

友人と話すと、みんな散歩をするとかランニングするとか

それぞれ頑張っているのです。

 

わたしもどうにかせねば・・・と思い立って

手に入れたのは縄跳びの縄です。

なにせ続けられるか自分が信用ならないので

高い器具を最初から買うのもナンですし、

あきらめがつく価格の縄跳びでございます。

▲いかに室内でできるか、ひとりでできるかにこだわる。

絨毯の上で縄跳びをする無謀・・・

 

高校生以来の縄跳び、3分飛んで1分休んでを3セット。

縄跳びで疲れた記憶もなく、前飛び後ろ飛び交差飛び

遊んでいた記憶だけだったのにいざ始めてみたら、

ただの前飛びの飛び方も忘れたのか

10回と続かない! 2セットで脚はガクガク

滝のような汗と動悸息切れ・・・

我ながら呆然とします。

そして意外なことに縄を回す二の腕も

パンパンに疲れるのです。

 

ようやく最近はもう少し続けて飛べるように

なりましたけれども、たかが縄跳び、されど縄跳び。

一説によりますとジョギングより負荷があるとか。

もう少しがんばって続けてみようと思います。

ダイエットになって、ふくらはぎと二の腕も

引き締まって、ついでに体力が付けば

などと期待してニヤニヤ飛んでおります・・・。