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金色額縁の修復 1月31日

 

昨年 ずいぶん前にご紹介した額縁の修復ですが

http://www.kanesei.net/2012/06/14.html

こんな風に仕上がりました。

箔模様のつじつま合わせのような修復で

予想通り難しい補彩になりました。

技術は勿論ですが センスも問題ですね・・・。いやはや。

いつもながら「金」の修復は難しい。

箔を使った額縁の修復だからといって

必ずしも箔を使うわけではありません。

むしろ箔を使う場合が稀であって

普段は補彩によって色を合わせることがほとんど。

金属粉を絵具に混ぜたり 以前にもご紹介した

イギリスの「Goldfinger」を使ったり

http://www.kanesei.net/2011/09/29.html

これまた臨機応変に 額縁それぞれに合わせて使い分けます。

理由はと言えば 箔は色艶合わせが難しいこと。

金箔と一言で言っても 国によって時代によって色は様々

また 国産であってもメーカーやカラットで微かな違いがあります。

額縁の表面装飾を修復する場合 一番の目的は

傷を目立たなくし 周囲と馴染ませることですので

微妙な色の調整には やはり補彩に勝る方法は無い

・・・と 今のところ考えています。

 

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Firenze -Librelia bancarelle- 1月28日

 

イタリアの郷愁 2011 フィレンツェ -屋台の古本屋-

 

フィレンツェの中心からすこし東に行ったところに

チョンピ広場があります。

毎月第4日曜日に骨董市が立つのですが

普段にもこうして古本の屋台が数件並んでいることも。

この屋台では美術関係の本が沢山売られていました。

librelia-bancarelle

「1冊1ユーロ」や「買取します」なんて張り紙とともに

なにやらセンテンスがいくつか見えます。

読み取れたひとつには

「文化は素晴らしいと思うなら無知になれ。」

また他には

「本は日々失われてゆく。タイムワープする前に買うべきだ。」

「無知な人と議論する必要は無い。彼らは違いを理解しないから。」

など。

この屋台の店主の姿は写っていませんが

いかにも「本を愛する偏屈者」の姿が見え隠れ・・・

 

 

アートミニミニ展 1月24日

 

毎年の暮に 池袋東武デパートで開催する

「小さい小さい絵」展にテンペラ画を出品しておりますが

この展覧会が今年から巡回することになりました。

違う時期に違う場所で また新しい出会いがあるのではと

楽しみにしております。

 

巡回第一弾は新百合ヶ丘にある「ギャラリー華沙里」にて

1月31日(木)から2月12日(火)までの開催です。

(水曜は休廊です。)

小田急線「新百合ヶ丘」駅南口から徒歩5分。

お近くにお越しの際は ぜひお立ち寄りくださいませ。

ギャラリー華沙里 http://www.shinyurigaoka.com/kasari/

 

 

鶴岡間道 1月21日

 

先日 新調した古帛紗。

お茶の席や稽古時にはいつも懐に入れるものです。

いままで使っていた母のお下がりである古帛紗は

オレンジ色と金糸の織が華やかで綺麗なのですが

すこし落ち着いた雰囲気の普段用が欲しいと思いました。

臙脂と深緑に辛子色のアクセント。

チェックでモダンだと思いきや 由緒ある柄でした。

古帛紗に使われる裂地は伝統的なものが多く 名もあります。

これは「鶴岡間道」(つるがおか-かんどう)という名でした。

何気なく手に取り買い求め 帰宅後に調べてみると

間道とは遠く中国や南方からもたらされた縞や格子模様の織物の総称だとか。

そしてこの「鶴岡間道」は 鎌倉の鶴岡八幡の御神宝を

包んでいた古代裂が由来なのだそうです。

毎年暮にご挨拶に伺う鶴岡八幡宮

そしてお正月明けに手に入れた古帛紗の名前がその八幡様由来だと知ると

お茶の稽古も八幡様が応援して下さっているような気持ちになって

なにやら嬉しいご縁を感じました。

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Firenze -L’altro lato della porta 1月17日

 

イタリアの郷愁 2011 フィレンツェ -扉の向こう側-

 

イタリアの古い街を歩いていて目に入るのは

細い石畳の道 そして道に接して建つ巨大な石造りの建物。

道に面しているこれまた大きな木の扉は閉じていて

建物内部がどうなっているのか うかがい知れません。

 

ですが一歩建物内部に入ると中庭があり

明るい日差しが入る場所には植物もあります。

そこは住んでいる人たちだけのプライベート

秘密の空間です。

 

旅行者が中庭を見る機会はほとんどありませんが

たまに・・・こうして通りから垣間見るチャンスもあって

その秘密の空間が羨ましく

想像を膨らませるきっかけにもなるのです。

どんな人が住んでいるのでしょうか?

altrolato

 

 

 

 

夢の世界のままに 1月14日

 

先日完成してお届けした額縁は

ディズニープリンセスの版画作品を納めた額縁でした。

アニメ映画で見慣れたプリンセスの姿も

限定版画作品になると 趣があって

夢の世界から抜け出た姿そのままです。

その雰囲気に沿うように 額縁もピンクとゴールド。

お客様のご希望でもありましたが

プリンセスの世界を完成させるために

必要な最後の魔法(?)の2色でした。

 

 

 

モランディにとってのシャルダン 1月10日

 

年末に 丸の内にある三菱一号館美術館へ

「シャルダン展」を観に行きました。

1700年代にフランスで活躍した画家シャルダンの作品を

これだけ沢山一度に観る事ができるチャンスは

逃すことができません。

 

シャルダンといえば身近なモチーフを

題材に描いた静物画が有名ですが

今回出品されていた1点の前に立ったとき

なんだかとても・・・懐かしいような

初めて目にするのに 良く知った絵に再会したような

不思議な気持ちになりました。

8号程度の「水差しときゅうりとさくらんぼ」です。

左から光が当たる薄暗いテーブルに

白い陶器の水差しと野菜が並ぶ静物画ですが

この色のトーン 水差しの質感が

わたしの大好きな画家 モランディの静物画に

とても近しい雰囲気を感じました。

1900年代前半のイタリアの画家 モランディが

シャルダンの作品から何かしら影響を受けたかどうか・・・

それはわたしには想像することしかできませんが

シャルダンの描いた静かで穏やかな空気と

ひとつひとつ確かな存在感のある静物は

きっとモランディも好きだったのではないか と思っています。

 

 

 

鎌倉へ 初めての雨 1月07日

 

2012年の晦日の日 恒例となった鎌倉へ行きました。

寒い雨が降り続けるなか

小町通りの散策もそこそこに 鶴岡八幡宮へ。

 

2012年も身心健康に過ごせたことを感謝し

2013年も頑張る事ができるようお願いしました。

そして近々出産を控える友人に「安産お守り」を買いました。

参道の石畳はすっかり濡れて水たまりができていますが

初詣の参拝客を楽しませてくれる屋台の準備は進んでいます。

心なしか外国人のお客さんは少ないようですが観光客は例年通り。

おみくじを引いて一喜一憂していました。

 

いつも賑やかな鳩の群れが見当たらないと思ったら・・・

まだ閉まっているお札売り場の軒下で丸くなって雨宿り。

鳩たちも雨にぬれず年が越せるようで一安心です。

わたしの記憶がある限り 12月30日の鎌倉が雨だったのは初めて。

由比ヶ浜に下りなかったのも初めてです。

いつもはサーフィンや凧揚げ 散歩を楽しむ老若男女の姿もありません。

2013年の暮 どのような心境で鎌倉に来る事ができるのでしょうか。

良い天気になることを祈りつつ帰路につきました。

 

 

 

2013年お正月 1月03日

 

あけましておめでとうございます。

皆さま どのようなお正月をお迎えでしょうか。

 

我が家はお蔭様で 穏やかでいつも通りのお正月を

迎える事ができて 平穏無事に感謝しております。

母と一緒におせちの準備をして

父が満足そうに喜んで・・・

わたしが今の両親と同じ年齢になったころ

今と同じ幸せな気持ちで思い出す事ができれば と思います。

年甲斐もなく(!)お年玉も頂いてしまいました。

 

 

さて 今年は我が家の(母の作る)お雑煮をご紹介します。

鶏の出汁に丸餅 大根 里芋 そしてごぼうと人参の細切り。

最後に別にゆでておいた小松菜を飾ります。

お餅が丸か四角か お澄ましか味噌仕立てか・・・

それぞれの家庭や地方によって 本当に違いがあって

比べて楽しいのがお雑煮ですね。

 

 

Buon Anno Nuovo 2013 1月01日

 

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2013年 元旦 KANESEI