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鎌倉へ いざ段葛 12月30日

 

我が家恒例、毎年暮に鎌倉へ出かける日が来ました。

わたしが生まれる前からの家族恒例行事ですが

家族の年齢や構成の変化に伴って

この日の流れも少しずつ変わってきました。

これもまた諸行無常なのであります。

 

2024年は12月27日、例年より少し早めでした。

まずは車を由比ガ浜に留めてから、海へ。

 

 

この日は少し風が強くて、雲も波もドラマチックでした。

 

 

貝殻はもう要らないのです。昔拾った貝が家にありますから。

でも美しい貝をみつけると欲しくなってしまう。

要らないけど欲しい。もう持っているけれど欲しい。

我ながら色々と考えさせられます。

 

 

まるで絵のような青春も目撃。

二人の女の子が長い髪を

風になびかせながら書いていました。

 

さて、浜を後にしまして

いざ鶴岡八幡宮へ向かいましょう。

鎌倉は暮の時期以外にも友人と来たり美術館に来たり

学校の遠足でも来ましたが、なぜか段葛(だんかずら

八幡宮の参道。大路の中央が一段高くなっている道)を

歩いたことがありません。なぜだろう・・・

最近この段葛がきれいに整えられましたし

良いチャンス!とばかりに段葛を歩きます。

 

▲二の鳥居をくぐると段葛のはじまり。

 

 

桜の並木も植え替えられて、若木が初々しい。

歩く人々の半数以上は外国の方でした。

 

 

八幡様にも沢山の外国の方々。

七五三や成人式らしき着物姿が沢山、

とても幸せそうな笑顔でした。

そして外国の方が嬉しそうに眺めていました。

 

わたしが幼い頃はもっと人が少なくて

池の水もところどころ凍って

閑散とした印象だったのですけれど、

今はずいぶん明るく賑わっています。

八幡様も喜んでおられるのではないでしょうか。

 

 

並んでお守りを買いました。

イタリアの友人にも差し上げるつもり。

八幡様はおおらかに、イタリアまで来てくださるだろう!

・・・と思っています。

 

今年も小町通は行きませんでした。

もはや「歩き食べ通り」と化した

若い人たちのための場所です。

あの骨董店、あの書店、あの玩具屋さんや

和紙のお店はどうしているかな、とよぎりつつも

わたしはわたしの思い出を守りたいと思いました。

 

 

車窓からの富士山、江の島も良く見えます。

2024年も無事に終えることが出来そうです。

ありがとうございました。

 

 

忘れていなかった 12月26日

 

夏の終わり、ギャラリー冬青で開催されました

写真展に使っていただいた額縁のうちのひとつ

ヴェネツィア風の金額縁を作っています。

「ゆっくりで良いですよ」のお言葉に甘えて

でも甘えすぎになって、いまごろガサゴソ作っております。

 

 

A4の変形、といったサイズ。

切って接着して、乾かしています。

 

 

接着後にさらに四隅をしっかり固定して

下ニカワを塗ってボローニャ石膏塗り。

いつもの流れです。

2024年後半は小箱ばかり作っていたので

額縁制作が新鮮に感じてしまう!こりゃいかん。

いや、いかんと言うか、なんだかそんな自分に驚いてしまうのでした。

そうして、「やっぱり額縁制作は楽しいなムフフ」

などとノンキに思う自分に安心したりして。

 

額縁を作りながら工程を考える時に一瞬、ほんの一瞬ですが間があって

(以前は考えなくても流れで出来ていた)すこし焦りました。

でも頭より手のほうが額縁制作を

しっかり覚えていてくれたようです。

 

額縁も楽しい、小箱も楽しい。それで良いではないか。

好きなものを作れるのですからね・・・。

 

 

イタリアの美味しいもの 12月23日

 

北イタリアの友人から荷物が届きました。

クリスマスに食べてね、と美味しいものが沢山入っていました。

 

チョコレート、ナッツのお菓子、大きなパネットーネ

そして聞いたことのないものも。

Mostarda モスタルダ、と書いてある。瓶に入っていて・・・

イチジクの瓶、リンゴの瓶、そして色々フルーツの瓶と3種ありました。

 

ネットで調べたところによると、

「モスタルダとは、フルーツや野菜のシロップ煮に

マスタード・エッセンスを加えた北イタリア独特の加工品。

甘味と辛味のコントラストが特徴で、

チーズや生ハムなどと一緒に食べるのが一般的」とのこと。

 

▲モスタルダ。画像はWikipedia よりお借りしました。

 

色々フルーツのモスタルダは、昔懐かしいお菓子に乗っている

チェリーのアンジェリカのようなな見た目です。

友人からは「パルミジャーノとか硬くて熟成したチーズと食べると

美味しいよ~。あとは茹でたお肉と合わせてみてね!」と言われました。

ではでは、とパルミジャーノにつけてみたら、これは美味しい!

 

 

マスタードが入っているからちょっと辛いよ、と聞いていたけれど、

ほんの少しだけジンワリと辛味がありました。

チャツネのような、スパイシーなジャムです。

チーズの塩味とポクポクした歯ごたえに

モスタルダのトロリと濃い甘さ、遠くに感じるマスタード。

面白い美味しさでした。

これ、生ハムと食べたい!ウシシ・・・

 

そしてもうひとつ、イタリアのカラスミパウダー

「bottarga ボッタルガ」です。今回のはボラではなくてマグロ。

マグロのカラスミ・・・さぞや大きなカラスミでしょう!

 

 

パスタにかけるのが一般的なようですが

お芋でも美味しいと言うのでマッシュポテトにかけてみました。

強い塩味だけど海の幸の味がサッと広がります。

(マッシュポテトにバターは入れない方が良かった。

次回はバター無し!) ほのかに「錦松梅」の味がする。

これはきっと炊き立てご飯に振りかけたら絶対美味しい!と思います。

 

クリスマスに、と送ってくれた食材ですが

クリスマスまで待たずに食べてしまう・・・

でも早い方が美味しいですしね!

友人に感謝してムシャムシャ頂きました。

 

カラスミパウダーは日本でも見かけますし

モスタルダも通販で買えるようです。

機会があればぜひお試しください。

 

 

小さい小さい絵展 12月19日

 

毎度お知らせばかりで恐縮です。

今年最後のお知らせ、どうぞお付き合いくださいませ。

 

毎年暮に開催されます「小さい小さい絵」展が

今年も今日12月19日から始まります。

今年は去年に引き続き1点だけ

名刺大のテンペラ画模写を出品します。

ヴェロッキオ(1435~1488)が描いた

「聖母子と2人の天使」から部分模写、天使の顔です。

 

ヴェロッキオと言えばレオナルド・ダ・ヴィンチのお師匠様。

そして敬愛するギルランダイオのお師匠様でもあるのです。

・・・わたしも弟子のひとりに加えて頂きたい・・・!

でも毎日怒られそうで怖い!

 

 

額縁も15世紀風に、古典技法で作りました。

ヴェロッキオ工房でも使っていたはずのボローニャ石膏地です。

金の彩色はテンペラ絵の具で描きました。

 

▲額縁の外側サイズはB5のひと回り小さいくらいです。

 

ヴェロッキオが描く人物の口って結構特徴的です

。いつもキュッとしているというか

ちょっと尖っていて口角がはっきりしている印象です。

この天使の微笑む口元も例にもれず。

 

▲この天使の見上げる眼差しの先には聖母マリア様が。

 

お忙しい時期ですが、池袋へお出かけがありましたら

どうぞ東武百貨店6階のアートギャラリーへお立ち寄りくださいませ。

よろしくお願い申し上げます。

 

小さい小さい絵展

池袋 東武百貨店6階アートギャラリー

12月19日(木)~25日(水)

10時~19時 最終日17時閉場

美術画廊・アートギャラリー|イベントガイド|東武百貨店

ありがとうございました!そして 12月16日

 

怒涛のような11月、12月の小箱展示は

すべて無事に終えることが出来ました。

神楽坂、谷中、京都、お越しくださった皆様に

感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

 

箱義桐箱店 谷中店での「秘密の小箱」展は今年3回目で

ようやく、なんとなく、展示などの要領が分かってきたような気がします。

でもお客様とお話するのは相変わらず緊張します。

自分で作ったものを自分で勧めることの難しさたるや・・・!

こればかりはまだ慣れませんが、練習した方がよさそうです。

堂々と爽やかに!を目指す。

 

 

京都の「梅軒画廊」さんは、今回初めて展示していただきました。

クリスマスとお正月を前にした暖かな企画の

仲間に入れて頂けて嬉しい限りです。

ちょうど「秘密の小箱」展と期間が重なっていたので

在廊が叶わずでした。残念!

展示をご一緒できた方々の作品も拝見したかったし

暮の京都散策もしたかったのでした。

 

 

日々、ものすごく遅いスピードで生きていることを実感しました。

この晩秋~初冬は3倍速で過ぎた毎日でした。

でもこれくらい人生にメリハリがある方が気持ちも良いです。

 

長い時間お待たせしてしまっているお客様、

考えること、するべきこと、次のこと、

ずいぶんと停滞させてしまいました。

小箱以外のことを後回しにしすぎてしまいましたので

これからまた諸々整理して進める所存です。

 

 

果物とリボンと子羊の舌の額縁 12月12日

 

「いったい何時から作っているんだい・・・?」

「ハイ、もう忘れてしまうほど大昔です。」

・・・という脳内会話が繰り広げられるほど

以前から続けております、名付けて「果物ぐるぐる額縁」です。

外側を果物のリース、内側にはリボンがぐるぐる巻き

端先は「変形ラムズタン (lamb’s tongue)」が取り巻くという

彫刻がぎゅうぎゅう詰まったデザインです。

 

 

記憶にはございませんが、記録をさかのぼると

今年4月27日に石膏を塗りました。

そしてどうやら彫刻は昨年秋に終えた様子。

ということは、着手は・・・一昨年かもしれません。やれやれ。

 

▲こうした「苦手な作業」はAtelier LAPIS の講師時間にするに限ります。

熱心な生徒さん方に囲まれていると、わたしも頑張れる気がする

・・・ような気がする。

 

彫刻をした額縁に石膏を塗るには様々コツがありますが

とにかく、いかに凹凸を均一の厚さに、

筆跡を残さず塗るか!・・・難しい。

凹に溜まった石膏を再度彫って(リカットして)

メリハリを戻し、丸い果物を「ふっくら艶やか」を目指して磨き・・・

 

 

うーむ、うーむ・・・

こんな感じで石膏磨きは終了。次は箔作業です。

全面金箔にするか黒と金のコンビにするか、まだ迷い中・・・

どうしよう??

 

 

京都「Art for Gift」展 12月09日

 

先日も書いたばかりなのですが

12月7日土曜日から15日日曜日まで

京都・四条烏丸にあります梅軒画廊で開催の

「Art for Gift」展に小箱6点を出品しております。

宣伝ばかりで恐縮です・・・

 

 

梅軒画廊さんは1916年創業という大変歴史のある画廊

烏丸駅からほど近く、京都のまん真ん中にあります。

ここ数年は関西方面の方に見ていただく

機会がありませんでしたので、

大変うれしく参加させていただく事にしました。

 

 

わたしKANESEI以外に12人の作家が丹精込めた作品が並びます。

クリスマスのプレゼントに、お年玉の代わりに、

またはご自分の楽しみのために、

どうぞお選びいただけたらと思います。

 

 

梅軒画廊 

「Art for Gift」展 12月7日~15日

〒604-8153 京都市中京区烏丸通四条上ル笋町682

営業時間:10:00~18:00 

電話:075-221-3510

 

 

菊と牡丹と片輪車 12月05日

 

昔々のその昔に作った和柄の小箱があります。

その時は白い石膏地に模様を線彫りして、

ボーロを塗って金箔を貼り磨いてつくりました。

全面金で華やかな小箱が完成したのです。

 

その小箱がとても気に入っていて、ある方に差し上げた後も

ずっと「もう一度いつか作ろう」と思っていました。

 

最近、黒地に模様を彫る細工が楽しくて、ある日ふと

「そうだそうだ、あの和柄小箱を黒地で作ってみるべし!」

と思い立って作りました。

 

 

菊と牡丹と片輪車の模様で、内側の布は濃いばら色です。

 

▲側面にも模様が続きます

 

なんだかたまに「和に飢える」と言いましょうか

唐突に和風の小箱も作りたくなるのです。

この黒地に線彫り装飾は地味ですけれど細かな線も描けて

繊細な和模様にも最適な技法でした。

 

この小箱は12月7日から開催の京都でのグループ展に出品します。

和だから京都・・・という安直な考えではるのですけれども

もしかしたら海外の方のお目に触れる機会が

東京より多いかもしれない、と思いつつ。

 

▲下のトレーも京都のアンティークショップで買ったものです。京都&京都

 

この小箱、菊と牡丹なので季節を選びません。

床飾りのお香合として使っていただいても良いなぁと

思ったりなんかしております。

 

関西にお住まいの方、お越しのご予定の方

おついでの際にぜひお立ち寄りくださいませ。

よろしくお願い申し上げます。

 

「Art for Gift 2024」

梅軒画廊

12月7日(土)-14(土)会期中無休

10:30-18:00 最終日17:00閉場

京都市中京区烏丸通四条上ル笋町682

075-221-3510

 

 

六角形に希望を込めて 12月02日

 

小箱を発表しはじめてから3年目

なんというか・・・マンネリ化してきた感があり

でもたかが数年で世界観が大幅に変わるってもんでも無し・・・

とウダウダ考えていました。

脱・マンネリと言うほどではありませんが

六角形の小箱木地を作って頂けることになり

鼻息荒く完成させた次第でございます。

 

 

いつもお世話になっている箱義桐箱店さんではなく

友人のMさん(古典技法額縁教室 Atelier LAPIS の生徒さんですが

もはや友人と呼ばせてください!)に

特別に作って頂いた小箱木地です。

大変に手間がかかる制作だったと思います・・・

ありがとうございます。

 

 

Mさんには、小箱の角の面取りはしないでください、と

お願いしてありました。

おかげ様でエッジがキリリとした小箱が出来てニヤニヤしています。

箱義さんの桐小箱は、そのまま使う前提で完成された小箱ですので

角は美しく面取りされています。

わたしはエッジがパリッと立ったデザインが好きなので

もどかしく思うこともあったりして。

 

 

左は金14カラットの水箔、右は金22カラットの本金箔

パスティリア(石膏盛上げ)で装飾しました。

 

 

サイズは六角形の対角60mm、高さ40mmです。

少し高さがありますので、いままでのKANESEI小箱には

入らなかった宝物も入れて頂けるかもしれません。

箱義桐箱店谷中店での「秘密の小箱」展い出品いたします。

ぜひお手に取ってご覧ください。

 

「秘密の小箱」

-フィレンツェの古典技法で作る小さな箱-

2024年11月29日(金)~12月12日(木)

10:30~18:30 月・火休廊 最終日17時まで

箱義桐箱店谷中店

台東区谷中3-1-5-B1・101

☎03-5832-9811

箱義桐箱店