diario
六角形に希望を込めて 12月02日
小箱を発表しはじめてから3年目
なんというか・・・マンネリ化してきた感があり
でもたかが数年で世界観が大幅に変わるってもんでも無し・・・
とウダウダ考えていました。
脱・マンネリと言うほどではありませんが
六角形の小箱木地を作って頂けることになり
鼻息荒く完成させた次第でございます。
いつもお世話になっている箱義桐箱店さんではなく
友人のMさん(古典技法額縁教室 Atelier LAPIS の生徒さんですが
もはや友人と呼ばせてください!)に
特別に作って頂いた小箱木地です。
大変に手間がかかる制作だったと思います・・・
ありがとうございます。
Mさんには、小箱の角の面取りはしないでください、と
お願いしてありました。
おかげ様でエッジがキリリとした小箱が出来てニヤニヤしています。
箱義さんの桐小箱は、そのまま使う前提で完成された小箱ですので
角は美しく面取りされています。
わたしはエッジがパリッと立ったデザインが好きなので
もどかしく思うこともあったりして。
左は金14カラットの水箔、右は金22カラットの本金箔
パスティリア(石膏盛上げ)で装飾しました。
サイズは六角形の対角60mm、高さ40mmです。
少し高さがありますので、いままでのKANESEI小箱には
入らなかった宝物も入れて頂けるかもしれません。
箱義桐箱店谷中店での「秘密の小箱」展い出品いたします。
ぜひお手に取ってご覧ください。
「秘密の小箱」
-フィレンツェの古典技法で作る小さな箱-
2024年11月29日(金)~12月12日(木)
10:30~18:30 月・火休廊 最終日17時まで
箱義桐箱店谷中店
台東区谷中3-1-5-B1・101
☎03-5832-9811
つばめ飛んで行け東へ向けて 11月28日
小箱のつばめシリーズは、おかげ様で好評です。
アンティークの金属でできたオーナメントから型取りして
パテで作ったつばめモチーフを使っています。
いままでは「つばめメイン」でシンプルに黒や金だけ
という小箱ばかりでしたが、今回は背景に凝ってみました。
小さな小箱(相変わらず変な表現。
良い言葉が見つからない!)には小さいつばめ。
周囲は金に線刻、蓋には夜空に輝く星と
金のつばめが飛んでいます。
大きめの小箱(・・・)は周囲をまるく面取りして
背景全面に模様を線刻し、水箔
(14K、金と銀の合金)を貼り磨きました。
つばめはシンプルに黒にしてみたら、なんだかすこし和風なような。
ちなみに、ですけれど、わたしが持っている
アンティークオーナメントのつばめ以外にも
何度か古いつばめの金具をお店などで目にしましたが、
そのすべてが右向きでした。なぜでしょうかね??
東が吉方なのだろう!・・・と思っておきます。
▲飛べ、つばめ達よ
どちらもアンティーク調に古色を付けてあります。
今までのツバメシリーズに比べたら派手ですが、
ぎゅっと詰まった雰囲気で良い感じです。
オーナメントを使った小箱デザインの
新しいシリーズが出来そう。たのしいです。
こちらの小箱2点は明日11月29日から開催の個展
「秘密の小箱」展に出品いたします。
どうぞお手に取ってご覧ください。
お待ちしております。
秘密の小箱展 2024 11月21日
お知らせばかりで恐縮です。
箱義桐箱店谷中店での小箱展示会を今年も開催いたします。
11月29日の金曜日から12月12日の木曜日まで。
「秘密の小箱」展、今年で早くも3回目になりました。
こちらブログでもいくつかご覧いただいた小箱もイソイソと馳せ参じます。
今年は何故だか金と黒と水金(ほぼ銀色の金)の
3色がメインになりました。
色のある・・・たとえば明るいパステルとか
ハッキリとした赤や真っ青など、ほんの少し作りました。
だけど気分は金・黒・水金だったのでした。
理由は「ひたすら自分の好きなものだけ」を
追求した結果と言えそうです。
開き直りつつ、ひとつの挑戦です。
数えてみれば86個、ありました。
そして、今年からいろいろな事情があって
価格をだいぶ変更いたしました。
もともと可愛くないお値段でしたが
更に可愛げが無くなり、申し訳ない限りです。
この価格変更も、やむに已まれぬひとつの挑戦となりました。
この2つの挑戦で飛躍できるのか。
どうぞ、お手に取ってご覧いただけましたら幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
「秘密の小箱」
-フィレンツェの古典技法で作る小さな箱-
2024年11月29日(金)~12月12日(木)
10:30~18:30 月・火休廊 最終日17時まで
箱義桐箱店谷中店
台東区谷中3-1-5-B1・101
☎03-5832-9811
全日在廊予定です。
楕円考 11月04日
イタリア製の楕円の小さな額縁木地2種を
友人のご厚意に甘えて5枚ずつ買ってきていただきました。
以来楕円額縁の魅力にはまっています。
いままで楕円の額縁って可愛らし過ぎるような気がしていて
つまりあまり興味がわかなくて辿り着いていませんでした。
ですが今年に楕円額縁のご注文をいただいて1枚作ってみたら
なんて楽しい世界だろう!
今日ご覧いただく楕円4枚(四角も1枚紛れていますが)は
ご注文の品ではありません。
めくるめく楕円の世界で目をハート♡にしながら
好き勝手に作ったものです。
▲黒地にかすれた金の植物文(プレッツェーモロ)と
四つの切込みを入れた全面純金箔
▲石膏盛上げでレリーフを入れた純金箔と真っ黒の2種
そして四角いプレッツェーモロ。
楕円の魅力は、なんと言っても「角が無い」と絶妙なバランス。
角が無いと始まりと終わりが無い。
そして曲線に長方向と短方向で作られるリズムがあること
でしょうか。正円とはまったく違う・・・。
楕円額縁のデザインを考えて、作って、眺めて、
つくづく面白く不思議な世界なのです。
始まりと終わりが無いのなら、模様も連続で良い。
・・・でもなんだか、間も作りたくなる。
そして模様を4か所に入れて区切る・・・慣れた方へ。
まだ楕円と本気で仲良くなれていない。
距離感がつかめていないわたしです。
これから更に楕円木地をいじくりまわして慣れていこうと思います。
それにしても、もっと楕円の木地が欲しい!
色んなバランス、デザイン、サイズの木地が
日本で手に入ると嬉しいのだけど・・・❕ううむ・・・
黒いプレッツェーモロと切り込み金の2枚は
11月半ばからのグループ展(神楽坂ラ・ロンダジル)
金と真っ黒パスティリアと四角いプレッツェーモロの3枚は
11月29日からの個展「秘密の小箱」展
(箱義桐箱店谷中店)でお披露目いたします。
黒ツバメが来た町 10月07日
皆さんは、黒いツバメの物語をご存じですか。
古い古いお話です。
昔々のある日、町の教会に真っ黒なツバメが巣を作りました。
町の人々は全身が黒いツバメを見たことがありませんでしたし
黒い生き物は不幸を運ぶという言い伝えを信じてしまう人もいて、
黒ツバメの巣を3つの卵ごと壊してしまいました。
可哀そうな黒ツバメは涙を流しながら
教会の周りをぐるぐる飛び続けました。
町の人々も教会の神父様も、その様子を毎日見ていました。
そして3日3晩飛び続けた黒ツバメは
とうとう力尽きて教会の回廊に落ちてしまったのでした。
回廊の壁には、ずっと昔に描かれた美しいフレスコ画がありました。
天使が楽しそうに飛んでいて、そこには森の小鳥たちも
描かれているのでした。
倒れた黒ツバメはこの絵を見上げながら
「こんな風に楽しそうに生きたかったなぁ」と思い、目を閉じました。
明くる日の夜明けに神父様がこの絵を見ると、
あの黒ツバメが絵の中で生き生きと
飛んでいる姿が描かれているではありませんか。
昨日までは無かったはず、不思議なことがあるものだと
絵の中に生まれ変わった黒ツバメの話はあっという間に町中に広まりました。
町の人々は絵を見ながら
「ああ、なんて可哀そうなことをしてしまったんだ」と
黒ツバメと同じように涙を流しました。
そうして、町の人々は今ではツバメを大切にしながら、
黒ツバメの伝説を子供たちへ伝えているのでした。
でも真っ黒なツバメは、二度とこの町に巣を作ることは
ありませんでした。
・・・なんちゃって。
こんな物語があったような無かったような。
黒ツバメの小箱、いかがでしょうか。
明るくなくたって良いんだ 9月30日
今までになく暗い小箱が完成しました・・・。
もとい、黒い小箱です。
黒地に白いラインの線彫りです。
古色をつけてアンティーク調に加工しましたら
黒が深くなってラインの白も暗くなりました。
模様のデザインは以前から使っているものでも
加工方法を変えてみたら楽しくなりました。
先日ご覧いただいたモスグリーンで細長い
「旅の思い出風小箱」と同じ加工方法です。
内側の布は明るくしようかと思いましたが、いっそのこと中も暗く。
いつものように家族に見せましたら
「わはー!これまた暗ぁいぃぃ~!」と爆笑でした。
何が可笑しいのかしら、心外だ。
はいはい、暗いですよ。
でも明るきゃ良いってもんでも無かろうよ。
何事も明暗ありきじゃ。
気を取り直して違う写真を撮りましょう・・・。
明るい場所で撮っても黒い箱は黒いのでした。
でもなかなか趣があって落ち着いていて
本棚にでもちょこっと置きたい雰囲気に仕上がったと思います。
うむ、可愛いじゃないの~。(自画自賛失礼!)
いかがでしょうか・・・。
もし入れるものが決まっているのなら 9月23日
過日、ご注文頂いていた小箱が完成し
お引渡ししました。
お客様でもある知人の方とは
定期的にお目にかかる機会があるので
お互いの様子や好みも分かっていましたし、
ご注文の際にとても分かりやすく
ご希望を伝えてくださっていました。
ですので制作も大変に順調に進みました。
そして、この小箱はお客様にとって大切な、
とても思いの籠ったものを入れるために
ご注文下さいました。
わたしは光栄な気持ち、そして
厳かな気持ちでお引き受けいたしました。
デザインやお好みの打ち合わせも大切ですが
小箱の目的をお聞かせいただく事は
制作をする気持ちの上でとても大切なことです。
完成してお引渡し後を想像しつつ作ることが出来ました。
さてさて、その小箱ですが。
豆小箱の面取りをして
パスティリア(石膏盛上げ)で蓋にはイニシャルを、
側面にはポチポチを入れて欲しい、
仕上げは金箔に古色をつけて・・・とのご希望。
▲ K・W イニシャル。箔を磨いて装飾を終えたところ。ピカピカです。
▲パスティリアによる側面ポチポチ。
指が映るほどピカピカの金箔ですが
ここから磨り出しをしてワックスとパウダーで
アンティーク調に加工しまして、完成でございます。
金箔に深みが出ました。
パスティリアで凸になった部分は
擦り出して下地の赤ボーロが見えています。
打ち合わせ時に「中は何色にしますか?」と尋ねましたら
「グリーンにしてください、一番好きな色ですので!」
と即答してくださいました。
さてグリーンと言っても色んな緑色がありますね。
一瞬「ふぅむ」と思いつつも、そういえば彼女
腕時計のベルトがモスグリーンだったな、
冬はコートの色もモスグリーンだったなぁ・・・
と思い出し、その色を。
お引渡しの時、「ああ、この色~これこれ!」と
喜んでくださって、わたしも大変うれしく思ったのでした。
またひとつ、わたしの小さな娘(小箱)が
生まれて嫁ぎました。なんたる幸せ。
旅の記憶と小箱の物語 9月16日
これは、モロッコ・タンジェのスークと
イスタンブールのバザールを歩いた時の記憶を
思い出しながら作った物語です。
。。。。。。。。。。。。。
香辛料とコーヒーと人々の体臭と
ありとあらゆる匂いが積み重なったバザールで、
私は出口を見失っていた。
道を尋ねようと思ったその店は薄暗い路地にあった。
入口横には安そうな土産物が並んでいる。
私はただ道を尋ねるのも悪いと思い
商品を選ぶふりをして店に入った。
狭い間口とは裏腹に案外奥は深く
いくつかの小部屋が続いている。
4つ目の部屋に差し掛かった時
ふと目に留まった小箱があり、手に取った。
五十がらみの退屈そうな店主がいつの間にか
音もなく私の後ろに立っていて驚いた。
「これは俺の爺さんが集めた骨董の残りだ。
爺さんは骨董商をしていたけれど俺が生まれる前に死んだ。
だから、今残っているのはこの棚にあるだけだ。」という。
聞けば彼の父親は骨董に興味が無く
祖父の死後ほどなく土産物店にした。
だが奇特な外国人観光客がたまに買っていくから
そのまま並べているそうだ。
「この箱がいつのものか?さぁてね
爺さんがどこで買い付けていたのか知らないから、もう分からない。」
「何に使われていたか・・・?それを知ってどうするんだ?
箱は箱さ。持ち主が好きなものを入れるためにあるのさ。」
道を聞くために入った店で、古びた小箱をひとつ買って出た。
新聞紙で包まれたその小箱を握って
ぼんやりと使い道を考えながらしばらく歩いたが、
ふとバザールの出口を聞くのを忘れたことに気付いた。
その店があった場所はすでにいくつかの路地の向こうで、
もう戻る道は分からなかった。
。。。。。。。。。。。。。
なんちゃって・・・そんな旅の思い出に
誰かが持っていそうな小箱、のイメージ。
彼が買った小箱が本当に骨董品だったのか
似せて作られた物だったのか
わたしにも分かりません。
さて、わたしが作った新しい小箱ですが
模様は西洋の本にあったものなのですが
完成してみたらいつの間にか
いずことも知れぬ雰囲気になっていました。
124×58×20mm
あっちとこっちと、感覚は違う 9月12日
小箱に装飾をしながら小さな額縁も作る。
どちらも木地にボローニャ石膏を塗って磨いて
ボーロを塗って箔を貼って磨いて・・・と、
材料も手順も同じだけれど、なにやら向き合う気持ちは違うのです。
箱は5面(4側面と上面)に対して
額縁は1面もしくは彫刻で3Dだから?
いや違うな、額縁も5面ですな・・・
やはり大きな違いは塊りか枠か、ですかね・・・。
ともあれ、箱に疲れたら額縁に行き
額縁に行き詰まったら箱に行き・・・そんなことをしています。
この額縁も箱に石膏を塗るタイミングにあわせて木地を作って
まとめて石膏を塗っておいたもの。
いつも頭の片隅にあって、どんなデザインにしようかな・・・
と呑気に考えていました。
そしてこれまた箱にパスティリア(石膏盛上げ)をするタイミングで
この額縁にもパスティリアでポチポチを並べました。
何の変哲もないデザインなのですけれど
角をカットしたことで少し柔らかさが出たかな、と思います。
ポチポチのサイズや間隔でも実は結構な変化が出るのです。
ポチとポチの間が詰まるほどクラシカルな印象になったり
ポチのサイズが大きくなると迫力は増すけれどバランスは難しくなる、とか。
ああでもないこうでもない・・・と
下描きで試しながら考える時間はとても楽しくて
完成した額縁を眺めてひとりでニヤニヤしています。
今年も12月に箱義桐箱店 谷中店で
小箱の個展をさせていただく予定です。
その際にこの額縁を含めたハガキサイズの額縁を
数点ご覧いただけたらと思っております。
編み物シリーズ 9月05日
勝手に命名「編み物シリーズ」として作っている
竹編み風デザインの小箱です。
数年前にひとつ作って、あまりに気に入ったので
展示会初日に友人に押し売りしたのですが
その後ふたつ作ったけれどあまり人気はない様子・・・
でもでも!きっと好んで下さるかたもいらっしゃるに違いない、と
思い込んで(思い込みは制作にある程度必要!)
新たにふたつ作りました。
水箔(14カラットの金箔)で仕上げたもの
▲三本立ての四ツ目編み風。
▲パカッ 中は濃い青にしました。
それから太くふっくらとした四ツ目編み風。
こちらは22カラット金箔。
▲行李っぽい雰囲気。
▲パカリンコ・・・内側は濃いベージュとモスグリーンです。
編み物シリーズ、数年前に
六つ目編み風のデザインも作り、手元にあります。
3つ並べてみたら、あらカワイイ~と親バカを発揮しております。
いかがでしょうか。
今年11月には神楽坂、12月には京都でのグループ展
そして谷中の箱義桐箱店谷中店での個展を予定しております。
そのうちのどこかでご覧いただきたいと張り切っております。
ラテン語額縁の使い方 7月25日
ジュエリーブランドgermedeur の kanekoさんから頂いた
ご注文額縁は無事完成してお届けいたしました。
先日はグラッフィート(搔き落とし)が
終わった時点までご覧いただきましたが
いつものように古色をつけてアンティーク調にします。
上の写真、左が今回のラテン語額縁
右は以前に作ったことわざ額縁です。
ラテン語額縁はまだ黒々として金もピカピカですが
ことわざ額縁の擦り切れコッテリ仕上げを目指します。
スチールウールで擦って傷をつけ
ワックスでこってりと汚しをつけてお化粧。
さぁ、完成しましした。
この額縁は黒い別珍布を貼ったボードを額装して
いわばお盆のように平らに置いて
ジュエリー展示に使っていただく予定です。什器ですな。
額縁にもいろいろな使い方があります。
絵や写真などを入れるだけではなくて
アイディア次第でぜひご活用いただければと思います。
CHAOS & ORDER 7月04日
先日ご覧いただいた楕円形額縁は
無事完成しましてお客様にお届けいたしました。
ご注文くださったのは刺繍作家の坂田あづみさんです。
リンクからぜひ彼女の作品と世界をご覧ください。
坂田さんのお話によると、ご自身の作品には
楕円形額縁が一番しっくりくるとのこと。
正円だとバランスがとり辛いそうです。
でも四角でもない・・・。
そうした、作家だからこその感覚はとても理解できます。
こればっかりはご本人次第、
そしてこうした感覚が一番大切だったりします。
9月に坂田さんは個展を控えていらっしゃるそうで
この額縁もその時にお使い下さる予定です。
その際にはぜひ、作品と一緒になったこの額縁もご覧ください。
またご案内いたします。
額縁外側寸法:217×166×20mm
木地にボローニャ石膏、パスティリアと点打ちで模様と文字装飾。
赤色ボーロに純金箔水押し、メノウ磨き。
側面に黒アクリルガッシュで彩色、ワックスによる古色仕上げ。
リセットは必要 6月06日
結局、完成した小箱はまた黒なのでした。
少々抵抗して・・・というか、
自制して黒以外の箱も作りましたが
定期的に黒小箱を作ってリセットしてから
新たに色付き小箱を作る、というのが良いペースなのです。
とは言え、真っ黒ですけれど内側には
濃いバラ色の布を貼りました。
「真っ黒だな~」と何気なく開けてみて
あらびっくり、実は乙女チック!
この小箱はすでにインスタグラムでご紹介したのですが
その際に「外は真っ黒でも内側は乙女薔薇色
ツンデレ小箱」などと書きました。
ツンデレってすでに死語なのですね。そうですか、
使えるようになってきたらもう死語・・・そんなものですね。
ちなみにきっと、と言うか確実に「乙女チック」も死語。
この小箱は角に溝を入れてみたのですが
その影響なのかペルシャのような天平風なような
エキゾチックな異国情緒漂う雰囲気になりました。
▲パスティリアで入れた模様はイタリアの古い額縁から拝借しました。
黒い小箱を作って落ち着きましたので
また気持ち新たに明るい色の小箱を作ることにします!
初夏の乾いたイメージ 5月27日
小箱を展示した際など、お客様の様子を拝見していますと
意外な色味の小箱を選んてくださる方がいらっしゃいます。
散々こちらでお話しています通り、わたしは
黒と金の小箱ばかり作ってしまうのですが、
当然ながら明るい色や茶色がお好みの方も沢山いらっしゃるのです。
ええと、つまり、明るめの色の小箱を作ってみました・・・
と言うことでございます。
白地に金泥と銀泥で模様をいれました。
純金箔で帯を入れて、下部は濃い緑色です。
内側はペールグレー、布は純白で爽やかに。
初夏のような陽気の日に色を選んだら
こんな組み合わせになりましたけれど、
なんだか平安時代の着物の重ねのような・・・
いや、ちょっとおこがましいですかな。
パリッとした小箱(当社比)、いかがでしょうか。
やりすぎちゃった? 5月20日
黒い小箱ばかり作っているとまた家族に笑われそうなので
(良いんですけどね、別に!開き直っております。)
ちょいと色味のあるものを作るべし・・・と
ダマスク模様をブルーグレーの濃淡で入れてみることにしました。
パスティリア(石膏盛上げ)で
箱縁にポチポチを入れて純金を貼り磨き
そしてベースに明るい青、模様をブルーグレーで入れています。
模様入れた。できた。金もキラキラ。
・・・でも、なんだか、こう・・・
既視感が漂いすぎるような。ありがち。
じゃぁ!ということで、ひび割れ加工をしまして
濃い色に調整したワックスを塗りたくりまして
▲ワックスコッテコテ
磨き上げて完成としました。
▲ピンぼけ失礼いたします・・・
鮮やかだった青が、ほとんどグレーになりました。
ひび割れ加工の割れ目にワックスが入って、古色感満載です。
・・・ちょっとコッテリやりすぎちゃった?
色のある小箱のつもりが、またもや暗路線・・・?
いや、でも良いのですこれで。
なんだかほら、ヴェネツィアの裏路地にある薄暗い骨董店で
埃を被っていそうな雰囲気になりましたでしょう?
「これはね、さるお屋敷から出たイワク付きの小箱でね、
特別なお客にしか見せていないんだ。だから秘密だよ・・・」
なんて、眼光鋭い店主が話し出しそうでしょう?
・・・ね?!(「うん」と言って下さい。)
このひび割れ加工小箱、ちょっと楽しくなってきました。
またやってみます。
暗かろうともわたしは 5月13日
完成した小箱をまとめてイソイソと並べていましたら
それを見た家族が
「うわぁ~暗ぁぁい~・・・」とのたまう。
黒がベースだけど金が入っているし、そんなに暗くないでしょ?
ほら、中は黒じゃないし暗くないよ!と開けて見せましたら
えー、やっぱり暗いぃぃ・・・とのたまう。
いいよいいよ、暗くて結構
わたしゃ人間性が暗いんで作るものも暗いんじゃ!と
灰色の整理用箱に片付けましたら
「暗い箱の中に暗い小箱がいっぱいぃぃ~!
アハハハハ!」と笑う家族。
ほっといてくれ!と叫びつつも改めて眺めれば
うむ、暗いっちゃ暗い。確かに暗いかもしれん。
わたしは額縁も小箱も、無意識に作ると黒と金になります。
これはやっぱり、ヨーロッパの額縁からの影響が大きいでしょう。
金の隣に来る色は黒が一番美しいと思うのです。
古色加工をすると、さらにその美しさが際立つ。
暗かろうが何だろうが、黒と金が好きなんじゃ~!
もうしばらく我が道を突き進みます。
ふたつ並べば 4月29日
先日完成しました点々打ち装飾の水箔小箱です。
隙間時間に制作しましたので
着手から完成まで思いのほか時間がかかりました。
水箔(金と銀が半々くらいの合金)は
いつも磨き上げて終わっていたのですが
今回はじめてアンティーク調の古色仕上げにしてみました。
箔の表面を擦って下地を出し
ワックスで少し汚しをかけた仕上げなのです。
反射が抑えられてワックスの色味が加わって
落ち着いた表現になりました。
いつものキラキラ輝く美しさも良いけれど
今回の落ち着きもとても良い感じ。
なんで今まで水箔の古色仕上げをしなかったのかな。
・・・我ながら謎です。
さて、この小箱は実は双子というか姉妹でして
先に金箔小箱が生まれていました。
ふたつとも同じ模様、同じサイズです。
並べると可愛さ倍増・・・親バカですみません。
今年の秋、いくつか展覧会に参加させていただく予定です。
どこかの機会でお披露目出来たらと思っています。
その際には改めてお知らせいたしますので
どうぞ実物をご覧になりにお越しください。
星の指輪入れ 4月18日
星の指輪入れが完成しました。
成城学園前にあるアンティークショップ
「attic」さんからのご注文で制作しました。
箱義桐箱店製のアクリルガラス入り指輪ケースに
いつものように古典技法で水箔(14K金箔)を貼り磨き
星の模様を点打ちで散らしています。
▲加工前の指輪ケース、桐の木地です。
18の小部屋があって、それぞれに
黒い別珍のクッションが入っています。
難点はアクリルガラスが取り外せないこと。
カバーはしましたが石膏の作業時には不便・・・。
ううむ、でも加工を前提に作られていませんから
仕方がありませんのです。
指輪はもちろんですが、こぶりのピアスも入れられます。
お店で使っていただく箱ですので、頻繁に開け閉めすること
不特定多数の方が触ることを考えて、
箔の表面をすこし厚めにコートしました。
その効果なのか、表面がいつもよりガラス質に見えて
それも良い雰囲気に仕上がったような。
成城学園のお近くにお越しの際には
ぜひ atticさんへお立ち寄りください。
星の指輪入れもお越しをお待ちしております。
イニシャルいろいろ 4月11日
ご注文で制作したイニシャル小箱ふたつ
ご紹介させてください。
サイズはいちばん小さな豆小箱
指輪がひとつ斜めに入る程度のものです。
左は純金箔にKとMのモノグラム
右は水箔(14金)にMのイニシャルです。
装飾方法はそれぞれ違うのですが
純金の方はベースに蔦模様を線彫りしKとMを黒でペイント。
すこしの磨り出しをしてアンティーク調に仕上げました。
中は紺色の別珍張り。シックな雰囲気です。
水箔のMは、ベースの蔦模様は金と同様ですが
Mと蓋側面の点々をパスティリアで盛上げ装飾しました。
箔も磨き上げたままですので華やかでキラキラと輝きます。
中はすべて黒、コントラストできりりと引き締まります。
どちらもお客様と仕上げのイメージ、中の色などご相談をして作ります。
同じサイズのイニシャル小箱、と一口に言っても
箔の色、文字のフォント、装飾技法によって
また開けた時の中の色によってイメージは大きく変わります。
そんなところも楽しくなります。
記念におひとつ、いかがでしょうか。
額縁の蔵出し販売 3月28日
以前に展覧会用などに作ってそのまま
自宅の片隅で眠っている額縁がいくつもあります。
本当は展覧会時に販売できれば良かったのだけど
そう上手く行くことも無く・・・
長らく冬眠していた額縁たちを
オンラインショップで販売しています。
サイズは規格サイズではありませんが
鏡を入れていただくことも可能ですし
もちろん作品の額装として、
またお店の展示や什器として、
色々と使っていただけると思います。
▲piatto-francese フランスの古いお皿をイメージしたデザイン。
▲金焼 金箔を貼り磨いてから焼いたもの。かなり強い古色です。
▲銀焼 こちらも同様に銀箔を貼り磨いて焼いたもの。
どの額縁も、手に取れば作った時の記憶がよみがえります。
いちいち感傷にふけっている場合ではないのでございますけれども。
新しい持ち主の方に使っていただければ額縁の使命を全うできるはず。
よろしければどうぞ、KANESEIのオンラインショップをご覧ください。
中世の本のような 3月18日
2023年にペルージャの国立ウンブリア美術館に行った時
誰もいないとても静かな空間で
思う存分に黄金背景テンペラ画を堪能できました。
その時に見た数々の作品に登場する聖人や司教など
聖書を持って佇む様子が沢山あるのでした。
その人物が誰であるとか
持っているのが本当に聖書なのかどうか等々はさておき
その本の装飾に見とれました。
大抵描かれているのはは赤とか青とか
ハッキリした色の本に金で模様が入って、
そうして金具で閉じられているのです。
それら絵の「金具で閉じられた聖書」のイメージで作りました。
古い黄金背景テンペラ画にご興味をお持ちの方でしたら
「ああ、よく見るあの感じね」と思われるような
そんなデザインです。
当時の聖書は羊皮紙に描かれて厚い皮表紙が付いて
とても重くてとても貴重な品だったようです。
重い聖書をきちんと閉じるために
こんな感じの蝶番のついた金具が取り付けてあるのは
写本の展覧会などでも見ることができます。
この小箱には「なんちゃって蝶番金具」を着けたくて
石膏下地を磨いた後、パスティリアで金具のベースの形を盛り上げて平らに磨き
さらにその上にもう一度パスティリアで釘風に小さなポチポチを乗せました。
金具で閉じられたように感じていただけるでしょうか。
クリーム色でちょっと明るく可愛くなっちゃったかしら・・・
で、中はキリリと紺色の別珍を貼り込みました。
いかがでしょうか。
星ちがい 2月19日
シンプルな小箱・・・いや
KANESEI小箱としては、シンプルな小箱が出来ました。
こちらも星のような模様を入れてありますが
いつもの青ベースに金の星ではなくて
パスティリアで小さな点々をで集めて盛上げて
その周囲をマイクロ点々を打ってキラキラとさせてみました。
蓋の縁はひと回りぐるりとベルト状に一段高くして
格子のようなウロコのような模様が細かく入っています。
この写真だと暗くて見えませんが・・・
ちなみに箱の下の本は2023年フィレンツェ滞在時に
書店で立ち読みして、時代物だけどこれなら読めそう・・・
と買った小説です。1年経って結局まだ読んでいない!
表紙がギルランダイオの「ジョヴァンナ・トルナブオーニの肖像」
なのは偶然です。いや、無意識に惹かれたかもしれません。
ジョヴァンナのような貴族の娘さんが
この小箱をこっそり持っていたら
どんな風に使ってくれたかな、なんて。
いつか政略結婚することは貴族の家に生まれた運命
だけど、密かな恋人もいて、その人から贈られたという
2人のイニシャルが刻まれた指輪が入れられていたりしたら・・・?
なんちゃって。少女漫画の世界まっしぐら。
いつもと一味違う金の星、いかがでしょうか。
星いろいろ 2月15日
ウルトラマリンの青をベースに金の星を並べるデザインは、
それこそジォットのフレスコ画の頃から
(それ以前からかも)ある不朽のデザインでして、
わたしも小箱になんども繰り返し入れています。
今回は平たい正方形の箱に紋章風に入れてみました。
金の部分はすべて純金。
いつもの純金箔水押と、星模様と細い線模様は純金泥です。
この写真では分かりにくいのですけれど
やはり金泥で描くと絵の具の「金色」とは全く違うのです。
輝きが奥深く繊細といいましょうか。
描いていて楽しいのはもちろん金泥です。
中の布はグレーを選びました。
今あらためて見ると地味ですね。
斜光でみると筆跡がけっこうクッキリ見えます。
これはお好みですし程度もありますけれど
わたしは少々筆跡が残っているところに
ワックスで古色を付けた表情が好きです。
単調にならず、力強さや人肌が感じられる。ような。
いかがでしょうか。
どちらがお好み? 2月08日
以前に「『小箱の同じデザインは二度と作らない』というのはやめた」
つまり同じデザインを再度作ることを宣言(大げさ)しました。
今回の小箱も以前に作った模様を技法違いで作ったものです。
上の写真が新作。
石膏地に模様の輪郭を線彫りして箔を貼り磨き
模様の内側を点々打ちしました。
今回の点々はマイクロサイズではないので
よりクラシカルというかルネッサンス風味に
なったような気がしています。
ちなみに以前作った時はこの模様を
パスティリア(石膏盛上げ装飾)で入れました。
同じサイズの箱、同じ赤色ボーロに純金箔で
磨り出しのアンティーク仕上げですが
模様の凹凸の差で印象も違うものです。
パスティリアの方が華やかな印象。
点々打ち装飾は比較的スッキリ。
どちらがお好みですか?
わたしはですねぇ、わたしは・・・
その時の気分で変わります!
そんなもんです、ハハハ。
四角以外も 1月29日
最近ようやく完成した小箱は、外側を削った変形型です。
いつもの通り箱義桐箱店製の美しい桐小箱を
ガリガリとヤスリで削りました。
▲まだ削り途中。
箱木の厚さや強度を考慮して
でもギリギリ削れるところまで攻めてみました。
この箱は石膏下地を磨き終えて、あとは装飾!という段階で
ず~~~っと放置、いえ「お昼寝」させていました。
なかなか気に入るデザインが思い浮かばない。
本当は昨年秋の小箱展に出したかったのですが間に合いませんでした。
適当に落書きのようにデザインを考えていて
ある日ポカッと浮かんだ模様を入れてみたら
あら、悪くない(当社比)んじゃないかい?
中は王道クラシックに木地部分は茶色に着色
濃い緑の別珍を選びました。
磨り出しはせず、少しだけワックスを付けて
アンティーク調にして、ふむ、いかがでしょうか。
なにせ小さな箱ですが、制作時間は結構かかっていたりして。
今度はもう一回り小さく、または大きく
それとも水箔(金と銀半々の箔、ほとんど銀色)でも良いかも?
いろいろバリエーションを作ってみようと思います。
俺の家 1月15日
俺は白い熊だ。
おう、俺の自慢の家を見てくれ。
ゴールド&ブラック、ゴージャスだろ?
まさに俺にピッタリだ、そう思わないか?
中を見せるぜ・・・
絨毯は黄色だぜ!
どうよ、俺の硬い尻(!)も痛まないぜ。
ちなみに俺の座高は4.5センチだぜ・・・
どうだい俺の家、気に入ってくれたかい?
外側寸法:55×55×25mm
桐小箱にボローニャ石膏下地
赤色ボーロに純金箔水押、メノウ磨き
黒アクリルガッシュで彩色
ワックスによる古色仕上げ
「いわくありげ」な小箱 12月07日
完成した小箱は家族に見てもらうのですが
その度に感想が面白いと言うか
それってどういう意味・・・と訊ねたくなります。
今日の小箱は最小サイズの豆小箱、黒と赤と金の装飾です。
側面にも模様を入れてみました。
これを見た家族の一言は「なんかぁ・・・ちょっと・・・
いわくありげな箱だけどぉ・・・」
???
いわくありげ(曰く有り気)って、どんないわく?
「だけどぉ」の続きが気になるんだけど??
結局この小箱に対する感想はそれでお終いで
わたしも追及しませんでした。
おどろおどろしい不穏な雰囲気が感じられ・・・
無くもない・・・かも知れない?!
赤と黒と金の色が成せる業、と言うことにしてください。
でもぉ、ぎゅっと詰まって可愛い小箱だと思うんだけどぉ・・・。
いかがでしょうか。
外側サイズ:35×35×23mm
木地にボローニャ石膏、アクリルグアッシュで彩色
ワックスによるアンティーク仕上げ
強くて優しい 11月13日
ふり返ってみれば、豆小箱に錫箔を使ったことが無かったな
と気づきました。
じゃぁ作ってみよう!と思い立ちました。
錫箔は銀箔やホワイトゴールド箔より
落ち着きがあって力強いイメージです。
同じデザインでたとえば金箔で作ったら
もっと華やかで派手な印象になったはず。
錫箔のこの落ち着き感にホッと安心したりもします。
パスティリアでレリーフ模様を入れて箔を貼り磨き
レリーフのアウトラインに点々を打ってみました。
ぎゅっと詰め込んだ感じです。
なんだか少し、武具や西洋の鎧のような雰囲気に。
ぱかっと開けたら、中はオフホワイトとライトブルー。
外見は厳ついけれど、性格は優しく爽やか。
そんな人を想像したりして。
いかがでしょうか。
きんとうん・・・? 金斗雲! 10月30日
いつも谷中にある箱義桐箱店から
購入させていただいている桐小箱を
最近すこし加工して形に変化を出すことに凝っています。
今日の小箱は角を丸くして
蓋をゆるやかに丸く落としたかたち。
そこにモリモリッと雲をパスティリアで入れました。
江戸時代の装束裂「雲の丸文」から引用しました。
▲パスティリア部分ドアップ
アップにすると(粗が見えますけれども)
雲の周りにマイクロ点々を打っているのが見て頂けるかと。
このキラキラが予想以上に効果的でした。
▲女性用腕時計と並べました。サイズ感が伝わりますでしょうか。
いつもなら別珍を張り込むのですが
この小箱の内部は黄土色の艶消しに塗装しました。
御香合に使っていただいたり
ピルケースなどにどうでしょうか、と思いました。
布が無いほうが使いやすい、という用途もあるなぁ・・・
そしてお好みで後から別珍は張り込めますから
ご希望に応じて、と思っています。
作っている間、この小箱の呼び名は「きんとうん」でした。
有名なマンガでは「筋斗雲」と書かれていたようですが
西遊記の本には「觔斗雲」、また
「金斗雲」と表記することもあり、所説あるようです。
この小箱は純金箔で仕上げましたので
やはり気分的には「金斗雲」と呼びたいところです。
お手元にちいさな金斗雲、いかがでしょうか。
「秘密の小箱」展
11月9日(木)~11月19日(日)
箱義桐箱店 谷中店
10:30~18:30 月曜・火曜休廊
秘密の小箱展 2023 10月12日
少しずつお伝えしておりましたが
箱義桐箱店谷中店にて、今年も
「秘密の小箱展」を開催させて頂けることになりました。
昨年1回目は9月でしたが
今年は11月9日から19日までです。
▲額縁はシルヴァーノ・ヴェストゥリ氏彫刻木地のカルトッチョ。
DMも作りました。
写真は浅野カズヤさんに撮って頂いたもの。
撮影時に色々とお願いをして
思った通りの写真を作っていただきました。
やれ薄暗くしろ、やれ文字装飾を目立たせろ
赤っぽくするな、銀座の古いバーっぽくしろ等々・・・。
「銀座の古いバー」で浅野さんにイメージが通じたのが
同い年のよしみと言いましょうか、
笑ってしまったのですが。
おかげ様でイメージ通りのDMが出来ました。
浅野さん、ありがとうございました。
快く写真を使わせてくださった
曹洞宗「禅の友」編集のMさんにも感謝申し上げます。
謎めいて、いわくありげで、秘密めいた雰囲気・・・
になりましたでしょうか。
▲肝心なのはこちらのご案内面
「秘密の小箱展」
-フィレンツェの古典技法で作る小さな箱-
2023年11月9日木曜から19日日曜まで
10:30~19:00 月曜・火曜休み 最終日は17時まで
箱義さんの美しい桐箱に古典技法で細工した小箱です。
あなたの大切なもの、思い出をいれてください。
新旧を併せて展示いたします。
秋のお散歩に、どうぞお立ち寄りくださいませ。
額縁の年齢詐称 9月28日
2010年に初めて作ったデザインの額縁に
「bianca-1」があります。
bianca とはイタリア語で白という意味でして
ご覧の通り白い額縁、角に模様を
パスティリアと線刻で入れてあります。
柔らかい雰囲気の額縁でございます。
この額縁は古色が付けてあり
アンティーク風に仕上げています。
古色付けには、わたしはフィレンツェの額縁師匠
パオラ&マッシモ夫妻から教わった秘伝レシピの
茶色いワックスを調合していますが
そのワックスを塗る前は、まさに純白です。
▲内側の縁(端先)に純金箔を貼り磨き、パスティリアの調整が済みました。
この白色はボローニャ石膏の白色、優しい白です。
▲そしてチタニウムホワイトのアクリルグアッシュを塗ったところ。
まっっっ白です。
真新しい制服を着た新入生のように緊張感あふれる。
▲そしてワックスで汚し加工をしたところ。
絵の具を塗ったばかりの真っ白の時は
なんだか変に光ってのっぺりしていましたが
ワックスを付けて乾拭きをくり返しますと
凹みは暗く、凸はほんのり輝いて
古い象牙細工のような趣になります。
この汚し加工はワックスの濃度や
拭き上げるタイミングなどで
もっと軽く、もっと濃く調整できます。
今回はなかなか濃く汚しています。
この額縁には古い裸婦デッサンが入ります。
褐色の紙に早い筆致で表現された
強いまなざしの女性が印象的な作品です。
長い時間を生き抜いてきた作品を納め守るため
額縁も「力強く長く生きてきた」を擬態しています・・・。
でも額縁裏側を見れば実年齢はすぐにばれます。
年齢詐称額縁。いかがでしょうか。
オウィディウスはかく詠いけり 9月18日
文字装飾でラテン語を入れましたシリーズ。
オウィディウス(Publius Ovidius Naso 前43年 3月20日
– 後17年または18年)の詩を引用しています。
“artibus ingenuis quaesita est gloria multis”
高貴なる藝術によりて多くの人々に光榮は獲得せられたり。
例によって、ラテン語文章の内容には
重きを置かず、文字装飾として。
オウィディウスに敬意を払いつつ!
蓋の模様とラテン語文字はマイクロ点々
(細いメノウ棒で極小の点を打つ)で入れていますので
光の角度で輝きます。
文字の形の影響かゴシック・リバイバル風に仕上がりました。
いかがでしょうか。
秋の「秘密の小箱」展に出品いたします。
11月9日から19日まで、箱義桐箱店谷中店にて。
ご高覧頂けますと幸いです。
箱外側寸法:60×52×33mm
木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに純金箔水押し、メノウ磨き
点打ちで模様装飾、アクリルグアッシュで彩色
ワックスによる古色仕上げ。
愛の詩を 8月24日
ことわざ額縁制作以来、わたしの中で復活しました
文字装飾ブームは続いております。
今日の小箱にもラテン語の詩の一節を入れてみました。
Cras amet,qui numquam amavit,quiqueamavit,cras amet.
▲中はライトグレー
「明日は愛せ、愛を知らぬ者よ。愛を知る者も明日は愛せ。」
というような内容だそうで、有名な詩の一節だとか。
愛する対象があるのは幸せなこと。
その対象が自分自身でも。
上の写真、ちょっと・・・
やりすぎ感漂う1枚になってしまいました。
「深夜間近、フィレンツェ郊外の別荘に集まっている
ブラトン・アカデミーのメンバーは
ロレンツォ・デ・メディチを囲み
ゆったりとくつろぎながら古い愛の詩について話している。
メンバーのひとりがふと思い出したように
ロレンツォに今夜の土産として持参した小箱を披露して・・・」
とか!
なんちゃって!
図々しくも勝手な妄想は広がる一方なのでした。
箱外側寸法:113×33×20mm
木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに純金箔水押し、メノウ磨き。
パスティリア(石膏盛上げ)と点打ちで模様装飾、
ワックスによる古色仕上げ。
今年秋11月9日から19日まで箱義桐箱店谷中店にて
「秘密の小箱展」開催いたします。
この小箱も展示予定です。
ぜひお手に取ってご覧くださいませ。
詳しくは改めてご案内させてください。
やるぞエミリア、騒動落着 8月17日
作業を続ければ、いつか終わりは来るものですね。
なんとか完成と自分に言えるところまで
たどり着きましたエミリア額縁です。
▲ちょっとブロマイド風
試行錯誤してなんとか丸め込んだ感じ。
技術不足でオリジナルとは違うデザインになってしまったけれど
現時点でのわたしの能力テストといいましょうか、
確認もできました。
▲疲れた時は発泡酒ではなくビールを飲むことを許可する・・・
金箔の繕いにつぐ繕い。
合間にビールを飲んでやさぐれていましたら
家族が「なんかぁ・・・ギラギラ過ぎて形が見えない。
金の団子みたいぃ・・・フフフ」などと言い。
団子って・・・ダンゴって!
今に見ておれ。益々やさぐれ度が上がりました。
すこしだけ磨り出しをして赤色ボーロを覗かせて
ワックスとパウダーで古色加工をして完成しました。
見えた課題は、左右対称にする難しさです。
高さ、深さ、ねじれ加減を
3Dで左右対称に彫刻するのはとても難しい。
分かっちゃいたけど。
自分を励ますために言っていた呪文
「失敗しても心配無用!もう1枚予備の木地がありますので!」
を思い出します。
そうです、もう1枚白木の木地が嬉々として待機しているのです。
うう、どうしよう。改善点や感覚を忘れる前に
すぐ2枚目を作り始めた方が良い・・・
これも分かっちゃいるけど。
精魂尽きましたので2枚目木地には
もうしばらく眠って頂くことにします。
完成したこの額縁を見た家族は
「へぇ!落ち着いて可愛くなったぁ・・・。」
そうして「ありがとう。フフフ・・・」
え、ありがとうって?欲しいの?
団子とか入れる物が無いとか散々言っていたのに?
(根に持っています)
でもまぁ、誰の物になろうとも
我が家に在ることに変わりなし。
家族にプレゼントいたしました。
これにて「エミリア額縁制作騒動」一件落着でございます。
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
ルネッサーンス! 7月31日
ずいぶんと時間がかかってしまった額縁が
先日ようやく完成しました。
ルネッサンス時代に作られた
とある額縁を参考にしたデザインで
いわば「ほぼレプリカ」であります。
当時流行していた cassetta 箱型額縁に
prezzemolo 植物文様を入れたデザイン。
特にトスカーナ州(フィレンツェがある)で好まれた形で
割と典型的なルネッサンススタイルの額縁です。
ご注文くださったお客様は
「まさにあなたがお好きな感じの額縁でしょう?」とのこと。
「ハイッッ!まさにまさに!」と嬉々としてお受けしたものの
なかなかに苦労しました。
でも完成してしまえばそんな
「生みの苦しみ」もどこへやら消えますね。
こってり古色を付けていますが
参考にしたオリジナルの額縁は更に古びています。
なにせ500年前に作られた額縁ですからね・・・。
今回のレプリカは額装する作品とのバランスを考えて
古色加工はこの程度に。
植物文様もオリジナルはだいぶ擦り切れていましたので
再現にあたり「大体こんな感じ」で創作しました。
おおむね・・・なんとなく、たぶんこんな感じです。
側面も純金箔です。
薄暗い環境で見るほうが「ルネッサンス」な雰囲気が出ます。
先日ご覧いただいた「ことわざ額縁」と同じ
グラッフィート技法で模様をいれています。
あのことわざ額縁は、実はこの額縁の練習なのでした。
ハハハ。
自分用の「ことわざ額縁」で少々の実験と
感覚を掴もうと思いまして。
なにせ今回失敗する余裕も覚悟もありませんでしたので。
普段はある、と言う訳ではありませんが!
次回、すこし制作過程をご覧いただければと思います。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
次の角、曲がります。 7月13日
この小箱は全面純金箔を貼り磨き
マイクロ点々と普通サイズの点々を打って模様を入れました。
(未だに何と呼んでよいか分からないこの装飾技法。
箔上に小さな点を打って模様を表現する方法・・・シボ加工?)
四隅と中央に、小さな丸のパスティリアでポッチも入れました。
磨いた金は黒く吸い込むような輝き
点々部分は光が乱反射してキラキラ白く輝きます。
この小箱を作りはじめた時、頭の中の予定では
葉模様部分は彩色しようと思っていました。
でも途中でなんだか気が変わり、点々装飾に転向。
たまにあることなのですけれど、ある日突然
「彩色じゃないな!これはもう、絶対違うな!!」と
気が変わるのです。
ためらいなく、迷いなく、容赦なく
有無を言わさず「角を曲がる」感じ。
我ながら不思議な感覚です。
もちろんこの感覚は「たまにある」程度なので助かっています。
(自分の感覚に「助かる」も何もありませんが!)
そうでないと年がら年中方向転換することになって
収拾がつきませんのでね・・・。
とつぜん曲がった角の先がとても良いか、がっかりするか
それもまた曲がってみないと分からない。
今回は曲がり角の先に中々良い風景が
広がっていたのではないかと思います。
いかがでしょうか。
外側サイズ:96×35×31mm
木地にボローニャ石膏、パスティリアでポイント入れ
赤色ボーロに純金箔水押し、メノウ磨き
点打ちで模様装飾
ことわざ額縁を作る 完成 6月15日
長々とお付き合いいただきましたブリューゲルのことわざ額縁は
無事に完成しました。
さて、肝心のことわざです。
単純に額縁に収まる文字数で選びましたので
何が書いてあるかは重要ではない、文字装飾である・・・
などと申しましたが、やはり意味もお知らせします。
(下記にてお披露目します額装した作品と
額縁のことわざの内容は一切関係ありません。)
額縁上部左から時計回りに
”Niemand ooit zo klein iets spon,of her kwam wel aan zon”
「どんなに細かく紡いでも、太陽の下には現れる」
”De ene pijl na de andere afschieten
「矢継ぎ早に射る」
ことわざの意味はどちらも戒めです。
おおよその感じで、それぞれ「天網恢恢疎にして漏らさず 」と
「猪突猛進」と言ったところでしょうか。
紀元前500年に生きた孔子と1500年に生きたブリューゲルが
同じ意味の戒めを書き(描き)残しているって
面白いと言いましょうか、
人間は結局同じだなぁとつくづく感じます。
さて、額縁に納めましたる版画作品はこちら!
三浦康太郎さんの作品「星の箱舟 1 」です。
この作品を初めて拝見したとき
額縁からUFOが飛び出している、その発想に驚き感激し
すぐさま購入させていただくことを決めました。
背景にはローマの水道橋のような建造物
トスカーナの糸杉のような木立、そして額縁とUFO・・・
もうわたしの為の作品と(絶対に違うけれど!)
思い込んでしまいそうに好きな世界なのです。
▲・・・ちょっと額縁が暑苦しかったですかね・・・いや、でも。
作中の額縁とわたしの額縁は違う時代様式ですが
まあそこは良し。
まるっとわたしの好みで額装させていただきました。
▲仮額装状態でマットがたわんでいますが、雰囲気だけでも・・・。
今後、この額縁は小箱の展示会等の什器としても
活躍してもらうつもりです。
いつか皆様に実物をご覧いただけますよう!
これにて「ことわざ額縁」物語は完結でございます。
長らくお付き合いありがとうございました。
食べられないお菓子 5月29日
KANESEI小箱は、以前から「なんだか美味しそう」
「お菓子みたい」と言われることもありました。
小ささや色味がチョコレートやきんつば(!笑い)に例えられたりして。
今回完成した小箱をじっと眺めていたら
我ながら「たしかにお菓子っぽい・・・」と思いました。
▲お皿に載せたらますますお菓子風
お抹茶味の天使チョコレート
デイジー(でしょうか)のプラリネチョコレート
和三盆の落雁、奥にはビターチョコレートのビスケット・・・
ささ、一服しましょう。
コーヒーと紅茶、どちらがお好きですか?お抹茶にしますか?
お供にひとくち、甘いものはいかがですか?
・・・なんちゃって。
いっそのこと「お菓子シリーズ」を作っちゃおうかな
いや、狙って作るとわざとらしいかな、などと
グルグル悩み出すと止まらない。
いや、グルグルはもうやめましょう。
今まで通り「出来上がってみたらお菓子っぽい」が
一番自然に「お菓子っぽく」なる気がします。
昨年9月末にご披露しました小箱の展示会「秘密の小箱展」は
箱義桐箱店谷中店さんのご厚意で今年も同じころに
開催させていただくことになりました。
今日の小箱も9月後半にお披露目の予定です。
ただいまガサゴソと「鋭意制作中」でございます。
詳しく決まりましたらまたご報告いたします!
イニシャル小箱3つ 5月22日
偶然にも同時期にイニシャル小箱のご注文をふたついただき
同時に完成いたしました。
大き目のA小箱、豆サイズのS小箱です。
(豆サイズAは以前に作ったものです。)
S小箱は遠くにお住まいの方からのご注文でしたので
仕上げのニュアンスや内側の布の色など
写真をお送りしてご相談したり
そのやり取りも楽しいものでした。
大き目のA小箱は豆サイズA小箱をご覧になって
「一回り大きいものを」とのご注文でした。
お客様はすでに完成イメージをお持ちですので
できるだけ豆Aとの差がないように
でもただ大きくするだけではなくバランスを考慮したつもりです。
なかなか難しい。
Sの純金そのもののキラキラも
Aのアンティーク風なしっとり感もどちらも可愛くて
ニヤニヤしながら眺めております。
この豆S小箱もA小箱も先日無事に
お客様のお手元に「お嫁入り」しました。
ふたつとも幸せに過ごしてくれることは
確信している母(わたし)です。
春のその先 5月04日
この豆小箱もまた以前に作ったものの色違いです。
前回は真っ赤なベースに模様を金色のペイントで入れたデザイン
今回は全面純金箔を貼り磨き、模様をグリーンで入れました。
アンティーク風の仕上げをせずピッカピカのままにしました。
豆小箱くらいのサイズだと金箔そのままのキラキラでも可愛く感じます。
大きな小箱(変な表現)で磨きっぱなしのキラキラだと
・・・ちょっと濃すぎるように思うのです。
でもお好みもそれぞれですしね。
大きなキラキラを選んでくださる方もいらっしゃるかもしれません。
ゴージャスで華やかで、それも有りですね。
今度作ってみようと思います。
中は模様と合わせて濃いグリーンの布を選びました。
春のその先、初夏の雰囲気になったようです。
いかがでしょうか。
外側サイズ:35×35×23mm
木地にボローニャ石膏、赤色ボーロに純金箔、メノウ磨き
アクリルグアッシュで彩色
内側にグリーンの布貼り
春のつばめ 4月10日
2月末、ギャラリーササキ商店の「工芸市」に参加しました際に
何度か「鳥の小箱は無いのですか」と訊ねられました。
その時はふたつ展示してあったのですけれど
おおきなつばめモチーフ小箱とベージュ色の豆小箱で
「ううむ、これじゃなくて・・・」と
お客様の心の声が聞こえた気がしたのでした。
心斎橋から帰宅後
さっそく小さいつばめオーナメントの箱を作りました。
フランスのアンティークから型をとって作った
オーナメントを取り付けてあります。
つばめは縁起が良いのです。
イタリア語でつばめは Rondine ロンディーネと言うそうです。
のんびりとした音ですね。
内側の布は緑を選んでみました。これまた春ですからね。
ちなみに
「つばめ」をイタリア語で何というのか
とある自動翻訳で探してみたのですが
最初に何と出たと思います??
uomo più giovane coinvolto con una donna più anziana.
「年上女性と関わり合いのある若い男性」ですって。
そうじゃなくて!
つばめって、関わり合い・・・って
そうじゃなくて。
いや、日本語でそういう意味も確かにあるけれど
まずは Rondine を出してくれたまえよ・・・
大笑い!
外側サイズ:46×45×28mm
木地にボローニャ石膏、つばめのオーナメント
アクリルグアッシュで彩色
ワックスによるアンティーク仕上げ
小箱の物語 3月23日
先日作っておりました金箔の小箱は
内側には予定通りバラ色の別珍を貼って
完成といたしました。
しっかり磨り出して下地のボーロ色(今回は赤)を出して
パスティリアで作った凹凸レリーフが強調されました。
そして汚しのワックスとパウダーを強めにつけてコッテリと。
外側はコッテリと派手。内側も乙女バラ色で派手。
つまりとても派手。
(当社比・・・というか私が思うに!)
勝手なイメージですけれど、往年の宝塚大女優
(もちろん娘役)な感じがしてきました。
”かつての女優時代の美しさをわずかに残す老婦が
夕日の差し込む部屋でひとり開けた小箱には
かつての恋人からの贈り物が今も大切に仕舞われていた。
数年ぶりに小箱を開いた彼女は
随分前に旅立ったと人伝に聞いた恋人の面影が明るく甦り
はっとした。
女優の瞳の輝きが戻った瞬間だった。”
なんちゃって。
宝塚の舞台、わたしは従姉に数回連れて行ってもらいましたが
華やかで夢のような世界でした。
この小箱もちょっと現実離れした雰囲気ですが
それもまた良し、でございます。
いかがでしょうか。
外側サイズ:78×58×39mm
木地にボローニャ石膏、パスティリアでレリーフ模様装飾
赤色ボーロに純金箔水押し、メノウ磨き
ワックスによる古色仕上げ、内側にピンク色の別珍布貼り
椿の花とクッキー2枚 2月16日
しばらく前に作ったクッキー模様の
額縁2点、今さらながらご紹介させてください。
パスティリア(石膏盛り上げ)で
模様を入れて純金箔装飾
艶消しの仕上げにしました。
クリーム色と明るいオリーブグリーン。
同じサイズ、同じデザインの色違いです。
それぞれSMサイズの油彩画を額装しました。
この油彩作品は2枚とも木枠を外して
長い時間保管されていました。
お客様の「小さく薄く額装してほしい」
とのご希望で、キャンバス作品を
薄い板に張り直してから額装。
かわいい椿。優しく穏やかな色。
完成したらお客様にお届けせねばならず
なんとも寂しい。
それもいつもの事ですけれどね。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい
黄金の輝きに気を付けて 2月13日
この豆小箱は当初は
古色を付けて仕上げるつもりでおりましたが
あえてそのまま、
金の輝きそのままに完成させました。
純金そのものの輝きって、ほんの少しの差で
品を失ってしまいそうで難しく、
なので少々怖いのが本当のところなのですけれど、
豆小箱のサイズですとトライしやすいようです。
とても小さなものがぎゅっと詰まって
キラキラ輝いていると、
それだけでもうドキドキしてしまう。
古来、黄金の輝きの惑わされて
道を誤った人がいる・・・
というのも理解できるような、
そんな魅惑的な光があります。
クワバラクワバラ。
輝く豆小箱、いかがでしょうか。
技法比較 その2 1月26日
以前の比較につづきまして
今回また同じ模様で技法違いの小箱です。
左はグラッフィートで艶消し、
右はパスティリアで古色は付けずピッカピカ仕上げ。
模様はイタリアの古い額縁からお借りしています。
どちらも古典技法額縁では良く使われる装飾技法です。
グラッフィートとは、まず全面に純金箔を貼り磨き、
その上にテンペラ絵具(今回の場合は黒い卵黄テンペラ)を塗り、
竹串等尖ったもので絵具を搔き落として
金箔の模様を出す、という技法です。
パスティリアは、すでに何度かお話しておりますが、
石膏液をたらし描き、模様をレリーフ状に作る技法です。
▲輝く純金箔を写真に撮るのは難しい・・・
グラッフィートは黒と金のコントラストが
スッキリとして、繊細な線の表現です。
パスティリアはふっくらとした
レリーフが女性的で金の輝きも華やかです。
どちらがお好みですか?
技法比較 その1 1月19日
以前に作った小箱の、同じ模様を
違う技法で作ってみようと思い立ちました。
なるべく同じデザインのものは作らないように
――そっくりそのまま同じ小箱をもうひとつ、とか――
心掛けているのですが、技法違いなら面白いかも、と。
こちら左はアクリルグアッシュ彩色、
右はパスティリア(石膏盛り上げ)レリーフに
純金箔、古色仕上げです。
教会のタイルを参考にした模様です。小箱のサイズはどちらも同じ。
模様は同じでも、陰影、色味、線の強弱
艶の違いなどで差が出て面白いです。
どちらがお好きですか?
これはきっとマッチョ 1月09日
わたしが「オジサン風」と表現していた小箱、
ある方が「マッチョ」と表現されて以来
すっかりわたしの中で「マッチョ」が定着したようです。
今日の小箱も、きっとマッチョであります。
▲どうです?マッチョでしょうか?
▲中はモスグリーンの別珍にしました。
面取りした木地に全面石膏を塗り
磨いた後に十字の帯状に石膏を塗り磨き、
さらにその帯にパスティリア(石膏盛り上げ)で
丸いポチポチを乗せ純金箔を貼りました。
黒いベース部分にはアカンサスの額縁のような
模様を線彫りしてあります。
なかなかに手が込んでおりますのです。
中世のお城、城主の寝室に隠してあった小箱が
数百年経って発見された・・・
と言うイメージでして、
ちょっと濃い目に汚しをつけました。
いかがでしょうか。
出来たことにする・・・ 10月13日
彫刻額縁は、遡ること半年前の2月に
「これ真似してみようかな」と
下描きを始めた額縁でした。
▲木地の一部分に直接鉛筆描きして
それを他の部分にも転写します。
今年は小箱で大わらわになって
右往左往の毎日の合間にガサゴソと
作業を続けておりましたが
「そろそろいい加減にせよ」と
自分に言い聞かせまして、仕上げました。
▲今回はワックスとホコリ風パウダーをはたいて終わり。
磨り出しはしませんでした。
オリジナルは18世紀末にイタリアの
ピエモンテ州(フランスに近い北部)
で作られたものです。
▲バイブル的本「Repertorio della Cornice Europea」より
木地の形も違うのですが
(オリジナルはカマボコ形、
わたしのは内流れ形)
いつものように「なんとなくこんな感じ」で
丸め込んでしまいました。
▲今回は側面にも箔を。
なんか、ちょっと、どうだろう・・・
と思う部分も多くて
釈然としない仕上がりなのですが
今の時点では、これにて終了。
眺めて過ごすうちにきっと
具体的な改善点が見えてくるだろう!
・・・と自分に期待することにします。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
*「classical」の上から3段目右から2つ目です。
ギャラリー内並べ替えが上手く行かず・・・
見づらくてすみません。
脱力、ふぃー・・・ 9月26日
ザクザク材の彫刻額縁は
どうにかこうにか完成に漕ぎつけました。
気が抜けて脱力しております。
オリジナルはイタリア北西部リグーリア州で
16世紀終わりに作られた額縁です。
▲いつもの額縁本「Repertorio
della Cornice Europea」134ページ掲載
▲木地の形の違いで、模様の順番が違います。
何度も放置しそうになり、でも
「今やめたら二度と作業しない確信」
がありましたので、もうやるしかない。
彫刻作業のほとんどを
アトリエLAPISで続けていたのは、
制作を頑張る方々に囲まれていれば
(ひたむきに頑張る生徒さん方には
本当に常々励まされております。)
わたしも挫けず作業できそう・・・
と言う気持ちだったのです。
いやはや。
この額縁摸刻の計画を立てた時は
もうちょっと・・・こう・・・
簡単とは言いませんけれど(!)
気持ちを楽に作る期待があったのですが
額縁の神様から「コラー!!」と
一喝された気がします。
「驕るでないぞ、きみぃ。」
木地仕上げ、つまり
石膏を塗らない彫刻は
刃跡が歴然、ごまかしが効かず
裸に近い感じがしてしまって
なんとも言えない恥ずかしさがある。
取り繕えない分、初心を取り戻す
良い機会になりました。
「秘密の小箱展」のお知らせ 9月05日
以前にも少しお話したのですが
小箱の展示会をいたします。
箱義桐箱店 谷中店にて
「秘密の小箱展」です。
秘密にしたいのか
見ていただきたいのか
変なタイトルなのですけれど
KANESEIの小箱は
大きなものは入らないけれど、
あなたの「秘密」を入れたら
大切に守りますよ・・・
というイメージなのです。
フォトグラファーの篠田英美さんに
これらの素敵な写真を撮って頂きました。
そして沢山の方に助けていただき
励ましていただき
ようやく漕ぎ着けました。
初・KANESEI小箱個展・・・
浮足立っておりますが
どうぞよろしくお願い申し上げます。
DMハガキ、お送りいたします。
ご希望の方は私までご住所をお知らせください。
金の小籠箱 7月14日
以前に小箱木地の角を丸く加工して
それっきり放っておいたのですが
なんとな~く気分で「かご風」に
パスティリアで(またパスティリア!
石膏液を垂らし描きしてレリーフにする)
模様を入れて金箔を貼りました。
角を丸くしたからか、艶消し古色の
効果なのか、思っていたよりずっと
かごっぽくなりました。
イタリア語で籠(かご)は
cesto チェストと言うそうです。
これは小さなかごですので
さしずめcestino でございます。
金の小籠。cestino d’oro.
それにしても漢字で「籠」は
竹冠に龍と書くのですね!
これもまた面白く興味深い。
Cestino d’oro…spero che ti piaccia.
venezia-2 完成しました 7月07日
1年放置して(悩んで!)いた
ヴェネト額縁の古色加工も無事おわり
完成といたしました。
この古色加工は奥深くて、いつも
どこまですり切れた感じにするか
どこまで汚すのか
いつどこで作られた雰囲気にするのか
などなど・・・
悩み深いものがあります。
今回は磨り出し少しにちょっと汚い感じ。
「KANESEI古色・レベル3」
と言ったところでしょうか。
なにせこの額縁は思い入れと思い出が
深すぎて多すぎて、眺めているだけで
夜通しお酒が進んでしまいそう・・・
なのであります。
制作していた様子は「diario」内のカテゴリー
「Firenze 2020」にちらほらと書いております。
宜しければご覧ください。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
丸三角四角ちらほら五角 5月12日
先日ご覧いただきました kirikami の
白い小箱と同じ技法で凹み模様を入れた
「丸三角四角ときどき五角」小箱です。
いつものように古典技法で純金箔を貼り
艶消しで仕上げました。
名前のとおり、ランダムに
丸三角四角、ちらほらと五角形を
散らばせています。
内側は金色の反対色(補色)で青に。
箱の角もすこし丸くして
ぽっこりした印象にしました。
丸っこくなくシャープにした方が
模様と合っているかな・・・?と
迷いつつ。
いかがでしょうか。
外側寸法:62×54×47mm
桐木地にボローニャ石膏
赤色ボーロに純金箔、艶消し仕上げ
この小箱は松屋銀座7階「和の座ステージ」
で開催中の催事に出品しております。
どうぞお立ち寄りください。
「kirikami」小箱 5月09日
以前に作った額縁に
kirikami というシリーズがあります。
その模様は、折り紙を畳んで
角をランダムに切り取って
開いたらレース模様になる、という
子供の頃の思い出から作ったデザイン。
シンプルながら気に入っています。
kirikami の模様を小箱にも施しました。
この模様の特徴は、凹みで模様を
表現しているところでしょうか。
ボローニャ石膏を垂らし描きして
模様を表現する「パスティリア」
(石膏盛り上げ)は古典技法で
古くからある代表的装飾法で、
その模様は凸になります。
このkirikami の模様は逆に凹みです。
不思議なことですが、
同じ模様を作ったとしても
凸だとクラシカルに
凹にするとモダンな雰囲気に
なるような気がしています。
艶消しの白、布もライトグレー。
シンプルでクリーンなイメージで。
いかがでしょうか。
この小箱は11日水曜より始まります
松屋銀座7階「和の座ステージ」
での催事に出品いたします。
どうぞお立ち寄りください。
桐木地にボローニャ石膏
凹みで模様装飾、アクリル塗料で彩色
艶消し仕上げ
外側寸法:79×58×38mm
今はひとまず 4月18日
昨年9月末に、わたしは友人から
「小箱作家」と評された(?)と
お話しましたけれど、最近は本当に
額縁よりも小箱を作る時間が圧倒的に
長くなっております。
その時々で活動内容が変わるのは
以前から同じですので、今のところ
小箱活動が多い、と言うだけではある
のですけれど。
やっぱり額縁から離れているのは
寂しいと言いますか不安もあったりして。
それはさておき。
ブツブツ言いつつも小箱は大好きなのです。
最近いくつか木地作りをした面取り小箱の
極小サイズがひとつ完成しました。
全面赤色ボーロに純金箔、刻印で模様入り
古色仕上げ。
「これぞ古典技法」でございます。
目指すはルネッサンス時代にイタリアで
作られたもの。・・・なんちゃって。
中はモスグリーン、1€コインを置くと
小ささが伝わりますでしょうか。
側面4面にも模様を入れました。
手のひらに乗せて愛でてください。
いかがでしょうか。
去年から言って止まっている目標に
「ネットショップを作る」があります。
夏までには!・・・おそらく。
小箱も額縁もテンペラ画模写も。
レディメイドもオーダーメイドも!
夢ばかり膨らんでおりますが
開店の暁にはぜひご覧ください。
小箱9 2月14日
今日の小箱は前回の「小箱8」で
ご覧いただいた金の点々打ち小箱と
同じサイズの小箱木地を使っています。
なので当然ながら同寸法なのですけれど
ちょっと大きく感じるような。
オフホワイトベースに
スモーキーなピンク・緑・紫、グレー
アクセントに艶消しの金色を入れました。
モダンな幾何学模様に見えますけれど
純和柄なのでございます。
色選びと配色で雰囲気も変わります。
内側はモスグリーンの別珍で。
いかがでしょうか。
外側寸法:78×50×25mm
内側寸法:58×30×15mm(おおよそ)
小箱8 1月20日
昨年秋に「梨地風」などと名付けた
点々打ちで入れる模様細工にはまり
ひとつ完成させました。
赤ボーロに純金箔の水押しで
ザ・古典技法でございます。
模様も純洋風。
・・・なはずですが、なんだか
エキゾチックな雰囲気も出ました。
なぜだろう?
中には白い別珍を貼りました。
古色をかけていない輝く金と
白い別珍の柔らかさでプラマイゼロ
と言いましょうか(違いますな)
引き立て合っている、と言わせてください。
1€コイン(23πくらい)を入れて
こんなサイズ感です。
いかがでしょうか。
どのように使っていただけますか?
外側寸法:78×50×25mm
内側寸法:58×30×15mm(おおよそ)
絵葉書を楽しむ 3最終回 11月25日
「絵葉書を楽しむ」でご覧いただいた
ハガキサイズの額縁ご紹介最終回です。
▲右上の彫刻額縁です
Andrea Buonaiuto
“Allegory and the vanity of earthly pleasures”
Fernand Léger「都市のための習作」
John Constable「モルヴァーン・ホール,ウォリックシャー」
「楼閣山水之図」奈良平城京左京二条二坊五坪出土
クラシックな額縁ですが
和洋折衷でいけます。
いかがでしょうか。
額縁:fiore-1
絵葉書を楽しむ 2 11月18日
先日完成しました絵葉書サイズの
額縁ご紹介2回目、金の艶消し額縁です。
▲左上の金色額縁です
純金箔を使っていますので
輝きは本物、でも艶消し仕上げで
摺りガラスの向こう側からの輝きです。
Vassily Kandinsky「コッヘル―墓地と牧師館」
サンドロ・ボッティチェッリ「聖母子と天使」部分
ルネ・マグリット「The castel in the pyrenees」
アンドレ・ケルテス「マルティニーク,1972年1月1日」
青色は金色に映えます。
直線的な写真作品もぱっきりと合う。
いかがでしょうか。
額縁:intrecciata
赤色ボーロに純金箔水押し、メノウ磨き
艶消し仕上げ
絵葉書を楽しむ 1 11月11日
先日から作りはじめていた
小さな額縁3つが完成しました。
絵葉書のサイズなのです。
額縁は、中に入れる葉書によって
雰囲気もずいぶんと変わります。
着せ替えをしてみましたので
ご覧ください。
まずは中央下の黒い額縁から。
伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」
Gustav Klimt ,Allegory of “Sculpture”
増田健二「誰かの昨日の部屋」より
Domenico Ghirlandaio
Nativity of the Virgin,detail
どれかお好みはありますか?
展覧会を見終わって好きな絵葉書を買ったり
遠い旅先から送られてきたお便りなど
せっかくですから額縁に入れて
身近に楽しんで頂きたいと思います。
額縁:
小箱7 10月21日
このサイズの小箱、絵を描くには
最高だ~!と思い、まずは
この2つを作ってみました。
騎士の小箱と教会の模様小箱。
▲外側寸法:80×80×25mm
側面にはラテン語を装飾に入れました。
この文章は絵や箱とは特に関係がありません。
単純に文字装飾として選んだ格言です。
artis maxime proprium est creare et gignere
(騎士の小箱)
「想像し生産するは芸術の特質なり」
cantates licet usque ,minus via leadit,eamus
(教会の模様小箱)
「歌いつつ常に我々はいかん、道の辛さが減るべければ」
迷った挙句、アンティーク風の仕上げにせず
黒とクリーム色のコントラストを
際立たせることにしました。
いかがでしょうか。
小箱6 10月07日
わたしの小箱はいつも
「箱義」さんというお店の桐箱を
使わせて頂いているのですが、
今日の小箱はもうずっと前に
駅前の文房具店でワゴンセールになっていた
桐無垢材の名刺入れです。
今もネット通販で購入できるようです。
▲こんな小箱。写真はネット上からお借りしました。
いつも作る小箱より一回り大きな木地で
どうも食指が動かない・・・だったのですが
試しにひとつ作って友人に見せたところ
「ショップカード入れに良さそう、
お店の入り口に置いたら面白いんじゃない?」
と言ってくれましたので
嬉々として追加で作りました。
4種類、サイズは同じで
それぞれ雰囲気を変えてみました。
名刺入れとしても、そして
ショップカード入れとしても
いかがでしょうか。
小箱5 9月23日
今日ご覧いただく小箱は
金箔ではなく彩色で仕上げたもので
天平時代の模様をいれました。
奈良東大寺の法華堂から拝借しました。
▲それぞれ小箱の厚みが違います。
いちばん厚い(高い)紫小箱には
内側に白い別珍を貼りましたが
薄い青と桃色は桐の白木のままで。
このふたつは・・・もしかしたら
お茶の香合に使えるかも
と思ったのです。
手のひらにちょうど乗るので
サイズも良さそう、と思っています。
いかがでしょうか。
お姫様じゃなかった 8月30日
すこし大きめの小箱木地を買って
さてどうしたものかと眺めていたのですが、
「凝りに凝った細工」に挑戦してみたくなり
さまざまな技法を詰め込んだ小箱を
つくりました。
イメージは、ルネッサンス時代の
どこかのお姫様の嫁入り道具、で開始しました。
お母様から受け継いだ特別な宝石を入れて
嫁入りの一番大切なものとして胸に抱いて、
家族や使用人たちに見守られながら
迎えの馬車に乗り込んで実家を出る朝・・・とか。
いや、妄想を繰り広げるのはいつものこと。
お許しくだされたし。
それで出来上がったのがこの小箱です。
石膏盛り上げ装飾(パスティリア)に
茶色ボーロ、全面純金箔のメノウ磨き、
刻印装飾と卵黄テンペラの彩色
(濃い緑灰色、臙脂、薄い灰褐色)
そして少しの磨り出しにアンティーク仕上げ。
ルネッサンス時代の技法に忠実に制作しました。
▲箱の外側寸法 77×77×59mm
▲今回は内部は茶色の木地仕上げにして
布を貼り込むのは止めてみました。
なかなか重厚で趣のある小箱になりました。
・・・のですが。
お姫様要素が感じられません。
色選びでしょうか。
内部にバラ色の布を貼るべきでしたでしょうか。
そもそものデザインでしょうか。
なんだかお姫様というか、おじさん風。
それもちょっと陰謀めいた雰囲気とか。
中にはドゥカート金貨かフローリン金貨が
詰め込まれていて、絹の裏打ちをした黒い袖から
真っ赤な枢機卿の衣装の懐へ静かに滑り込む。
・・・とか!
どうもわたしが作る物は、図らずもたまに
自覚しておこうと思います。
なににせよ、とは言え、まぁとにかく。
この小箱はちょっと自信作であります。
いかがでしょうか。
イタリアデッサンの額縁 8月16日
6月末に途中経過をご覧いただいた
デッサン額縁が完成しました。
麻布を貼り込んだマットを使って
イタリアの古い鉛筆デッサンを額装して
一段落でございます。
今回のデザインは額装するデッサンの
一部分にも使われている形を採用しました。
U字の連続模様は額縁や建築にも
よく見られるデザインです。
四隅には花模様を彫りました。
茶色に塗ってワックスでアンティーク風に
加工しただけの、シンプルな額縁ですが
やはり額縁は中に作品をいれると
落ち着くと言いましょうか、
額縁本来のすがたになります。
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
小箱4 8月09日
金箔シリーズ、ひとまず最後の
ご紹介は豆小箱3つです。
豆小箱は以前にもいくつか
まとめてご覧いただきましたが
ちがう趣で再度登場でございます。
写真の一番上のものは
純金箔をメノウ磨きしたまま、
アンティーク風にもせず
つやつやピカピカです。
中世~ルネッサンス時代に
作られた当時のような雰囲気です。
下ふたつにはワックスを使って
アンティーク風の仕上げをしました。
木地にボローニャ石膏
パスティリアと線刻、点刻で装飾
赤色ボーロに純金箔水押し
メノウ磨き
外側寸法:34×34×23mm
この小箱がどの程度に「豆」
かと申しますと、
指輪はまっすぐ入らない。
斜めにすると、ある程度の
装飾付き指輪がはいる、
そんな感じです。
小さいものがお好きな方には
たまらない可愛さのサイズです。
プロポーズに、記念日に、
贈り物をしのばせて
いかがでしょうか。
小箱3 7月29日
今日ご覧いただく小箱ふたつ
どちらも古典技法で
純金箔を水押ししていますが
仕上げを変えています。
左のイニシャルHの仕上げは
古典技法王道(?)で
メノウ磨き後に磨り出し、
ワックスでアンティーク風に。
右のひとまわり大きな小箱は
メノウ磨きをしてツヤピカに
輝かせた後、艶消しラッカーを。
すりガラスの向こうから
金の輝きが感じられるような
「半艶消し」になって
クリーンで涼しげな雰囲気です。
外側寸法:左小箱 61×53×33mm
右小箱 89×58×39mm
どちらがお好みですか?
sansovino-2 7月19日
先日、白木を茶色に塗った双子の片割れ
サンソヴィーノは無事完成いたしました。
先に完成した「金&黒」と今回の「茶」を
並べてみると、同じサイズとデザインでも
仕上げが違うとこれだけ変わる、という
驚きと楽しみが見えました。
▲サンソヴィーノ額縁とは、16世紀イタリアで
流行したスタイルです。渦巻きとウロコが特徴。
シンプルながら悪くない・・・と
思ったりなんかして。
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
小箱2 7月08日
先日の「小箱1」に続きまして
「小箱2」シリーズを
ご紹介させてください。
前回のシリーズより
ひとまわり小さいくて
薄手のサイズです。
木地にボローニャ石膏
パスティリア(石膏盛り上げ)と
点刻印の装飾
赤色ボーロに純金箔水押し
メノウ磨き、ワックスによる
アンティーク仕上げ
蓋裏と内部に布貼り
外側寸法:75×48×22mm
2€コインと指輪をひとつ。
思い出のものをしまうために
いかがでしょうか。
小箱1 6月28日
小箱もだいぶ増えました。
制作過程ばかりをご紹介していましたので
完成品もご覧いただきたいと思います。
木地小箱はすべて桐の既製品です。
無垢材ですので、古典技法の
ボローニャ石膏下地をほどこし
仕上げています。
まずは古典技法らしい金箔シリーズを
ご紹介させてください。
上の写真には12個あります。
今日はそのうちの4つ。
木地にボローニャ石膏
線刻、パスティリア(石膏盛り上げ)
赤色ボーロに純金箔水押し
メノウ磨き、ワックスによる
アンティーク仕上げ
蓋裏と内部に布貼り
4つのうち3つは
外側寸法:78×57×39mm
楕円装飾のものは
外側寸法:78×57×31mm
(いずれも凸装飾部分は含まず)
ひとつだけ8mmほど低いサイズです。
サイズはおおよそですが
女性用腕時計をたたんで入れると
こんな感じです。
贈り物などにも
いかがでしょうか。
シリーズ「豆」 4月05日
小箱といっても形さまざまに
作っておりますけれど
その中でも特に小さな箱
豆のような小箱があります。
「豆」シリーズでございます。
左上から時計回りに
・パスティリア(石膏盛り上げ)に
ホワイトゴールド箔の水押し
メノウ磨き
・パスティリア(石膏盛り上げ)に
純金箔の水押し、メノウ磨き
・純金箔水押しにアクリル彩色
イニシャルKモノグラム
・イタリアのオーナメント
アクリル彩色、古色仕上げ
・イタリアのアンティークから型取り
オーナメント、アクリル彩色
・イタリアのオーナメント
アクリル彩色、古色仕上げ
サイズは
外側:35×35×23mm(オーナメント含まず)
内側:22×20×15mm
指輪なら斜めに入る感じです。
いかがでしょうか。
なにかに使っていただけますか?
「works」ページ内「other」にアップいたしました。
ページ内下部です。スクロールしてください。
どうぞご覧下さい。
春っぽく 3月22日
バラの絵のための額縁が完成しました。
ピンク色のバラ2輪が大きく描かれた
F3号の油彩作品のために作りました。
純金とクリーム色、装飾部分は
少しトーンを落としたベージュです。
艶消しにしたので穏やかな雰囲気。
春っぽいな、と思っています。
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
cassetta-1 完成 11月05日
留め切れを作ってグラッフィート装飾をした
cassetta 箱型額縁が完成しました。
この額縁は、ローマにあるアンティーク額縁専門店
「La Cornice Antica」のファブリツィオ・カント氏著
「CorniciXV-XVIIIsecolo」に掲載されていて、
はじめてこの本を見たときから魅了されていたのです。
▲左が本に掲載されている額縁写真。
16世紀半ばにフィレンツェで作られた額縁です。
オリジナルとおなじ材料、同じ技法で再現しました。
(おそらく木地の材だけは違うと思われます。)
仕上げの古色加工に迷いがあって
オリジナルの額縁より古色度は低くなってしまいました。
グラッフィート装飾(平らな部分の黒と金の模様)に
傷を付けたくないし、あまり汚すのもどうかなぁ・・・
などとつい加工に消極的になったのですが
まぁ、しばらく眺めて足りなければ追加工
ということにいたします。
▲右上の留め切れはこんな感じに仕上がりました。
久しぶりに彫刻から離れて、小さな世界で
凝った装飾を詰め込んだ額縁を作ることができて
心身共に充実しました。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
サンソヴィーノの双子 ひとつ完成 9月24日
ふたつ同時に作りはじめたサンソヴィーノ額縁は
練習台になっていたものが一足早く完成しました。
目に刺さるような派手さだった「出来たてほやほや」に
磨り出しをしてワックスとパウダーで汚して
アンティーク風に仕上げて・・・ようやく落ち着きました。
▲吊り金具は現代の手作り。釘は古いもの。
どちらもイタリア製。
下の写真、ひだりページの額縁を
参考に今回の額縁を作りました。
オリジナルは全面金ですけれども。
このオリジナル額縁のデータとして本には
「サイズは225×240mm、おそらく1560~1580年頃に
作られたかなり小さくシンプルなサンソヴィーノ。
大きな額縁をサイズダウンしたのではなく、
元々この小さなサイズで作られた。」とのこと。
ちなみにわたしが作った額縁は
外側寸法が242×225mmです。
この額縁にはどんな作品が納められていたのでしょう。
プライベートコレクションですので
知る由もないのが残念です。
前回につくったサンソヴィーノ額縁・・・いえ、
「サンソヴィーノ風額縁」は厚みが足りなくて
悔しい思いをしましたが、今回はまぁなんとか
自分で合格点を与えたいと思っております。
楽しくて学びの多い製作でした。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
そして hori-makuha-3と初心 8月13日
先日完成をお披露目しました hori-makuha-2 額縁は
ドローイングを額装してお客様にお届けしました。
そして後日に「もっと古色を強くしてください」
とのご注文により、さらにガシガシと加工をしました。
▲加工後
▲先日ご覧いただいた加工前
イタリア留学時にパオラとマッシモが経営する
額縁工房に押掛け弟子入りをしたのは
彼らの作る額縁の古色加工に憧れたからでした。
そして帰国してひとりで額縁を作るようになったら
日本では古色加工をした額縁はおもったより
受け入れてもらえない・・・ということが分かって
以来、無意識に強い古色付けは避ける気持ちに
なっていたようです。
そして今回「金がほとんど無くなるくらいまで
強い加工をしてください」とのご注文をいただき
ここぞとばかりに叩いて擦って汚してみたわけです。
出来上がった額縁は「そうそう、これこれ!」
と嬉々としてしまうような、初心を思い出すような
仕上がりになりました。
ああ、やっぱり私は古色加工ガシガシの
額縁が好きなのだな~!と再確認いたしました。
こんな額縁を作らせていただけてわたしは幸せです。
この額縁は hori-makuha-2 の加工後ですから
同じ額縁ですけれども、あえて今回は
hori-makuha-3 と新たな名前で置くことにします。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
hori-makuha-2 7月30日
あたらしくドローイング用に作っていた
彫刻入り額縁が完成しました。
この額縁「hori-makuha-2」は以前につくった
「hori-makuha-1」を細くおおきくしたもので
イタリアの古い額縁を参考にしています。
汚し加工を減らして、巻く葉のツヤ(磨いた金)と
ツヤ消し部分(磨いていない金)のコントラストを
よりはっきりわかるようにしました。
若い男性のドローイングを額装して完成です。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
hori-16-2 完成 7月23日
以前にご覧いただいたちいさな彫りかけ木地は
石膏を塗り磨いてボーロを塗って金箔を貼って・・・
無事に仕上げることができました。
▲木地の形は少し違うのです。
いつものように、わたしの愛読書である
「Repertorio della cornice europea」掲載の
16世紀末イタリアのピエモンテ州でつくられた
額縁を摸刻しました。
▲本の写真と同寸です。のせるとぴったり。
オリジナルは一回りおおきい。
片手に乗るサイズですけれど
細かい彫りで凹凸もあって、箔の作業は
サイズのわりに少々面倒ではありましたが・・・
「小さなモチーフ彫刻の練習」としては
まぁ良い経験になりました。
肖像画とか静物画とか、暗い背景の絵を
入れてみたいような気がしています。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
「kirikami-2」 12月27日
あの後、結局「これで良いとする。」になって
完成を迎えました kirikami シリーズ四角いバージョン
kirikami-2 です。
最初につくった丸い kirikami-1 から
凹みを作る方法を変え、塗装も変えました。
2つを並べてみれば違いははっきりありますが
全体の雰囲気や受ける印象は、あまり変わらないように
心がけたつもりです。
いかがでしょうか。
はー。いやはや。
頭がグルグルする度合いが高い制作でした。
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
乙女かボロボロか二択。 12月11日
先日、あまりに乙女チックな配色になって
やっぱりやめた!とばかりに
テンペラ絵具を削り落とした小箱は、
刻印を打ってワックスで古色仕上げしました。
中に灰茶色の別珍を貼りこみましたが
なんだか地味な趣きになりました。
結局いつもの雰囲気になりましたけれど、
仕上がりはなかなか気に入っております。
デザインの細かさに対して刻印の点が大きくて、
繊細さがない代わりに力強さはある、とでも
表現させてください・・・。
それにしても
古色を付けたとはいえ初々しさは皆無です。
わたしのつくる額縁は、以前から「いかにも
女性が作った額縁ですね」と言われることが多く、
制作者の性別も年齢も感じさせないものを
作りたいと思ってはいたのですけれど。
わたしの引き出しには今のところ
「乙女風」と「オンボロ風」のふたつしか
選択肢がないのでは?!
▲どっこいしょ・・・
オンボロ箱と乙女クマを組み合わせたりして。
もう少し柔軟に幅広い表現をしたい
と思っている次第でございます。
「works」ページ内「other」にアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
小さなかわいこちゃん7 完成 11月20日
長らくご覧いただきました小さい祭壇型額縁が
ようやく完成を迎えました。
なにせ小さいものが好きですので
いつもに増して楽しく作ることができました。
▲台座の彫刻部分にも点刻印をいれました。
以前にもお話しましたが、予定と装飾方法を変えたので
模様が繊細な印象になりました。
彫刻部分がちょっと重く感じられたので
バランスをとるために台座にも点刻印を入れました。
すこし軽やかになったと思います。
いつまでも「かわいこちゃん」などと
親ばか名前で呼ぶわけにもいきませんので
tabernacolo-mini-1 と命名いたします。
tabernacolo とはイタリア語で祭壇型額縁。
なぜ次に英語 mini が来るのかといわれますと
わかりやすいでしょうということで。ハハハ。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
「teatro」 11月06日
先日ご覧いただいた新商品を使った額縁は
予定通り茶色にして古色を付けて完成しました。
この額縁に納めるのはイギリスのアンティーク版画で
かわいらしい犬の図なのですが、
ご依頼くださったお客様のワンちゃんそっくりとか。
この子の名前がコリーちゃんというそうなので
額縁も勝手にコリーちゃん(仮)と呼んでおりました。
そろそろ命名しなければ、つらつらと考えて。
ぼんやりと眺めていたら
古めかしい劇場の舞台にかかっている幕のように見えてきました。
この額縁の名前は「teatro」にします。
いかがでしょうか。
何はともあれ、額縁もかわいらしく完成して
にんまり喜んでおります。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
5mmの空間をつくる 10月30日
銀座6丁目にある「画廊るたん」のオーナーは
大学の大先輩でして
わたしが額縁を作り始めたころから
仕事を下さり応援してくださり・・・
とてもお世話になっております。
その画廊るたん所蔵の作品を額装させていただきました。
佐野ぬい先生の版画です。
この額縁は、オーナーとわたしとふたり一緒に
デザインを考えて作った思い入れのある額縁です。
銀箔艶消しで細い枠、変哲もないのですが
側面は木地仕上げです。(写真が悪くてすみません。)
一般的な版画の額縁はマットとガラスが接していますが
この額縁ではオーナーのアイディアで
マットとアクリルガラスの間にはスペースを作っています。
ほんの5mm厚の空間がつくる趣と影ができました。
シンプルなだけに珍しくもないデザインです。
何気ないことばかりですけれど、こうした
ちょっとしたことが作るうえでの楽しみですし
見る方が気づいてくださるとうれしい。
こちらの作品は画廊るたんでご覧いただけます。
お近くにお越しの際はどうぞお立ち寄りください。
荻太郎先生「バレリーナ」の額装 9月23日
大学時代の先輩からいただいたご注文は
荻太郎先生の版画作品の額装、
frido-1 のデザインです。
荻太郎先生のゼミ員だった先輩の
思い出がたくさん詰まった作品を
額装させていただけるのはとても光栄です。
作品が納められた額縁の様子は
あまりご紹介できず、空っぽの額縁ばかりですが
今回は先輩に許可をいただいて、額装した姿を
こちらでご覧いただこうと思います。
ガラスをいれてしまうと反射が写ってしまい
せっかくの作品を正面から撮影できず。すみません。
荻先生はいつもお好みのデザインが決まっていて
額縁からも先生を感じられるのですが
今回は先輩がKANESEI額縁シリーズから
選んでくだいました。
荻先生の作品を見慣れている方には
ちょっとびっくりかもしれません。
荻先生の代表テーマのバレリーナ。
凛としたほほえみ、涼しい色使い。
額縁には艶消し純銀箔の明るい白さと
下地に使った赤ボーロの微かな温かみで
なかなか良い雰囲気に仕上がったと思います。
いかがでしょうか。
荻先生に見ていただくことが叶わないのが残念。
お許しいただけたか気になります。
厳しくも思いやりのある先生のご意見を
伺いたかったと思っています。
ちいさな額縁 angelo-4 8月16日
「人気のあの子」フラ・アンジェリコ作の
受胎告知大天使ガブリエルの模写を
入れるちいさな額縁が完成しました。
angelo-4 です。
今回は磨り出しもせずにそのまま
艶消し仕上げで終えました。
ピカピカの黄金背景テンペラ画が入るので
額縁ばかりボロボロでも合いませんのでね。
最初は模様の中も点の刻印で埋めようと
思っていたのですが、しつこいように思えて
輪郭だけ打つことにしました。
これはとても小さな額縁ですけれど、
同じ材、デザインで大きく作れば
角にだけ模様が入ってもっとスッキリ。
版画やデッサンにも良いかもしれません。
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
やさしいななこが出来ました 7月26日
nanakoori-3
斜子織りの3色目が完成しました。
今回はあわい辛子色というのでしょうか、
ジャスミンティーをイメージした色です。
1つめの赤、2つめのマゼンタよりやわらかく
やさしい雰囲気になりました。
この額縁には笑顔の女性肖像が入る予定です。
同じデザインでも色が変わるとこんなに違う。
たとえば黒にしたら硬く強い雰囲気、
茶系、みどり系だと植物のイメージ
パステル調なら、額縁のかたちはシャープだけれど
かわいらしい印象になるのではないでしょうか。
これから少しずつ色を変えてさまざまに
作ってみたい nanakoori シリーズです。
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
TMKH祭壇型額縁 5月27日
もうひとつ、祭壇型額縁が完成しました。
このちいさな祭壇型額縁も3つ目のご紹介です。
サイズは外側最大部分で290×175mm
なかに額装できるのは写真L判より小さい。
ミニチュア祭壇型額縁といったサイズです。
1500年代イタリア・トスカーナ州で
造られた額縁を参考に、
オリジナルサイズで再現しています。
今回はご家族4人のイニシャル TMKH を
装飾に、という御依頼です。
この楯状部分は15mm四方で小さいけれど
上の帆立貝の装飾とあわせて重要な部分です。
オリジナルの文字配置は参考資料を頂いたのですが、
その図にさらにわたしのアレンジを加えました。
家族の中心にTお父さん、そのお父さんを
後ろからしっかりと支えるMお母さん、
K とH の2人の息子さんがご両親を囲み、
お父さんの様な大きな男性になってゆく。
仲の良いご家族そのままの姿、そんなイメージで。
今回の汚し加工は、2016年に作ったもののような
強めの加工になりました。
この額縁、何度作ってもとても好きです。
フフフ。
花彫刻№4 5月15日
イタリア留学から帰ってきたばかりのころ
まだ彫刻はあまりしていなくて
角にすこしだけ、で作った額縁が
花彫刻「fiore-1」です。
思い入れのあるデザインです。
花彫刻に新しいシリーズが加わりました。
fiore-4 でございます。
全面純金箔のつや消し仕上げです。
19世紀フランスで描かれた作品を額装します。
当時流行していたネオルネッサンス様式で見られる
刻み模様(歯模様)を入れました。
ボーロも今回は赤色ではなく茶色にしました。
ほんのすこしの磨り出しをして汚し加工は無し。
スッキリシャープな印象に仕上がったように思います。
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
サンソヴィーノチャレンジ ひとまずお終い 4月29日
ほぼ1年がかりでガサゴソと作った
これにて完成といたします。
うず巻きの角度が釈然としない。
シャープさが足りない・・・。
サンソヴィーノ額縁と名のるには躊躇いたしますので
ひとまず「サンソヴィーノ風 Gusto Sansovinesco 」
とさせて頂こうと存じます・・・。
真鍮の特製金具を取付けました。
丸い金具がぴょこんとのぞく姿は
やはり愛らしくて気に入っています。
それにしてもキョーレツな額縁です。
サンプルとしても持て余す予感であります・・・。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
思い出を共にした人へ 4月22日
小さな額縁が完成しました。
17mm幅の木地、白で模様を入れたスペースの幅は
5mmしかなくてほとんどミニチュア額縁です。
筆さばきもなかなか大変でしたけれども、なんとか。
中央部分の星が気に入っています。
この額縁には昨年フィレンツェで買った版画を入れて
ベルリンに住むドイツ人の友人へ贈る予定です。
昨年秋、12年ぶりに再会することができた友人K。
彼女がいなければわたしは留学3年間を乗り越えること
――楽しいことは山ほど、辛いことも同じくらい――は
できなかったと思っています。
4月21日(今年はイースター!)が誕生日のK、
間に合わなかったけれど、そして
彼女への感謝にはささやかすぎる贈り物ですが
フィレンツェ風の額縁に、フィレンツェ風景を納め、
2018年秋のフィレンツェの思い出を籠めて。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
プリンセスにはリボンが必要ですから 4月01日
今回できあがった額縁ったらもう
ペールピンクにゴールドのリボンという
甘々スイートな額縁です。
ディズニープリンセスのキャンバス作品に
あわせて作りました。
ピンクとリボン。
お姫様には欠かせないですからね。
我ながらかわいらしい額縁ができました。
リボンのオーナメントはずいぶん前に
骨董市で買ったフランスの古い金具から
型取りしたものです。
古典技法ではないけれど、こんな額縁もつくります。
この額縁、ホームページでご紹介するのに
classical modern どちらのカテゴリーか
悩んだのですけれど、modern といたします。
でも、ううむ、釈然としませんがひとまず。
という訳でして
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
イタリア15世紀風小箱 3月11日
つくづく、古典技法の金箔作業は
たのしくてたのしくて
頼まれもしない目的もないものを
ガサゴソと作っております。
この小箱も毎週月曜日、Atelier LAPISでの
古典技法の講師の時間に作業を続けました。
60×52×33mmの、ほんの手のひらサイズです。
デザインは昨年秋にフィレンツェで観た
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの
黄金背景テンペラ画が納められている額縁から。
15世紀初めころのイメージです。
ぱかっ
今回は初の試み、箱内に別珍を貼りました。
ちょっとシワになってしまいましたが。
木地のままより当たりが柔らかですので
壊れやすいもの硬いものの収納にも良さそうです。
モスグリーンの布にしましたけれど
紺色やワインレッド色のほうが
イタリアっぽかったかしらん?と思いつつ。
すっかりマイワールドでございます。
小さいものはお好きですか?
お気に召して頂けますでしょうか。
いつか小箱ばかりの展覧会をしてみたい
などと企んでおります・・・。
「works」ページ内「other」にアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
銀白の額縁 7月02日
この額縁を作ったのはいつだったか・・・
忘れられていた額縁第2弾からしばらくぶり、
忘れられていた額縁第3弾です。
おそらく第2弾のブコの額縁と近い頃だと思います。
「works」ページにある venezia-1 を作って
デザインを少し変えて銀箔にして・・・
という感じで作った記憶。
名前は「銀白」とつけていました。
銀箔のうえに白をベールのようにかけて
銀の輝きがソフトになっています。
半艶消し、古色はつけませんでした。
お客様のもとに渡り、もはや見ることも叶いませんが
こうして写真で振り返っても可愛らしい額縁だったな
などと親バカ気分で思い出しています。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
Black&Gold 普遍の組み合わせ 5月02日
先日から「額縁の作り方」で
ご覧いただいております額縁が
一足早く完成いたしましたので
ご紹介させてください。
15世紀末から16世紀初頭に
イタリアのボローニャで作られた
額縁をモデルにしました。
オリジナルは平らな箱型額縁で
全面金箔、刻印打ちが施されていますが
わたしは外に低くなる形(外流れ)の
アユース木地を彫り、純金箔と黒の
ツートンカラーに仕上げてみました。
外側の寸法が225×210mmと小さいのですが
予想以上にコッテリハデハデになりました。
一歩間違えると下品になってしまう
難しい色の組み合わせですが、今回は
なんとかセーフとしてくださいませ。
金色と黒色。
様々な場所で文化が生まれて以来ずっと、
人を引き付ける普遍な色の組み合わせ
なのだろうと思っています。
「額縁の作り方」ではひきつづき
この額縁の制作過程をご紹介いたします。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
和洋折衷ツマミ 4月02日
ひさしぶりにツマミを作りました。
ツマミ、お酒の肴ではありません
引出しの取っ手のツマミです。
転がってしまうので箱にいれて
写真を撮りました。
木地にボローニャ石膏、赤色ボーロ、
そして純金箔の水押し、メノウ磨き。
梅と菊、竹の線刻模様が入っています。
艶消し仕上げです。
このデザインは着物の模様集本から採りました。
明治時代の和洋折衷のお屋敷にある
奥さまの小箪笥についている・・・というイメージ。
いかがでしょうか。
「works」ページ内「other」にアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
菊と牡丹と金と紫 3月07日
先日ごらんいただいた制作中の小箱が
完成しましたのでご覧ください。
サイズは75×48×23mmで手のひらサイズ
金箔を艶消し仕上げにして
箱のなかは紫色にしてみました。
お茶の席で、もしかしてもしかしたら
お香合として使えないかな・・・
などと淡い期待を抱きつつ。
何かの折に外国の方にプレゼントできたら
それもまた、とても嬉しいです。
西洋の古典技法で作った
日本伝統模様入りの小箱。
金色と紫色の組み合わせは日本で珍しくありませんが
西洋ではあまり見かけることが無いように思います。
気に入って頂けますでしょうか。
「works」ページ内「other」にアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
ちいさな額縁 angelo-3 2月19日
ちいさな額縁が完成しました。
全面に金箔を貼り、刻印で模様を入れました。
磨り出しをして艶消し仕上げです。
今回はワックスのアンティーク仕上げには
していません。
先日模写したフラ・アンジェリコの受胎告知からの
テンペラ部分模写をいれます。
両手のひらに乗るくらいの小さな額縁ですが
このくらいのサイズは座り込んでじっくりと
コーヒーなど片手に作れますので
冬の寒い時期にちょうど良い制作でした。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
ブコの額縁 1月08日
先日の銀箔額縁に続いて、これもまた忘れられていた額縁。
おまけに作ったのはもっと以前のことです。
イタリアから帰ってきてまだ数年だったころ、
フィレンツェの額縁師匠マッシモ氏に教わった
古色作り方法を試してみたくて作った額縁です。
額縁のタイトルは「kin-buco-1」と付けました。
穴のことをイタリア語で buco(ブコ) と言います。
(本当なら沢山の穴で複数形 buchi ブキとつけるところですが
ブコのほうが音がかわいいので単数で!)
金箔を水押しで貼り磨き、きれいに仕上げたところに
古色付けで木地に届くほどの穴を石膏地に作りました。
磨り出しや傷作りも強くして、穴にワックスを磨り込んで
かなりボロボロ&コッテリ風味の仕上げです。
トライポフォビアの方はイヤかもしれません。
写真やシンプルな版画作品などを入れても
悪くないかなぁ、と思っているのですが
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
ほんのすこしの錆色 12月18日
以前に完成してすでにお客様の手に渡った額縁ですが
こちらでご覧いただいていなかった額縁がありました。
制作中の考えごとは書いていたのですけれど。
今さらながらですが、ご紹介させてください。
2015年の展覧会用に作った額縁です。
全面に純銀箔を水押しで貼って
刻印を打って模様を入れました。
デザインは15世紀にイタリア・ピエモンテ州で
作られた額縁を参考にしています。
銀はご存知のように錆びます。
この額縁、写真では分かり辛いかと思いますが
うっすら少しだけ錆びが始まっていて
部分的に黒、黄色、紫などに変化しています。
箔を貼ってから1ヵ月ばかり放置して錆が始まるのを待ち
程よい色加減になったところでラッカーを吹いて
錆を止めました。
艶あり、古色仕上げもしていません。
普段なら側面はグレーや黒を塗るところを
今回は白の艶消しにしてみたら少し抜け感があって
なかなか気に入っています。
カテゴリー分けでクラシカルかモダンか悩みますが・・・
打ちっぱなしの壁に合うかも?
ということで、ひとまず「modern」に入れます。
いかがでしょうか。
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
ご馳走と豪族の額縁 11月20日
先日から制作していた彫刻額縁サンプルが完成しました。
ようやく3つ目です。
木地を彫刻後、予定通り純金箔の水押しにして
すこし強めの古色を付けました。
想像通り派手ですし、なんだかちょっとだけ、
ガハハと笑うオジサン風な気がします。なぜだろう。
このデザインはイタリアのエミリア地方で作られた
1600年代の額縁を参考にしています。
エミリア地方といえばボローニャやパルマのある豊かな地。
ボロネーゼソースのパスタやパルマハムを食べながら
赤ワインを飲んでご満悦の地方豪族が、幼い息子の肖像画を描かせて
その絵を入れる額縁が出来たところ・・・なんて。
相変わらず勝手な物語を想像しています。
わたしにとって「イタリア古典技法」らしい額縁が出来上がって
感慨深い気持ちになりました。
フィレンツェの師匠・マッシモ氏に見て頂きたいな。
この次にフィレンツェを訪れるときがあれば持っていこうと思います。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
カサブランカに合わせた装飾を 10月16日
すこし大きめの‐KANESEIにとってですが-額縁をお届けしてきました。
先日制作途中をご覧頂いた
木地に直接石膏盛り上げ装飾をして純金箔を施したものです。
昨年2016年6月、展覧会用に額縁を作らせてくださった
出久根ちせさんからいただいたご注文で、
作品のモチーフはカサブランカの花。
額縁の四隅にも百合風の石膏盛り上げ装飾を入れました。
下の写真は、恵比寿にあるイタリア輸入高級インテリアのお店
「ABITARE」(アビターレ)さんにてお引渡しの際に
写真を撮らせて頂きました。
広い店内、美しい家具に囲まれて、作業部屋で見ていたより
作品もぐっと力強さと存在感を増したように感じます。
実物の作品は、もっと金が鮮やかで青は深い色なのです。
作品は9mm厚のパネル9枚に描かれていて
それぞれパネルの側面には鮮やかなオレンジ色が塗ってあるのですが、
組み合わせたパネル同士の隙間からオレンジ色がそっと見えて
何とも言えない繊細さと温かさを表現しているのでした。
額縁の打ち合わせをしたときに
「百合の絵に百合の額縁はしつこいかな?」とふたりで迷いましたが
作品と額縁が呼応するのもオーダーメイドならでは
ということで、額縁のデザインが決定しました。
額縁の内側側面と作品のベース部分には
ベルベット調チョコレート色のマットを貼り込んでいます。
古色の金と深い茶色、そしてベルベットの組み合わせは
とても良いなぁ、とニヤけています。
「works」内「classical」にこちらの額縁s-2をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
(上から8、右から2です)
大きくなって、さらに装飾的に 9月07日
昨年暮にいただいたご注文の額縁が、8月に完成しました。
長らくお時間を頂戴してしまいました。
有名な画家であられたお祖父さまの最後の作品を納める額縁とのこと。
デザインはなんどかメールでご相談のやりとりをして
木地サンプル写真やスケッチをご覧いただいているうちに
「思い描いていたものにとても近いです」と仰っていただける
デザインにたどり着くことができました。
venezia-1 をベースにしていますが、だいぶ大きくて木枠の幅は
倍以上ある66mm、さらに線刻を足しました。
全面を純金箔のメノウ磨き、線刻と盛り上げで豪華です。
アンティーク仕上げの加工は強くなく、とのご希望で
軽い磨り出しと、ワックスはほんの少しだけ使いました。
ご家族の大切な作品のための額縁にKANESEIを選んでくださり
大変うれしく存じます。
ありがとうございました。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
服はシンプルが好きだけど 7月27日
KANESEIの額縁一覧「works」を見ていたら
黒い額縁をずいぶんと作っていることに気づきました。
もちろんお客様からのご注文で黒い額縁を作ることもあります。
ピンクや水色の額縁も可愛くて好きです。
古典技法の金の輝きの魅力にもとりつかれています。
でもなるほど、無意識ですがわたしの好みが
反映されているのですね。当然ながら、ですが。
今日ご紹介する額縁も黒一色です。
黒い額縁は実はかなり強い額縁で、作品を選びます。
今回、中に納められる作品が金箔を使った華やかなものなので
黒一色の額縁でも大丈夫、負けません。
以前に作った同じデザイン「kuro-acanthus-1」は黒と金でした。
金の代わりと言っては何ですが、黒の下に弁柄色を塗って
すこし磨り出しをしています。
黒の下に赤があると深みが出るように感じます。
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
シリーズでも違う雰囲気に 緑のs&a-2 7月17日
2009年に作った「s&a‐1」という額縁の色違いの
ご注文を頂き、7枚完成しました。
「s&a‐1」はチーク材で濃い茶色に作りましたが
今回は濃い緑色で、というご注文でしたので
緑色がより美しく発色するよう、千洲額縁さんに特注で
ホワイトアッシュの木地を作っていただきました。
オーナメントを取付けて着色、ワックスで
アンティーク風に加工して仕上げです。
お客様がイタリアから買ってこられたボタニカルアートを
額装して完成しました。
濃い緑色と濃い茶色。
形のデザインは同じだけれど、長方形か正方形か、
色やライナーの有無でも印象はずいぶん変わるものです。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
最近オーナメントを使うご注文を続けて頂いています。
骨董市で購入した古い引手(箪笥の取っ手)を型取りして
石膏で作っています。
この石膏型取りについても近々お話したいと思います。
斜子織額縁 マゼンタカラー 6月26日
昨年に作った赤い斜子織模様の額縁で
新しくマゼンタカラーでのご注文をいただきました。
赤よりマゼンタのほうがすこしモダンでしょうか。
下の写真はずいぶんと派手な色味に写っていますが
実物はもうすこし穏やかなマゼンタなのですよ・・・。
下書きにマス目を作って3本線を入れる と言う
単純な模様ではあるのですが、ちょっとしたコツがあったり
なにより向きを間違えないように 1マス飛ばしで入れねば。
ぼんやり流れ作業で描いていると ついうっかり失敗しかねません。
くわばらくわばら。
ひとまず斜子織模様が入りました。
これからライナーを付けたり裏処理をします。
赤の斜子織額縁とマゼンタの斜子織額縁、
どちらがお好みですか?
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
19世紀イギリスの雰囲気で その3 完成 6月15日
以前にお話ししていました額縁が完成しました。
19世紀イギリスで流行したスタイルです。
*過去の記事
「花輪」“corona di fiori”という名前にしました。
石膏等を塗らず、木地に直接箔を置く予定でしたが
まずは白木をステインで濃い茶色に染めてから
金箔ではなく金色の塗装に変更しました。
そして金塗装の上にまた茶色をかけています。
茶色+金+茶色仕上げ。
なにせ実物の「このスタイルの額縁」を見ながら
作ったわけでは無くて、本を見ながらの想像です。
でもまぁ・・・なかなか可愛くできたかなと思います。
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
里帰りした額縁 妹額縁の誕生 5月29日
先日にご紹介しました里帰りした額縁の 妹分が完成しました。
基本デザインはそのままに 線刻模様はりんごの花を入れて
イニシャルを3人から4人家族に。
RさんとKさんはご両親、Yくんはお兄ちゃん
そして今回生まれたSちゃんです。
この額縁も、幸せなご家族に迎え入れて頂き
幸せに過ごしてくれるでしょう。
額縁もご家族の団欒のささやかな楽しみに なってくれますよう!
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
candelabrum-2 2月16日
ラテン語と金色オーナメントの装飾をした
「
燭台のような模様からとりましたので
今回の額縁は本当は「
木地の形や原型が同じなのでシリーズにしました。
シリーズ1は鏡を入れるために作りましたが、
今回のシリーズ2にはボタニカルアートの版画が入ります。
左右の装飾模様を外したので空間に広がりを与えて
納める版画の美しい色彩がより映えることを期待しています。
ラテン語文字装飾の文章は
“ars cum natura ad salutem conspirat”
「藝術は自然と結合して健全なるものへと協力す。」
(ギリシア・ラテン引用語辞典より)
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
女の子と斜子織 8月08日
先日ご覧いただいた青海波の額縁に収まった版画は
もう1点とペアなのでした。
こちらはお正月の柄、ピンクベースで華やかです。
鶴亀に松竹梅、鏡餅、打ち出の小づちや海老鯛などたくさん。
さて、青海波の相棒はどんな模様にしようかしらん・・・
ピンクで女の子が好みそうな図柄、おめでたいし、
紅白にして、織物風の模様にすることにしました。
複数の縦糸横糸で織る方法を「斜子織(ななこおり)」
というそうで (1本の縦糸横糸の場合は平織)
この模様も古くからあるとのことです。
「ななこ」という響きも女の子の名前のようでやわらかですね。
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
男の子と青海波 7月28日
いままで日本画を納める額縁を作るにしても
和の模様を入れることはありませんでした。
でも今回初挑戦です。
かわいらしい男の子のおもちゃの版画で
-独楽や凧、デンデン太鼓に引き車など-
ご依頼主の方からも「額縁も遊んでほしい」とのこと。
案外簡単に行くかな、と思いきや
悩みに悩み、迷いに迷いました。
そして伝統的な模様の青海波を入れてみることにしました。
穏やかな波がつづくおめでたい模様で
男の子の健やかな成長と暮らしが続くよう、との思いです。
いかがでしょうか。
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
彫る その後 2月11日
先日彫り始めた額縁は、ようやく彫刻が終わりました。
結局箔仕上げではなく茶色に着色して
ワックスで仕上げることに決めました。
それにしても、デザインは典型的なスタイルですが
茶色にするとイタリア風味はゼロです。
無国籍風・・・ううむ?
白木で生々しかった木地が変身し、
KANESEIらしい額縁になりました。
彫刻、楽しいです。
しばらく彫刻熱を温めたいと思います。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。左から3、下から3です。
大きなfridoできました 1月07日
先日ご覧頂いた新しい frido は、無事に完成しました。
「汚しを沢山かけて下さい」とのご注文でしたので
銀箔の艶を押さえて茶色のワックスでアンティーク風に。
磨り出しはあまりしていません。
銀と金のあいだのような色合いに上がりました。
この額縁は長野県の上田市立美術館所蔵の山本鼎の版画が納められ、
12月26日より2月26日まで新収蔵作品展でご覧いただけます。
また、
お近くにお越しの際は、どうぞお立ち寄りください。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
錫の色 11月30日
イタリア留学中に衝動買いした錫のポットが
いまは玄関の棚に飾ってあります。
なんとなく、中世の松明が掲げられた薄暗いお城の
大広間で髭モジャの領主が錫のジョッキで
土俗的なお酒をあおっている・・・そんな雰囲気が
わたしが勝手にイメージする錫でした。
先日おおきな画材店に行った時、新しい塗料が並んでおり、
金色銀色に混ざって錫色がありました。
これは買わずばなるまい!と購入して使ってみたのが
今回の額縁です。
錫の色。
銀ともステンレスとも鉄とも違う。
プラチナを柔らかくしたような、そんな輝きです。
クラシカルな額縁ですが、今回は我ながら珍しく
ワックスのアンティーク仕上げにはしませんでした。
「額縁とポートレート」展でギャラリーウィンドウに置いた
いわば「展覧会の顔」であった教会の写真のために作った額縁。
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。右から2、上から6です。
3つの正方形 七五三の写真フレーム 11月16日
ついこの間生まれたと思っていた友人Aさんの愛息Sくん。
あっという間に七五三を迎えました。
素直で元気、それがなによりです。
ご家族で撮影した記念写真3枚を入れる額縁のご相談をいただきました。
壁にかけるのではなくて、出窓に並べたいとのこと。
ひとつの額縁に3枚入れるか、それぞれ独立させるか・・・
写真の縦横もあるのでバランスがなかなか難しい。
結果、正方形の額縁3枚に写真をそれぞれ納める形に。
額縁は蝶番で繋がっていますので自立します。
飾られるお宅はイギリスのアンティーク家具が並ぶインテリアなので
額縁もインテリアにあわせて木地にワックスでシンプルにして
マットに少し装飾を加えました。
気が向いたらマットごと3枚の並べ替えも可能です。
Sくん、そしてお母さんのAさんとご家族のみなさま
七五三おめでとうございます。
大切な記念写真の額縁を作らせていただき
ありがとうございました。
幸せな家族の風景。
感慨深いです。
リッカルディ宮殿の石垣 11月02日
細い筋模様がはいっている木地にすこし彫刻を加えて
シンプルな木地仕上げの額縁をつくりました。
ギャラリー林でただいま開催中の
「額縁とポートレート」展に出品しております。
さて、いつものように名前を付けねば。
それにしてもこの模様、どこかでみたような?
盛り上がった四角が組み合わされている。
フィレンツェのリッカルディ宮殿の石垣(石壁)のようです。
この額縁の名前は「ishigaki-1」に決めました。
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
生みの苦しみ 10月22日
当然のことながら、思い描いた通りの額縁が
ひょいっと完成するなんてことはあり得ません。
それは分かっているのだけれど。
試行錯誤を繰り返して完成した額縁は
思い入れも沢山です。
なるほどなるほど、こうしたらああなる。
この方法ではダメ。
ならばこうしたらどうだろう?
その繰り返し。
色々と得ることも多い実験的制作でした。
また当然ながら、この技法はこれから進化させねばなりません。
が、ひとまず今回の額縁は完成といたします。
いや、中間発表的なところ、です・・・。
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
サーカス一座にはきっといる 10月15日
先日までサイケデリックだったアルルカン額縁は
アンティークな仕上げにして完成しました。
目が回りそうだった色は落ち着いたトーンになって
めざしていたアルルカンにすこし近づいたような気がします。
むかしから「古めかしいサーカス」の雰囲気が好きです。
2009年のブログにも「悲しいサーカスの配色」のタイトルで
お話していたような昔のサーカス。
そんな一座に必ずひとりいるピエロの衣装は
(ピエロとアルルカンは違いますけれど)
こんな配色なのではないかな、と想像しています。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。下から3右から3です。
汚し楽し 10月01日
前回ご覧頂いた、17世紀にシエナで作られた額縁を
モデルにしたものが完成しました。
今回は仕上げの汚しを思う存分ほどこすことに。
ツルピカだった額縁をコテコテに汚していくのは可哀想な、
でも楽しい作業なのです。
何百年も昔からお屋敷に存在していて、ホコリがたまりつつも
繰り返し掃除され、部屋の模様替えで何度も移動させられた額縁。
もしかしたら屋根裏に仕舞われて、雨漏りや嵐の隙間風にさらされて
カビが生えてしまったこともあったかもしれません。
そんな風にたくましく生きてきた(?)額縁のイメージで作りましたが・・・
いかがでしょうか。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。右列上から3番目です。
ギッシリでスッキリ 9月10日
ふだん、全面純金箔で装飾もフルに入った額縁の
ご注文をいただく機会はそんなにありません。
ですが、atelier LAPIS の額縁教室では
古典技法らしいクラシックな額縁制作が人気ですので
複数の技法を盛り込んで、全面を箔で覆い、
強めの古色仕上げを指導する機会が多いのです。
楽しそうな生徒さんがうらやましくて、
わたしも古典技法らしい額縁を作りたい!との欲求がムラムラでした。
仕事の合間にガサゴソと、小さな額縁を作りました。
ギッシリ装飾を詰め込んで、思う存分たたいて汚してボロボロ風味。
石膏盛り上げ装飾も角も欠けて、箔もだいぶ磨りました。
家族は「さっきまで金でピカピカだったのに!」と不満気ですが
良いのです、だってこれが作りたかったのですもの。
「the 古典技法でボロボロ風味」な額縁を作ることができてスッキリ!
フィレンツェの修業時代を思い出しつつの気分転換でした。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
そうしてできた額縁は 8月24日
先日の「落書きいちばん」でご紹介していた額縁は
描いたり消したり、オーナメントをあっちこっち検討したり
実はなかなかデザインが決まらないのでした。
そうして、ようやく出来上がった額縁。
額縁師匠マッシモ氏から頂戴した古い金具から型取りした
花のオーナメントと、月桂樹を石膏盛り上げで入れました。
オーナメントを、四隅に入れるか中央に入れるかで
雰囲気も印象もガラリと変わります。
静物画やバストアップの人物画などに、いかがでしょうか。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
イメージのはじまり 8月03日
古い物が好きで、骨董市やアンティークショップに立ち寄ります。
そんな時に目に留まって、頭の片隅にイメージとして残っているものは
食器、家具、古い布製品や絵葉書などいろいろ。
配色や手触りの記憶が少しずつ溜まっています。
それら記憶がなにかの拍子にふと蘇って、額縁のデザインに繋がります。
フランスの使いこまれた大皿は、多角形で装飾はほとんどありません。
灰色の土に白い釉薬がかけてあって白の下に灰色が透けていました。
長い間使われて、茶色のシミや傷が沢山残されているのが印象的でした。
この額縁はそのお皿の記憶から。
イメージ元のお皿よりも装飾は沢山ですけれど。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
おじさんの名前が決まらない 7月13日
「つーとん」彫刻をほどこした額縁が完成しました。
「つーとん」とは丸と棒の典型的な連続模様に
atelier LAPIS で付けたニックネームです。
真鍮の薄板と太鼓鋲で装飾をしたのですが、
なかなか面白い額縁ができたかな、と思っています。
さて、完成した額縁には分類するためにも名前を付けねば。
それがなかなか決まりません。
この額縁、作っている最中にわたしは密かに
「おじさん」と呼んでいたのでした。
なんだか・・・イギリスの田舎にあるテューダー朝様式の
パブにいる、お腹の出た赤ら顔のおじさんのような。
あるいはサンチョパンサのようなイメージなのです。
いえ、テューダー朝ともドン・キホーテとも関係の無い額縁ですけれど。
「ojisan-1」ではさすがに気の毒なので、無難に
「tuton-1」という名前にきまりました、というお話でした。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。(左から3、上から4)
どうぞご覧下さい。
留め切れの美醜 6月18日
古典技法の額縁制作では、木地にニカワで溶いた石膏を塗り磨き
その上に箔をはったり色を塗ったりと装飾を加えます。
この石膏地というのが曲者(?)です。
水押しで箔を貼り磨くには最適の硬度であり、また
垂らし描きで作る盛り上げ装飾もこの石膏ならではです。
でも湿度や温度によって、そして木地の収縮によって
四隅の接合部分にひび割れが入ることがあります。
これは「留め切れ」と呼ばれる現象です。
木地の切断や接着に工夫をしていますが
留め切れが出来てしまうのは古典技法の宿命のようなもの。
額縁の強度や構造には全く問題ありません。
ご注文をいただく前、打ち合わせ時にお客様にはご説明し
ご理解いただけるようにしています。
確かに、せっかく注文して作った新しいピカピカの額縁にひび割れがあるのは
嫌に思われるお客様もいらっしゃいますし、当然です。
ですがこの留め切れ、アンティーク仕上げにするには歓迎される場合もあります。
割れ目にワックスや「ニセモノほこり」の汚しが馴染み
意図して作ったヒビで無いだけにとても自然に古い雰囲気を出します。
イタリア留学時代、お世話になっていた額縁師匠マッシモ氏に
「角が割れてしまったけれど、直したほうが良いか」と訊ねたら
「なぜ直す必要がある?自然な割れがある方がさらに綺麗だろう?」と
言われたことがありました。
留め切れが出来てしまうなら、それを生かす方向も。
美意識はさまざまです。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
色いろいろ、模様いろいろ 6月15日
先日ご覧頂いた、このピンク色の額縁primavera-2 は
「works」ページ内の「classical」、最上段にある
primavera-1 額縁の色違いです。
水色のprimavera-1 は汚しをつけてアンティーク仕上げですが
ピンクのprimavera-2 は汚さずに艶消し仕上げに。
盛り上げ装飾のデザインも木地も同じですが、
色と仕上げを変えると印象も変わります。
そしてひとこと「ピンク」といっても様々です。
これまた「works」ページ内の「classical」、最上段にある
pink-1 額縁は、木地も同じ、ピンクも同じですが
青味のあるprimavera-2 と黄味のあるpink-1 は
やはり違う印象が面白い。
大きな画材店やデパートに入っている額縁コーナーには
さまざまな白い額縁は見かけますが、ピンク色の額縁はあまり見ません。
KANESEIでご注文いただく額縁の色で、トップ3に入るのがピンクなのです。
そして静物でも人物でも風景でも、意外に受け入れ範囲の広い色でもあって
実は需要があるピンク額縁です。
ご注文下さったお客様に許可をいただき、作品を納めた状態の
primavera-2 の写真です。
写真撮影は色の表現が難しくて。練習せねば・・・。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
デザイン画からのイメージ 5月25日
KANESEI ではほぼすべての額縁が受注製作です。
お客様と打ち合わせをして おおまかなデザインなど
ご希望を伺ったあとは デザイン画にまとめて見て頂きます。
実物大の部分画と全体の完成図 そして仕様が書かれています。
お客様には言葉でも「こんな質感で色はこんな風に・・・」などとお話して
作品と額縁に納められた様子を想像しご理解頂くようにしますが
この図も完成した額縁の姿を想像して頂く参考になれば と思います。
上の図から制作したのが下の額縁です。
ペン画の図と実物と・・・いかがでしょうか。
基本はシンプルに 木地に銀。
内側の銀箔で装飾したラインに切り込みを入れて
ほんの少し遊び心もあるようなイメージで作りました。
この額縁には雪の風景画を納めます。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
茂る・垂れる 2月23日
正方形のパステル画のためにご注文いただいた額縁は
蔦をモチーフにして石膏盛り上げ装飾を入れました。
「右上には垂れる蔦 左下には茂る蔦」とのご希望です。
ひとつのモチーフを繰り返し入れる時は作業も繰り返しますから
同じ形をきちんと同じ高さと大きさに揃えますが
非対称の場合は繰り返されるデザインはほんのわずか。
絵画のようで作る楽しみも難しさも増します。
これもフルオーダーの手作りならではのデザインです。
色は金とベージュピンク 蔦の植物模様を非対称に。
そして金の部分には水平に2本の線を線刻で入れて艶あり仕上げ。
マットの色 幅も細かくご相談しました。
今回はご注文下さった方のご希望が明確で さまざま取り入れています。
デザイン画を描きご確認いただいて いざ制作。
ご注文主の女性らしい優しい雰囲気の額縁が完成しました。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
ナミナミヒビヒビ 12月15日
新しく完成した額縁には マイブーム(死語!でも使ってしまう)の
ひび割れとレリーフをいれています。
タイトルのナミナミヒビヒビ(波々罅々)模様です。
Atelier LAPISの展覧会で発表した 鏡入り額縁の制作で試した技法を
いよいよ本番で使いました。
内側には木地を細く見えるように入れてアクセントにしています。
LAPISの鏡入り額縁のときは艶消し仕上げにして
レリーフはもっと複雑で浅いものでしたが
今回はレリーフ模様をずっとシンプルにして強調し
艶あり仕上げにしました。
なんだか陥入の入った白薩摩の肌のようになりました。
箔を使ったときも艶消し仕上げがほとんどで
艶あり仕上げはあまり作ることがありませんでしたが
艶があるとより明るく生き生きとした雰囲気に。
これから艶あり仕上げの額縁制作の機会も増えそうです。
この額縁には遊ぶ子供のドローイングを納めます。
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
紳士とつばめ 4月03日
型取りした小さなつばめを小箱に。
イメージは「ヨーロッパの紳士が
書斎で楽しむ秘密の小箱」です。
思い出の品をしまっておいて
仕事が終わった夜や休日の午後に眺めて
リラックスしたり記憶をたどったり。
そんなイメージです。
黒と金にしましたが…いかがでしょう?
「works」内「other」にこちらの小箱をアップいたしました。
どうぞご覧ください。
銀とタモの額縁 2月20日
1月末まで開催しました展覧会「Le déclic」に向けて
作った額縁のひとつです。
木地にボローニャ石膏を塗り磨き 細い線刻を入れ銀箔。
内側にタモ材の細木をあてがってみました。
ワックスでアンティーク仕上げにしています。
酸化させて黒く仕上げる銀と
磨いたままの白い輝きの銀は
同じ素材を使っているのに劇的な違いがあります。
上は実際に作品を入れて展示した状態です。
銀の白い輝きとマットの白の間に
細く濃い木の色で「区切り」を作りました。
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
銀の表現いろいろ 2 12月19日
先月ご覧いただいた「銀の表現いろいろ」でご紹介した額縁は
http://www.kanesei.net/2013/11/21.html
その後しっかり黒く酸化して
いつもの銀色とはちがう趣になりました。
墨色から金茶色のグラデーションのなかに
紫や青も見え隠れしています。
この色の変化は酸化の過程でできた偶然の結果。
その斑も面白さを加えてくれていると思っています。
これらの額縁は EMON PHOTO GALLERY で開催中の
飛田英夫写真展にて使って頂いております。
http://www.kanesei.net/2013/12/09.html
「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
緑色があるのです 11月07日
冬に展覧会が行われることになり
秋の今から少しずつ制作しています。
「黒い螺旋」を新しく作りました。
以前ご覧いただいたものは 下地に赤色を使いましたが
http://www.kanesei.net/2012/09/06.html
今回のものには 深緑色を使ってみました。
写真では あまり緑色が見えませんね。
赤色ほどコントラストがありませんので華やかさ(?)はありませんが
よーく良く見てみれば深緑色 そんな程度。
でも確実に下地の色の効果はあるものです。
「実は緑があるのですよ・・・」と額縁がつぶやいているようです。
赤い下地はハッキリとした強い印象 深緑色は奥行きのある趣
そんな雰囲気になったと思っています。
印象の変化をたのしむ 10月10日
数年前に偶然見かけて手に入れた
小さな版画作品があります。
「プラハの作家」とだけ書かれていたので
作者の名前も作品タイトルもわからない小品ですが
プラハの天文時計塔がある美しい風景です。
上の写真は もともと我が家に来た時にはいっていた
黒いシンプルな額縁で 最低限の仕様のもの。
ちょっと気分を変えようと思い 手元にあった
ハガキサイズの額縁に入れ替えてみることにしました。
ひとつ目は 木地に金の装飾が入った額縁。
印象が明るくなったようです。
作品のイメージも少し楽しげな雰囲気に。
つぎは彫刻の入ったもの。
「works」ページの「classical」にある「FIORE-2」スタイルです。
上の額縁より色が濃いぶん シックな雰囲気です。
そして作品に広がりが出たような印象になりました。
同じ作品も 額縁によって印象が変わります。
シンプルが一番!と最初の黒い額縁を選ぶも良し
お家のインテリアやお好みに合わせて または季節ごとに
額縁を着せ替えて飾るのも楽しみ方のひとつです。
いかがでしょうか?
ドラキュラ伯爵のベッド ふたたび 8月08日
6月に完成したバースプーン用の変形額縁は
http://www.kanesei.net/2013/06/13.html
その後 二つ目のご注文をいただきました。
ひとつ目の額縁はバースプーンを留めつけてあり
裏から木ネジで閉じる構造にしましたが
新しいものは額縁というより宝石箱のような構造です。
ガラスの入った蓋を蝶番で固定し 開閉できるように。
底は前回同様に黒いベルベット仕上げですが
ベルベットの下には薄いコルクシートが貼り込んでありますので
軽いものなら虫ピンで刺して納めることができます。
そして留め金で閉じます。
この留め金に房飾り(タッセル)をつけたら良いな・・・
というのは わたしの個人的好みですけれど。
この額縁には葉巻に巻いてあるテープ状のラベルが
いくつも納められるそうです。
蓋の開閉が簡単なので ラベルの入れ替えも容易です。
たとえば 標本の展示や長い首飾りの収納も良いかもしれません。
こちらの額縁も浅草にあるバー用品とグラスの専門店
「グラスファクトリー・創吉」さんでご覧いただけます。
どうぞお立ち寄りください。
黒い穹隅 8月01日
新しく完成した小さな額縁の名前は迷い
なかなか決まりませんでした。
額縁の中に楕円の装飾板を入れたデザインは
古くからあってオーソドックスなものです。
おそらくこの形の額縁には決まった名前があるのだと思いますが
わたしは「黒い穹隅」(pennacchio-nero)にしました。
穹隅とは建築用語で三角小間のことだそうです。
黒の下に赤を塗って すこしの磨り出しをしています。
もうすこし赤を感じられる仕上げにしても良かったかもしれません。
なかに何を納めましょうか・・・
肖像画 静物画 風景画 それとも モノクロの写真?
いつもは作品に合わせて額縁を作りますが
まず「額縁ありき」で作品を選ぶのも楽しいものです。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
* また通販サイト「ahico」にて販売中です。
そちらのページもぜひご覧ください。
ahico artist market place: http://www.ahico.net/
きのこのこ 7月18日
金を使ったツマミのご注文を頂きました。
「works」ページ内の「other」にある giglio の模様です。
模様はgiglioとデザインもサイズも同じですが
木地の形が違いますので 雰囲気も少し変わり
「works」の giglio (下の写真右)よりクラシカルです。
このツマミを作っている間ずっと頭から離れない歌 ・・・それは
「きのこっのっこーのこげんきなこ」という歌詞から始まるCMソングでした。
横から見ると さらにきのこです。
左のふたつがマッシュルーム 右がエリンギ。
すっかりわたしの中で この子達は「きのこ姉妹」になりました。
ちなみにイタリア語で「きのこ」は “fungo”(単) でフンゴと発音します。
「きのこが一つ きのこが二つ・・・」は “un fungo, due funghi…” となります。
イタリア語を勉強し始めたころ この「フンゴ」という音が面白くて
頭の中には「鼻息荒く頑張っているきのこ」のイラストが広がりました。
そしてこの単語はすぐに記憶することができたのでした。
そんな思い出。
小箱の使いみち 7月01日
昨年11月に手に入れた タンブリッジ・ウェアの小箱は
http://www.kanesei.net/2012/11/15.html
その後もしばらく空っぽのまま
箱としての仕事をせずに飾られていましたが
最近ようやく役割が与えられました。
箱の中には 引出し用ツマミのサンプルを仕舞いました。
小さな箱に小さなものがぎっしり。
「小さなもの好き」なわたしとしては
なかなか楽しい小箱になりました。
*「works」内「other」に新しいツマミを5つアップしました。
どうぞご覧下さい。
三つ子は踊る 6月27日
「FIORE-2」デザインの額縁3点を制作中です。
木枠が完成したので記念撮影をしました。
これからガラスと作品を入れて額装し
お届けの準備を整えます。
3つとも同時期に同じ気持ちで作っているのですが
少しずつそれぞれに特徴があります。
それが機械で画一的に作る額縁との大きな違いです。
「手作りの特徴」と言ってしまえばそれまでですが
不安定さをいかに減らしつつ でも「揺れ」は残し
KANESEIの額縁を選んでくださるお客様に
納得していただけるレベルの額縁を安定して作るか・・・。
これがわたしの目下の そして永遠の課題です。
さて この3つ子の額縁。
制作中は地味な外見(?)だと思っていましたが
完成してみたら なんだか楽しげに踊る女の子3人に見える・・・のは
わたしのひいき目ですね。ハイ。
匙の額 6月13日
先日ご覧に入れたバースプーン用の変形額が完成し
http://www.kanesei.net/2013/05/20.html
無事にお届けしてまいりました。
上の写真 額縁を横断する白い帯3本は
図らずも写ってしまった天井の模様ですが
バースプーンと交差して なんだか十字架風になって
ドラキュラ的雰囲気を演出していたりして。
スワロフスキーとブラックダイヤモンド そしてシルバー
一番美しく見えるバックを考えました。
当初は白い薄手のシルク布 または臙脂色や深緑
色々検討しましたが 最終的に黒のベルベットに決定しました。
無難と言えば無難ですけれど・・・スプーンの白い輝きが
黒いベルベットで引き立ち際立たせられたかな と思います。
長方形の額縁では 細長くてバランスがとり辛いスプーン用額縁も
変形六角形にすることで 安定させることができました。
横から見ると 本当に棺のよう。
こちらの額縁は 浅草にあるバー用品とグラスのお店
「グラスファクトリー 創吉」さんでご覧いただけます。
もちろん この美しいバースプーンもご購入いただけます。
どうぞお立ち寄りください。
ローマ 陽の当たる午後に 5月06日
最近完成した額縁は いつものように
石膏地に盛上げ装飾でアカンサスの葉を入れて
ワックスでアンティーク仕上げにしました。
黒と茶色と少しの金。
モノクロの写真が額装される予定です。
ローマにある古い屋敷の 午後の陽の当たる白い漆喰壁に
かけてみたらどうだろう・・・
そんな想像をしました。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
新しいツマミ2種 3月18日
ひさしぶりに引出用のつまみを2つ作りました。
左は純金箔の装飾と深緑の着色
右は同じく純金箔の装飾と木地部分を茶色に着色。
どちらも艶あり仕上げで アンティーク風にはしていません。
左のつまみを作っている最中は 深緑色は渋いし
(写真の色よりもう少しモスグリーンに近い色です。)
地味な仕上がりになるかと思いきや やはり金箔と艶の力で
想像以上に華やかな強い印象に仕上がりました。
つまみの後ろはネジ式になっていて3mm径の規格サイズ。
ドライバー1本で簡単に付け替えが可能です。
もちろんご注文に応じてお好きな色でお作りいたします。
一般に市販されているつまみに使われている金色は
塗料がほとんどで 純金を使ったものはあまり見かけません。
毎日身近で使う家具に 小さな変化を加えてみませんか?
* 「works」内「other」にこちらのつまみ2点をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
夢の世界のままに 1月14日
先日完成してお届けした額縁は
ディズニープリンセスの版画作品を納めた額縁でした。
アニメ映画で見慣れたプリンセスの姿も
限定版画作品になると 趣があって
夢の世界から抜け出た姿そのままです。
その雰囲気に沿うように 額縁もピンクとゴールド。
お客様のご希望でもありましたが
プリンセスの世界を完成させるために
必要な最後の魔法(?)の2色でした。
新・FIORE 12月17日
先日の額縁FIORE新・旧のお話。
新しいFIOREが完成しました。
名前は「FIORE-2」(そのまま・・・)でございます。
やはり木地デザインは近いけれど
似て非なるもの。
完成した額縁の趣も すこし違いました。
「FIORE‐1」の木地はフランス製。
「FIORE‐2」の木地は日本製。
心なしか「FIORE‐2」は和洋折衷の
天平風・・・(図々しい!)に感じるような気もします。
ところで12月6日のブログで追記いたしました
「FIORE-1」の木地購入先が見つかった件ですが
http://www.kanesei.net/2012/12/06.html
(後日に追記は削除しました。)
やはり現在は輸入中止になったとのお知らせが
代理店から届きました。
残念なことです。
「FIORE-1」は参考商品に戻しました。
「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
また通販サイト「ahico」にて販売中です。
そちらのページもぜひご覧ください。
ahico artist market place: http://www.ahico.net/
3人で1つを 12月13日
ガラスや磁器の絵付けを仕事としている友人2人と一緒に
結婚のお祝いの額縁を作りました。
贈る友人の可愛らしい雰囲気に合わせて
ガラスに教会や鳩 リボンやティアラなどの
愛らしいモチーフをまず2人が絵付けをし
わたしが作った額縁に入れる合作です。
彼女たち2人のオリジナル作品を知りつつも
どんな絵付けが完成されるのか
とても楽しみでした。
それぞれ普段は違う雰囲気の作品を作っていますが
こうして一緒にひとつの作品にまとめるのは
緊張感もありワクワクする作業でした。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
太鼓男の小箱 11月05日
昔からなぜか「鼓笛隊」と「サーカス」の雰囲気が好きです。
中学生の頃 美術室前に貼ってあったマネの「笛を吹く少年」の
展覧会広告ポスターを 先生にねだって持ち帰った嬉しさを思い出します。
小太鼓の軽快なリズムに合わせて様々な楽器での行進曲。
おもわず一緒に歩きたくなります。
小箱に太鼓男(?)を描きました。
ボローニャ石膏の下地に卵黄テンペラとグァッシュで彩色。
仕上げにワックスでアンティークの趣を出しました。
以前ご紹介した本「中世ヨーロッパの服装」に載っている図です。
http://www.kanesei.net/2012/02/20.html
解説によると国民軍の兵士だとか。
美しい華やかな衣装の姿は兵士というより
パレードの花形鼓笛隊のようです。
「works」内「other」にこちらの小箱をアップいたしました。
どうぞご覧ください。
また通販サイト「ahico」にて販売中です。
そちらのページもぜひご覧ください。
ahico artist market place: http://www.ahico.net/
二つの喜びをもって 9月27日
ひとり気ままに好きな額縁を作り始めると
いつも小さな額縁を作ってしまいます。
元来小さなものが好きなこともありますが
大きな額縁に比べれば作業時間が少ないので
思いついたデザインを「ぱっ」と形にでることも
理由の一つかもしれません。
そうして完成した額縁は 思い描いた通りだったり
予想外の雰囲気に変身していたりと
わたし自身もどんな額縁が完成するか分からない
ある種の特別な楽しみもあります。
お客様からオーダーを頂いて 設計やデザインを図面にし
心構えを持って制作した額縁をお届けできる喜びと
実験的な勝手気ままな額縁制作の喜びと
2つの喜びの作業を良いバランスで続けられることが
額縁職人としての理想の仕事・・・と思っています。
今日ご覧いただく額縁も そんな「勝手気まま」に
好きなデザインと色で作ってみた額縁です。
金のリボンがくるくると踊ります。
額縁の表情も なんだかわたしの心の状況を映して
のんびりした雰囲気を漂わせているような気がします。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
黒い螺旋 9月06日
「黒い螺旋」(spirale-nera)
なんだか探偵小説のタイトルのようですが
新しく作った額縁の名前です。
昨年のイタリア旅行で仕入れた飾り装飾を使って
なにか作りたいと思っていたのですが
ようやく小さな形になりました。
下地に弁柄色を塗ってから黒色を重ね
すり出して すこし下地の弁柄を出しています。
仕上げはワックスと「にせものホコリ」で
アンティーク風にしてあります。
久しぶりに 思うまま 気ままに作った額縁で
楽しい作業ができました。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
銀の仕上げ様々に 8月13日
先日ご覧いただいた「銀の4姉妹」のひとつ
gin-fn3 は 違う色味の額縁も同時に作りました。
どちらも同じ赤色箔下トノコに銀箔の装飾ですが
ひとつは黒色ワックスで強い汚しを入れ
もうひとつには茶色のワックスで色を与える程度に。
同じデザインの額縁も
黒は力強く男性的に
茶は優しく女性的な印象に感じます。
どちらがお好みでしょうか?
Quattro sorelle d’algento 銀の四姉妹 8月06日
久しぶりにご覧いただける新しい額縁が完成しました。
銀箔を使って黒い汚しを入れたシリーズ4点
名付けて「銀の四姉妹」です。
少し力強い雰囲気で仕上がりました。
モノクロで骨董品を撮影した写真を納めるために
ご注文いただきました。
額縁のデザインとしてはクラシックで無難なものですが
銀で黒い汚しを入れると モダンな趣もあるような
不思議な仕上がりになりました。
ひとつは以前からある「frido」のデザインですが
汚しの色が違うと雰囲気も変わります。
線刻の溝や盛り上げ装飾の凹に黒いワックスが入り込んで
模様を強調させてくれました。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁4点をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
新旧共に 1月12日
.
額縁制作に用いる材料にも
古典的な膠や箔下トノコのようなものから
樹脂 プラスチック系の材料や接着剤など
新しく便利なものが続々と登場しています。
KANESEIが「古典技法額縁」と名乗っている以上は
古い技法をベースに制作をするのが基本ですが
場面や目的によっては新しい材料を加えて
より完成度の高い額縁を制作するようにする
フレキシブルな感覚も必要・・・と思っています。
分野は違うけれど物作りを行っている方や
材料に詳しい方にお会いすると
思いがけない方法や道具を教えて頂けて
とても勉強になりますが なにより楽しくて
そんな時のわたしは きっと貪欲な目つきに
なっているのではないでしょうか。(笑)
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今日ご覧いただく額縁は
木地に下地(ボローニャ石膏の代わりとなるもの)が
すでに塗布された竿を使っています。
新技術によって作られた竿でアンティーク風の額縁。
KANESEI風味の額縁に仕上げました。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
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今も昔も 12月08日
最近 灰色と金の額縁のご紹介が続いています。
作品に合わせたら偶然 灰色ばかりになりましたが
この色の組み合わせが好きなのだ と今更ながら気づきました。
さて・・・この額縁の上部にひとつ
花形の金具から型取りした石膏を 装飾に付けました。
この金具は わたしの額縁師匠マッシモ氏から頂いたもので
100年以上前の金具だとか。
15ミリ程度の小さなものですが 繊細で
たいへん可愛らしい細工金具です。
今から100年前のイタリアといえば
1861年にヴィットリオ・エマヌエーレ2世によってイタリアが統一され
1922年にムッソリーニが首相になる直前 といった頃。
日本は明治の終わりから大正にかけての頃で
世界的にも不穏な時代です。
そんな時代を生きていたイタリアの職人たちは
案外たくましくて 現在のイタリア人同様に
熱い政治討論を仲間と繰り広げながら
日々 懸命に仕事に励んでいたのだろう・・・と
想像をたくましくすると
この小さな100年前の金具も 益々愛おしく感じます。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
carthago 11月28日
北アフリカにあった古代都市 カルタゴ。
ルネッサンス時代のイタリア フィレンツェの画家ペゼリーノが
このカルタゴのアレゴリーを女性像として描いています。
毎年暮の展覧会「小さい小さい絵」展に出品するテンペラ画で
カルタゴのアレゴリーを部分模写しました。
原作は羊皮紙に描かれたミニアチュールですが
わたしは石膏地に卵黄テンペラで。
Allegory of Carthage 1447~1448 Francesco Pesellino
Hermitage Museum,Saint Petersburg
ルネッサンス時代のフィレンツェではピエトラ・セラーナと呼ばれる
灰色の石が建築で好んで使われていたそうです。
この額縁は いわゆるフィレンツェスタイルではありませんが
灰色はフィレンツェのルネッサンス時代を
イメージさせると言えなくもない・・・かもしれない・・・
などと思っています。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
色にもご縁がある 8月22日
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先日ご覧いただいたホタテ貝の額縁は
金とピンクで装飾して なんとも可愛らしい雰囲気に。
アール・ヌーボーの明るい色が使われた
版画作品を額装して 完成です。
ピンクはお客様が選ばれた色ですが 振り返ってみても
ピンク色の額縁を作る機会が多かったように思います。
わたしの提案の場合もあれば
今回のようにお客様のご希望の場合もあります。
ずいぶん以前にお話したように ピンクの服や
小物を持つことはあまり無いわたしですが
どうやらピンク色とのご縁は深いようです。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
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少しの違いでも 7月18日
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額縁を彩色するのは 作業のかなり後半です。
木枠を作って石膏を塗り磨き 装飾を入れて箔を貼り・・・
そして彩色です。
ご依頼主の方とデザインをご相談する時点で
色はお伝えしていますが(ベージュとか渋い緑色など)
微妙な色の加減は実際に塗る時点で決定します。
それまでの作業時間中 額装する作品と額縁を並べて
カラーチャートで考えたり ただぼんやり眺めてみたり
そうした時間を過ごしています。
下の写真は先日完成してお届けした額縁2点です。
どちらも「ベージュ色」ですが
左の額縁は赤味のあるベージュ
右の額縁は緑を感じるベージュに仕上げています。
並べても大きな違いはありませんが
この少しの違いで 絵に合わせた時の表情が
ガラリと変わります。
額縁は「作品に一歩下がってそっと寄り添うもの」ですが
存在の意味や大きさは少なからず在るものなのです。
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直線それぞれ 7月04日
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先日ご覧いただいた線刻模様をいれた額縁は
その後 ベージュに彩色して
艶消しの金箔で仕上げました。
フリーハンドで入れましたので
ふらついていたり 間隔も揃っていませんが
定規で引いた美しい直線の並列とは
一味違う趣があると思っています。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧ください。
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空想の植物 4月14日
はじめてのデザインを彫り終わってみたら
当初はアカンサスの葉のつもりでしたが
なにやら空想上のモチーフに変身してしまいました。
天狗の楓のウチワ ではありません・・・。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
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真珠の首飾り 3月07日
額縁のデザインとしては珍しくない
ドットの並んだシンプルな額縁を作りました。
下地に赤紫 表面は黒の艶消しにして
少しの磨り出しで下地の赤紫を出しています。
このデザインはイタリア語で perlato と呼ぶとか。
perla は真珠の意味。
言われて見れば真珠の首飾りのようにも見えます。
この額縁には刺繍作品を入れました。
様々な色で刺されたドットが並ぶ抽象的な作品に
古くからある perla の模様を入れた額縁は
ドットの新旧合体・・・と言ったところでしょうか。
* 「works」ページ内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
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12年越しの完成を祝って 2月24日
篆刻を趣味にしている人の干支作品が
とうとう全て揃いました。
毎年ひとつずつ作り貯めて12年。
完成のお祝いに額に入れて飾ることにしました。
何気ないシンプルな額縁を組み合わせてみました。
線刻の入った細い金と 作品の朱の組み合わせと
アンティーク風の仕上げは
相変わらずの和洋折衷です。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
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Braşovの思い出 2月07日
カメラマンとして活躍している友人から
頂いたご注文で作った額縁は
とても楽しいデザインになりました。
彼女が旅で訪れたブラショフ(ポーランド)で
撮った一枚は トイレ(!)の写真でした。
入口でトイレットペーパーを売る娘さんを
青のトーンでまとめた可愛らしい作品です。
額縁にもトイレットペーパーや便座を模様に入れました。
白のライナーにレリーフで入れたペーパーが
銀の額縁本体までつづくデザインは彼女のアイディア。
見て下さった方がこの仕掛けに気付いて
驚いたり 喜んだりする姿を眺めるのも幸せ とのこと。
こんな楽しい額縁を作ることが出来たわたしも幸せです。
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成長にあわせて 1月24日
先日完成した額縁は ひさしぶりのモダンテイストでした。
春に生まれる赤ちゃんのお祝いに とのことで
当初は赤ちゃんらしい雰囲気を提案いたしましたが
ご両親となられるお二人の雰囲気にあわせて
シンプルでモダンな額縁を とのことで決定しました。
赤ちゃんのお祝いだからと言って 赤ちゃん仕様に
こだわることはありません。
お子さんのご成長に合わせて 大人になっても
写真を入れ替えて楽しんでいただける額縁を
作ることが出来たと思っています。
* 「works」ページ内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
相棒として 1月10日
2011年のお正月が明けて 本日10日から
画廊るたん にて開かれる「新春素描展」で
使っていただく額縁は 黒と金で
はっきりとしたコントラストにしました。
中に入る作品も 原色を使った明るい色使いと
黒い輪郭線が印象的なドローイングです。
強い印象の作品には 相棒である額縁も
数歩下がりつつも強めのものを。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
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angelo 12月09日
フィレンツェでのわたしの額縁師匠
マッシモ氏の作る額縁の特徴には
アンティーク仕上げがあります。
色や箔などの装飾を仕上げた後に
かなり強い古色をつけていました。
様々な道具で傷をつけ ワックスで汚し・・・
表面からでは完成したばかりの額縁とは
思えないような仕上がりにします。
わたしがはじめてマッシモ氏の額縁を
お店のショーウインドウ越に見たときの感動と
「これだ!」と思った喜びは 今も鮮明です。
日本で好まれる作品や建築には 残念ながら
マッシモ氏直伝の古色は少々強すぎて
作るチャンスもあまりありませんが
自作の黄金背景テンペラの模写に合わせて
イメージ通りの古色をつけた小さな額縁を作ってみました。
久しぶりに フィレンツェの師匠や工房
いろいろな思い出がよみがえりました。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をを2点
アップいたしました。どうぞご覧下さい。
* 黄金背景テンペラ画の模写4点を下記の展示会に
出品いたします。お近くにおいでの際がありましたら
ぜひお立ち寄り下さい。
第16回 「小さい小さい絵」展
12月16日(木)~12月31日(金)
22日、31日は午後4時30分まで
池袋 東武百貨店 6階 美術画廊内絵画サロン
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手のひらに乗せて 12月06日
石膏を塗って ずっとそのままにしていた
小箱3つに彩色をしました。
おもちゃのような 手のひらに乗るサイズ。
小さな頃からミニチュアが好きで
陶器の動物の置物を集めていましたが
この小箱も「ミニチュア好き」の精神(?)で
作ったものです。
ほんの数センチ四方の世界で遊ぶのも
とても楽しい作業でした。
* 「works」ページ内「other」にこちらの小箱3点をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
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職人が代われば 11月04日
画家の先生によっては 先生オリジナルの
額縁デザインをお持ちなことがあります。
その場合ほとんどがいつも決まった職人が作りますので
デザイン同様に仕上がりの雰囲気も変わりません。
ですが 色々な理由で違う職人が作る場合も。
手が変われば雰囲気も仕上がりも変わります。
見本と同じように作っているつもりでも
使う金箔の色味 材料の細かな違いから
職人の呼吸のスピード 腕のストロークなどで
必ず「その職人のクセ」が出てくるものです。
そうした時 いかに見本額縁の雰囲気に
近いものに仕上げるか というのが
職人の腕の見せどころと言えるでしょうか。
言うは易し・・・
謙虚な心が大切。
得がたい経験をさせて頂くことが出来ました。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁と色違いを2点
参考品としてアップいたしました。どうぞご覧下さい。
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和洋折衷で 10月11日
先日完成した額縁は 日本画作品に作りました。
当初はシンプルで濃茶色塗りの額縁が付いていましたが
「白い壁の洋間に合うような 明るい雰囲気の額に」
とのご希望で KANESEIにご注文頂きました。
日本画の為の額縁について色々と考え
そして機会あるごとに日本画に付けられた額縁を
拝見してきましたが わたしが作るとしたら
やはり和洋折衷の雰囲気で と思っていました。
古典技法で金箔を施し 艶消し仕上げ
木目を生かせるよう カルナバワックスで磨きました。
シンプルでも遊び心が感じられるような額縁
日本画だから とのこだわりは感じられないような
そんな額縁を目指したつもりですが・・・
いかがでしょうか。
日本画額縁の研究は更に続けるつもりです。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
模様違いのfrido 8月23日
成城学園前のアンティークショップ attic にいらっしゃる
お客様からご注文いただいて作った額縁は
模様違いの frido です。
銀の艶消しでハガキサイズ 形は frido-1 と同じ。
でも既にお持ちの frido-1 と模様も同じではつまらない・・・
ということで 模様を変えてみることになりました。
月桂樹の葉とリボンがモチーフになっています。
孔雀の羽のような模様で銀の艶消し frido-1
箔の色を金に変えての frido-2
そして今回の模様違いで frido-3
だんだんと展開されていくのも楽しいものです。
attic : http://www.attic-antiques.net/
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
家族の思い出に 8月12日
外国の映画を観ていると 家族の写真を
大切に飾っている様子をよく見かけます。
日本はまた違う文化ですので 頻繁に家族の写真を
眺めたりすることはあまり無いようですが
家族や先祖を大切に思う気持ちは同じです。
7月12日にご覧頂いた pink-acanthus-1 の額縁は
家族の写真をいくつか入れて インテリアとしても
日本の家庭で違和感無く楽しめるように・・・と作ったものです。
ご依頼主の曽祖父母から祖父母 ご両親
そしてご自身と奥様の写真まで 四代に渡る
ご家族の歴史を見ることが出来る額装が完成しました。
写真のトーンを統一し 人物のサイズも細かく調整して
単なる写真の寄せ集めではない額装を目指しました。
KANESEI は最後の仕上げとして額装させて頂きましたが
このご家族のお気持ちを聞き 1からすべてをまとめて
プロデュースなさったのは 有限会社ウィルウィンドさんです。
ウィルウィンドさんでは 「想いを次の世代へ繋げる」ことの
お手伝いをしています。
写真や文章 映像といった様々な形で 次ぎの世代へ
歴史と想いをつなげていく・・・
ご興味ある方はぜひ ウィルウィンドさんのHPをご覧下さい。
有限会社ウィルウィンド :
http://www.willwind.co.jp/index.html
また ブログでもKANESEIをご紹介いただきました。
willwind代表の徒然日記 :
http://plaza.rakuten.co.jp/vacancesvacances/diary/201008110000/
気分を変えて 7月29日
6月24日にご覧いただいた額縁 “bianca” には
レリーフを額装しました。
額縁に入れて飾るのは平面作品に限りません。
こうしたレリーフのような立体の作品も額装できます。
そのまま裸の状態の作品を飾るよりも
箱状の額縁に納めれば
作品をより安全に より清潔に そして
お部屋や環境とさらに調和のとれた形にして
飾って楽しんで頂くことができます。
お手元のレリーフや大切な食器 アクセサリーなど
気分を変えて額縁に入れてみませんか?
pink-acanthus 7月12日
ここのところ なぜか柔らかい印象の額縁を
作る機会が多いように感じています。
今日ご覧いただく額縁もまた
ベージュピンクと艶消金という優しい組み合わせです。
正方形という形も印象を和らげる一因かもしれません。
デザイン自体は「works」内「classical」にある
色が違うだけでこんなに印象が変ることを
ご覧いただける例になったようです。
この額縁にはセピア色の写真をいくつか入れる予定です。
* 「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
南蛮風梅型純金取手 7月05日
ちいさな引出しのツマミ(取っ手・引き手)を
いくつか作っておりますが
今回も小引出しのツマミを1つ のご注文でした。
打ち合わせ時にお客様もわたしも
「金が可愛い!」と意気投合して
完成したのがご覧頂いているツマミです。
この小引出しに既存のツマミからイメージを拝借し
5つの花びらのある星のような形に。
ヨーロッパ古典技法で施した金箔の雰囲気と
梅にも見える和風の形で 不思議な和洋折衷になりました。
お使いいただくうちに徐々に金が磨れて
指が触れる部分に下地が見えるようになるでしょう。
それもまた趣として楽しんで頂きたいと思っています。
* 「works」内「other」にこちらのツマミをアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
白い額縁 6月24日
以前から いつか白い額縁を作ろうと思っていました。
今回ご注文いただいた額装には白い額縁が合いそう・・・
ということで
念願の(?)白い額縁を作ることができました。
白といってもベージュに近い色に 茶色いワックスで
アンティーク加工をしています。
模様デザインは venezia-1 と同じですが
木地と色が変わると 雰囲気も変わります。
白い額縁は・・・なぜかロマンチックなイメージ。
不思議です。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
アンティークカードの額装 5月14日
先日ご覧いただいた「ピンクとリボンと水玉」の
額縁が完成しました。
古いフランスのクリスマスカードの額装です。
飛び出す絵本のように立体的な作りになっていて
付属のレースやリボンもとても繊細で美しいカード。
ピンク ベージュ 金 リボンにレース・・・
甘い砂糖菓子のような額装が出来上がりました。
今回はカードと共に 背面に使った布もお客様から
「このピンクの布を使って欲しい」とお預かりしました。
楕円の窓もご希望のひとつ。
また このお客様のお部屋の雰囲気も事前に
知らせていただいたり お好みもお聞きしました。
こうして全てをご希望に合わせて仕上げるのも
世界に1つだけのフル・オーダーメイドならではです。
作らせていただくわたしにとっても 大変楽しい作業でした。
ピンクとリボンと水玉と 5月04日
ピンク リボン 水玉模様・・・
今日ご覧頂いている製作途中の額縁は
これらのモチーフを取り入れて愛らしい雰囲気にする予定です。
上部にあるリボンは 骨董市で買った金具から型取りしたもの。
ずっと手元にありましたがようやく活躍の機会に恵まれました。
お客様のお好みに合わせた正真正銘(?)の
フル・オーダーメイド額縁です。
額縁 rosso e marrone 4月27日
先日「額縁の森」と題した項目でご覧頂いた額縁が
ようやく完成し お届けしてまいりました。
このデザインの額縁は8点シリーズ。
金箔下地の色を赤と茶色にして変化をつけました。
デッサン用の額縁ですので細めです。
この額縁に入れた作品を描かれた先生には
10年近く前わたしがイタリアから帰国して間もない頃に
展覧会用に数点作らせていただいたことがあります。
その後もお会いするたびに「また作ってくださいね」と
仰ってくださいましたが・・・
昨年秋に残念ながら他界なさいました。
10年前に作った額縁と今回作った額縁と・・・
先生のご感想をお聞きしたかったと思います。
こちらの額縁を使っていただく展覧会は
6月7日から銀座の「画廊るたん」にて開催予定です。
また改めてこちらでご案内させていただきます。
* 「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
ただいま額装中 4月19日
額縁製作の仕事は額縁本体を作るだけではなく
額縁に作品を納めて展示と保存が可能な状態にして
はじめて完成です。
出来上がった額縁は作品と一体となることで印象も変わり
いよいよ額縁としての使命を果たす長い旅がはじまります。
額に作品を納める作業の大敵はホコリ。
掃除機片手に手早くすすめます。
電動ドライバー メジャー アクリルガラス磨き剤は
この作業での三種の神器(?)です。
額縁の森 4月16日
6月に開かれる展覧会のために
10点の額縁を作らせて頂いています。
同じサイズ同じデザインの額縁が沢山並んでいる様子は
まるで額縁の森のようです。
今はまだ金箔を磨いたばかりでキラキラしたままですが
これから更に加工して 落ち着いた雰囲気に仕上げます。
金色の変化 3月04日
金を使った額縁の コーナーサンプル2点です。
どちらも同じ金箔を使っていますが
下地の色が違うため 金の色味が
ほんの少しですが変化があります。
また 金の色だけでなく額縁全体の印象も変ります。
濃い茶色の下地は落ち着いた色に
赤い下地は華やかな印象に。
どちらがお好みでしょうか?
Diospyros ebenum 2月13日
Diospyros ebenum
黒檀の学名です。
日本ではお仏壇の材料として馴染みがあるでしょうか。
この黒檀材の色や木目 緻密さがとても好きで
額縁に使っています。
以前ご覧いただいた八角形の額縁「ottagone」に続き
また最近も黒檀を使った額縁を作る機会が得られました。
丁寧に磨き上げると黒曜石のような輝きが生まれます。
黒檀は熱帯原産であり 成長が遅い上に乱伐がひどく
今後は徐々に手に入れるのが難しくなりそうです。
そんな黒檀を使うことで 額縁も沢山の木の命を頂いてこそ
作ることが出来ているのだ・・・とまた強く感じます。
金と銀のあいだ 1月31日
銀箔をつかった額縁は艶消しに仕上げて
薄く茶色をかけて金茶色のような色味を加えるのが好きです。
銀色と金色の間・・・とでも言いましょうか。
金より落ち着いた色 銀より暖かい色。
上手く表現できませんけれど そんな雰囲気です。
5つの青 嫁入り後のお話 1月18日
昨年12月に完成してお届けした
小引出しのツマミ「5つの青」の その後の様子を
ご依頼主の方が写真と共にお知らせくださいました。
http://www.kanesei.net/2009/12/12
レトロモダンな雰囲気の小引出しにちゃっかり納まって
お宅の雰囲気にもすっかり馴染んでいる様子。
作ったわたしも大変安心いたしました。
こうして自作の「その後」の様子を見ることができるのはとても嬉しく
そして新たな印象を持ちつつ発見もあるものです。
とくに今回のように実物の小引出しを拝見することなく
部品(引き手)を作る場合は 取り付けた後の様子を見て
確認し 使用感や問題点を伺っておく必要があります。
今回はご依頼くださったお客様に喜んでいただき
使用にも問題が無かったようなので 成功と言えるでしょうか。
上の棚に立つロボット君(時計?)が可愛いですね。
L’ottagone 八角形の額縁 12月26日
以前からずっと作ってみようと思っていた
八角形の額縁を ようやく完成させました。
八角形第一弾として今回は黒檀の寄木でシンプルに。
とは言え 木片それぞれ特徴ある木目が見えますので
黒から茶色のグラデーションのある縞模様があり
おもしろい趣になったと思います。
(写真で上手に木目を写すことができませんでした・・・。)
中に入れたのは フィレンツェのベッキオ橋から
西(下流)の方角を撮った写真です。
サンタ・トリニタ橋の美しいカーブが印象的な風景。
わたしがイタリアから帰ったばかりの頃に
大変お世話になったカメラマンの方の作品です。
この額縁の名前 ottagone (オッタゴネ)とは
イタリア語で八角形の意味です。
英語では octagon (オクタゴン) octopus「タコ」 同様に
ラテン語の8を表す octo (オクトー)が語源のようです。
*本日「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
5つの青 12月23日
今月12日にご覧いただいた引き手5つが完成いたしました。
http://www.kanesei.net/2009/12/12.html
木地を削りだし下処理し ブロンズ青錆を出す塗料を塗って
艶消し仕上げにしました。
これらを引出しに2点ネジ留めして引き手として使います。
青錆は猛毒ですがニスでしっかり留めましたので
使うたびに手に付くことは無く安心です。
青錆は塗料のバランスで自然のムラが出ましたが
それもなかなか良い雰囲気を出していると思っています。
これからこのブロンズ青錆を使った額縁も
作ってみるつもりです。
* 本日「works」内「other」にこちらの引き手をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
「works」の額縁 altalena 12月16日
イタリアの住宅街にも日本にあるような
遊具のある児童公園があります。
シーソーや滑り台で小さな子供が遊んでいました。
わたしが一番好きだったブランコもあります。
さすがに乗って遊びはしませんでしたが
イタリアの人達の幼い頃の記憶にもブランコがあるのか・・・と
共通の思い出を見つけられたようで嬉しくなりました。
今日ご覧いただいている額縁のデザインは
古いイタリアの額縁の模様を参考にしました。
名前は altalena. イタリア語でブランコの意味です。
お花がブランコで遊んでいるような模様があることから付けました。
薔薇の花びらがあったので額縁に添えてみたら
写真が大変乙女チックになってしまったようです・・・。
* 本日「works」ページ内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
「works」の額縁 kokutan 12月09日
わたしがKANESEIとして活動を始めた
当初からご存知の方には
「懐かしい額縁を出してきたな」と思われるでしょう。
今日ご覧いただいている額縁は かれこれ
10年近く前に作った「KANESEI初期製品」のひとつです。
黒檀とチークの寄木で内寸(入る作品のサイズ)は
ほぼ葉書サイズで 額縁全体サイズはA4程度でしょうか。
この額縁はなかなかご好評をいただいて数作っています。
上の写真にはウィーンの風景画絵葉書を入れています。
ここでは縦置きですが 横でも使えるデザインです。
もっとシャープな絵やモノクロの写真でも良いかもしれません。
* 本日「works」ページ内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
「works」の額縁 Bへの感謝を込めて 12月04日
このチークの額縁は写真を入れるために作りました。
海外に住む人へ感謝の気持ちをこめてのプレゼントです。
今も写真を入れて飾ってくれていると嬉しいのですが。
このデザインの額縁はイタリアから帰国して数年した頃に
はじめて作りはじめたものです。
大きいサイズから小さいサイズまで試しましたが
最終的に このA4程度のサイズに落ち着きました。
同じデザインでも大きい方が納まりが良いデザイン
小さい方がキラリと光るデザインなどそれぞれです。
鏡を入れてインテリアとしてもいかがでしょうか?
* 本日「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
ただいま制作中・・・ 11月28日
先日(11月18日)ご覧いただいたテンペラ画は
5点完成しましたので それらに付ける額縁を作っています。
下の写真はその制作途中の様子。
手前の3点は木地のまま ワックスを使って
アンティーク仕上げにしました。
奥に見えている白い額縁2点は石膏を塗って乾いたところです。
昨日の作業で石膏地を磨き終えたので 今日はこれから
金箔を貼って これまたアンティーク仕上げにする予定です。
今回のようにそれぞれデザインを少しずつ変えての制作は 楽しくて飽きません。
いくつもの同じデザインの額縁を同時進行で作っていくのは
流れ作業のような機械的仕事になって あまり得意ではありません。
完成した「額縁の群」からは 無表情で行列をしたような雰囲気
そこはかとなく「やっつけ仕事」的なニオイが漂うことがあるからです。
つまりそれは わたしに「やっつけ仕事でやってしまった」自覚があるという訳で
わたしのキャパシティの狭さの表れなのですが・・・。
現実的に 同時進行でいくつも作らなければならない状況が普通でもあります。
KANESEIの名前で作る額縁ひとつひとつに真心をこめて 誠心誠意作ること
その基本中の基本を改めて意識する良い機会となっているようです。
サンタクロースの写真を入れて 11月24日
成城学園前にあるアンティークショップ「attic」は
以前こちらのブログでもご紹介しましたが
http://www.kanesei.net/2009/08/16.html
KANESEIの小さなカードサイズの額縁を置いていただいています。
このatticさんへ また新しいKANESEIの額縁をお届けしました。
先日11月15日のお話「着せ替え遊び」でご覧いただいた金の額縁です。
このデザインは いままで何度も作る機会をいただいた「frido」という
額縁ですが 今回はクリスマスも近いこともあり
金箔を使って暖かみがある色に仕上げてみました。
天使の絵やサンタクロースの写真(?)などを入れて
クリスマスデコレーションに どうぞ加えてください。
成城学園前の「attic」にてご覧いただけます。
(1点ずつの制作ですので 売り切れの場合はどうぞご容赦ください。)
* 本日「works」内「classical」に こちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
樹には木を 11月17日
骨董市ではありとあらゆる物が販売されていますが
版画や絵画などさまざまな美術作品もあります。
この版画も骨董市で一目ぼれして購入した作品です。
買ったときには「とりあえず」という感じで
アルミ製の寂しげな額縁が付いていましたので
後日わたしの好みで新しい額縁を作りました。
作品モチーフが樹ですので 額縁もシンプルに木地のものを。
KANESEIの額縁らしく(?)アンティーク仕上げにしました。
イギリスの古い家具のイメージで(わたしの勝手なイメージですが)
傷を作りワックスで半艶消しにして 汚しを入れています。
どこにでもあるようなデザインの木地ですが
作品との相性は良く仕上がったと思っています。
着せ替え遊び 11月15日
幼い頃に着せ替え人形で遊んだ記憶をお持ちの女性は
おそらく沢山いらっしゃると思います。
大人になった今からも 額縁で着せ替え遊びをしませんか?
葉書サイズの額縁があれば入れ替え(着せ替え)もすぐです。
展覧会で買った美しい絵葉書 旅先から届いた思い出の葉書を
気分や季節で入れ替えて身近な場所に飾って楽しみましょう。
ひとつの額縁も 中に入る作品によって雰囲気が変化します。
上の写真にはそれぞれ以下の絵葉書を入れています。
ジョン・エヴァレット・ミレー 「オフィーリア」
脇田 和 「窓」
フォークロア風アンピール 11月11日
19世紀前半に流行したスタイルにアンピール様式があります。
アンピール…フランス語で帝国を意味し 帝政様式とも言います。
ナポレオン・ボナパルトが活躍した時代のスタイルで
パリの凱旋門がこのアンピール様式の建築として有名です。
今日ご覧いただいている額縁にもアンピール様式の模様を入れました。
黒地にアイボリーで模様を描き 強めのアンティーク仕上げです。
内側の直線と側面には銀箔を使っています。
2005年に作った額縁ですが 今にしてみれば
もう少し大きいサイズで作っても良かったかと思っています。
アンピール様式は直線的で装飾もシャープな印象のスタイルです。
この額縁は模様だけはアンピール様式ですが
こうして見てみると中欧やロシアの民芸品のような雰囲気・・・
はからずもフォークロア風になったようです。
* 本日「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧ください。
モダン試行錯誤 11月07日
「works」ページ内の「other」では
額縁以外の小物などを載せておりますが
そのページをご覧くださった方が お手持ちの小引き出し用にと
ツマミを5つご注文くださいました。
ご依頼主はとてもモダンな雰囲気の方で いつも素敵なファッションです。
ツマミのデザインも「モダンな感じで赤色 デザインお任せ」とのことでした。
自覚しているのですが・・・どうもKANESEIが作る「modern」は
わたしはモダンなつもりでも 「モダンデザイン」とは呼べないような
「???」なデザインが多くなっております。
今回のご注文でもモダンデザインについていろいろと考えた結果
「直線的で抽象的な模様にするべし」で制作いたしました。
(勉強不足で安易過ぎというお叱りが聞こえてくるようです・・・。)
5つそれぞれ少しずつ違うデザインになっています。
色は下地に黒を塗り その上に赤を塗ったので
漆の根来塗りのような雰囲気にもなりました。
ご注文くださったお客様にはお気に召して頂けた様子で
今回はなんとか合格点をクリアできたようです。
わたしの「モダンへの挑戦・感覚習得」の道はまだまだ続きます。
* 本日「works」ページ内「other」にこちらのツマミをアップいたしました。
どうぞご覧ください。
悲しいサーカスの配色 11月04日
先日 引き出し用ツマミのご注文をいただきました。
無事に完成したので 予備に準備していたツマミも
思いつくままに作り完成させてみました。
ご注文で作ったツマミは後日あらためてご覧いただこうと思います。
いわば「遊び」で作り始めたものなので
デザインや色もその場の思いつきのまま 気分のままです。
今回はグアッシュでグレーと赤に彩色することにしました。
色を塗り古色を出したら 古めかしいサーカスを思い起こさせるような
雰囲気になりました。(わたしのイメージする「サーカス」ですが。)
馬車に引かれて町から町へ移動するサーカス団です。
演技も曲芸も古臭く 少し物悲しい雰囲気のサーカス団の
テントの色やピエロの衣装の色 熊の玉乗り曲芸のボール
歳をとった象とその象をとても大切にしている象使い
そんな色の組み合わせが浮かびました。
* 本日「works 」ページ内「other」にこのツマミをアップいたしました。
ご注文に応じて製作もいたします。どうぞご覧下さい。
花水木 10月28日
わたしがイタリアから帰国してまだ1~2年 KANESEIとして
額縁を作り始めたばかりの頃に 新進の写真作家さんから
モノクロ写真用の額縁をご注文いただきました。
納める写真は 室内にあるシンプルなテーブルの角に
ガラス瓶に活けられたハナミズキが置かれている風景作品でした。
この作品を見たとき 構図のバランスの絶妙な具合に魅入りました。
あまりに繊細で今にも高い音を立てて壊れてしまいそうな
でも時間はピタリと止まっている・・・というような際どい雰囲気。
そして不思議な暖かみもわずかに感じられる印象です。
額装が完成して納品してもずっと心に残っていました。
数年後のある日 郵便でこの「ハナミズキ」の写真が
作家さんから贈られて来た時は驚き喜びました。
添えられていたお手紙には 言葉少なく
わたしに持っていて欲しいと思うので送る とのこと。
写真は大切にマットに挟まれていたので
さっそく額縁を作りました。
シンプル過ぎず凝らず 緊張感のある額縁を・・・と
細めの枠に銀箔をほどこし 腐食させました。
いまこの「ハナミズキ」の写真は 私の作業部屋に
大切に飾っています。
本の姉妹 10月24日
完成した「本の布」額縁を ご依頼主の元へ
数日前にお届けに上がりました。
そのお宅では以前にご注文いただいて作った「HONDANA」が
元気に可愛がられており 久しぶりの再会です。
どちらも本をモチーフにした布の額装なので
姉(?)である「HONDANA」に近いイメージで
今回の妹分「本の布」額縁も作ることにしました。
姉妹である「HONDANA」と「本の布」額縁を
並べてみる機会をいただきましたので写真を撮りました。
同じチーク材でも色味が若干ちがいます。
まるで自分の分身がそこにいるような 鏡を見ているような
恥ずかしくて嬉しくて 不安で少しだけイラつくような
複雑な気分になりました。
ものづくりをすると誰もが持つ感情かもしれません。
この「本の布」額縁の名前は 今日から「S&A」にしようと思います。
*本日「works」内「classical」にこの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
本の布 10月21日
先日「HONDANA」という名前の額縁をご紹介しましたが
今日ご覧いただく額縁は その妹分とでも言いましょうか
また本がモチーフの布を額装するご依頼を頂きました。
ご依頼主は「HONDANA」と同じ方です。
チーク材を使い 四隅に石膏で型取りしたモチーフを
箔で装飾して取り付けました。
ライナー(内側の白い部分)には 今年春に生まれた
お子さんのイニシャルと2009の文字を入れています。
この文字装飾はご依頼主からのたった一つの注文。
あとは私KANESEIにお任せくださいました。
イニシャルや記念日を小さく入れるのも
特注ならではの楽しみ方ではないでしょうか。
「works」の額縁 HONDANA 10月17日
この額縁は名前「HONDANA」のとおり
本棚をイメージして作りました。材はチークです。
以前 本の背表紙が並んだ図柄の布の額装をご依頼いただき
「本棚のような額縁に入れてください」とのことでした。
完成した額に入れた布は まるで本当に本棚に本が
並んでいるようで 騙し絵のようで面白い額縁でした。
その額縁を後日改めて自分用に作ってみました。
下部にある文字はラテン語の格言集から
Artibus ingenuis quaesita est gloria multis
”高貴なる芸術によりて多くの人々に栄光は獲得せられたり”
素晴らしい意味ですがこの文章は装飾として入れております・・・。
文字を装飾にするのが好きです。
ピンクのエネルギーをチャージ 10月16日
ピンク色の服はカットソー一枚だけ
あとはピンクのバッグも靴もお財布も持っていません。
けれどピンクはとても好きな色です。
今回ご注文いただいた額縁も「ピンクに」とのことでした。
四隅には貝殻模様 森の草木をモチーフにした線刻装飾
そして森にかこまれた水辺にいる人魚達の色にあわせて
青味のあるピンクとシルバーにしました。
KANESEIの好みだったらきっと作ることもなかったような
ラブリーな額縁も こうしてご注文いただいて
作るチャンスを得られました。
やはり「心と頭をオープンに」は大切です。
製作途中も徐々にわたしの気分がピンクの優しい気持ちになって
ほわんとした「ピンクエネルギー」(?)で満たされたようです。
色ちがいのfirdo 10月13日
こちらはコーナーサンプルです。
「works」の「classical」 frido という名の額縁と
同じデザインで金と銀 色ちがいで作ってみました。
わたしにとっては見慣れた銀の frido
金で作っても中々良さそうです。
同じデザインでも金と銀 色が変わると
雰囲気も違うものです。
艶がある銀 艶消しの金も可能ですし
金属箔を使わずに色を塗ると これまた雰囲気が
ガラリと変わるのが面白いところ。
色も艶もお好み次第・・・です。
「works」の額縁 venezia 10月12日
worksページの額縁のお話です。
classical左から3番目の額縁の名前は「venezia」です。
イタリアの北東にある有名な街 ヴェネチアから取りました。
ヨーロッパで作られた額縁は時代ごとにスタイルがあります。
ゴシックスタイル ルネッサンス様式 バロック ロココ・・・
絵画の様式が変わるのと同様に
付随する額縁の様式もそれぞれ変化しています。
そして作られた場所によってもデザインに特色があります。
今日ご覧いただいている額縁のデザインは
1700年代半ばにヴェネト州(ヴェネチアが州都)で作られていた
額縁をイメージしてつくりました。
角にある「C」を組み合わせたような模様
中央部に模様がない部分が作ってあること などが特徴です。
時代はロココ華やかなりし頃…
この額縁は「その名残り」です。
「works」の額縁 ireland 10月06日
この額縁の名前は「ireland」ですが
デザインがアイルランド風とか 材料がアイルランドのもの
などと言うことでは無いのです。
とても個人的な理由から付けた名前です。
アイルランドでの旅先のバスルームの壁紙模様を
元にして作った訳でして・・・。
額縁の名は そんな感じで付けております。
秋に暖かさを 10月02日
だいぶ秋も深まって 東京は肌寒い秋雨です。
真夏に涼しげな銀の額縁をご紹介しましたが
今日は暖かみのあるシンプルな金の額縁をご覧いただこうと思います。
白い壁も暖色の額縁を飾るだけで暖かみを感じられます。
クラシカルでもモダンでも どちらの作品にも対応できて
既存の家具や壁の色にも違和感無く馴染むことができるように
(この条件を満たしてはいませんが できるだけ近づくように・・・)
装飾は内側に細かいラインを入れるだけに押さえました。
パステル画やデッサンを入れてみるのはいかがでしょうか。
* 本日「works」内「classical」にこちらの額縁をアップいたしました。
どうぞご覧下さい。
「works」の額縁 PINK 10月01日
わたしが作る額縁には その時のわたし一人の
流行のようなものが反映されています。
先日ご覧いただいた「TEAK」と「frido」の角が丸いのも
いわば角が丸いマイブームの真っ最中に作った訳ですが・・・
(「マイブーム」は便利なので使っている言葉ですが既に死語だとか。)
今日ご紹介する「PINK」(「classical」)の模様も
「古代ギリシャ模様マイブーム」最中につくった額縁です。
黒やベンガラ色の艶のある模様が入ったテラコッタの壺が
出土していますが これらの壺のデザインの一部から借用しています。
こうして額縁の一部にピンク色で入れると
あまり「ギリシャ的」な感じはしませんね。
穏やかな色使いの静物画を入れるイメージで作りました。