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じゃんじゃん作ろう 1月28日

 

2度目の緊急事態宣言が発令されて

市が尾の Atelier LAPIS 古典技法教室は休講

田町の Tokyo Conservation の仕事も休み

お茶の稽古も休み・・・

 

幸いにもご注文いただいている額縁制作は

ありますけれど、発注した木地の到着待ちやら

なにやら(まぁつまり、そういうことです・・・)

自宅の作業部屋で好きなことができる時間が

とても増えました。

 

何する?

小箱を作るのだ。

じゃんじゃん作るのだ!

楽しく過ごしたいと思います。

ムフフ・・・。

 

 

香りの喜び 1月25日

 

もともと自宅で過ごす時間が多いわたしですが

緊急事態宣言が発令されて、ますます

引きこもりに拍車がかかっております。

出かけたいな、と思うこともあるけれど

家が好き、家でしたいこともするべきことも

沢山あります。

 

そんな毎日、快適ではあるのですが

家での時間をさらに快適にしよう!と

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局のポプリを1袋、

ネットで購入いたしました。

そして、ずっと前に買ったはいいけれど

使い道が見つからなったアンティークの

ガラスポットに入れました。

▲一見すると庭の枯葉・・・だけどよく見ると

葉以外に花や木の実、唐辛子なども入っている。

すこしミントやラベンダーも感じるすっきりとした

でも古いお屋敷の家具のようなノスタルジックな香り。

ガラスポットもようやく役割を得ました。

 

いやぁ、大変に良い香りです。

このポプリ、お値段が・・・あの、

ポプリを買うには勇気がいるのですけれど

少量で部屋中を香らせてくれますし

ポットの蓋を閉じて節約(!)すれば

勇気の分は十分に活躍してくれそうです。

 

▲残りの入ったパックはワイヤーで閉じて

さらにチャック付きバッグで密封!

 

ジャムの空き瓶にも入れて

こちらは作業部屋におきました。

これでわたしの個人スペースはいつも良い香り。

期待した以上に香りに喜びをもらいました。

自宅待機も快適度が上がって・・・

あとは精力的に制作するのみでございます!

がんばりますぞ。

 

 

Firenze 2020-12 1月21日

 

ひきつづきローマ日帰り旅行から。

 

人込みのパンテオンから向かった

「ドーリア・パンフィーリ美術館」は

貴族のお屋敷を美術館にしてありますが

現在も広い敷地内にご家族で住んでおられるという

本当の(と言うのでしょうか)貴族のお屋敷。

 

にぎやかな大通りに面した入り口から入ると

いくつものアーチを通り抜けるごとに静かになって

「立入禁止」の門の向こうには美しい中庭

そして高級車が並んでいたりして

まさに「今も使われている生きたお屋敷」の姿なのです。

 

 

さて、これまた優雅で大きな階段を上った先の

美術館は、フィレンツェのルネッサンス様式

質実剛健とは全く違う華やかなバロック風~

ロココ風の室内が続きます。

▲廊下という廊下すべてに展示されている作品。

美しい天井も見逃せません。

 

▲コロナ前の日本の企画展だったら行列必至の

カラヴァッジョですが、立ち止まる人も少なく・・・

 

▲フィリッポ・リッピにいたっては

大きな部屋にわたしひとり、貸し切り状態という幸せ。

だけど室内は照明が暗かった・・・

 

このほか、ラファエロ、ティツィアーノ、ベッリーニ

パルミジャニーノ、ベッカフーミなどイタリアの巨匠

北方ルネッサンスやスペインの有名どころもたくさん!

もちろん額縁も祭壇型からトンド(円)

ルネッサンススタイルもローマらしいバロックも

ありとあらゆる作品を見ることができるのでした。

 

▲ベッリーニの作品。イエス・キリストの表情がかわいい。

サルバトール・ローザスタイルの中部イタリアらしい額縁。

 

▲ベッカフーミはトンドが好きなのですな。

 

程よく空いていて、室内インテリアも

絵画も彫刻も、そしてテキスタイルや衣装も見られる

なんともてんこ盛りな美術館です。

時間が足りなくてじっくり見られなかったのが残念!

再訪を誓ってフィレンツェへの帰途へつきました。

 

museo di palazzo doria pamphilj

 

ishigaki-2 1月18日

 

先日ご覧いただきました石垣模様の額縁は

黒色に塗装して完成いたしました。

タイトルは「ishigaki-2」にしました。

 

いつものように、黒色の下に赤褐色を塗って

深みを出し、艶消しに仕上げました。

 

ちなみに初めて作ったときは白木色仕上げでした。

▲2015年の展覧会時の写真。今回よりずっと大きい。

写真は篠田英美さんによる。

 

同じ木地を使ったデザインの額縁でも

サイズと色を変えると違う雰囲気になるものです。

 

わたしは普段、白木色(いわゆるナチュラルカラー?)

で仕上げることはほぼ無くて、2015年の ishigaki-1 は

新鮮でもあり落ち着かない気分でもありました。

今回は慣れた黒で仕上がって(もちろんお客様の

ご注文が黒だったからです)

ホッと落ち着きつつも、他の色も模索したいような。

真っ白とか・・・いつか作ってみたいと思います。

 

「works」内「modern」にこちらの額縁をアップいたしました。

どうぞご覧下さい。    

 

 

「いつか」を現実に 1月14日

 

新型コロナで落ち着かない日々にくわえて

個人的にも少々落ち込むことがあって

ここはひとつ、自分で自分を励ますと言いますか

なにか目標を立てたほうが良いかな、

と思いました。

 

以前から「いつかできたら良いな、エヘヘ」

などと漠然と考えていたことを

実現に向けて動こうかと思っています。

小箱の展覧会です。

 

まだどこの画廊をお借りできるか

いつ開催するのか

いったいいくつ小箱を作るのか

まったく未定ですけれども

(なにもかもコロナ禍状況次第)

この場で皆様にお話ししてしまえば

覚悟も決まるのでは、と自分に期待しつつ。

 

初めてのグループ展では胃を壊し

その次の2人展では蕁麻疹でボリボリになり

「もう2度と展覧会などするものか」と思ったけれど

3度目の正直です。

時間の余裕があって、ひとりで行うなら

きっと大丈夫。

すこし光が見えてきました。

 

 

メノウ棒の遠い思い出 1月11日

 

大学2年の夏に学校の企画で行ったヨーロッパ旅行。

その時にフィレンツェで、将来留学することになる

Palazzo Spinerri 修復専門学校を知り

卒業生の先輩方にローマやフィレンツェでお話を伺い・・・

今思えば将来に関する重要な方向を見つけ出した。

そんな夏でした。

 

その時に訪れたフィレンツェの古典技法画材店

Zecchi で購入したメノウ棒4本(1本は折れてしまった)は

現在制作中の大きな祭壇型額縁でも活躍してくれています。

このメノウ棒を買ったころ、わたしはひたすら

黄金背景テンペラ画模写に熱中していたのです。

なので、メノウ棒を買うぞ!と鼻息荒く行ったZecchi で

「細かい凹凸も平らな面も緩やかなカーブも

きちんと磨けるオールマイティな形のメノウ棒を!」と

ああでもないこうでもない・・・と駄々をこねた記憶があります。

なんと生意気な東洋女学生だったことでしょう。

そんな生意気小娘相手にZecchi のおじさんは

「そうだねぇ、いま作られているメノウ棒はほとんどが

額縁用だからね、君が言うような形は難しいかもしれない。」

とやさしく説明して下さったのでした。

 

結局わたしは夢のオールマイティ1本をあきらめて

実用的な4本を購入したのですが、心の中では

「額縁なんてどうでも良いのに。絵があっての額縁なのに

絵に適したメノウ棒が無いなんて信じられない!」と

腑に落ちず。無知炸裂でした。

 

そして経つこと幾歳。

今となってはこの3本が

わたしの額縁制作に大いに役立つことになるとは。

いえ、それ以前に「自分が額縁制作を生業にして

メノウ棒を一生使い続けることになる」なんて

思いもよらない若かりし日です。

 

このメノウ棒を毎日握る今日このごろ。

ふとよみがえった古い記憶のおはなしでした。

 

 

Firenze 2020-11 1月07日

 

ことしも引き続き2020年2月の

イタリア滞在記をご紹介させてください。

 

ローマへの日帰りの旅、

カントさんのアンティークフレームギャラリーと

ミルコさんの額縁修復工房を見学したあと

インプットされた情報の多さと興奮の疲れで

ちょっと一息入れなければ・・・ということで

おふたりにはお暇を告げ、ひとりになって

ぼんやりとローマを散策することにしました。

てくてく歩いて頭と心の整理をします。

 

▲カントさんギャラリーの近く Via Giulia

石畳の石の大きさも歩道も建物の色もデザインも

なにもかもフィレンツェと違う。

 

▲そしてテヴェレ川へ。奥にヴァチカンの

サン・ピエトロ大聖堂のクーポラが見えています。

フィレンツェのアルノ川より大きくてゆったりとした流れ。

 

サンタ・マリア・ソープラ・ミネルヴァ教会

 

この教会には我が師(自称弟子のわたし)

フラ・アンジェリコの墓所があります。

じつはここを訪ねるのは3度目です。

でもいつも閉まっていてまだ一度も入っていません。

なんでしょう、また来てねってことでしょうか。

嫌われているのか運命か。お師匠様・・・。

(開いている日時を調べない自業自得!)

ものすごくがっかりして、そのまま

斜め前にあるパンテオンに向かいます。

▲パンテオンの斜め裏側から。

相変わらずの空の青さがすがすがしい。

 

パンテオンでは天井の穴から真っ青な空を眺めました。

この天井の美しい模様と光を見ると落ち着きます。

 

それにしてもいつも混んでいるパンテオン・・・

この頃はまだコロナ禍は遠い感覚でした。

いま思えば、このぎっしり観光客のなかに

感染者がいた可能性も十分あったわけですが。

早々に出まして、さて。

帰りの電車まであと2時間ちょっとあります。

せっかくですからまだ知らない美術館へ

行くことにいたしましょう。

近くにある「ドーリア・パンフィーリ美術館」へ

向かうことにしました。

つづきます。

 

 

逃げずに大切に 1月04日

 

あらためまして

あけましておめでとうございます。

2021年お正月の三が日

いかがお過ごしになりましたか。

 

わたしは、結局いつものお正月どおり

自宅で家族とお節を食べ、年賀状をよろこび

変わりない3日間を過ごすことができました。

毎年・・・と言いますか年を追うごとに

何事もない旧年とおなじお正月を迎える

有り難さを感じます。

▲お節料理も毎年ほとんど同じ・・・

 

先日の「鎌倉へ」でもお話しましたが

今年はすさまじかった2020年に授かった

「驚くような嬉しいこと」を

諦めないで逃げ出さないで大切にして

過ごしたいと思っております。

そしてその喜びをもっと大きくしたい。

わたしの今年の抱負は「逃げ癖をなおす」

これにいたします。

いま決めました。

年末にどんな気持ちで今日を振り返るか

ちょっと怖いですけれど、

それもまた楽しみにしようと思います。

▲そしてお雑煮もほとんど同じ。

 

さて、新しくなった日常へ戻ります。

機嫌よく過ごす一年に!

 

 

あけましておめでとうございます 1月01日

 

 

旧年中はありがとうございました。

新春を迎え皆様のご多幸をお祈り申し上げますと共に

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

令和3年 元旦 KANESEI