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A CHANGE OF TASTE -LOWYの展覧会から- 8月27日

 

先日お話したニューヨークの額縁店 LOWY から

Tokyo Conservation室長が本を一冊頂いてきました。

「A CHANGE OF TASTE」というタイトルでLOWY で開かれた

アメリカのアーツ&クラフツ時代(1800年代末~1900年代初め)に

アメリカで作られた額縁をメインにした展覧会カタログです。

アメリカのアーツ&クラフツと言えばフランク・ロイド・ライトや

グリーン兄弟など建築家を思い出しますが

この展覧会カタログの最初に登場する額縁作家である

(設計者であり制作は別の職人のようですが)

スタンフォード・ホワイトも建築家だったそうです。

芸術家の友人の為に額縁も手掛けていたとか。

カタログ写真で見るだけでも ヨーロッパの額縁とも違う雰囲気と

超絶技巧とも言える緻密な細工が施された額縁には

驚き感動し ぜひとも実物を近くで見てみたいという

気持ちを強くさせられました。

 

これからヨーロッパ以外の額縁にも

目を向けていかなければ・・・と思います。

 

 

 

空は既に 8月23日

 

汗を沢山かいて 夕方に作業を終えると

ついこの間まで同じ時間にまだ明るかった空が

もう夕闇が迫っていることに気づきます。

暦の立秋も過ぎて 空気も徐々に入れ替わりつつあるのでしょうか。

 

遠出した帰り道 高速道路から見えた空は

秋が近づいていることを知らせてくれました。

毎年この時期から 指折り秋の到着を待ち焦がれています。

 

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Firenze -Corniceria dell’Agnolo- 8月20日

  イタリアの郷愁 2011 フィレンツェ -天使通りの額縁店-  

 

フィレンツェに来たのはこの場所で

この人たちに 会いたいが為と言っても過言ではありません。

わたしの額縁のマエストロでありイタリアでの両親でもある・・・

マッシモ氏とパオラ夫人の額縁店にやって来ました。

最後にお会いしてから6年が過ぎていましたが

お二人ともお元気で生き生きと 

変わらず額縁を作り続けています。

お店入り口のショールーム兼カウンターの場所は

展示される額縁も増え、わたしが居た頃には無かった

PCもあり ほんの少し雰囲気に変化もあったけれど・・・

奥の作業スペースにお邪魔したとたん

またもや様々な記憶がよみがえり 

懐かしさで一杯になりました。

 

一番の変化は彼女(犬)が加わっていたことでしょうか。

恥ずかしがり屋の看板娘 ガイア。お利口さん。

マエストロご夫妻の写真もご紹介したいところですが・・・

それは機会があればいつか。  

お店の名前「Corniceria dell’agnolo」は

アーニョロ通り(via dell’agnolo)に 面して建つお店

ということなのだと思いますが

今日はじめて「agnolo」の意味を調べてみたら

(遅すぎの感ありますが)イタリアの古い言葉で天使を意味するとか。

つまり「天使通りの額縁店」なのです。

今更ながらとても素敵な名前の額縁店です。  

次回は「天使通りの額縁店」のショールームをすこしご紹介します。    

 

 

型取りの季節 8月16日

 

爽やかに乾燥した夏の日には

石膏仕事がはかどります。

ニカワで溶いたボローニャ石膏も

型取りに使う焼石膏も

程よいスピードで迅速に乾いてくれますので

気持ちまで爽やかになります。

 

蝉の声とボサノヴァでもBGMにして

型取りの飾り石膏をせっせと作りためておきましょう。

 

 

 

銀の仕上げ様々に 8月13日

 

先日ご覧いただいた「銀の4姉妹」のひとつ

gin-fn3 は 違う色味の額縁も同時に作りました。

どちらも同じ赤色箔下トノコに銀箔の装飾ですが

ひとつは黒色ワックスで強い汚しを入れ

もうひとつには茶色のワックスで色を与える程度に。

同じデザインの額縁も

黒は力強く男性的に

茶は優しく女性的な印象に感じます。

どちらがお好みでしょうか?

 

 

La nostalgia in Italia 2011 Firenze -Basilica di Santa Maria Novella- 8月09日

 

イタリアの郷愁 2011 フィレンツェ -サンタ・マリア・ノヴェッラ教会-

 

フィレンツェ中央駅の名前の由来となった

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会です。

日本で徒然草が書かれていた頃に(1325年頃)

この教会も今の姿になったそうです。

教会の入場チケットには この教会の大切な宝物である

マザッチョのフレスコ画「三位一体」

案内冊子にはジョットのテンペラ画「キリスト磔刑図」が。

イタリアの教会に入るといつも感じるのは

教会の内と外の空気の違いです。

気温も湿度も匂いも違う 肌触りも違う。

寒い早朝に訪れたせいか この日は冷たく固い空気でした。

朝のミサで灯されたロウソクの残り火が揺らめき

薄暗い聖堂内には数えるばかりの観光客と

一心に祈り続ける老人の後ろ姿がありました。

 

そして教会横の中庭には やはり美しく繊細な糸杉が

まっすぐに立っています。

 

 

 

 

 

Quattro sorelle d’algento 銀の四姉妹 8月06日

 

久しぶりにご覧いただける新しい額縁が完成しました。

銀箔を使って黒い汚しを入れたシリーズ4点

名付けて「銀の四姉妹」です。

少し力強い雰囲気で仕上がりました。

 

モノクロで骨董品を撮影した写真を納めるために

ご注文いただきました。

額縁のデザインとしてはクラシックで無難なものですが

銀で黒い汚しを入れると モダンな趣もあるような

不思議な仕上がりになりました。

 

ひとつは以前からある「frido」のデザインですが

汚しの色が違うと雰囲気も変わります。

線刻の溝や盛り上げ装飾の凹に黒いワックスが入り込んで

模様を強調させてくれました。

* 「works」内「classical」にこちらの額縁4点をアップいたしました。

  どうぞご覧下さい。

 

 

いつか行くべき場所 LOWY 8月02日

 

Tokyo Conservation の室長宛に届いた

ニューヨークからのDMを見たのは もう6年前になります。

アッパーイーストにある LOWY という額縁店からのDMです。

アンティーク額縁の修復・販売 そして

復刻させたクラシカルな額縁を主に扱っているお店で

そのDMを見て以来忘れられず ずっと頭の片隅にありました。

先月に室長がニューヨークへ出張するとのことで

ぜひ LOWY を訪ねてみてほしいとお願いしたのですが

忙しい時間を縫って訪ね お店の様子を知らせて下さいました。

美術館で見かけるような いいえ 美術館でも稀なような

重厚で凝った細工の額縁が整然と並び 奥には工房スペースもあって

職人さんが忙しく作業していたとか。

アメリカらしくシステマチックに整った素晴らしいお店だったそうです。

室長いわく「ここは君がぜひ自分で訪ねてみるべき」とのこと。

 

アメリカとイタリアと日本 考え方も文化も歴史も違う国の額縁店は

営業の方法も制作・修復作業の方法にもどんな違いがあるのか知りたい

そんな「額縁職人」としての気持ちも有りますが

何より その素晴らしい額縁をため息をつきながら眺めたいという

「額縁オタク」としての気持ちのほうが強いかもしれません。

 

できることなら数週間でも研修させてもらいたいところですが

それはさておき いつか必ず行くべき場所 との思いが更に強くなりました。

 

LOWY :http://lowyonline.com/