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銀の表現いろいろ 11月21日

 

銀箔を使った額縁の仕上げには

ニスやラッカーでコートして酸化を防ぐ必要があります。

せっかくの銀の白い輝きも 数年後には錆びて

真っ黒!という結果になりますから。

 

でもあえて 銀を錆びさせた仕上げにすることもあります。

淡い錆びから真っ黒な錆びまで あるいは

酸化させる薬剤によっては 黄色味の錆び 青味の錆び

さまざまな変化を作ります。

淡い錆びが欲しい場合 薬剤の濃度や塗布する回数がむずかしく

なかなか思ったように仕上げるのが困難ですが

その分 上手く美しい錆びが出た時の趣は格別です。

 

今回は黄色味のある錆びが出る薬剤をつかって

真っ黒な強い錆びを作って仕上げる予定。

写真の右の額縁は 銀箔を貼って磨いたばかりで

まだ初々しい(?)銀の輝きがあります。

左の額縁には酸化させる薬剤をひと塗りしたところ。

さっそく酸化がはじまっています。

一晩待つと 翌朝には全体が黒のグラデーションになります。

キャプチャ1

人間の体が酸化するのは困りますが

酸化した銀の額縁は 偶然の色の変化や発色があって

作業中もワクワクします。

完成した額縁は 近々こちらでまたご紹介いたします。