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Firenze 2018 tempo calma №14 6月24日

 

ある朝、パオラの額縁工房へ行くと

まだシャッターが閉まったままでした。

いつもなら9時には開いているはず。

雨の中をしばらく待つことにしました。

 

▲“CORNICI”  額縁。店名は“Corniceria del’agnolo”

「アーニョロ通りの額縁店」です。シンプル。

 

すこし離れて店をみてみると

シャッターには落書きされたままだし

右の壁にある道路標識はひん曲がっているし

(この位置でここまで曲がる謎・・・)

CORNICIの看板も古びて薄汚れています。

雨で暗い日だったのもあって

うらさびしい雰囲気でした。

 

 

結局この日はパオラがひどい風邪をひいて

お店は閉店のままの一日。

パオラひとりで工房とお店を管理する

大変さと難しさを感じました。

 

今回のフィレンツェ滞在は、じつは当初

パオラがもうお店を閉じるかも・・・とのことで

わたしになにか手伝えることがあればと

急きょ決めた訪問でした。

パオラとマッシモ夫婦、ふたりで長年行ってきた作業を

もう若くないパオラがひとりでこなすのは至難のことです。

 

でもいざパオラに会ってみればお店を閉じる話は無し。

「どうして急に来たの?懐かしくなっちゃったの?」

なんて言われる始末なのでした・・・。

つまり閉店を考えてしまうほどに大変、ということで。

メールのみでのやり取りでわたしの早合点。トホホ。

 

なにはともあれ、緊急閉店はなく(ひとまずは。)

微力ながらもわたしが額縁制作を手伝ったことで

パオラの作業が楽になり、気分転換にもなり。

わたしはパオラから新しい技法を教えてもらったり、

日本で額縁制作の経験を積んだ今だからこそ

理解できること等をさらに相談できたりと

「悪くはない」滞在でした。

とは言え、パオラひとりでのお店経営問題が

解消したわけではありません。

心配は続く・・・