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頭の中がいっぱいだったころ 7月23日

 

この夏、古いフロッピーディスクに入れていた

自作額縁写真を引きずり出して保存し直し、

ディスク71枚を処分しました。

 

それらディスクから蘇ってきた写真は

かれこれもう20年近く前に撮影したものです。

額縁写真の中には、ギャーと叫んで

逃げたくなるような気分にさせるものもあり。

それもわたしKANESEIの歴史です・・・。

 

下の写真はフィレンツェ留学時代に

修復学校の木工授業で作った額縁です。

大学で模写したフラ・アンジェリコの天使図を

留学に持って行き、フィレンツェで額装しました。

いま見ると模写も額縁もつたない限りです。

 

まだ額縁師匠マッシモ氏に出会う前の留学1年目。

クラスメートは小箱などを作る横で

わたしはひとりで額縁を作って、修復学校では

「なんだか変わった-つまり面倒くさい-

留学生がいるぞ~」と先生方に思われていた

ような気がします。

材はジェロトンです。

学校の材木室から節穴のある材を選んで

(右中央部と下部に穴があります)

虫食い風にしようと思ったのでした。

デザインはその頃好きだったロマネスク風の

アーチを乗せることにしました。

ただのぶ厚い板だった材木を必死で切りだし、

ホゾを作って木を組んで、彫り、磨き、塗装し、

わざわざ日本から持ってきた絵を納めて。

 

これ以来、先生方は「コヤツの頭の中は

額縁ばっかりだな!」とご理解くださって、

様々なことを教えていただきました。

わたしが若く、ひたむきだったころの額縁です。