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吊金具の美 9月09日

 

先日ご紹介しました額縁本「CorniciXV-XVIIIsecolo」の

中央あたりには、吊金具を集めた写真が

掲載されておりまして、これが素敵なのです。

▲額縁本「CorniciXV-XVIIIsecolo」より

 

昨秋のフィレンツェ滞在で買った金具2種と

パオラが使っている金具、そして

KANESEIオリジナルで作ってもらった銅と真鍮2種と

形がそっくり同じような金具も載っています。

フィレンツェで--パオレッティさんのお店で--

買った2種とパオラの金具はどちらも鉄。

本に載っている古い金具も鉄ですので錆びています。

ちなみに日本で今使われている吊金具のほとんどは

錆びないステンレスです。

鉄とステンレス、だいぶお値段もちがいますが

腐食した鉄は額縁を安全に保持できませんからね。

 

▲上の2種がパオレッティさんで買ったもの、

下左がパオラのもの、その隣2つはKANESEIオリジナル。

 

だから日本が良くてイタリアがダメという話ではなく、

湿度の違い、習慣の違いなどあります。

そして恐らくですけれども、イタリアでも美術館等では

ステンレスの吊金具も使われているのではないでしょうか。

どの金属製の吊金具を使おうと、定期点検は

必要不可欠です、という前提でのお話です。

 

だけど美しさに限って言えば、まぁわたしの好みですが

ステンレスより鉄の金具の方が断然美しい!と思います。

錆びた鉄と古色の付いた額縁の組み合わせ、

力強さと物語を秘めていると思いませんか。

▲額縁本「CorniciXV-XVIIIsecolo」より

 

錆びた鉄の吊金具は装飾としてつけて、

裏からステンレスのしっかりした金具で保持する・・・

なんて本末転倒な吊金具の使い方も考えてしまいます。

 

KANESEIオリジナルの吊金具2種

小さい方を真鍮、大きい方を銅で作ってもらっています。

ステンレスの無機質なイメージは無くて

鉄より劣化スピードが遅い(と思っていますが)ので

実用も兼ねた「見せ金具」としてはとても気に入っております。

繰り返しますけれど、どの金属の吊金具を使おうと

定期点検は必要不可欠でございます!