top » diario

diario

顔料の製作者とアンジェリコのお好みと。 11月18日

 

先日のテレビ番組で、アドリア海で見つかった沈没船について

いつ、どこの港から出てどこへ向かい、

誰のどんな荷物を積んで誰に送っていたのか

調査する様子を観ました。

その船はルネッサンス時代、ヴェネツィアの総督が

トルコのスルタンの求めに応じて送ったガラスと

その他贈り物を積んでいた船でした。

海中調査し、膨大な資料から探り出し明らかになっていく様子は

とても面白かった!

 

その沈没船の積み荷に顔料もありました。

赤い顔料の辰砂、白い顔料の鉛白でした。

当時ヴェネツィア産の顔料は品質が良いことで

有名だったそうな。

昨年秋にフィレンツェのサン・マルコ美術館の

写本室で観たルネッサンス時代に使われた顔料紹介でも

赤は辰砂、白は鉛白が展示されていたことを思い出しました。


この沈没船はフラ・アンジェリコの生きた時代の100年も後だし

フィレンツェとヴェネツィアは当時ちがう国であったから

可能性はとても低いと思うけれど、想像が膨らんでしまう。

フラ・アンジェリコはヴェネツィア産の顔料を

好んでいたかもしれない、なんて。

どんな人がどんな場所で、どんな道具で

あの顔料を作っていたのかな、その生活はどんなかな、とか。

ヤマザキマリさんが物語にしてくれたら

とてもとても面白そう!と思ったりしております。