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やるぞエミリア、でも気分は倒れる3秒前 8月14日

 

怒涛の勢いで(自分比)快進撃を続けております

エミリア額縁の摸刻・・・

と書き出しましたけれど

実際のところは動悸息切れ激しいわたしです。

とにもかくにも完成間近になりました。

・・・まだ完成していませんけれども。

 

▲ボローニャ石膏を塗ります。

 

木地に下ニカワを塗り、薄めシャブシャブの

ボローニャ石膏を細い筆で塗り重ねます。

溝に液溜まりができないように細心の注意を払います。

 

▲地獄の石膏磨き

 

なにせカーブや凹凸が激しいので紙やすりも届きにくい。

ここでモノを言うのが石膏塗の跡です。

石膏液を凹凸にもいかに均一に塗るか!筆跡を残さないか!

その結果によって地獄の石膏磨きの作業時間が左右されます・・・。

そして愛用の三共理化学の空研ぎペーパーはしなやかで大変に宜しいです。

 

▲黄色ボーロ塗り

 

さて無事に磨き終えまして、ここで登場するのが

2月にフィレンツェのZECCHIで買った黄色ボーロです。

いままで使っていたシャルボネの黄色ボーロは

何というか黄色というよりオレンジ褐色で

どうも違う・・・と思っておりました。

このZECCHIの黄色は、ローシェンナ色

まさにトスカーナの土の色です。

 

▲黄色の上に赤ボーロ

 

やはり黄色ボーロより赤ボーロのほうが

金を磨いた後に輝きますし、色味もきれい。

凹に黄色を残し、凸に赤を重ねます。

 

▲いよいよ箔作業開始

 

ゼーゼー・・・息切れが。

 

金箔を20等分に小さく切り、チコチコと貼ります。

側面や穴、奥の方まで、可能な限り箔を貼り

どうにもこうにも届かない部分や影は金泥でごまかし

とにかく金で額縁を包み込んでいきます。

 

▲メノウ棒で箔磨き、目が痛くなる。

 

もはや意識が朦朧としてきました。

・・・いえ、もちろんワタクシ元気ですけれど

気分的には白目をむきそうです。

居間の薄暗がりで、メノウ棒でカタコトと

(木とメノウ石が当たる音がする)磨いておりましたら

家族が見て一言「ウッギャー・・・すごぉ・・・」

 

「素敵だね」の「すごぉ・・・」では無い。

ええ、分かりますよ、ギンギラギンでコッテコテですからね

これは和室には不似合いかもしれません。

でもこの曲線、輝く金の光と影、これもひとつの美ですぜ!

 

こうした時に改めて、日本とイタリアの文化と

感覚の違いを痛感します。

安土桃山時代の人々なら・・・織田信長とか

気に入ってくれたかしらん?と妄想しております。

 

次回は古色を付けて完成した姿をお披露目いたします。