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ひとりでいること 7月24日

 

KANESEIとして額縁の制作、修復を始めたときは

将来の展望だとか計画だとか 何も考えずに

額縁好きだし作るの楽しいし道具もあるし

(そして両親が許してくれそうだし・・・。)

心構えもせずに、ただ「始めた」のでした。

我ながらなんと呑気だったことでしょう。

 

徐々にわずかながら自信を持てるようになってきた頃

「そろそろ後輩を育ててみたら?」

「人を雇って仕事を拡大しないの?」という

ご意見を頂戴する場面も出てきました。

 

後輩を育てる、とは少し違うかもしれませんが

「額縁の素晴らしさ、古典技法の楽しさを知って頂く」

に関しては、母校の非常勤講師させて頂いたり

atelier LAPIS講師 や額連のワークショップをとおして

行っているつもりです。

 

では「誰かと一緒にKANESEIを進めること」は? というと

う~~む・・・

同志(または共同経営者、共同責任者?)が側にいる心強さは

修復スタジオ Tokyo Conservation の室長と主任の姿、

お互いを補い励ましあい、それぞれの役割をしっかり果たす様子を

いつもとても羨ましく思います。

 

でもわたしは、どうなんだろう。

今、なにかを失敗しても自己責任です。

やり直しの出費も労力も、わたしひとりの問題です。

もし共同経営者がいて、わたしがなにか失敗したら?

またはそのひとの作業に不足を感じてしまったら?

それらを一緒に乗り越える勇気と気力がわたしにあるのかしら。

信頼関係を築く努力を怠らずに続けられるでしょうか。

 

今はまだ自信がありません。

怖い、の方が近いかもしれません。

両天秤にかけて想像してみても、それは想像だけ。

それならひとり、しょせん小さな範囲でガサゴソと

穴倉にこもっているのがわたしにはお似合い。

いまのところ、そんな風に思っています。

遠からず変えられる日が来ると良いのですが。

・・・いや、このままの方が良いのかな。

 

同志――志を同じくする人が側にいてくれたら。

むむむ。