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吉田博展 8月28日

 

23日の夕方、Tokyo Conservation の仕事のあとに

新宿で開催中の「吉田博展」を観に行きました。

毎度のことながら会期末ギリギリ、この日は閉館もギリギリの時間。

ですが会場は老若男女(若い人も沢山)で中々の混雑でした。

 

吉田博は版画家として有名なのでしょうか。

わたしにとって吉田博作品は油彩画にとても馴染みがあります。

Tokyo Conservation では数年前に吉田博をはじめ

妻のふじを、そしてご家族の方々の作品を修復させて頂きました。

その時に間近に観て触れた博の作品は、それはそれは

見惚れるように色が美しいのが印象的でした。

山や雲を描くピンク、水色、緑、紫の色はそのまま

戦争画にも使われていて、厳しい画題と画面なのに

その色使いを見ると吉田博は戦争中も冷静に自分を失わず

描く努力をしていたのだ・・・と感じるのでした。

 

今回久しぶりに再会した吉田博の作品は、修復の場で

見ていた時とは違い、白い壁でライトアップされていて

「よそいき」の顔をしていましたが、やはり清々しい美しさでした。

ガラスが無い額縁に納められている作品もあって

筆跡がダイレクトに感じられる反面、やはり汚れやすいからか

画面全体がうっすらと灰色がかっていたりして、

繊細な色使いが陰に隠れていたのがすこし残念でした。

 

それはさておき、やはり吉田博の作品に触れられるのは

幸せな、そして深呼吸したような気持ちにさせてもらえました。

展覧会は昨日終わってしまいましたけれど、大変盛況でしたので

また近々きっと展覧会が開催されることでしょう。

その日を楽しみにしたいと思います。