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完成度をあげるために 10月22日

 

先日、とある方に

「金箔がきれいに仕上がらない、

どうしたら上手にできるようになるか

なにかアドバイスをしてほしい」

とのご相談を受けました。

その時はうまく答えられず、

ここ数日考えてみました。

 

効率的な作業のコツなどもあるけれど、

それは些細なこと。

結局のところ、心の持ち方

我慢する

あきらめない

「まぁいいか」の2歩先へ

なのではないかと思います。

自分との闘い、とも言えるでしょうか。

 

古典技法額縁の制作でいえば、当然ながら

木地作りから完成の美しさを左右します。

余計な段差はないか、接着剤は適量か、

隙間は埋めたか、ざらつきは取り除いたか。

ニカワ液は煮詰まっていないか、石膏液は適温か。

石膏を磨くときも磨き残しはないか、

木地が露出していないか、厚さは均一か。

金箔の小さな穴は丁寧に繕ったか。

基本的なことばかりですけれど

ひとつひとつが次の作業に影響し、

金箔の仕上がりを左右します。

 

「箔置きだけ」上手にすれば

美しく仕上がるわけではなく、

すべての作業が繋がっているのです。

 

ちょっとアレだけど、まぁいいか。

疲れちゃったから、もういいや。

と思ったことはわたしもあります。

いや、いまだに思うこと度々ですけれど。

ここを我慢してさらにトライするのです。

 

「まぁいいか」のつぎの1歩は「良く出来た」

そしてあともう1歩「これが今できる最上」まで

あきらめずに作業を積み重ねたとき、

完成した額縁は、きっと今までとは

ちがうものになっているはずです。

そして、それを繰り返して

額縁を作り続けていくことで

向上するのではないでしょうか。

 

と、考えています。

おこがましいですね。

ありきたりの内容になってしまいましたし

「言うは易し」なのも承知です。

わたしももっと上手く作りたいと模索中ですから

上に書いたことを実践する努力をします。

 

どうしたら完成度をあげられるか、というのは

もの作りの永遠のテーマのひとつ。

技術の修練と、心の修練と。

がんばりたい。

がんばります。