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祭壇型額縁を作る4 麻布貼りと下ニカワ塗り 12月03日

 

彫刻作業を終え、完成した装飾竿の

egg&dart も本体に取り付けました。

今日はボローニャ石膏を塗る

準備をいたします。

木地に「下ニカワ」といって目止めの

兎ニカワを塗りますが

今回は並行して亀裂防止の麻布も貼ります。

 

この祭壇型額縁の木地は、横から見ると

何層も木材を重ねて土台、柱、装飾を作ってあります。


このまま石膏を塗るとおそらく

木材の境目に亀裂が入ることでしょう。

それを少しでも少なくするために

石膏の前に粗い麻布を兎ニカワで貼ります。

木材が湿度で動いても、石膏に出る影響が

最小限になるように。

たった一枚の麻布、でも威力は絶大です。

 

この麻布ですが、織り目に沿って

切ることが大切です。

貼り込むときも、できるだけ目を整えて。

「なんたる面倒!」ではありますが

そうすることによって麻布の力は

最大限に発揮されるのだそうです。

今回のような下地につかう麻布も

絵画修復で補強に足す麻布も

かならず織り目に沿って切る。

先人の教えに忠実に行きます。