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もしも我が家にあったなら 11月08日

 

展覧会などで素敵な作品を見たとき

ああ、これがわたしのものだったらどんなに幸せだろう、

朝から晩まで手に取ってじっと見たい

なんて勝手なことを想像しています。

 

先日のニュースで、フランスのお宅のキッチンで

チマブーエのテンペラ画が発見されたと聞きました。

わたしが想像した生活を送った人が現実にいたのです。

専門家が見に来るまで、そのお宅では大切に

でも「普通に」毎日チマブーエの作品を眺めて、

なんならチマブーエの作品の前で料理をし食事をし、

絵は油やら煙やらにさらされていたわけです。

 

でももう、この絵は今後二度と一般家庭に置かれることはなく

管理された空間でこれからの長きにわたる時間を

過ごすことが決まりました。

極端な変化だけど、こんなことも現実にあるのですね。

 

このチマブーエの絵にもし心があったら(ありえないけれど)

もしかしたらこのままキッチンで、毎日親しみを持って

愛でられながらの生活を望んでいたかもしれない

などと妄想してしまう。

けれど作品はその価値を認められ、保存修復され、

安全な場所で管理されつつ多くの人に見てもらうのが

誰にとっても良いということなのでしょう。

 

 

「実際に自分の手元にあったら」は想像して

楽しむだけのほうが良さそうです。

泥棒も怖いですしね。