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額縁の作り方 34 金の繕いには 5月31日

 

久しぶりに「額縁の作り方」の

本当に額縁です。

小箱ではなく・・・。

 

さて、古典技法による額縁の

最大の特徴は箔の水押しと言えるでしょう。

日本の伝統的な方法

漆やニカワを糊にして貼り付けるのに対して

ヨーロッパの古典技法では

石膏下地にボーロと呼ばれる

箔の下地材を塗り、その上に

水を塗って箔を押し付ける。

そしてメノウ石で磨き圧着させる

(ものすごく簡単な説明ですが。)

と言うような手順です。

 

凹凸のある彫刻などに

古典技法で箔を貼るのは

どうしても箔に亀裂ができて

破れた部分の「つくろい作業」が

必要になります。避けて通れません。

 

ある程度の繕いは、小さく切った箔を

細い筆を使って穴埋めするのですが、

細かく沢山で「どうにもこうにも」な場合は

金泥を使います。

 

わたしは京都の堀金箔紛さんで買った

「純金泥鉄鉢入」を使っています。

筆もこの金泥専用の面相筆を準備します。

この金泥を使う方法は、わたしはずっと以前に

鎌倉にある「井上箔山堂」の井上さんより

教えていただきました。

なにより素晴らしいのは

この金泥はボーロの上に塗って乾けば

メノウ磨きができるということ。

ただ、平らな面や目立つ場所では

やはり見分けがついてしまうので要注意。

凹凸の凹の影、点のように小さい部分

などには大変おススメです。