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額縁の作り方 19 ジョットの弟子になった気分で 5月25日

 

こうして「額縁の作り方」なんて言って

おこがましくガサガサ書いておりますけれど

興味を持ってくださっている方は

いらっしゃるのでしょうか。

・・・めげずにつづけます。

何せ diario 「日記」ですからね!

開き直り気味です。

 

さて、凹凸に金箔を置いて繕いもして

磨き終えました。

はみ出した金箔はコットンや柔らかい筆で

払い取りましたが、取りきれませんでした。

次は色を塗る作業がつづきます。

下の写真、白い部分です。

 

ここでまた例の疑問が再燃してきます。

ボーロや箔を色で塗りつぶしても良いか。

ですが今回は「良し」とします。

先日の講演で福永先生の調査によると、

ジョットの黄金背景テンペラ画では

金箔は大胆に貼り、はみ出した部分、

聖母子の顔など大切な部分であっても

テンペラ絵の具で塗りつぶしている。

チマチマと削り取ったりしていない。

それでも500年以上絵具層は保たれている!

(もちろん保存修復されたうえで。)

 

わたしの基本姿勢は、やはり今まで通りに

必要な部分にだけボーロを塗るけれど、

箔がはみ出したら乾拭きで取り除く程度にして

少々残ってしまった箔は塗りつぶしでOK

そんなところでしょうか。

 

結局ボーロ塗り分けの手間は省けないけれど、

この「箔を塗りつぶすか問題」は

わたしの長年の疑問でしたので

気持ちがすっきりしました。

 

そんな訳で、わたしもジョットを見習って

今回は塗りつぶし作戦に出るつもりです。

次回、まずは下色を塗ります。