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Firenze2020-19 5月27日

 

念願のモスカルディ訪問

そのつづきです。

 

地図を確認しつつでしたが

わたしひとりではちょっと

たどり着けない・・・というか

薄暗い路地で入る勇気がない

というような雰囲気の場所に

突如モスカルディらしい

赤いショーウィンドウがありました。

 

中は倉庫のように広く雑然として

お店と言うより、まさに工房でした。

アルノ川沿いにあったエレガントな

お店の雰囲気とは様変わりしていて

一抹の不安。

ここがあのモスカルディ・・・??

 

だけど雑然とした部屋には

目が爛々とするような額縁の数々。

「ああ、これ、これが見たかったの!」

と叫びたくなるような額縁でした。

どの額縁も、古くても50~60年前のもの。

うう~、あるところにはあるのだ。

これがフィレンツェなんだなぁ・・・

と感慨深くなっていたら

奥の段ボール箱を抱えてきた

モスカルディさん(ご当主40代くらい)。

箱の中には無造作にこんな宝物が!

彫刻された額縁木地です。

ご覧ください、この繊細な仕事を。

▲どれも30~40センチほど。かわいいにも程がある。

 

モスカルディさんいわく

「60年前くらいのサンプルだね。

今はもうこんな職人はいないから・・・」とのこと。

 

着色もされていない木地からは

彫った職人の息遣いや視線のリアルさと、

だけどその職人はもうこの世にいないという

寂しさと不安が感じられるのでした。