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めぐり逢う朝 8月26日

 

こちらの「diario」では わたしの印象に残った本なども

ご紹介していますが 今日は映画のお話を。

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「めぐり逢う朝」という作品をご存知でしょうか。

1991年フランス製作で 主演はジェラール・ドパルデューと

ギョーム・ドパルデュー親子 他3人という

登場人物も少なく 静かに深く進んでいく内容です。

「17世紀の音楽家マラン・マレと、その師サント・コロンブの

葛藤と愛を描いた人間ドラマ。全篇に二人の代表曲が流れ

また撮影は、当時と同じ光源を使って行われた。」(紹介文より)

1993年の日本での公開当時 学生だったわたしは

師と弟子の葛藤や 死者への想いなどということより

師の娘と弟子の恋に焦点をあてて観た記憶がありますが

それから20年近く経ち 改めてこの作品を観てみると

人生の終りに差し掛かったそれぞれの時期に 何を思うのか

どうのように自分の生を終えたいか というようなことを

わたしなりに理解し考える年齢になったのだ と思います。

生死 芸術と世俗に対する考えなど

観る年齢によって 感想が大きく変わる内容と言えるでしょうか。

「言葉で語れぬことを語るのが音楽であり 死者への贈り物である」

というセリフは師であるサント・コロンブが弟子に残した言葉です。

17世紀フランスに実在した作曲家・演奏家2人の音楽と

バロック時代を再現したような光と影

印象に深く残り 何度も観たい映画のひとつです。

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データ : 映画「めぐり遭う朝」

      原作・脚本 パスカル・キニャール

      監督     アラン・コルノー

      撮影     イヴ・アンジェロ

      音楽     ジョルディ・サヴァール

      出演      ジャン・ピエール・マリエル  (Sainte Colombe)

              ジェラール・ドパルデュー  (Marin Marais)

              アンヌ・ブロシェ  (Madeleine)

              ギョーム・ドパルデュー  (Marin Marais Jeune)

              カロリーヌ・シホール  (Madame De Sainte Colombe)