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ひとりきりで ふたたび 12月02日

 

わたしが敬愛する画僧フラ・アンジェリコの描いた

「聖母戴冠」からの部分模写をしました。

アンジェリコとほぼ同時代の画僧 フィリッポ・リッピの描いた

「聖母戴冠」からの部分模写を先日ご覧頂きましたが

同じ「聖母戴冠」をテーマにした作品 制作年代は

およそ10年だけの違い(アンジェリコが10年ほど早い)

そして制作した場所も おそらく両方ともフィレンツェ

(アンジェリコの「聖母戴冠」はフィレンツェ郊外の町

フィエーゾレにある教会の為に制作されました)

という共通点がいくつもあります。

 

もちろん違う画家が描いたのですから

色使いや描写の仕方が違うのは当然としても

ほぼ同時代の同じテンペラ画なのに

この2点の作品はずいぶんと違う雰囲気なので

比べてみるのも楽しいものです。

528px-Fra_Angelico_078[1]

L’incoronazione della Vergine, 1434~1435 Fra angelico (Beato Angelico)

Musée du Louvre,Paris (画像はwikipedia より)

 

795px-Fra_Filippo_Lippi_007[1]

L’incoronazione della Vergine,1441~147  Fra Filippo Lippi

Galleria degli Uffizi,Firenze(画像はwikipedia より)

 

どちらも壇上でマリア様が冠を授けてられており

周りを賑やかに天使が囲んでいます。

下段には聖人に交じって 当時の聖職者や寄進者が

描かれているのも同じ。

でもアンジェリコの背景が天国の空を思わせる青なのに対して

リッピの背景は不思議な青の縞模様。

手前にはこちらを見据えるような眼差しの人物が数人います。

 

この違いは単純に リッピとアンジェリコの性格の違い?

方やアンジェリコはドメニコ会 リッピはカルミネ会と

宗派も違いますから テーマの解釈にも違いがあるかもしれないし

不勉強なわたしは制作や時代背景 宗派の違いによる変化等

詳しく分かりませんが・・・

アンジェリコは明るく透明

リッピは華やかでドラマチック

なんだか2人の人物像が想像できるような気がします。

 

フラ・アンジェリコの「聖母戴冠」から模写したのは

右下の羊を抱く聖アグネスです。

原作では 隣の車輪を持つ聖カタリナとなにやら楽しそうに

話していますが 模写はまたまたひとりきりで。

今回は額縁をすこしオリジナルを意識した雰囲気にしてみました。

IMG_0689

 

 

「第19回 小さい小さい絵展」が 今年も開催されます。

こちらのフラ・アンジェリコから「聖アグネス」と

先日ご覧いただいたフィリッポ・リッピから緑の衣裳の貴婦人像

2点の模写 その他合計7点を出品した展示即売会です。

お近くにおいでの際は ぜひお立ち寄りください。

12月12日(木)~12月25日(水)

池袋 東武百貨店6F1番地 美術画廊内 絵画サロン

http://www.tobu-dept.jp/index.html