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山下りん 日本のイコンと日本の額縁 3月12日

 

3月8日放送のNHK番組「日曜美術館」は

日本最初のイコン画家山下りんを取り上げていました。

その番組の中で 御茶ノ水のニコライ堂

(正式名は東京復活大聖堂)も登場しました。

ちょうど先日 このニコライ堂を見学したばかりで

またキリスト教美術についての内容でしたので

とても興味深く観ました。

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山下りんはロシア留学から帰国後 このニコライ堂で生活し

アトリエも与えられイコンを描いていたそうです。

先日見学に行った際に購入した小冊子には

りんが描いたイコンを額装してロシア皇太子ニコライに献上したことが

写真とともに掲載されています。

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日本語の文字も描かれているからでしょうか

またイエス様や天使の顔だちもヨーロッパ的ではなくて

イコンと言えどもビザンチン様式の物よりずっと身近に感じます。

そしてこの額縁。

菊や百合 水仙などのとても日本的な図案です。

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この額縁について少し検索してみたのですが

漆による金蒔絵の装飾が施されているそうです。

 

このイコンが描かれ献上されたのは明治24年(1891年)とか。

日本における額縁制作の始まりは明治半ばとされていますから

この額縁は日本で作られた額縁の極々初期のものです。

額縁というよりも「大切な絵を囲む平たい箱」というような認識で

蒔絵職人が作ったもの・・・なのではないでしょうか。

山下りんはロシアで額縁を沢山見ているはずですし

この蒔絵額縁についてアドバイスをしたかもしれません。

 

NHK「日曜美術館」

-祈りのまなざし イコン画家・山下りんと東北-

3月15日の夜に再放送があります。

 

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「日本正教会の歴史 1」

著者 司祭パウエル及川信

日本ハリストス正教会教団 西日本主教教区宗務局

2008年8月28日 初版発行