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鎌倉へ  そうして変わりゆく 1月08日

 

毎年晦日に鎌倉へ行くようになってもう何年になるか・・・

我が家の恒例行事 鎌倉八幡様へのお参りに2014年も行きました。

 

由比ヶ浜に車を停めて降りた浜は 強い風が吹いていて

遠くに見えるウィンドサーフィンの帆(?)もずいぶん傾いています。

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トンビは羽ばたきもせず 空で海に向かっていました。

うらやましいくらいに気持ちがよさそう。

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浜を後にして 八幡様を目指して歩きます。

浜辺から八幡様の境内まで およそ2kmでしょうか。

小町通りの入り口は昨年以上の混雑で すれ違うのもままなりません。

観光客の楽しそうな声 人力車の呼び声 お店の呼び声 賑やかです。

縫うように歩いてたどり着いた八幡様で 2014年無事のお礼と2015年無事をお願いします。

 

ご神木の大イチョウが倒れてしまったのは2010年の春でしたが

それからもうすぐ5年になります。

どうやらヒコバエ復活は残念な結果だった様子で

小さな苗木に植え替えられていました。

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この苗木もおそらく大イチョウから育ったもののはず

どうか元気に根付くようにと祈る気持ちです。

「がんばれ」の願いとエールは沢山の人々からも送られていました。

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それにしても小町通りの賑わいは年々増しているように感じます。

食べ歩きのお団子やお饅頭 クレープのお店には行列ができ

無国籍な雑貨やチェーンの飲食店が増えて 人が溢れるようです。

どこかで見たことのある よくある観光地と同じ雰囲気。

一方で古い商店-鎌倉彫や骨董の店 あるいは履物屋や床屋-は閑散とし

文豪が訪れていた喫茶店「門」も わたしが毎年楽しみにして

必ず立ち寄っていた古書店「木犀堂」も相次いで閉店しました。

若宮大路に出ていたお正月飾りの屋台はいつの間にか見なくなり

古い材木問屋も今は無くなり更地になっていました。

 

わたしが知っている鎌倉から猛スピードで変わりゆく様子は

まるで追い出されるようで寂しく感じます。

でも ふと隣を歩く家族連れの小さな女の子の笑顔を見て

この子にとっての「幸せな思い出の鎌倉」は今日の姿なのだ

この子の笑顔は昔のわたしの笑顔なのだと気づき

こうして変わりゆくのが ずっと繰り返されてきた当然なのだ

古い大イチョウは倒れてしまったけれど

若い苗木が代わりに同じ場所で成長していくのだ・・・と

心がすこし楽になりました。

2015年の晦日に鎌倉を再訪したとき 今日の気持ちと女の子の笑顔を

また思い出すのでしょう。

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