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教えはいまも 1月26日

 

銀の箔押し(箔貼り)作業をしていて思い出すのは

フィレンツェの Palazzo Spinelli 美術修復学校で

3年目にあった箔の授業の先生です。

当時50歳前後の女性の先生でしたが すでに名前も忘れてしまいました。

2年目のころ 3年目の友人たちから「あの先生は厳しくて怖い」と

ちらほら噂を聞いており いざ3年になって受講したら本当なのでした。

 

20人弱いる生徒たちがおのおの作業をしているのですが

広い教室のどこからか鋭い目が光って「そこ!ナイフの研ぎが足りない!」とか

「ニカワが多すぎでしょ!」と大きな声が飛んできます。

本当にどこから見ていらしたのかと思うほど 的確な指導。

そのかわり 上手く仕上げる事ができた時はとてもほめて下さる先生でした。

当時はその緊張感あふれる授業が面白くもあり怖くもあり・・・。

 

先生にいつも言われていたこと

“銀箔を貼る時に塗るニカワ液は少なめに!”

“ボーロを塗ったら素手で触らないこと!”

などなどは今も気を付けつつ そしてその意味を実感しつつ作業しています。

「仰げば尊し」の歌詞ではありませんけれど

いままで沢山の先生方のお世話になり いまのわたしになりました。

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